八経ヶ岳

紅葉の残る弥山川コース 弥山ダムらしい地点
こんな感じの道が多数存在 巨岩が存在している地点
一の滝(らしい)と吊橋 梯子の連続
双門滝 雪景色の稲村ヶ岳(?)
熊渡〜弥山川方向の景色 三鈷滝(?)
河原小屋 ツララが出来るほどのこの冬一番の寒さ
弥山川コース最上部 狼平避難小屋
八経ヶ岳方面 弥山山頂・川合方面分岐
弥山山頂 弥山小屋
八経ヶ岳山頂1914.9m 東(大台ケ原)方面の景色
頂仙岳1717.4m 弥山からの下り
弁天の森1600.1m 行者還トンネル

2006年11月13日月曜日

熊渡6:00-8:53双門滝-11:47狼平12:00-13:29八経ヶ岳山頂-16:03行者還トンネル-18:15熊渡

会社を辞めて面接に行った。結果がすぐに出なく、家にいても暇なので出かけることにした。

秋に関西最高峰の大峰山に行こうとかねてから思っていた。登山道は一番楽な行者還トンネルからだとつまらなそうなので弥山川を遡上するルートで計画を立てた。このルートは渡渉などありやや難路である。

公共交通機関で1泊2日で行くことも考えたが乗り換えが大変なので車で行くことにした。装備は寝袋持参の避難小屋泊も考えたが、難所越えでは荷物をなるべく軽量化したほうが楽なので持っていかないことにした。

日曜日の夕方出発。渋滞にはまる。ナビのデータは2001年なので無い道路がたくさん存在した。三重の亀山付近から一般道を延々と走らなければならない。しかし名阪国道というほぼ高速と同じような道路が存在していた。

コンビニに寄り食料など調達して国道309号を走る。くねくねした道が存在するがトンネル部分はまっすぐで距離が長く飛ばして走れた。

登山口の熊渡に4時半に着いた。6時位に明るくなるのでそれまで仮眠した。ラジオでは遭難者を捜索する消防団員が至近距離で熊に遭遇したと言う話をしていた。

明るくなり始めた6時、出発。天気はまずまずであるが少々寒い。林道はゲートで先に進めなくなっている。車で先までいけたら楽だったのだが。薄暗い道の前方に小熊のような物体が動いていた。非常に焦った。この辺りは熊が出るかは判らないが周辺の山では目撃情報などあるらしいのだ。しかし動く物体は熊ではなく猿だった。熊であれば1匹であると思うが数匹群れを成していたのだ。

沢に下る道との分岐がありその道を下ると河原に出る。朝靄で周囲の山々は独特の雰囲気を醸し出している。紅葉もこの辺りはまだ残っていて綺麗だ。この付近の沢は情報どおり水の流れは存在しない。瓦礫が堆積していてその下を流れているらしい。

歩き始めて1時間程でようやく水の流れのある地点に着いた。そこは釜のようになっていて先は小さい滝のように岩壁になっている。ここは左を迂回する道を進む。暫く進んだ所に弥山ダムらしき人工物がある。ここまではさほど危険な箇所は無いが木や鉄で出来た橋がかなり老朽化していたりする。

巨岩が点在する河原に下り渡渉が始まる。さっさと通過しようと濡れた岩に足を乗せたら滑って右足を水中に入れてしまう。替わりの靴下があるので交換した。

一の滝らしき滝があり、吊橋を渡ると梯子の連続である。この付近の吊橋や梯子は下流に存在する梯子などよりかなり新しかった。

山の高い所を見ると白くなっている。昨日雪が降ったようだ。

双門滝までは想定以上の時間がかかった。梯子を含むのぼりがかなり存在していたのである。やがて双門滝が現れた。滝はかなりの落差で50m以上ありそうだ。しかも滝の右側にかけて絶壁である。

この先からは昨日降った雪が残る道を歩くようになる。振り返った山の上部も雪景色になっている。道は登りだけでなく下る道も存在した。これがかなりきついのだ。登下降を繰り返し再び河原に降り立つ。

心配した雪は歩くのに問題は無く、渡渉も水量が多くないので助かった。先月の連休時は大雨で増水しこのルートを使用した人達は大変だったようだ。

河原小屋付近は右岸が潅木帯の平地に建っている。中を覗くと毛布など置いてあった。建物もまずまずで寒くなければ泊まっても良い所だ。

渡渉を何回か繰り返し遡上コースの最終地点に来る。鎖のように岩に垂れ下がった梯子を登るのだ。素手で触るとかなり冷たくここは軍手を着用した。この付近は雪もあることながら岩場が険しいので慎重に通過する。

そこを通過したら鉄柱が岩壁に真横に刺さっている箇所がある。落下すると5m下に川がある。ちょうど良い高さに鎖があり手を手繰り寄せながら通過。暫く山腹に迂回するルートを進み核心部は終わる。

吊橋を渡り狼平に着いたが、地図のコースタイムより10分ほどしか短縮出来なかった。ここから山頂に向かい明星ヶ岳経由で高崎横手〜熊渡に下ろうと思ったが日没になりそうだ。点線で描かれているルートは踏跡もしっかりしていないかもしれないので暗くなったら危ないかもしれない(もっともここに来るまで危ない所を通ってきたのだが)。

少し考える。このまま頂上を踏まずに熊渡に向かおうと思ったが、せっかくだから頂上に向かうことにした。

雪の積もった登山道を歩く。積雪量はそれほどでもなく問題無い。ただ、木の上から落ちてくる雪片が頭に落ちてくるので傘を差しながら歩いた。

右手に八経ヶ岳が見える。ここから見ると尾根は横に向かって伸びていて明星ヶ岳と思われるピークから高崎横手に向かう尾根が存在するのがわかる。この道は私の地図には無く、小屋にある案内板でコースタイムが書かれてあり、狼平-弥山-八経ヶ岳-明星ヶ岳-高崎横手の合計タイムはちょうど3時間となる。

弥山の小屋が見えた。その少し手前に弥山山頂に向かう道がありそこを登る。天河大弁財天社奥の院の建物がある。ベンチがありここで小休止。食料取り出して食べた。

弥山小屋に戻る。ここで老夫婦2人に遇う。ビニールのシートを敷いて休憩していた。狼平まで他の人の足跡は無かったがそこからこの小屋までは1人の足跡があり、八経ヶ岳までの道は多くの人が歩いた跡があった。

弥山から一旦下る。オオヤマレンゲと言う貴重な植物を鹿の食害から守るフェンスを何回か通る。やがて関西最高峰の八経ヶ岳に着く。頂上は初老の男性が存在した。

頂上からの景色は雄大で東方向は以前登ったことのある大台ケ原らしき山が見える。雪の積もった山はこの付近の山だけのようだ。まあ、それだけこの付近の山は高いと言うこともある。

弥山に戻りそこから行者還トンネル方向に下る。このルートだと明るいうちに車道に出ることが出来るのだ。

急斜面に木で出来た立派な階段を下る。雪のため滑りやすくなっている。下りきるとなだらかな道が暫く続く。理源大師像なるものがある。弁天の森は小高くなっていて三角点があり、そこから20分ほど歩くと分岐がある。

分岐を左に進む。急斜面を下る。標準で30分ほどで車道に出るはずだったが、足がかなり疲労していることもあり相当時間がかかった。もともと下りは苦手なのもある。

行者還トンネル前に出た。ここから車道を歩く。2時間ちょっとで車を停めた熊渡に着いた。途中から辺りは暗くなり獣の騒ぐ不気味な道を歩くようになった。

洞川温泉の日帰り入浴施設に立ち寄ってから帰る。名阪国道は集中工事なので渋滞が発生していたので松坂方面に抜ける道を使う。車がほとんど行き交わさない寂しい国道だった。ガソリンスタンドで給油したかったが勢和多気IC付近まで営業している所は無かった。

途中PAでたびたび休息入れながら自宅のある千葉に戻った。