八ヶ岳

美濃戸口〜美濃戸間は
悪路のダートが存在する
美濃戸にある赤岳山荘管理の駐車場
1日1000円
行者小屋 地蔵尾根にある階段
左に行者小屋、右に赤岳鉱泉が見える 赤岳天望荘
八ヶ岳山麓、野辺山方向の景色 赤岳天望荘の夕食の光景
山荘の大部屋の様子 午前4時40分頃、日の出
富士山と赤岳 北アルプスの山々
白い花がチョウノスケソウ
紫の花がオヤマノエンドウ
赤岳頂上小屋前から
八ヶ岳最高峰赤岳2899mを見る
赤岳山頂に立つ 天望荘が見え奥の山は横岳や硫黄岳
ミヤマオダマキ 横岳への登山道は岩場の難路がある
コマクサ 硫黄岳山荘
硫黄岳への途中にあるケルン 広い硫黄岳山頂
赤岩の頭 ジョウゴ沢

2011年7月9日土曜日〜10日日曜日

9日土曜日美濃戸6:08−9:00行者小屋−10:50赤岳展望荘
10日日曜日 赤岳展望荘5:45−6:14八ヶ岳赤岳6:40−8:41横岳−10:02硫黄岳−11:30赤岳鉱泉−13:10美濃戸

日帰りでも可能だが、日帰りではもったいない山でもある。赤岳付近には赤岳頂上山荘や赤岳展望荘がある。HPで登山情報などはあるが、宿泊者への情報はいまいちである。ただ、赤岳展望荘の方だけ、満室の日にちは書いてあった。

土曜日だが9日は満室とは無かったので電話で問い合わせると大丈夫であった。ついでに駐車場のことも聞いてみた。有料だが朝の7時位までなら美濃戸にある赤岳山荘に停められることが判った。

初日の行程は赤岳展望荘までなので慌てて家を出なくても良い。金曜の夜10時過ぎに家を出る。途中のパーキングで仮眠するつもりだ。

中央道に出るまで軽い渋滞があったがその後は、スムーズだった。小淵沢ICで降り途中にあるコンビニに寄ったりした。美濃戸口という所まで舗装だ。公共交通機関で来る場合、バスはここが終点だ。

そういえば、山歩き始めた頃、この山を登る計画を立てたとき、JR小淵沢の駅から歩いて赤岳に向かうルートを考えていたっけ。少々、健脚志向のプランのような気がする。今の体力では、とてもではないが躊躇してしまうが。

美濃戸口から美濃戸までは、うわさに違わずな路面状況だった。某サイトの人はレンタカーでこの道を走行中、底をこすって修理する羽目に陥ったとか。私もそうならないよう、気をつけたのだが2回ほどこすった。

良い子の皆さんはではないが、美濃戸口から歩いている人は多い。いっそのこと道を改修してバスが美濃戸まで入れれば便利だと思った。

赤岳山荘が管理する駐車場はやや混雑していたが満車ではなかった。満車の場合は進入禁止のゲートが設けられ、美濃戸口の駐車場を利用と思う。岐阜や尾張小牧、神戸などのナンバーの車が駐車していた。

6時くらいに登山開始。美濃戸山荘の先、北沢との分岐を南沢へと進む。南沢ルートは赤岳への最短ルートだと思う。緩やかに標高をあげていくので大汗は出ない。早朝というのもあるが、沢の冷たい水が周辺の空気を冷やす効果もある。

行者小屋手前あたりで沢の流れは無くなる。正面が開け八ヶ岳最高峰赤岳が姿を現す。行者小屋に9時頃に着く。美濃戸からコースタイム2時間の所、3時間かかってしまった。

小屋前のベンチでは何組もの登山者が休憩していた。缶ジュースは300円で売っていた。小屋前には無料の水場がある。沢の流れは小屋の遥か前で途絶えていた。水は地下から汲み上げているのだろうか。

行者小屋から地蔵尾根へ取り付く。こちらへ向かう人はいない。赤岳へは、文三郎尾根が一般的か。それでもゆっくり進む私を追い越す人たちが数組いた。下ってくる人も多くは無いがいる。

尾根にある階段を少しずつ上がる。標高が高くなるにつれ景色が良くなる。先ほどまで休憩していた行者小屋や赤岳鉱泉が見えるようになる。

右手を見ると文三郎尾根を登る登山者が確認できる。足元の傍らにはミヤマシオガマが咲いている。晴れていた天気が曇り空になる。

地蔵尾根を登りきると「ここは地蔵ノ頭」の標示があり、標識の下にはお地蔵さんがいた。赤岳展望荘まで僅かだ。2日前に予約した赤岳展望荘に着いたので受付しようと思ったが、午後2時からだと言われた。

受付まで別棟の談話室という所が使えるというのでそちらを利用した。時計の針は11時を過ぎたところだった。天気が良ければ赤岳に登ってもよかったがガスが時より立ち込める生憎の空模様だったので自嘲した。

12時少し前に食堂に行って昼食。カレーを頼んだ。容器は使い捨てのようだ。稜線上なので洗う水も貴重なのかも。
受付が早まり午後1時から開始された。色々説明を受けたが詳しくは渡された館内のご案内を読んでくれとのこと。

通常、小屋のほうで指定した時間が書かれた食事券を渡すのだが、ここは、お茶やコーヒーを飲むためのマイカップを代わりに用意された。それに名前か識別出来る記号や絵などを記入するように言われた。このようなシステムははじめてである。

それプラス風呂があるとのことだ。稜線では貴重な水なのにと思った。風呂の排水はバイオトイレに使われるとのこと。風呂は女性が14時からだったがすでに準備が出来ているとのことであった。男性は15時半からと19時半からとあった。

赤岳展望荘は個室が中心の山小屋である。大部屋は食堂のある建物の下の階にある。割り当てられた場所は下段の真ん中付近だった。さすがに午後1時では宿泊客は他にいない。

しかし、暫くすると何組か来た。寝床は布団ではなく寝袋だった。隣との間隔は非常に狭いのだが今日はそれほどの混雑もないようで一つおきの間隔での収容のようだ。

外に出ると雨だった。しかも酷いガス。予報通り激しい雷雨が襲ってくるかと思われたが、その後回復して再び晴れ間も見え始めた。宿からは東に野辺山の高原に建つハウス群が見え、西には諏訪湖が見えた。

宿の東側の一角にイワベンケイやウルップソウなどが見られる。ベンチがあり若者数名がくつろいでいた。小屋の脇に外国人が一人たたずんでいた。何か訳ありそうな感じだ。

15時から男性の風呂の時間だったが、混雑すると思って16時ころに行った。小屋の湯船は五右衛門風呂で一人でのんびり浸かるとはいかなかったが、さっと入って出るといった人が多かったので湯船が込み合うことは無かった。風呂の湯は雨水利用と思うが、毎日入れ替えているかは不明である。

夕食はバイキングだった。例の外国人が小屋のスタッフとして働いていた。なんで外国人がこんな山の上で働いているのだろうか。トン汁も良かったが杏仁豆腐のデザートも良かった。食後は無料のコーヒーを頂いた。

夜に夜景を見に、外へ出たが諏訪湖は低い雲が立ち込めていて街明かりは見えなかった。

翌朝、外に出たときはすでに朝日が昇っていた。甲府盆地は見事な雲海になっていた。その向こうに富士山がくっきり見えた。少し左に目を移すと五丈石のある金峰山も確認出来た。富士山の右側には赤岳が朝日を浴びていた。

朝食もバイキングだ。5時からだが少し遅れていった。ソーセージやカリカリ梅に卵焼きなどある。食後のコーヒーを飲んだ後、赤岳に向かう。

昨日と違って赤岳のバックには青空が広がっていた。登山道はすでに行き交う人で賑やかだ。右手に北アルプスの山々を遠くに見ながらゆっくり登る。足元にはチョウノスケソウをはじめ高山植物の花が咲き乱れている。岩場の急な所もあるが比較的登りやすい道である。

登りきると赤岳頂上小屋がある。その少し先に八ヶ岳最高峰赤岳がある。小屋の脇を通り赤岳へ歩を進める。赤岳山頂には10人以上がいた。暫く頂上からの景色を楽しむ。

南アルプスの山では仙丈ケ岳や甲斐駒ケ岳、北岳など確認できる。中央アルプスや御嶽山、北アルプスでは槍ヶ岳は判別しやすいがあとはどれが何山なのか地図でよく確認しないと判らない。

この時間、行者小屋やキレット小屋方面からも続々と登ってきて賑やかだ。東側の県界尾根や真教寺尾根も赤岳近くで合流しているが途中に山小屋が無いので夜明け前から行動しても流石にこの時間この場所にたどり着けまい。

赤岳展望荘に戻り横岳、硫黄岳へ向かった。地蔵尾根の分岐を過ぎ梯子を登り鎖のある岩場を進む。岩場の厳しい道ではあるが、所々高山植物が花を咲かせ和ませてくれる。

2829mの横岳を過ぎ、暫く進むと道はなだらかになり、足元にはコマクサが見られるようになる。そして硫黄岳山荘に到着。ここの山小屋は沢の水をポンプアップしていると言う。

硫黄岳山荘は稜線にあるオアシスのようで、売店やトイレも利用でき、休憩するのにちょうど良い位置にある。大勢の人がここで小休止していた。

硫黄岳山荘から硫黄岳への登りはケルンがある。緩やかな登りだが、ガスが発生した時はそのケルンを目標に道迷いをしないように注意したい。

硫黄岳に着く頃には雲がだいぶ多くなってきた。硫黄岳は爆裂火口が圧巻だ。荒々しさは火山活動を連想させる。夏坂峠を境に今いる硫黄岳から南を南八ヶ岳、北を北八ヶ岳と分けることも出来る。北八ヶ岳の北端に当たる蓼科山はここから見える山容がプリン型している。

温泉マニアに有名な本沢温泉は北八ヶ岳にあるので今度はこちらの山を踏破しながら巡ってみたい。

硫黄岳の広々とした山頂では、大勢の登山者がいた。夏沢峠からも結構登ってきていた。この硫黄岳だけなら桜坂という所まで車で入れば2時間ちょっとで着くようだ。

硫黄岳からの下りは赤岩の頭までは10分ちょっとで、ここで進路を右にとればオーレン小屋、夏沢鉱泉経由桜坂の駐車場へ行くことが出来る。もう少し先に進み左に進路をとる。目的の赤岳鉱泉から美濃戸へと行く。

樹林帯の道は地蔵尾根と比べれば遥かに緩やかな坂である。ちょうど6〜7人のパーティが登っていった。ジョウゴ沢にかかる橋を渡り暫く進むと赤岳鉱泉にたどり着く。

テント場もある赤岳鉱泉から行者小屋への道もあり、ルートの組み立てによっては色々楽しめそうである。駐車した美濃戸への北沢沿いの道はこの時間日差しがあり暑く感じた。このような状況の中ボッカする人たちに遭遇した。

赤岳鉱泉から1時間ほどで一般車両進入禁止の林道に車が停まっていた。どうやらここから荷物を運んできているようだ。荷物の量にもよるが、ヘリよりもおそらく費用は安く確実に運べるからと思われる。

林道歩きをすること30分程で美濃戸山荘に戻ってきた。途中アブとの壮絶な戦いなどあったりした。

美濃戸山荘で小休止、ソフトアイス400円を頼む。ジュース類は缶またはビンが200円、ペットボトルが300円、缶ビール350mlが400円などとなっていた。すぐ先の赤岳山荘の駐車場ではなく美濃戸口まで歩かなければならないなら、買うかもしれない。

車に戻りダートの林道を進む。突然雷雨が襲った。美濃戸口まで歩く人が大勢いたがもう少しという所で雷雨とは大変である。まあ、私のほうはと言うと雷雨より渋滞の方で参ってしまったが。