No.193 N.ラコビー〜アフリカの水景(02イラコン)
2002.3
リキテックス、Photoshop 3.0J
プロジェクトX・挑戦者アートシアター〜コンテストにこだわらないのが、こだわりの男だった。(語り、田口トモロヲ風)
 2001年、シゲマツは誓った。「描けたら描こう」などと考えていたら描けないことは分かっていた。シゲマツは自分を追い込んだ。気がつくと年賀状に「今年は絶対描く」と描いていた。すぐにアイデアを思いついた。有言実行がモットーだった。

 “プロジェクトX”♪風の中の昂〜素晴しいアイデア・カメがやってきた ♪砂の中の銀河〜にごった水・魚が見えない ♪おしえてよ〜資料がない…スロースターター…バブル崩壊(ウソ)♪地上の星を〜

 ずっと前から描けないアイデアがあった。ノソブランキウスの世界、野生の状態の資料がなかった。切り口も見つからなかった。BBCのVTRに1シーンあった・・・やらせだった。アフリカの映像を探した。スイギュウが泥の中で死んでいた。乾期の映像だった。無数のナマズが泥の中にいた。 水場があった。サバクバトが水を飲んでいた。ゆっくり近づいた石が鳥を食べた。カメだった。
 頭の中で形になった。ヨコクビガメを調べた。大きかった。遠距離を移動するカメだった。ありえる世界だった。

 2001年の正月、すでにラフスケッチが描けていた。いつでも仕上げられるはずだった。スロースターターだった。描けなかった、あせった。2001年中に描きたいと思っていた。
 年末やっと描きだした。CGでは手間がかかりすぎる内容だった。アナログで描くことにした。リキテックッスはひさしぶりだった・・・カメを描いた。思いのほか良く描けた。ノソブランキウスにかかった。数が多すぎた・・・ウンザリした。問題がおきた、メスの資料が少なかった。内陸部の種類でなければならなかった。ラコビーしか選択肢がなかった。
 スキャナーで取り込み、Photoshopで合成した。年が明けていた。大きくプリントするつもりだった。データが重かった。時間がかかった。休日返上になった。
 巨大なカメが歩いていた。水がにごった。にごった水の向こうに赤い魚がいた。光った部分もあった。見え方は研究済みだった。いつかやろうと思っていた。 土の色は最後まで迷った。赤土色に落ち着いた。

 いがいな事がおこった。去年なかったイラストコンテストの告知があった。時期はずれだった。これ以外間に合う作品がなかった。運が良かった。もっと早く描けていたら、すでに送っていたところだった。完成に向け力が入った。

 ♪行く先を照らすのは〜間に合った。額縁に入れた。良い出来だと思った。 ♪あどけない夢〜8月号が出た。載っていた、グランプリだった。うれしかった。一番良い賞は初めてだった。 コンテスト用に考えないのがこだわりだった。22年目に入っていた。
 ♪ヘッドライト〜テールライト〜今日描いた下描きが何年後に仕上がるかわからない。明日仕上がる絵が何年前に考えたものかわからない。20年前に考えた絵がまだ描けてない。それでも描きつづけていた。かなりしつこかった。 ♪旅はまだ終わらない〜それがアートシアターシゲマツだった。 (プロジェクトX風、いつかやってみたかった・・・)



長過ぎてボツになったのでこの場をかりて(借りてないけど)発表いたしました。