小道具の墓場

僕には作・演出・役者の他にもう一つこだわった仕事があります。それは『小道具』!
舞台においては、ことさら小劇場会においては、かなりマニアックかつマイナーな役所ですが、どうしてどうして。
これほどまでに素晴らしい舞台効果はありません。僕の小道具のコンセプトは

1、使ってて楽しい(役者の立場から)

2、見て楽しい(客の立場から)

3、作ってて楽しい(創作者の立場から)


の3つを目指していて、僕の作る芝居にはかかせません。
たいてい僕が自分で作る事が多いのですが、悲しい事が一つ。
それは『小道具』は「その芝居が終わると使い道が薄い」と言う事です。
「銃」や「剣」などはまだしも、「腰の丈程もある巨大なバナナ」なんて道具は別の芝居では使い道がありません。
そんな個性豊かな小道具達の行き着く先は…
ああっ!悲しき僕の「小道具」達!
そこでそんなもう登場しそうにない小道具達の墓場とも言うべき写真館を作りました。

ファンネル

ファンネル

作品No.001  ファンネル

誕生日  1998年 8月

これは僕の小道具人生において、記念すべき処女作です。
その名も「ファンネル」(笑)!
まさに、もう使われる事のない埋葬されるべき小道具(笑)!
これは、僕が演劇を初めて一年目の年にやった芝居で登場しました。ラストのええシーンで僕が肩に装着して使いました。そうです。実際には結構な大きさなんです。
だから場所もとる!やはり埋葬される運命か(笑)?
ええと、どのように使ったかと言うと、芝居の最後の方で背景の一部で僕が座ってるんですが、一応「ニュー安土城」という設定の役なんです。

ニュー、ニュー、ニュー…!

おわかりですね。

だからファンネルを!

つけたんです、台本にも無いのに勝手に!

作ったんですファンネル!


段ボールに白塗で「ふぁんねる」と書かれています。なんてトリッキーな処女作! これぞまさに僕の原点!
一応過去に、身内用に作ったイベント芝居で復活しました(笑)。 次の登場はいつだ?

カプセル

カプセル

作品No.002  カプセル

誕生日  2001年 12月

登場作品  カプセル ファイブ

これは、特攻舞台Baku-団で登場しました。
タイトルの通り、カプセルです。
この作品の特徴は、芝居の内容、舞台美術等との連携が強い所です。あらゆる物がカプセルという装置に集約していきました。
しかも、このカプセルはふたをとると「水筒」になってて給水できると言う優れもの。
しかし、役者陣からはカプセルが「ゴム臭い」とか「セメダイン臭い」などとクレームが!
やはり埋葬されるのか(笑)?
これはデザイン的にも、使用用途にしても、概念的にも、僕の小道具人生に新しいモノを生み出したと思っています。

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バナナ

バナナ

作品No.003  バナナ

誕生日  2001年4月

登場作品  Baku-桃太郎

でました! 巨大バナナです。
どのくらいデカイかと言うと、隣に僕の携帯電話を置いてみました。

でかっ!

ああ、カラーで見せられないのが口押しや!
美しい黄色に、蔕(へた)の部分は緑に配色されているのです。
段ボールのハリボテに合成の皮を薄く張り、良く見ると黒光りしています。
実際にはお爺さんとお婆さんの「夜の営み」の合図として用いられました。

「お爺さん、今夜は、、、」
「バナナ! オーケーのサイン!」
(水本 剛著 「Baku-桃太郎」より引用)

下ネタです。
最低です。
一度お寺に行って邪を払ってもらいます。
限り無く出てこなくても舞台の成立する小道具でした。
再利用のメドは未だ立たず、その巨大さゆえに置き場所にも困る。
さよなら、バナナ。
メラゾーマ! おっ! 焼きバナナ。

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各種テロップ類

テロップ

作品No.004  各種テロップ類

誕生日  2001年4月

登場作品  Baku-桃太郎

はいはい!
テロップですよ!
Baku-桃太郎という作品自体が、メディアの流れやスピードを表現する舞台だったので、
各種瓦版や、テレビ的なテロップ等を出しまくりました。
単にセリフの反復なのですが、「テロップ」にすれば「面白く無い事」も「面白くなる」
という、最近のテレビ事情にのっとり、特にネタシーンで遣いまくりました。
実際に面白く無いシーンでも、「さあ笑いなさい!」と言わんばかり。
卑怯です。
一度、教会に行って清めてもらいます。
作り方は、段ボールにパソコンで出力したフォントを張り付けただけです。
でも、以外と時間がかかりました。

ちなみにBaku-桃太郎は小道具数No1!
本番前の1週間はほとんど徹夜でしたね。
その反動か、次のCAPSULE Vは小道具がほとんど無くなりました。
このテロップ達もさようなら、かな。
島流し!

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刀

作品No.005  刀

誕生日  2000年11月

登場作品  罪と罰(万絵巻)

 これは刀です。 さやは竹で作りました。
実際に切りあうシーンがほとんどない為、見せ掛けだけの刀を作りました。
鍔は木を削り、柄はのこぎりのもち手の部分を流用し、刃の部分は鉄芯にクッション代わりのウレタン材をまいて、上から皮をはるという 徹底っぷり。
ちゃんと、抜けるんですよ。

刀 それでも強度にかけ、使う度におれたり、まがったりしました。
とにかく苦労しました。
安全性を考えて、木で刀を作りたく無かったんですね。 とにかく大変でした。
苦労に苦労を重ねて出来上がりました。
何度も何度も作り直しましたね。
何が辛いって、全部で10本近く作った事です。
しかも、かなり低予算で。
その反動でBaku-桃太郎では模造刀を谷屋のポケッツマネーで購入してもらいました。
刀は買いましょう。
この刀も棄てないとね。
ごめんね、竹たち。切り過ぎた。

他のモノも現在鋭意製作中!もう少しお待ち下さい。


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