谷川岳
臨時列車 快速一村一山号 | 土合駅下りホームから地上に上がる階段 | ||
JRのイベント 駅からハイキング | 土合駅(関東の駅百選) | ||
上り線路とハイカー(土合踏切) | 小説、「雪国」に出てくる清水トンネル | ||
土合橋からの眺め(湯檜曽川) | 谷川岳ロープウェイ | ||
天神平 | 幼稚園児も山頂まで行くのだろうか | ||
雨に煙る肩の小屋 | 谷川岳山頂(トマノ耳1963m) | ||
谷川岳山頂(オキノ耳1977m) | オキノ耳を過ぎた所の草原 | ||
ハクサンフウロ(ピンク)やオニシモツケ | 慰霊碑 | ||
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一ノ倉沢 | |||
烏帽子岩、衝立岩方向(人がいた) | |||
一ノ倉岳山頂1974m | ニッコウキスゲやクルマユリ | ||
一ノ倉岳を過ぎた所の草原 | タテヤマリンドウ(紫)とクモマニガナ(黄) | ||
オオバギボウシ(かな) | 花咲き乱れる斜面 | ||
茂倉岳山頂1978m | 茂倉岳避難小屋 | ||
土樽駅 | 土樽駅上り最終列車(18時19分発) |
2003年7月26日土曜日
成東4:56-千葉-6:31東京6:38-6:58新宿7:18-10:14土合10:15-10:45土合口10:55-<ロープウェイ>-11:05山頂駅-熊穴沢避難小屋11:40-トマノ耳12:57-オキノ耳13:09-一ノ倉岳山頂14:06-茂倉岳山頂14:30-14:41茂倉岳避難小屋14:52-矢場ノ頭15:42-蓬峠分岐17:28-18:01土樽18:19-18:40水上18:42-19:41高崎19:59-21:43上野-秋葉原-錦糸町-千葉23:04-23:45成東 赤=歩き
交通費 JR線内 青春18きっぷ使用 2300円(通常成東-土合247.8キロ4310円、土樽-成東258.6キロ4310円)ロープウェイ代1000円(片道) 計3300円(安い!)
日本百名山であり、世界的に有名な、谷川岳に行ってきた。今までに数回ロープウェイで天神平まで行ったことがあるが、山頂までは初めてである。
いつもの成東発4時56分に乗り新宿に行く。臨時列車、快速一村一山号に乗るためだ。この列車は非常に便利で、土合着10時15分と通常の乗り継ぎ(水上より先が本数少ない)より1時間半も早く着くのだ。
ただし、運行されている日が7月26日、8月23日、9月6日(いずれも土曜日)と限られている。そのため、会社の同僚と休みを交代してもらった。
新宿発7時18分の約20分前にホームに行くとすでに自由席の乗り場だけ長蛇の列である。情報ではさほどでないと思ったのに・・・。
この列車は指定席3両、自由席3両、計6両編成である。特急型の車両を使っている。中高年のハイカーがほとんどだが、会社員風や、若いカップルもいた。快速なので青春18きっぷが利用できるので金のない人たち(私もその一人)には大変都合が良い。
もう座れないと思ったが、会社員風の隣に座ることができた。隣の人は熊谷で降りたので窓側の席に座った。ラッキー。車内は途中駅からかなり乗車してきて立ってる人が結構いる。
水上まで何人か降りる人がいたが相変わらず満員である。駅からハイキングと言うJRの催しがあるらしく土合でほとんどの人が下車した(終着は越後湯沢)。
土合駅は何度か利用したがこれほどの人が下車したのは今までに見たことがない。長い階段(462段)を上がると100m以上ある通路(下に川と国道が走る)とさらに階段24段がある。
改札の前に、JRの企画である「駅からハイキング」の受付所がありほとんどの人はここに並んで受付を済ませていた。私は素通りし普段人のいない改札に向かう。今日は、さすがに駅員がいた。18きっぷを見せ外にでる。
駅前は、すごい(と言っても30人くらい)人だ。幼稚園の遠足があるらしく園児がバスに乗り込んでいた(9時59分着の列車で来たと思われる)。ロープウェイ乗り場に向かうため駅前の国道291号を右に進む。
今上って来た下りホームに向かう連絡通路の下を通り、踏切を渡る。国道は観光バスや自家用車が通りその脇をハイカーが歩く。
土合橋の所で分岐の沢沿いコースは昨日の雨による増水のため通行困難になっているらしく臨時列車の車内放送でコースの一部が変更になるとのことが案内されていた。
土合駅の下りホームから約30分かかってロープウェイ乗り場に着いた。JRの企画、駅からハイキングの人たちはロープウェイは乗らず一ノ倉沢方面に歩いていった。
切符を片道だけ買い改札に向かう。幼稚園の遠足の行列の後ろに並んでしまい少し(約10分)待たされて、ロープウェイに乗る。
暫く進んだところで親子がロープウェイの下にある登山コースを歩いて登っていた。隣に座った年配の女性が関心していた。この田尻尾根コースは約2時間余計にかかるがロープウェイ代、千円払わなくてすむので次回利用しよう。
山頂駅(天神平)に到着。リフトを使って天神峠に向かう人がかなりいた。天神峠経由で山頂に行けるが今回は直接谷川岳に登ることにする。予定より少し遅れているので、すぐに登山開始。
谷川岳・天神峠分岐を谷川岳方面に進むと、なんと、先ほどの幼稚園児が登っているではないか。こんな小さな子供が山頂まで行くのだろうか。子供はいたって元気で、「やっほー」とか「あああ〜」と叫びながら登っていた。
この園児の集団を追い越し快調に山頂を目指す。天気も土合駅付近でぱらっと雨が降ったがその後は曇り空であるが、まずまずである。
田尻尾根からのコースと合流し木の階段を登りぬかるんでいる登山道を注意して登るとやがて熊穴沢避難小屋が見える。中で休息している人がいた。
暫く進んで振り返ると天神峠や下界(上牧方向)の風景が良く見える。さらに進むと鎖場がある。所々に花が咲く登山道を登り続けると天狗の留まり場と言う岩場がある。
この辺りから30名くらいの団体の後ろにつく。最後尾は添乗員で学生の山岳部の女性のようである。先頭の人と無線で情報をやり取りしている。無理に追い越さずここは体力を温存するためゆっくり登る。
山頂方面はガスがかかっていて見えない。さらに進むと細かい雨が降ってきた。ザンゲ岩を通り山頂目前に西黒尾根・巌剛新道分岐がある。山頂登頂後、悪天候の場合はこのルートで下山しようかと思う。
肩の小屋(今年、増改築で管理人が常駐するようになった、食堂など利用できるらしい)が見えたら頂上はもうすぐだ。
雨の降る中トマノ耳1963mに登頂。天気が悪いので頂上からの景色は何も見えない。残念。ここから約10分歩くとオキノ耳1977mである。この谷川岳は頂上が二つあるので双耳峰(そうじほう)と呼ばれている。
で、三角点は標高が低いトマノ耳にある。頂上は景色はないし、霧雨は降り続けているということでここで引き返そうかと思ったが、時間にかなり余裕がありなおかつ、ロープウェイを使用したため体力も余っていたので一ノ倉岳〜茂倉岳〜JR土樽駅と歩くことにする。
肩の小屋付近には人がかなりいたが、オキノ耳には数人しかいなく、さらに、一ノ倉岳方面に歩いている人は誰もいない。
まあ、標準で4時間20分もかかるし、土樽駅から東京方面の上り列車は本数少なく、18時19分が最終列車であるからだ。
頂上から少し下るとそこはすばらしい花咲く草原が広がっていた。面積はさほどでないが花の種類が多そうだ。草花を眺めながら歩き続けると急に雨がやんでガスが消えたのである。
右手を見ると白毛門が見え下には湯檜曽川が見えたのである。振り返ると、オキノ耳に人影が見え、下のほうを覗き込んでいる。
この谷川岳は日本三大岩場のひとつ一ノ倉沢があり、運良く今だけ見えたのである。「魔の山」谷川岳と呼ばれ、世界的に有名なのはこの急峻な岩場がありそこでの岩登りの遭難が多いからである。
それと、天神平付近は冬は積雪の多いスキー場として有名で、5m〜7m位になる。冬山と岩場の遭難死を合わせた谷川岳の死者の数は累計で700を超え断然世界一であるそうだ。
暫く進むと岩にプレートがはめ込んであるところがある。見ると遭難者の碑であった。
誰もいないと思ったが、正面に見える一ノ倉岳方向を見ると若そうな男性2人が頂上を目指して登っている姿が見えた。
さらに、右手下方に見える一ノ倉沢の岩場からは、かすかに声が聞こえる。よく見ると岩登りをしている人がいたのだ。最近は登攀(とうはん)能力が向上して以前より谷川岳の遭難件数が減ったようである。
シモツケソウやオオバギボウシなどが咲く登山道を進むとやがて急登になり一ノ倉岳1974mに着く。
小さな避難小屋(と言ってもドラム缶を横たえたようなもの)がある山頂付近を過ぎた辺りは草原になっていてニッコウキスゲやクルマユリが咲いている。
いろいろな花が咲いているが調べても名前が良く分からない花がかなりあった。一ノ倉岳から約20分で谷川岳のオキノ耳より1m高い茂倉岳(1978m)である。
ここは武能岳〜蓬峠(山小屋あり)の分岐点になっている。ここから長いくだりが始まる。下り始めるとまた雨が降ってきた。足もとに草が生い茂っていて、ズボンが濡れる。
カッパを着ようかと思ったら正面から、若い男性2人が登ってきた。この辺りは登りが急なので、かなり苦しそうだった。
もう少し下って行くと、雨に煙った山小屋が見える。茂倉岳避難小屋である。入口は異臭がしたが中はまずまずであった。ここでサンドイッチを食べ、小休止する。
天気は回復しないのでここでカッパを着る。時間的にかなり余裕があったので滑らないように十分注意しながら下山を続ける。
この辺りは草が登山道を覆い、場所により木の根が露出していて神経をかなり使う。所々、段差が急なので慎重に歩いた。が、木の根に足をのせたとたん滑って転倒、左腰を強打してしまった。
さらに、暫く進んだところで今度は、右腕から肩にかけて地面にうちつけてしまった。かなり木の根に苦戦してしまった。
避難小屋からの下りは見所は何もない。あるとしたら木の根と私が転倒して痛い目に遭ったくらいだ。難儀なコースを歩き続けると、「ワ〜」と前方から声がした。一ノ倉岳付近にいた男性2人組みであろうか。
足元を見るとまだ新しい足跡がある。茂倉避難小屋から2時間以上下山すると関越道の自動車の音が聞こえてくる。
さらに進むと関越道を走る車が木の隙間から見えたのであった。くたくたになりながらついに、車道に出た。関越道付近以外は人の気配はまったくない。
蓬峠との分岐を過ぎると駅まで20分くらいで着くが時間があったのでゆっくり進む。上越線が見え遠くに土樽駅が確認できる所まで来る。
沢からの水がU字溝に流れ込んでいるところがある。右を見ると新清水トンネルがあった。さらにその向こうにに清水トンネルがある。トンネルの画像を1枚撮り、水が流れているところで靴の泥を洗った。
土樽駅に着くと、一人の中年男性が寝転がっていた。若い2人組みではなかった。そういえば足跡はひとつしかなかった。一ノ倉岳付近で見た若い2人は蓬峠のほうへ進んだのだろう。
駅は無人であるが自販機が置いてありコーラを買って飲んだ。旨い。カッパをしまい、濡れた服を着替えた。暫くすると上り最終列車の水上行きが来た。車内は空いていた。
トンネルを過ぎると朝、降り立った土合駅である。土樽駅にいた男性はここで下車していった。高崎で少し時間があったので夕飯を食う。成東には23時45分に着いた。