1983年に初めて人の胃から分離・培養されたのがピロリ菌です。ピロリ菌は、
慢性胃炎を始め胃・十二指腸潰瘍等との関係が非常に強いことがわかってきま
した。日本ではまだ胃ガンとの関連は承認されていませんが、世界保健機構
(WHO)では1994年に胃ガンの危険因子として承認されています。
日本では昨年11月に胃・十二指腸潰瘍でピロリ菌陽性の場合、除菌治療が保
険認可されました。除菌治療を受けることにより治りにくかった潰瘍が治る可能
性があり、潰瘍の再発が防げる可能性が出てきました。ピロリ菌感染の診断は
抗体測定、尿素呼気試験、迅速ウレアーゼ試験、培養法、組織検鏡法があり、
それぞれの検査法には一長一短があります。
除菌治療はプロトンポンプインヒビター(胃酸抑制剤)に抗菌剤2種類を組み合
わせた3剤療法で治療を行います。除菌治療期間は1週間で潰瘍治療を行いな
がら組み込みます。抗菌剤による副作用が数%出現する事があります。1週間き
っちり内服出来れば、今のところ90%前後の方が除菌に成功しています。
当院でもピロリ菌除菌治療を行っています。
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
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