谷川岳

上越線の車内から見える諏訪峡 土合駅下りホーム
「日本一のもぐら駅」は海抜583m 湯檜曽川
土合橋からの眺め 土合駅上りホーム
谷川岳ロープウェイ
左側に新型を建設中
ロープウェイから見える白鷺の滝
西黒沢(ザンゲ沢)方向 登山道の脇の紅葉している樹木
西黒尾根中腹の紅葉 天神山方向
他の登山者 天狗の留まり場
トマノ耳付近の景色 オキノ耳付近の景色
谷川岳山頂(オキノ耳)1977m 西黒尾根の急斜面の岩場
マチガ沢出合方向 ラクダのコブ
西黒尾根・巌剛新道分岐 マチガ沢上部
大滝付近の景色 夕闇迫るマチガ沢
2004年10月23日土曜日

成東7:00-7:25佐倉7:26-8:14錦糸町-秋葉原-上野8:39-10:15高崎10:18-11:21水上11:31-11:40土合-土合口12:15-ロープウェイ12:25天神平12:32-13:15熊穴沢避難小屋-14:21谷川岳山頂(トマノ耳)-14:31オキノ耳-15:41西黒尾根ガレ沢ノ頭-17:09巌剛新道登山口-17:56土合駅-(タクシー)-19:24水上駅21:25-高崎-大宮-23:55東京(24日)4:55-5:44蘇我5:49-6:27成東 =歩き

交通費成東-熊谷間ホリデーパス2300円 熊谷-土合 1890円 水上-熊谷1620円 高崎-東京新幹線自由席2400円 ロープウェイ1000円 合計9210円

秋の谷川岳に行ってきた。10月9日に行く予定であったが台風の影響で行けなかった(鉄道の日記念乗り放題きっぷを使って)。ホリデーパスを利用しても熊谷-土合間往復3780円余計にかかる。

朝、7時の電車に乗る。接続が良く上野からの快速に乗り、水上に着いたのは11時21分である。途中の諏訪峡では遊歩道に沢山の人が散策していた。

水上からの列車は本数少なく、土日のみ運行の11時31分の長岡行きに乗る(水上駅からロープウェイ行きのバスは1時間に1本程度ある)。前の列車は9時50分発でこれは特急(自由席特急料金1680円)を使えば乗車できる。

土合駅に着く前で車内精算した。駅は紅葉シーズンと言うことで10名位降りた。長い階段を上がり地上に出る。駅前の道路は車の交通が多い。

ロープウェイ乗り場はそれほど混んでいなかった。待ち時間無しで乗車できた。ロープウェイから見える景色は紅葉がちょうど見頃である。白鷲の滝がゴンドラの下に見える。左手には新型ロープウェイを架設するための工事を行っていた。とすると来年の9月には今乗っているほうは廃止されるのだろうか。

天神平には沢山の人が存在していた。それほど寒くなくリフトで天神山に向かう人たちなどもいた。谷川岳山頂方向は雲がかかっていて山頂に行くかどうか迷ったが、折角ここまで来たので、登ることにした。この時間になると登る人は少なく、下る人の方が多い。

天神尾根と西黒尾根を挟むザンゲ沢付近の紅葉はかなり綺麗である。天気は薄日が射したりして中腹までは良かったが、頂上付近はガスっていた。下山してくる人たちは合羽を着ている人が多いので多分先ほどまでは雨が降っていたのかもしれない。

肩の小屋手前の草陰になんと雪がある。この時期にもう雪が降っていたんだと思うと感慨にふける。肩の小屋の建物の所々に雪の塊があった。枯れ草に霧氷が付いている。さらに進んで谷川岳(トマノ耳)1963m山頂に着く。ガスがひどく展望が全く無い。ガスは細かい霧雨状で体が結構濡れる。ザックから合羽を取り出し着込む。

双耳峰である谷川岳のもう一つの頂上であるオキノ耳1977mには茂倉岳方向に向かうグループ2組がいた。その人たち以外はこれ以後人は見かけなかった。オキノ耳付近では陽射しが一瞬射し込んで来て霧氷が綺麗であった。

下りは西黒尾根を下る。日没が5時位なので少し急ぐ。暫くするとみぞれが降り出してきた。岩場の急坂の連続で足場を確保するため手を岩にあてがいながら下る。手は冷たいが下山中は神経集中しながら体を動かしているので寒さはそれほど感じなかった。

視界はガスの影響でラクダのコブ付近まで全く無かったがここからは下方が良く見えた。マチガ沢の紅葉も大変良い。マチガ沢は谷川岳(トマノ耳)山頂から見て東方向にある沢で上部はかなりの急勾配である。西黒尾根から左に下る巌剛新道を進む。マチガ沢の大滝を見ながら高度を下げ次第に道は緩やかになる。登山道には比較的新しい足跡があった。

登山道下部は水の流れが足元まである所があり、ズボンを少し濡らしたが靴の中は大丈夫であった。やがて登山口である舗装道に出る。もうかなり暗くなっていたが、カップルが前方を歩いていた。

舗装を暫く歩く。右の空き地でキャンプをしている人がいた。ロープウェイは営業は終了していたがゴンドラはまだ動いていた。客待ちのタクシーがいたがすぐに誰も乗せずに下っていった。

土合駅まで歩く。行き交う車はほんの僅かで昼間の賑やかさはもう無い。国道を被う暴風雪シェルターから駅の明かりが眼下に見える。

駅はもう目の前と言う時地震が発生(17時56分)。雷が落ちた時のような細かい地鳴りと言うか地響きがあり、山腹では落石の音がした。「ガツゴツ」と言う音であった。不安定な岩だけの崩落で規模はさほどでは無かったと思う。駅前は人が飛び出てきていた。歩いていたので私にはさほど大きな揺れと感じなかった。

土合駅では列車(18時21分発)を待つ人が4〜5名いた。その内の一人が携帯ラジオで情報を得ていた。震源は中越地方で最大震度は6強である。しかも上越新幹線が地震で脱線しているらしい。

この時点で列車は当分来ないと思った。

暫くベンチで座っていると激しい揺れが襲った。余震である。体感で震度4はある。他の人は建物の外に飛び出していった。駅舎の造りは雪対策が施されていてかなり頑丈な造りと私は見て建物の中にいて不安は全く無かった。余震はこの後繰り返し何度も起こった。

駅舎のアナウンスで土合駅で列車を待つ人に対して備え付けの非常電話で応答してくれるよう指示があった。この土合駅は無人駅で駅員はいない。アナウンスは水上駅から出ているのだろうか。他の人が電話で応答を試みたが受話器は反応が無い。壊れているのだろうか。

携帯電話で水上駅に電話をしたら繋がった。列車は余震が続く今の状況では運転再開は出来ない。とりあえずホームの待合室で待つように指示があった。ホームの待合室にも非常電話がありこちらは繋がるようである。

発車予定時刻の18時21分はもう過ぎて相当経つ。待合室は締め切り可能な建物であるがかなり冷え込んできた。

アナウンスがあり、非常電話機で応答するように指示が出た。年配の男性の人が受話器を取る。今、何人列車を待っているのか聞いてきた。一人は近くの宿泊施設(土合山の家と土合ハウス2ヶ所ある)に飛び込みで泊めてもらうと言ったので、4人ホームにいると返答した。

上越線の水上より先新潟県側は復旧の見込みが無いという。なのでタクシーをこちらに回すとのことである。水上から東京方面は運転が再開されていると言う。我々4人は駅舎へ戻った。

通りの国道は駅舎正面を少し下ったところにある。10分位待っただろうか、タクシーは来た。荷物をトランクに載せ水上駅へ向けて出発した。運転手曰く、湯檜曽駅に列車待ちしている人がいたら乗せてきてくれと頼まれたようで、途中にある湯檜曽駅でタクシーは停まった。

駅舎の中に行ってしばらくしたら戻ってきた。駅には人影はいなかったと言った。下りホームは見に行かなかったと言った。そういえば地震直前に土合駅発の下り列車が出発した所であったのだ。で、登山スタイルの若者数人が下りホームから地震後に無人の改札を出てきたのであった。

下り列車はトンネル内で地震に遇ったであろう。タクシーの同乗者の年配の男性の話だと土合駅から下り列車に乗った人と会話を交わしていたとのことで新潟方面に帰ると言う。多分列車はトンネル内(新清水トンネル土合-土樽間10分かかる)で立ち往生してるかもしれない。

水上駅に着いた。19時24分になっていた。料金はJRに請求するとのことで我々は払わなかった。ホームに列車は無く18時40分水上発は定刻ではないがすでに出てしまったようだ。折り返しで来る列車は安全確認のため渋川-水上間は徐行運転されていて到着が遅れるとのことである。

腹減ったので駅前にあるコンビニで食料調達しようと歩き出したらちょうど明かりを消され閉店してしまった。駅へ戻りきっぷを買う。ホリデーパスを持っているので、熊谷まで購入した。

19時18分水上到着の列車は相当遅れていた。保守要員が線路を歩いて落石など異常がないか確認しているのだろうか。駅員が説明に来た話だと上越新幹線長野新幹線は本日は終日運転休止だそうである。折り返しの列車は沼田駅を出たと言う情報はまだないそうだ。列車が沼田を出発したらこの水上駅に連絡が入るのでその時にアナウンスを流すと言った。

すでに9時近くになっていた。情報によると間もなく折り返し列車が到着するとのことである。それから新幹線は長野新幹線が運転再開をしたそうである。しかし私の家のある成東までは今日中に帰れそうも無い。

列車は9時を少し過ぎた頃ようやく到着した。すぐに発車せず暫く待った。9時半頃の出発の予定であると、車内放送があった。実際には9時25分に列車は出発した。渋川までは徐行運転されると思ったが列車はフル運転された。かなりのスピードが出ている。

高崎に到着。普通列車で上野に向かうか新幹線使うか迷った。結局新幹線使った。新幹線の精算所は払い戻しの列が出来ていた。東京行きのマックス谷川かときかは忘れたが2階建て車両に乗った。大宮で長時間停車するとのことで急ぎの方は東北新幹線の方に乗車してほしいとのことである。

東京に着いたのは12時を指すところであった。新幹線の車両を開放するとのことなので、今晩は車内泊と決めた。駅員に食べ物の店はないか聞いた。駅の外に吉野家などあると言う。改札を出て探した。コンビニがあったのでコンビニで弁当買うことにした。駅に戻りベンチで食った。暫く横になり休息した。1時も過ぎ構内にいられないとアナウンスされた。駅員に新幹線の車両を開放すると私は聞いていたので尋ねると案内してくれた。毛布と缶のお茶をもらい車内に入る。みなすでに寝入っていた。

朝になった。京葉線の始発で帰る。総武線の方は始発が遅いのだ。4時55分発蘇我行きに乗る。海浜幕張までは結構混んでいた。蘇我から成東行きに乗る。成東着6時27分。家に帰り着替えすぐに車で会社に向かう。今日は出勤日であるのだ。