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打楽器奏者の為のカスタネット入門
カスタネットといえば『フラメンコ・カスタネット』。オーケストラの打楽器奏者はこの『フラメンコ・カスタネット』の奏法を身につけることによって、また一つの新しい世界が広がります。
私自身も、オーケストラの中でいろいろな曲のカスタネットパートを演奏しましたが、独特のリズム感、フィーリング、音色、細かいニュアンス等を表現するにはフラメンコ奏法が一番優れていると思いました。
また、『フラメンコ・カスタネット』を練習する事は打楽器の上達にも役立ちます。特に左手の強化や指を鍛えるには最適です。
それでは皆さん、まず『フラメンコ・カスタネット』の基本をしっかりとマスターし、それからカスタネットの女王『ルセロ・テナ』のようにソロへと発展して行きましょう。
札幌交響楽団ティンパニー・打楽器奏者、日本カスタネット協会会長 真貝裕司
カスタネットの左右
カスタネットは『低音』と『高音』で一組になっています。つまり左右の手につける二つのカスタネットの間には、音の高低があるのです。
スペインでは『低音カスタネット』(カスタニュエラ・グラーベ)を男性、『高音カスタネット』(カスタニュエラ・アグーダ)を女性とそれぞれを呼び分けています。
高音カスタネットの紐の穴の上のところに溝のような目印がつけてありますのでよく覚えておきましょう。
印のある方をエンブラ(メス)と呼び少し高い音がします。印のない方をマチョ(オス)と呼び少し低い音がします。
カスタネットの取り付け方。
カスタネットは『低音を左手』に『高音を右手』に取り付けます。
1.それではまず、『左手』に付ける『低音』カスタネットを用意してください。カスタネットの紐をゆるめ、紐の結び目の方を手前にし、カスタネットを中心にして両側に『紐の二つの輪』を作ります。
2.次に紐の結び目の方から、親指にカスタネットを紐で吊るすように、紐の二つの輪の中へ親指を通して行きます。
3.親指の『第一間接』を中心にその両側
に紐がくるようにします。
4.そして紐を締めます。
カスタネットを持つ姿勢
紐はきつく締めすぎても、緩めすぎてもいけません。親指の下にピタリと
カスタネットが付き、カスタネットが開いた状態になる様にいかり結びで
充分に調節し、カスタネットを落ち着かせて下さい。
またその時に紐の結び目が親指の上に来るように調節してください。
左手が付け終わりましたら次に『右手』に付ける『高音』カスタネットを同様
に右手に付けて下さい。
身体全体の力を抜きなるべく自然体にしましょう。
両手の指先を向かい合わせ、手のひらを自分の身体の方に向けた形にします。
肩の力を抜き、両腕も力を抜いて『手首は軽く内側』に向けて下さい。

カスタネットの基本奏法



(注・左利きの人は左右逆になります。)
『タン』、
「ta」又は「a]
左手の1つ打ちです。
左手の中指と薬指で同時に打ちます。
始めはゆっくりと練習し、うまく出来る様になったらだんだんと速くしていってください。
「しっかりとしたいい音」が出るように心掛けましょう。
後記のすべての練習も同様にして下さい。
『ティン』、
「pi」
右手の1つ打ちです。
右手の中指と薬指で同時に打ちます。
『ティアン』、
「pan」
両手同時の1つ打ちです。
両手で『タン』と『ティン』を同時に打ちます。
『カレティヤ』、
「ri」
右手を、小指→薬指→中指→人差し指の順にカスタネットをひっかくような感じで連続して打ちます。
できるだけ手首の動きは少なくし、各指の音をはっきりと出すようにしましよう。
これは右手に限って行われる奏法です。
カレティーリャ、またはカレティージャと発音するのですが、発音しやすいようにカレティヤと記しています。
『カ』は小指、『レ』は薬指、『ティ』は中指、『ヤ』は人差し指でそれぞれ叩く音です。
フラメンコスクールではこの4つの音をまとめて「RI」と呼びます。
ティ
『ポスティセオ』(ポス又はチョケとも言う)、
「chin」
2つのカスタネットを打ち合わせます。
ここでは1つの形だけ紹介しますが、他の形も何種類かあります。
『カレティヤ』 『タン』、
タン
『カレティヤ』に続けて『タン』を叩く奏法。
これはフラメンコ・カスタネットを代表する最も華やかな奏法です。
連続して速く叩くとロールになります。
「ria」
手の写真モデル 真貝裕司

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