雲と水面

京都
2000年10月

  鹿児島に住んでいる両親が今年初めて曾孫に恵まれた。父88歳、母86歳。待ちに待った曾孫が、ちょうど2ヶ月違いで二人も生まれた。偶然にも曾孫二人とも愛知県で生まれた。名古屋へ出てきて曾孫との初対面を楽しんだ両親を連れて京都へ日帰りドライブする事になった。(私たちにとっては初孫になる。)

  京都はサブローが大学4年間を過ごした懐かしいところだ。「当時サブローが住んでいた下宿は今でもあるかな?」と二人がいう。千本丸太町へ車を走らせた。交差点あたりの風景は昔とは変わっていてまるで違う町のようだが、一歩通りを入ると、昔とさほど変わらない。ちょっと入ったところに昔の下宿は当時の姿そのままにあった。しかし、今はだれも住んでいないようだ。「この家の道路側の部屋だよ。」と教えてあげる。

          
下宿

  思いもよらないアクシデントはここで起きた。記念に写真を撮ろうと愛用の古いカメラでピントを合わせようとしたとき、あろうことかレンズがはずれてアスファルト道路の上にコツン。あわてて拾ってカメラに取り付けたが、動かない。完全な故障だ。「アー、ン万円の大損だぁー」と二人に気づかれないように心の中でつぶやいた。中古だけど買ってから半年しか使っていないのにー。

  気を取り直して金閣寺へ。いつみてもその豪華さに驚いてしまう。これだけのものを造った当時の権力者の力と宮大工の技術は相当なものだ。道具のなかった昔のことだから、今では考えられないほどの苦労があったのではなかろうか。池や周りの木々との調和。どれをとっても素晴らしい。

      
金閣寺 

  京都で好きなお寺の一つが竜安寺だ。石庭は春夏秋冬、季節にあわせて美しさが変わる。雪の石庭、新緑の石庭、秋の紅葉に包まれた石庭。いつも美しい。
 この季節は観光客が多いのでゆっくり庭を眺めて過ごせないが、庭を見ていると心が安らぐ思いだ。

        
竜安寺



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