平ヶ岳

山頂まで11.3キロ地点 日の出(午前5時7分)
台倉尾根 ちんちんの形をした岩
姫の池と平ヶ岳 残雪
ワタスゲ 玉子石
平ヶ岳山頂(2141m) 標高2100mの草原のような湿原

2003年7月20日日曜日

平ヶ岳登山口4:00-下台倉山6:41-台倉山7:31-白沢清水8:23-池ノ岳(姫池)9:35-9:58玉子石10:01-10:48平ヶ岳山頂11:35-池ノ岳(姫池)12:00-白沢清水13:07-台倉山14:11-17:18平ヶ岳登山口-23:30成東自宅

交通費 小出-大泉 5300円 大泉-美女木(外環自動車道) 500円 首都高速 700円 湾岸市川-東金 1100円 計7600円 ガソリン代 平ヶ岳登山口-成東自宅360キロ 10キロ60円換算 2160円 合計9760円

尾瀬御池からの道はかなり狭い。夜中なので対向車はいない。人里離れた道を上りきると、カーブの連続の下りを走り、やがて尾瀬湿原から流れでている只見川の渓流沿いに出る。

只見川を渡ると新潟県である。数分で、車が道路の両端に停まっているところがある。平ヶ岳登山口にある駐車スペースである。

かなりの台数が駐車していたが若干空きがあったのでそこに停める。夜の12時を過ぎていたこともあり、辺りの様子をうかがい知ることはできないが、車中で仮眠している様である。

腹減ってきたので食料を食べる。困ったことに、残りが少ない。ラジオのボリュームを絞って仮眠する。時たま、深夜にもかかわらず通過する車がいる。

隣に、1台空いていた駐車スペースにもやがて車が停まった。車内で一泊するのは始めてである。会津駒ケ岳に登って疲れているにもかかわらずあまり熟睡はできなかった。

車内から見る夜空は、予報に反して快晴である。星明りが綺麗だ。

午前3時ころから、車のドアの開閉する音が聞こえた。まだ、辺りは真っ暗である。トイレであろうか。辺りが、ようやく明るくなり始めた4時くらいに、出発することにした。

車外に出て周りを見るとほとんどの車の中は空である。さっきまでのドアの開閉はトイレでなかったようだ。もう、すでに登山を開始したようである。

しかし、何台かの車には、人がいた。何でみなこんなに早いかと言うと、この、平ヶ岳は往復約10時間はかかるからだ。ガイドにも早朝出発するように書いてある。

登山口の看板のあるところに未舗装の作業道があるが、どうやらこれが登山口らしい。中年の人がちょうど車から出て来てこれ以外に登山口らしき場所ががないのを走って見に行ってくれた。

この、作業道は車の進入を防ぐ鎖がある。それをまたいで山中に入る。暫く進むと沢が行く手をふさいでいる。水深はそれほどでないが幅はひとまたぎできそうにない。

上流側に丸太が2本ならべてあり、そこを渡る。あまり太くないので結構ゆれる。100m位進むと百名山、平ヶ岳の道標。

矢印方向を見ると本格的な上りの山道である。後でデジカメで確認したら、平ヶ岳山頂まで11.2キロと標示してあった。

登りはじめは、まだ、薄暗かったが、尾根に上がるころには景色もはっきりしてきた。早速、後ろから登山者が現れる。男2人である。先に行かせる。

尾根の先を見ると人がゆっくり登っているのが見える。どうやら、この時間帯がラッシュのようである。5時を少し過ぎた時、振り返ると、山間から日の出が見えた。雲がかなり増えてきたがまずまずの空模様である。

進行方向左手には燧ケ岳がどっしりと見える。頂上付近は、雲が涌いて見えない。ゆっくり休息を入れながらの出だしであったので、数人に追い越されたが、さすがのロングコースなので女性はいないと思ったとたん、後ろから女性が追い越していった。ご主人を引き連れて。

やせ尾根を通過すると右手に変な岩が見える。尾根を上りきったところが下台倉山である。この山に登るために地図を買ったのだがどうやら家に忘れてしまったらしい(持っていった尾瀬の地図に簡素な案内が書いてある)。

登山ルート上の情報がよく分からない。後で調べたら、この時点で、標準よりかなり時間がかかっていたのであった。

下台倉山(平ヶ岳山頂まで8.3キロと標示)のポイントで先ほどの夫婦が休息していた。ご主人はかなりへばっていた。

ここまで上り一辺倒であったが、ここから進行を西から南よりに変え、ゆるい上り下りで少しずつ高度を上げていく尾根上を歩く。

少し過ぎた地点で進行方向右側に残雪が残る山が見える。方向からして、平ヶ岳であると思われる。はるか遠くに見えるのでまだ相当歩かなくてはならない。

台倉山の三角点を7時半に通過。台倉清水(少し下ったとこに水場があるらしい)付近から所々木道が敷かれている。

この辺りはコメツガなどの背の高い木に覆われて展望はなく熊笹などに登山道は覆われている。しかも、場所により、ぬかるんでいるので、木道のあるところは助かる。

白沢清水(平ヶ岳まで2.1キロ、登山口の少し先にある鷹ノ巣=山小屋がある、まで9.4キロの地点)は道端に清水が湧き出ている。

ここで、今日始めての、団体(6〜7人のグループ)が休憩していた。年配の人の中に一人若い人がいるがガイドかも。

白沢清水を過ぎると再び急登である。7月なのにあちこちシャクナゲの花が咲いている。背の低い草木の中の登山道を登る人の姿が見える。足どりはかなり重そうである。

私は前半かなり休息を入れたのでまだ、余裕はある(と、その時点で思ったが後で考えるとかなり限界に近かった)。

白沢清水から1時間10分かかって池ノ岳である。池ノ岳といってもこの辺りは平坦で湿原になっている。目の前には、姫の池がある。ここは、玉子石と山頂の分岐点になっている。

先に、玉子石を見に行くことにする。この、分岐点では中年夫婦と若者が口論していた。中ノ岐川方面から中年夫婦は登ってきたらしいがそちらからは登山禁止のようで若者はそれを注意していたようだ。

ワタスゲの生える木道を進むと残雪に覆われている地点がある。太陽に照らされた雪上は大変眩しい。左手に平ヶ岳を見ながら歩くとやがて平ヶ岳名物、玉子石である。

家に忘れてきたガイドに玉子石に登らないようにかいてあった。多分、登ると玉子石は台座から転がり落ちるだろう。

デジカメで画像を撮り、引き返して平ヶ岳山頂に向かう。池ノ岳〜平ヶ岳の鞍部は川が流れている。雪解け水も含まれているので水量は豊富である。真夏でも水は豊富だそうだ。

少しすくって飲んでみた。なかなかいける。ペットボトル3本持ってくる予定が1本車の中で飲んでしまったので2本持参の登山であるが、やはり2本では足りなかった。しかし、この水場はそれを十分に補った。

たいしたのぼりでないが山頂への足どりは重い。2日続けての登山は足にはかなり酷であると言うのが体で実感した。

20名くらいの団体が狭い登山道に突然出現してびっくりする。10時48分ついに平ヶ岳山頂に登頂。山頂の少し前から湿原で木道から右側に10m位外れたとこが山頂である。

山頂は少しだけ小高くなっていて、背面は木が生い茂っていて展望はない。ちょうど、大勢の人が木道に腰をおろし、弁当を食べていた。

会話から千葉方面から来ている人がいたようである。駐車場に千葉ナンバーの車が停まっていたと言ってたが、その車は多分俺の車だろう。

木道が奥まで続いているので歩き続けるとちょうど広くなった地点があった。そこで、昼食。カレーパンを食べる。少し、昼寝をする。疲れているせいか一瞬だが気持ちよく寝られた。

標準で下山に4時間もかかるのでそろそろ下山することにする。弁当を食べていた人たちの姿はもういなかった。山頂には誰もいなくなっていた。暫く下ると山頂に向かう人が数名いた。

玉子石分岐地点(池ノ岳)をちょうど12時に通過。順調に行けば3時半に下山できそうだ。しかし、そうもいかない。足どりがいまいちである。少し歩くと休憩、また歩くと休憩と言ったペースであるので、相当時間がかかってしまった。

次から次へと追い越されていく。幸い、天気が良いのと、車なので時間を気にせずに歩けることが救いである。天気が良いことは良いが、暑いのでこれが一番体にこたえる。私としては寒いくらいがちょうどいいのだが。

もう、山頂に向かう人はいないと思ったが、背中に大き目のザックを背負って登っていく親子がいた。頂上付近でキャンプするようである。6〜7名のグループもこの時間に登っていったので、山頂付近で泊まるようである。

白沢清水で若者が休憩していたが鷹ノ巣まで後9.4キロの表示を見てまだこんなにあるのかと騒いでいた。確かに俺も疲れた。

暫くすると、にわかに天気が崩れてきた。雨が降ってきたのだ。しかし、たいしたことなく止んだ。が、暫くすると本格的な雨。持参の合羽を下だけ着る。上はかさばるので持ってきていない。それに、上着は着ると余計、暑くなるのだ。

夫婦が通りがかったが、傘だけさしていた。着替えが、車中にあれば濡れてもかまわないであろう。本格的な雨だと思ったが10分くらいでやんでくれた。

台倉山付近までは、何人かいたが、この後1人しか追い越されなかった。ちょうど、下台倉山からの下り尾根で軽快に下っていく人の姿が3人ほど遠くに見えた。

元気であればたいした下りではないのであろうが、このときばかりはかなり時間がかかってしまった。誰もいなくなった尾根上を一人歩き続けてやっと作業道にでた。

沢を渡り、10分ほどで平ヶ岳登山口である。結局、山頂から標準で4時間のところ5時間40分もかかってしまったのであった。

駐車場は何台か停まっていた。車に戻り着替えてエンジンをかける。ちょうど、相撲が千秋楽であり優勝を決める大関戦が放送されていた。千代大海を下した魁皇が優勝した。

車を走らせるとすぐに鷹ノ巣の山小屋がある。自販機でコーラを買う。旨い。尾瀬口に船着場がある。この船と乗合バスを使って尾瀬や平ヶ岳に行くのも良いかも。

尾瀬口を過ぎた辺りからから奥只見湖(ダム湖)が見える。湖面を右手に見ながらかなりジグザグな道を走る。平均速度が30キロ程度しか出ない。

この国道352号線は尾瀬御池と銀山平の間は冬季通行止めが毎年6月過ぎ(今年は6月27日午後3時まで通行止)まで続く。数年前、尾瀬に行くのに、5月の終わりにこの道を使おうと思ったが通行できなかったことがある。

銀山平からシルバーラインを使う。トンネルがほとんどの道であるが直線的でスピードは出しやすい。シルバーライン終点付近のかつて泊まったことのある大湯温泉で温泉でも入ろうかと思ったが時間がないのでやめた。

小出から関越道を使う。登山中はさほどでなかった雨が車を運転するころには断続的にときに激しく降っていた。雨で速度制限がでている区間があった。

谷川PAに寄り夕食を食べる。心配した渋滞は料金所に来るころにほとんど解消されていた(関越道に入ったころは新座料金所7キロ渋滞の情報)。東金のjomoでガソリン入れる。途中で1回も給油しなかった。11時半、自宅到着。