白馬岳

ムーンライト信州81号 栂池高原ゴンドラ
栂池山荘前を通過 杓子岳、鑓ヶ岳方面(と思う)
チングルマ 天狗原
ワタスゲ 残雪と草原
雪田を渡る(滑りやすい) 乗鞍岳
白馬大池 白馬大池山荘で休憩
白馬大池前の分岐点 小蓮華山への登り
イワギキョウ 白馬大雪渓が見える
小蓮華山2769m 三国境
ウサギギク イワツメクサ
もう少しで白馬岳山頂 イブキジャコウソウ
白馬岳山頂2932m 山頂からの眺め
雷鳥 白馬山荘一泊8600円
夕食 白馬岳方面(白馬山荘前)
合羽を着込む(後ろは杓子岳方面) 白馬大雪渓まですぐの地点
雪解け水 トリカブト(らしい)
白馬大雪渓(霧がにわかに発生) 大勢の人ですれ違いに時間がかかる
白馬尻小屋で小休止 みみずくの湯

2004年8月2日月曜日〜4日水曜日

成東21:49(2日)-千葉-錦糸町-御茶ノ水-新宿23:54(臨時快速ムーンライト信州81号)-5:36白馬6:10(バス)-6:35栂池高原7:00-7:20栂の森7:25-7:31自然園7:35-10:45白馬大池山荘11:00-12:48小蓮華山13:04-14:31白馬岳14:32-14:42白馬山荘(泊)6:06-8:17白馬大雪渓9:10-9:21白馬尻小屋9:27-10:11猿倉10:15-10:35八方口-みみずくの湯-白馬12:30-14:12松本14:34-18:08高尾18:11-19:17御茶ノ水19:18-19:27錦糸町19:28-20:01千葉20:06-20:51成東 =歩き

交通費 成東-御茶ノ水1280円 御茶ノ水-立川(0時を過ぎて最初に停車する駅)540円 《成東-立川間を通しで買うと1890円で70円高い》 指定席券510円 JR線内青春18きっぷ使用2300円(1回あたり) 白馬駅-栂池高原(バス)540円 栂池高原-自然園(ゴンドラ〜ロープウェイ)1720円 猿倉-白馬駅(バス)980円 白馬-成東2300円(青春18きっぷ使用) 合計10170円

穂高岳に行く予定であったが、南海上から湿った雲が北上するので天気が所によって崩れるかもしれない。なので、穂高より、歩行時間の少ない、白馬岳に変更したのである。

ムーンライト信州81号は平日とはいえガラガラである。松本から先は大糸線に入る。小学生の時以来の乗車である。

信濃大町でかなり下車していったが、終点白馬まで乗車した人もかなりいた(9両編成で他の車両はそこそこ乗車していたようである)。外人もいた。

外の景色はすでに明るい。山が見えるが、8月と言うのに雪が稜線付近の所々に見える。冬は日本海に発生した雪雲が直接ぶつかる山であるので、相当積雪は多いであろう。


白馬岳に向かうにはいくつかルートがあるが、今回は、栂池高原のゴンドラを利用しようと思う。白馬で後続の快速に乗車して白馬大池駅から歩いて栂池高原(ゴンドラ駅)に向かう手もあったが、白馬駅からバスを使う。

6時半過ぎにゴンドラ乗り場に到着するが運転開始は7時からである。暫く待つことにする。バスの乗客10人も含め、7時頃には20人以上が乗り場に集まってきた。

7時少し前にゴンドラが運転開始。相乗りしないようにずらして、乗り場に移動。甥っ子と二人で乗車。ゴンドラの下はスキー場になっている。このゴンドラはかなり距離が長い。時間も20分くらい乗車した。

外の景色はゲレンデの芝草が見え、その先に白馬三山(白馬岳、鑓ヶ岳、杓子岳)と思われる山が見える。終点の栂池の森は特に見るものは無い。

ここから数分歩いた所にある、ロープウェイに乗り換える。すでに沢山の人が乗車している。私らが乗車したらすぐに出発した。

栂池自然園に到着。ここまで、自販機のドリンクの値段はふもとの値段と変わらないのでできればここで大量にドリンク買っておきたい。もっとも、登山中、気温が低ければ消費しないのでただの重い荷物になることがある。

この、自然園は遊歩道が整備されているらしく、1周3時間のコースを歩くと、季節によって湿原内に水芭蕉やニッコウキスゲ、ワタスゲなどが見れるようである。

遊歩道入口の栂池山荘からは本格的な山道になる。結構登りがきつい。山荘前のベンチにはかなりの人が見受けられたが、山を登る人はあまりいない。

山道を登ると傍らに水の流れがある場所に差し掛かる。すくって顔を洗う。冷たくて気持ちいい。

やがて最初のポイントである、天狗原にたどり着く。ここは湿地帯になっていて水溜りも存在している。アヤメやタテヤマリンドウ、チングルマなどの植物が周辺に見ることができる。

この先の山肌には残雪が見ることができる。その雪解け水が流れ込んでいるのであろう。ここでは重装備の登山者も含め十数人存在していた。

この天狗原から30分程歩くと残雪の上を通過する地点に着く。ちょうど高年グループが通過中であったが老人が滑って尻持ちついていた。我々は難なく通過した。

乗鞍岳はハイマツの広がる見通しの良い地点で、乗鞍岳とあるが、この地点は別に周辺より標高が高いと言うわけではない。三角点があるらしいがどこにあるか分からなかった。

この、少し先の地点は窪んでいる。そこには白馬大池が存在しているのである。白馬大池までの道は大中の岩がごろついていて、歩きにくい。しかもハイマツがはびこっているのですれ違いに時間がかかるのである。

歩き始めて約3時間で白馬大池に到着。ほとりにある山荘で休憩。カップラーメン(300円)といなり寿司(300円)食べる。ついでにドリンク(ペットボトル500円)を2本買う。ここまで結構汗掻いたので、水分の消費量が多いのである。

白馬大池は形からして火口湖かと思ったが噴出物による堰止湖らしいのである。山荘の脇は広場になっていて、テントを張ってくつろいでいる人たちや白馬岳方面からきた人たちが大勢休息していた。

我々二人は十分体力が回復したので白馬岳方面に歩き出した。団体さんが同じ方向に歩き出したがすぐの分岐を蓮華温泉方向(約2時間、バス停あり)に歩いていった。


白馬大池を後にして、坂道を歩き続ける。稜線を歩くようになり景色だけは良い。雲が多いが雨は降らない。所々に高山植物が咲いている。

左の谷のほうを見ると雪渓が見え、下方に建物が2つ(白馬尻荘、白馬尻小屋)見えた。これが白馬大雪渓である。

道は小石がゴロゴロしてるが比較的歩きやすい。ただ登りが続くので息が切れるのである。

荷物を持たない二人組みが軽快に歩いて白馬岳方面に行った。

この稜線は左が長野県右が新潟県でちょうど県境を歩くようになっている。

休憩入れながらやっとで小蓮華山2769mである。登山者が沢山休息していた。先ほどの軽装の二人が今度は駆け足で下ってきた。何者だろう。もっとも下界は今暑いのでかえって気持ちよいかもしれない。

三国境からは右側は富山県になる。もうひと頑張りで山頂である。ミヤマアズマギクやウサギギクが登山道の脇に咲いている。ウルップソウはすでに終わっていた。

相当なお年に見える老女4人組が元気に登っていた。その人たちを追い越す。

白馬岳山頂2932mについに到着。20人以上がくつろいでいる。左側(東側)は切れ落ちている。山頂周辺の画像を何枚か撮り本日泊まる山小屋に向かう。

小蓮華山の手前付近ですれ違ったおばちゃんの話だと山頂付近に雷鳥がいると言っていたが、やはりいた。沢山のギャラリーに囲まれていた。

雷鳥の棲家はハイマツのある所が良い。絶好の隠れ家(鷹などが空から襲う)になっているらしく、白馬岳山頂付近もハイマツが多いのである。目撃した地点はハイマツの中でなく草むらである。

数枚撮った画像は遠目でしか撮影できなかった。雷鳥はクークーと鳴くようである。

その地点からほどなく白馬山荘(2832m地点にある)に到着。建物がいくつもあり相当な規模の山小屋だと思った(後で分かったことだが1500人収容で日本で最大級の山小屋らしい)。

受付の建物に入る。すでに多くの人が訪れて受付をしている。初めて山小屋を利用するので他の人の様子を見たりした。用紙に必要事項を書き込んで受付の人に渡すだけであった。

夕食の利用、または朝食の利用の場合は整理券を渡される。夕食は食堂の収容人数の関係で3回に分けて行われる。我々は2回目の5時40分(だったと思う)から夕食だそうだ。

寝る部屋は受付のある棟で中2階の端の部屋である。部屋に行く前に外来用の食堂のある棟(レストランスカイプラザ白馬)にある自販機でドリンクを買って飲む。缶350mlで400円也。ビールなども売っている。

やることが無いので部屋に行って少し休むことにする。部屋は大部屋でおそらく50人は泊まれるであろう。

指定された場所に行って見ると隣の人がすでに熟睡していて、私の布団3分の2程占領しているのではないか。まあ、食事までとりあえずそのまま寝かせておいて空いている隣のスペースを利用して少し横になる。

荷物は布団の前の通路に置く。ただし通路を塞いでしまうので歩く足の踏み場が無い。私らの部屋は少し変で真ん中は吹き抜けになっていて下の部屋に向かって梯子が掛けられている。夜中にトイレに行きたくてこの梯子を利用した。

食事の時間になったので隣の建物に移動。山小屋は大抵カレーと聞いていたがカレーでは無かった。ご飯、味噌汁、茄子、かぼちゃ、豚の角煮(だった気がする)など。甥っ子と向かい合わせに座りすばやく食べる。割と早食いの方なのだ。ご飯はお変わり自由だがおかずが少し物足りない。好みにより漬物など自由に取れると良いのではないか。

部屋に戻り寝る。まだ外は明るく夕日を見に行く人もいる。その人たちが帰ってきて話を横で聞いていたが、霧であったが西の空は運良く切れていて太陽が沈んでいくのが幻想的に見えたらしくえらく感動していた。

部屋は満員とならず端のほうは空いていた。隣の人はトイレが近いからと言って端の方に移動した。甥っ子は熟睡していたが私は家にいるときに比べ50%位の寝である。


翌朝、明るくなる前に人の動きが激しくなっているようである。私らは5時頃に起きたが大部屋は人影はまばらであった。

朝食は5時開始で、少しずらして5時半に行く。食堂は別の棟なので外に一度でなければいけない。なんと雨が降っている。

朝飯は先着順である。なお、5時前に出立する人は受付を行った場所で弁当(前日、宿泊受付時に注文する)を配布してくれるようである。

すでに多くの人で食堂は混雑していた。少し待たなければならないかと思ったがすぐに入れた。朝飯は煮魚や卵焼きなどが出た。飯を食べ終え掲示板に書かれている猿倉からのバスの時間を確認する。白馬駅行き10時15分に乗れそうである。

部屋に戻り出発の準備をする。私は安物の合羽(ゴアテックス買いたいが金が無いのだ)を甥っ子はそれなりの合羽(値段不明)を持参してきたのでそれを着込み外にでる。

中学生の団体がやはり合羽を着て白馬岳山頂に向け出発する所である。しかし先ほどまで降っていた雨はもう上がっていた。すぐに合羽をリュックにしまい込む。

村営頂上宿舎付近で分岐の杓子岳方面に歩く人がかなりいた。私達は大雪渓方向に歩を進める。村営の山小屋は小さめと思ったが1000人収容できるらしい。

この山荘の脇の小雪渓から水が流れている。手ですくってみる。流石に冷たい。この水は村営の山小屋と昨夜泊まった頂上山荘で利用しているようである。

大雪渓に向かう道はかなり下りが急である。誰もいないと思ったがはるか前方に数名見える。高山植物が道の脇にかなり生えている。暫くすると避難小屋が見える。緊急時のみ利用可能と書かれている。

朝方の雨で岩場はかなり滑りやすい。登山道は場所により水の流れがあるが、こちらの方が滑らない(多分、泥などが洗い流されているのだろう)。前方は大雪渓が良く見え始めてきた。

はるか前方の雪渓の上を沢山の人がこちらに向かって登ってくる。

雪渓の取り付き地点付近に来る頃、霧がにわかに湧き出てきて視界がほとんど利かなくなった。雪渓は下が空洞になっていて勢いよく水が流れ込んでいる。

先ごろ新潟県湯之谷村で雪渓の下に入って撮影していた人が突然雪渓が崩落して生き埋めになり3人の方が亡くなった。このように雪渓は場所により不安定であり、危険な状態になっている。

右手の雪渓は人が歩いた跡があるが、やはり雪渓上部は崩落の危険のためであろう通行禁止になっている。雪渓取り付き地点は少し下方に移動されている。

暫くは、雪渓を右手に見ながら下る。この頃から続々と登りの登山者とすれ違う。雪渓上に無数の落石がある。

雪渓の両サイドは崩れやすい岩の斜面で我々が雪渓に取り付くまでの間にも落石がころころ音を立てて転げ落ちていた。ただし、雪渓上に転がった落石は音がしないので要注意である。雪渓上で休憩するときは落石に常に注意するように登山ガイドに書いてある。

ようやく雪渓を歩くようになる。ほとんどの登山者はアイゼンを装着していた。我々はアイゼンを着けないで下る。シャーベット状でそれほど滑りやすいわけでないが甥っ子は何回か尻餅ついた。ズボンがかなり汚れたのである。

アイゼンつけないおじさんがいた。おじさん曰く「かかとを雪に食い込ませて歩けば大丈夫だよ」と言ってすごい勢いで下っていった。私も滑りそうになったが大丈夫であった。それより沢山の人が登ってきたのですれ違いに時間がかかったのである。

雪渓は足形がついている所を歩くとラクである。で、皆その跡を歩く。その脇を歩いても良いがかなり歩きにくいのである。雪渓上は流石に涼しい。甥っ子は寒いと言って上着(合羽)を1枚着こんだ。

おじさん(そこそこ高齢)が登ってきたが雪渓をただ歩きに来たと言う。雪渓上部まで行ってすぐに下ると言う。真夏にこのような雪の上を歩ける場所は他にはあまり無いであろう。

やがて雪渓は終わり、白馬尻小屋に着く。ドリンクとゼリーを買って小休止した。バスの時間が迫っていたので、5分ほど休憩したらすぐにまた歩き始める。ここからバス停まで標準で50分ほどであるが、あと45分しかない。

早歩きで下る。小学や中学生の自然体験教室の人たちでかなり人がいたが途中から道(砂利の車道になっている)が広くなっていて助かった。

鑓温泉方面分岐を過ぎるとほどなく猿倉である。バスはすでに停車していて10人程乗車していた。

白馬駅からの列車はすぐに無いので、温泉によることにした。八方口バス停から歩いて5分くらいの所にみみずくの湯と言う、立ち寄り湯があるのだ。バスで一緒の女性3人組もこの温泉に入った。

山小屋は普通風呂が無いので時間があれば温泉に入るのが良い。べとついた体がリフレッシュされる。

みみずくの湯からは白馬駅まで歩いて10分位である。駅前のマクドナルドに寄る。白馬からは青春18きっぷ使用。普通列車乗り継いで帰る。2両編成の列車はかなり混んでいた。松本から(6両編成)は比較的空いていた。その松本で駅弁を買う。成東に9時前に到着。