霜月





屋久島旅行(すごい長い)


皆様こんにちは!10月の連休に鹿児島県にある世界遺産は屋久島へ友人と行って参りました。縄文杉やもののけ姫のロケ地とかで有名な所です。もうね、自分すごい楽しみにしてたのですよ。昨年から行こうと思い、登山しはじめたのはこの為だったのです。往復20キロ歩くので体力作りしとかないとさ!三泊四日(初日移動、二日縄文杉、三日白谷雲水+他、四日移動)という素敵なスケジュールでいきましたよ、今年度最強の台風が来襲する中で。


ときめきながら搭乗しました。


出発する一週間前にも台風がきており、旅行時は過ぎ去って安全さと思いきやまさかの二連発。毎週きたのは50年ぶりなんだそうです。初日時点では台風は遠い海上にいたので、旅行中は大丈夫、帰る頃には飛行機であばよとっつあん♪と思ってましたが、結果としてはアウトでした。到着時点での屋久島空港の写真をまずご覧ください。怪しい影が忍び寄ってるのがお分かりかと存じます。


思えばここで引き返すべきでした。

青空が見える方角は海です。んで、我々冒険者が挑戦するであろうお山は下の写真でございます。

あの山に登るんだぜ・・・


如何でしょうか、山が見えません(笑)。大魔王がすんでいてもおかしくないこの怪しさ。「勝てるのか・・・この闇に・・・」と言葉がこぼれました。この後は登山チケットを買い、登山バスの場所確認してホテルにいきました。名産トビウオ定食をとりながら「明日・・・晴れるかな・・・台風・・・こないよな・・・」と相方にぶつぶつ言いました。もう食べてる感じがしません。なお相方は会社に電話し、翌週は帰れないかもと連絡しておりました。思えば予定通りにいかないことを、彼はすでに悟っていたのでしょう。


二日目の縄文杉チャレンジ。往復10時間かかるコースです。簡単にコースを説明しますと、登山口までバスで移動→旧トロッコ線路を歩く→山岳地帯を登る→縄文杉というものです。狭い道なので、ゴールデンウィークでは渋滞が発生し大変になるそうです。とはいえ、携帯ポイントやトイレや水飲み場はあるので比較的安全なものです。朝6時前に登山口に到着し、そのままレッツゴー!俺たちの戦いはこれからだぜ!


足場はしっかりしてますがこわい。


トロッコ線路の上をてくてくと歩くわけですが、この時点では雨がちらほらと降る感じ。連休は渋滞するらしいですが、この有様です。がらんがらんで人はいません(笑)。台風直撃の時に普通島に行きませんよね。こういう橋は何点があるのですが、川はこの有様です。


どどどど


本来の川は存じませんが、すっごい音立ててあふれております。なんだよこの灰色は・・・蒼い水がみたいのに。ちゅーか帰りの登山道が見えなくなるくらいあふれました。行きは道あったのに帰りはなくなってるのはびっくり。登山にはピンク色の印があるので、それを当てに移動してました。屋久杉は色々と種類があるのですがほぼ無視して有名どころだけ写真とりました。ウィルソン株はこんな感じです。


赤色の人は自分ではありません


紅い人(知らない方です)がいるところが秘密の入り口です。中は小さいお宮があり、食べかけのおにぎりがあったり、でっかい水たまりがありました。この時かなり雨が強くなってきており、白いもやはそれでございます。余談ですが、女性二人組から写真撮って欲しいと依頼があり、カメラ濡れてよいですか?と確認した程です。このウィルソンの内部からはハート形がとれる写真で有名なのですが、場所が限られてるので手さぐりでなんとか撮れました。


僕のハートはからっぽ


雨が降ってるのでレンズ濡れ濡れです。土砂降りの中での撮影なので失敗かなと思ったのですが、屋久島に行った知人からすると、これはこれでアリとの事です。他にも縄文杉を見たのですが、雨風がひどくなってきたので休憩する事(したかったけど屋根付きの休める場所がなかった)無く、ラスボスのでっかいところまで行きました。


ラピュタはあったよ


無駄にハイテンションになった自分はよっしゃーと写真とりまくりです。以前は近くまでいけたそうですが、環境的制限がかかりました。今は見晴らし台に登るシステムです。ツアーだとガイド同士で奪い合いの喧嘩になることもあるそうですが、まあガラガラなんで全く問題ない。それより雨です。レンズについた水滴をぬぐう為にザックをおろす時が苦労しました。小さい傘でもいいから持ってこればよかった。


後は昼食もとらずに下山。雨なんで弁当広げられなかったです。予備食にもってきたウイダーインゼリーで立ち飲み。本来は屋久島の水を飲みながらゆっくりと食事したかったのですが、それどころじゃねえ。風は強くなるし、雨もやまないし、増水で足元じゃぶじゃぶだし、道は無くなるし。でも人が少ないので、氷室さんの曲を聴きながら歌いながら下山しました。ここまでくると、無駄にハイテンションになれたので楽しめたと思います、多分。二日目はこれで終了。


三日目はもののけ姫で有名な白谷雲水にいき、島一周する予定でした。でも素敵な台風さんが来ており、増水・土砂崩れの為「中止」です。白谷は増水の為、登山不可。島一周は土砂崩れによる通行止めで西部林道が不可。とはいえ、することもないのでとりあえず島をいけるところまで移動しました。


亀かわいい


島の北側にある亀の産卵海岸は綺麗でした。波が高くなければさぞかしよかったことでしょう。ちなみに散策時に友人の傘は風で壊れました。その西に進むと例の土砂崩れがあった場所の手前に灯台があり、管理人さんが様子見に来てました。そういや強風とか波浪警報がでてたような気がします。余談ですが、この日の飛行機は一便を除いてすべて欠航でした。


登ってみたかった


西部林道手前で一旦引きかえし、行く予定だった白谷の駐車場に行きました。車は管理人さんのと他の二台しかありませんでした。あわよくば登ろうと思ってましたが、アスファルトには白い波が立つほど雨風が吹いており、「ああ、こりゃ無理だね!」と素直に諦められるレベル。駐車場前にも川があるのですが、滝のようになってあばれ水状態でした。うん、これが屋久島なんだね(笑)。


もやは雨です。


海岸線沿いに走ると妙にみなれた物体がありましたのでご紹介します。まあ記念碑みたいなものです。屋久島に行かれた方ならご存じだと思います。このバランスがとても素敵です。後は台風による増量された滝めぐりしました。大川は駐車場が狭いので、晴れてたら渋滞しそうなほどになかなか絶景でしたが、人いなかったので問題なしです。人が少ない世界遺産って素敵ですね(生気の無い声で)。最後はお土産屋にいきましたら窓やドアに板が打ち付けられておりまして、声かけたら「台風で店じまいです」といわれました。しょんぼり。


しっぽありませんでした

せんぴろと読みます

乾いた道ってあったっけ


本来ならこの日は最終日なので、ちょっとお高いホテルで温泉とディナーをしてバカンスを楽しむ予定でしたが、翌日船も飛行機も全便欠航になりそうだというニュースをうけ、心はダークブルーでした。誤解の無いようにいいますが、料理も客室も温泉もホテルマンもすべて良かったです。台風さえ(以下略)。この日の夜はすごい轟音の風で、浴場の分厚い窓ガラスが揺れる位で、ホテルの方が「明日温泉閉鎖か・・・?」という呟きを友人が聞いたそうです。


帰る予定だった四日目は素敵でした。交通機関は全滅、ケーブルテレビも中継局が被害出て見れない、携帯(ソフトバンク)一時不通、一部地域にて停電で信号は警察の方がやってました。もちろん食事店や土産屋も休業。幸い宿泊したホテルはでっかいので、電気は自家発電でテレビもBSだけ見れました。ただ、情報だけはネット見てても細かいとこまでなく、JALに電話しても混線でつながらない状況。嵐の中、とりあえず空港と海港に行き、それぞれの便を新規予約しました。この時点ではそれでも復旧するかは未定でしたが。


非常時にホテルの対応は良かったです。飛行機キャンセル待ちの為、朝早くでるから朝食不要といったら、お弁当を用意してくれました。内容もかなり豪華なものでした。島中が休業してるので食料はありがたかったです。スーパーいったらカップめんすら無しでした。また、連泊する際は別の安いとこにするつもりでしたが、そこらへんは満室だったり、停電・食料がないから泊められないという事で結局は同じ所に居座りました。宿泊費は高かったですが、色々と気を使ってくれたのでよかったです。


この日は時間だけはあったので、帰宅ルートを調べまくりました。石川県から屋久島にいくのは、伊丹空港・福岡空港・羽田経由鹿児島空港です。乗り継ぎの電車も考えると情報整理が大変。屋久島はこの三つの空港で行きます。もしもこの時刻になって飛行機乗れないなら・・・という状況に対応すべく何パターンもメモしました。なお島に取り残された人もいるのでチケット争奪戦です。屋久島空港はプロペラ機しか着陸できないので、少人数の移動ずつがメイン。なので船で帰ることも検討しました。


五日目(延泊1日目)は台風は島は通り過ぎましたが、まだ九州圏内。船は波が経ってるので一日欠航。残る希望は飛行機のみ。ホテルマンからは「乗れるといいですね」と本当に気を使った声をかけて頂きました。空港までの道のりではようやく大魔王の呪いがとけたのかこの青空!


青い空ってあったんだ


思えば初めてだったかもしれません。光が・・・南国っぽい陽射しがあるよと友人とはしゃぎました。とはいえ、強風でしたので海をみればこの有様です。


暗い影


「ざっぱーん!!」という波しぶきがたっておりました。雲もどんよりとしてますね、ハイ。一応台風が通過したとはいえ島だけなので、まだまだでございます。空(一部)は綺麗なのですが。なお、空港で飛行機をまっている間、素敵な虹がでましたのでお伝えします。小さいのと大きいの二つでございます。


ダブル虹


ちなみに屋久島の飛行機は他県からこないと乗れないシステムとなってます(置き場がない)。この日は「上空まできましたが、風が強いため着陸できません。本日はすべて欠航となります」というアナウンスが入りました。「計画通りだ・・・」と私が呟いた声に、友人は「そうなの?」と反応。そして自分は顔そむけて自分の顔をみせないようにしました。大丈夫、泣いてなかったと思います。というわけで連泊続行です(またお金がなくなりました)。


六日目(延泊二日目)は素晴らしい位のヘヴンリーブルー。天国も真っ青だせといわんばかりの台風一過。これが一日目からあればどんなに楽しいバカンスになったことでしょう。心なしか友人もうれしげです。半ばヤケになり、波狂う海や島の有様を撮りまくってた彼が何故が素敵に思えました。


へぶんりぃぶるぅ


この日は普通に会社出勤日なので、朝一から上司に連絡。ええ今鹿児島にいまして、台風による交通機関が不能となりまして休ませて下さいとサラリーマン的に報告をし、食事とって空港へ!さて、ここで読者の皆様に質問です。自分が到着したときの屋久島の天気覚えてますか?比較として写真置きます。

【事前】
くもり
【事後】
晴れ


大魔王の呪いは解け、平和を取り戻した感覚がありました。私、登山したのですね。一部いけないところもありましたが、ラスボス(縄文杉)まで行けましたし。普通ならここでエンディングに入るのですが、まだでござんす。なにせ空港は帰れなかった人でごった返し状態。席数が多少増やしたそうですが、確実に自分は乗れないレベルでした。なもんで船で鹿児島→飛行機で大阪→鉄道で石川というルートをとることに。


高速船は酔いました


高速船トッピー君に乗り鹿児島まで移動。二時間くらいでしたかね。隣にビール飲んだ女性が酒臭かったのが印象的でした。ちなみに空港でその女性に自分が乗りたい便のチケットを目前でとられました。それにより、丁度乗りたい飛行機が満席になった時の絶望感は忘れてません。次の便は夜遅くもう一泊延長する覚悟もしましたが、ダメもとで満席となった便のキャンセル待ちを申請したら、キャンセルでました。しかも実際乗るとまだ他に乗れそうな席の空きが五・六席。あの満席マークはなんだったのか。


ここまでくれば延泊することはありません。JRも前日は運転停止だったそうですが、もう動いてました。2014年度最強の台風だったせいか、使用できなかった予約チケットの返金作業はスムーズにしてくれました。自分初めてだったので、証明するのに証拠品とかいるんかなと思いましたが、特に何もいりませんでした。購入したチケット見せてお仕舞いでした。理解が早いのは嬉しい。


さて、まとめに入りましょうか。一年前から計画し、準備し、楽しみにしていた屋久島旅行は幕を下ろしました。登山グッズ買ったり、身体鍛えたり、屋久島の事調べたり、旅行費貯金したりと頑張った結果がコレでした。逆境の中、楽しんできたと強がりを言えば良いのでしょうか。自分でもよくわかりません。


友人は言いました。台風がくるという時点で旅行をやめようという話がお互いなかったよなと。うん、普通話でるよね。しかしずっと楽しみにしてた事をそうそう諦められるでしょうか(いやない)。でも結果としては、白谷がいけなかった事と、延泊した事以外は予定通りでしたので、まあいいのかと思わなくもない。最強の台風が来る時に、屋久島行ったんだぜ・・・と格好つけられるし(多分)。


地元の方とお話しする機会あり、9月に台風が来た時縄文杉も白谷も行けなかった方々がいたそうです。それに比べればまだ良いほうでは?と慰められました。また、自分たちが縄文杉行ったとき、途中でツアーの方々が道を引き返してるのをみました。時間かけて大枚はたいて屋久島きて目標達成できないならきついでしょう。10月はほぼ台風来ない月なので大丈夫と思ってましたが、この点だけは残念でした。


印象に残ったのは縄文杉よりも、いかにして帰るかに心費やした事でしょうか。台風が来たときの対応は今後スムーズになると思います。縄文杉まで歩いて疲れなかった?と聞かれましたが、それどころじゃなかったので意外と歩き疲れた記憶が無いのがポイントです。台風の中歩いてたのだから疲れてる筈なのですがねえ。どうにでもなれと開き直っていたので、無駄にハイテンションだったからかもしれません。


もう一度いってみるか?と聞かれれば、行くのは良いですが台風はごめんしたいですな。ただ、屋久島これから行かれる方にこれだけは言えます。台風発生したら遠くであってもキャンセルすることをおすすめします。その方が傷口が広がりません。行けば楽しいところですが、台風きたら自分の二の枚となりますのでご注意をば。というか、普通行きませんよね。