■■■conte lab KK.■■■
2002.6.5〜6.9@シアターD
監修■小林賢太郎  作・演出■山田祐香/豊田竜太  出演■片桐仁/西田征史/室岡悟/森谷ふみ/他

「コントラボ」と読むそうです。コント研究所だそうです。研究所所長が小林賢太郎なんだそうです。役者班と作家班に分かれ、
作家班の研究員が脚本を書いて所長に提出、所長はアドバイスをして再提出させたり書き直したりするそうです。
所長自ら書き下ろしもするそうです。脚本が完成すると役者班が加わり、研究所内の実験室で稽古をするそうです。
たくさん練習して、作家班は演出をつけていくそうです。役者もたくさん頑張るそうです。そして開演するそうです。
…以上、コントラボ所長の挨拶文から抜粋してみました。これが今回の公演の仕組みだそうです。

小林賢太郎グローバル化計画(勝手に命名)第1弾はシアターDから。Dのキャパは120。そのほとんどが桟敷席。
「マジでぇ〜」という浮かない表情を隠そうともせずにチケット取りに励み、初日と楽日をめでたくゲット。
初日はわりとスペースに余裕があって(それでもキツいことはキツいが)ちょい楽で鑑賞、
楽日は冗談じゃないほどの詰め込みよう(宇田川レベル)で助けを求めるのろしをあげたい気分だった…げぼぉ。

<デパートの店員>
デパートの店員の開店前風景。婦人服担当(森谷)、家電担当(片桐)、食品担当(室岡)がトレーナー(西田)について
挨拶の復唱をしている。
西田「婦人服、3大殺し文句斉唱ー!」
森谷「全然大丈夫です。よくお似合いですよ」「お客様は鎖骨がきれいでらっしゃるから」「この丈が一番足がきれいに見えるんですよ」
しかし室岡は殺し文句の斉唱に疑問を抱いて流れを止めてしまう。
西田「食品、ポイントはちょっとの嘘だ」
片桐「おい食品!俺はこんなところでもたついてられねーんだよ!」
森谷「家電はそのために名字を伊勢丹にしたのよ!娘の名前はパルコ」
片桐「犬はぺぺだ」
室岡は腑に落ちないが最後にみんなで社訓を斉唱。
「お客様は神様の視線で見下す!」
…見下されてんのか…そうか…(苦笑)。初日は噛み噛みでかなり見てられなかった…。これ書いたの小林?

<王様ゲーム>
3対3で合コン中の片桐、西田、室岡。室岡は一国の王なのだが王様である自分のことばかり話して他の二人の反感を買う。
振られたばかりの片桐を励まそうというのが合コンの趣旨なのだが室岡のマイペースぶりに片桐が怒り、
セッティングした西田は片桐をなだめようと必死に場をまとめる。
片桐「サンキュ。お前ふたり持ってっていい」
王様ゲームをしようということになり、西田が王様になって盛り上がるが電話がかかってきて室岡が中座。
「お前失礼だぞ!テンション下がっちゃったじゃねーかよ!」と反感買いまくり。
室岡「あ、処刑?ギロチンで。さくさくっとやっちゃって」
片桐「中途半端に公務が残ってんなら来んなよ!」
そこにまたしても室岡に電話がかかってきて、
室岡「舞踏会?またお后候補来てるの?どうせ政略結婚なんでしょ。追い返しちゃって。それよりこっちで気に入った子がいるんだ」
それを聞いた他の二人は怒り、
西田「室岡は国に好きな人がいるんだってさー。俺たちいない人はいない人同士でもりあがろうぜ」
すると女の子達から「仲間はずれはかわいそう」という意見が出て、片桐「そうだぞ!仲間はずれはいけないんだぞ!」と
一気に形勢逆転。そこにまた室岡に電話がかかってきて、
室岡「何?砦が崩される?すぐ迎えに来なさい」片桐「室岡、お前帰るのかよ」
室岡「植民地が反乱を起こしてな。うん、そうだよ。馬車。白い馬二頭で引っ張ってる。乗ってみたい?いいよいいよ。僕は前に乗るから
4人連れて行けるよ。片桐くんもどう?」
片桐「いいんスか!? やった!」ひとり残される西田。そこに室岡が、「これで払っといて。2億円位するから」と王冠を西田に手渡す。
楽日:初日から変わったこと…王様に口ヒゲがついていた。しゃべり方がより王様らしくゆったりしていた。
    仁くんはけるとき「馬車の中でいいことしようか」…彼思春期ですから(笑)

<男と女>
小学校からの同級生である西田と森谷が、お互いの過去の話を室岡に聞かせている。西田は森谷が好きで、森谷は西田が好きだったのだが
大人になった今、結婚したのは別の人で…という話。うっわーめちゃくちゃ説明しづらい…(汗)しかもタイトル思い浮かばねぇ(汗)
笑いどころも少なく地味な印象の話だが、現実味を帯びているコメディで割とよくできた話だったかも…と今になって思う。
見たときは印象薄くていまいち感が拭えなかった。室岡さんのやる気のない相づちがいい。あと「エロ漫画じゃねえか!」っていうツッコミ。
森谷さんの長台詞&早口がすごい。初日は噛みまくっててかわいそうだった。

<スピーチ>
食品会社のパーティーに呼ばれたコンビニの店長(片桐)。そのパーティー、実は新商品「ライスオンゼリー」の発表会。
パーティー会場でスピーチの練習をこっそりしていると謎の男(室岡)が現れ…。
オチの仁くんの「へぇ〜」っていう表情が愛らしい。
初日と楽日、頭からまるっきり構成が変わっていた。話は変わってないんだけど…それにまずびっくり。
楽日:室岡さん大暴走。きらきらした目で仁くんを見つめまくって「それホントやめてください。気持ち悪いですから」って何度も素になって
    笑いながら逃げていた。それでも執拗に迫りまくる室岡さん…大困惑の仁くん…面白かった…。

<男>
男対女戦争の真っ直中。室岡、片桐、西田のアジトに女スパイである森谷が自分は男だと偽って潜んでいる。
片桐は「女に攻撃しようぜ」というのだが室岡「女に手を上げられるわけないだろう。勝てるわけないんだから」
そのかわり女の悪口を言い合ってすっきりしようということに。
片桐「女もアニメ見るくせにプラモデルは嫌いとか言ってよお。アニメとプロモは一心同体なんだよおおお!」
森谷が女についてよく知ったような口を利いてしまい、「女じゃないよな」と再三言われるが、
ドスの利いた声で「女じゃないぜ!」と言い張る。そこに外へ出ていた西田が帰ってきて、この中に裏切り者がいると言うのだが…。
オチ…思い出せ私…覚えてない…(苦笑)。
楽日:森谷さんの「女じゃないぜ!」と言った後の笑い方が変わっていた。
    「お前女じゃないよな?おっぱい見せてみろよ」と仁くんと室岡さんが森谷さんに迫るシーン、
    楽日だけ異常に長く執拗で、森谷さん「このシーン長い…」と本気で嫌がる(笑)。ブラウスのボタンに手をかけてる人も
    いましたけど…(笑)。

<ザーブ>
アコム杯ザーブ夏場所。実況の室岡と解説者のギリンジ親方。ザーブとはハンマー投げの要領で座布団を投げて飛距離を争う
競技だが、大相撲と間違えて入った人を含め(そっちの方が大半)大入満員の会場。角海老部屋所属の西田選手が登場、
タイミングが合わずフライングをすると10万円のペナルティを課せられるが、2度目の遠投で好成績をマーク。
というようなザーブ夏場所の模様をお伝えするコント。取り組み後にはオートバイの豊田さんが豊満な肉体を露わに登場、
ザブ取り式(弓取り式みたいなもの)を披露。お腹の肉がすごかった…。
個人的には角海老部屋というのがプチヒットだったのですが。全部金貸しじゃん…。
室岡「おっと、無数のパイプ椅子が宙を舞っております」というのがおかしかった。あと西田さんのプチまげも。
室岡「親方は断髪式はなさらないんですか」
片桐「したいんですけどね。はさみを入れてくれる人が集まらなくて」
室岡「人望がないんですね」
片桐「イエス」
楽日:ギリンジ親方のまげがすごいことになっていた。初日と比べて2倍くらい。

<募金>
募金活動に励む片桐と森谷。
片桐「募金お願いします」
森谷「世の中には恵まれない人がたくさんいます」
片桐「募金お願いします」
森谷「お金がいるんです」
片桐「家を建てたいんです」
森谷「公団じゃ狭いんです」
片桐「家を建てた暁にはホームパーティを開いて一銭も出してないことを自慢します」
森谷「ガーデニングに励みます」
片桐「署名お願いします」
森谷「貧乏と親の反対のせいで結婚できない私たちに、署名お願いします」
片桐「ひとりでも多くの署名と住所が必要なんです」
森谷「行くとこ行けば売れるんです」
片桐「お金持ちの人の住所を教えてください」
森谷「募金お願いします」
片桐「僕たち二人のために、募金お願いします」
森谷「募金お願いします。やがて増える3人目の家族のためにも…」
片桐「お前…!」
そこに森谷の父親(室岡)登場、ふたりの結婚に相変わらず難色を示す。
そこに通りすがりの男(西田)がやってきて募金をするのだが…。
オチの片桐「あ、おまわりさん」というのがものすごく無邪気で好き。
初日、室岡さんの田中邦衛口調がめちゃめちゃツボに入って異常なくらい笑ってしまった…初日一番笑ったのがここって
どういうこと…(笑)もうホントおかしくて。室岡さん!責任とって!仁くんも笑ってたよ!
楽日:暗転中、仁くんと森谷さん、首に下げた募金箱のひもの長さがお互いどうもあってない。ふたりで見比べて、交換するとジャストサイズ。
    なーんかとっても微笑ましい光景なのでした。

<喫茶店>
喫茶店で西田を待っている室岡。遅れて西田がやってくる。
西田「喫茶店『N.O.』?」
室岡「違う。『ん・おー』って読むんだ」
西田「は?」
室岡「今からお前のコーヒーを持って店長が来るけど、その前に注意しときたいことがある。びっくりして大声を上げたり、
突然動いたりするな。もし万が一目が合ってしまったら絶対自分から目を逸らすな。へそを食われるぞ。それから出されたコーヒーは
飲むな。取り返しのつかないことになるぞ」
西田「はあ!?」
そこに上半身裸、カラダに鎖とツタを絡ませた店長が登場…狂乱の幕開け…(笑)
飛び道具登場!って感じですな。とにかく仁くんが野獣みたいに暴れまくるコント。怯えまくる西田さんが面白かった。
楽日:仁くん登場時、鎖で壁を叩いたら穴が開いてしまい慌てる。役に半分入りながらも何度も穴をさすっていた(笑)
    仁くんが室岡さんにツタをあげるシーン、西田「それ何?」室岡「浜崎あゆみがまねしたヤツだよ」
    仁くんがあゆのあのポーズをとって(おすまし顔、手は腰)ひとこと「I am…」
    西田「あいつ喋れるじゃん!」室岡「喋ってないよ」……アドリブなのかしら。それとも追加されたのかしら。面白かった。

<鳥>
鳥たちの青春群像。鴨居(西田・カモ)、ヒナコ(森谷・渡り鳥)、黒田(片桐・カラス)、チャボ(室岡・そのまま)が
紆余曲折を経て大団円に至る…という話(笑)。途中でポッポ急便の鳩山(豊田)も伝書鳩として登場。
最後は浜省の「悲しみは雪のように」が流れたりしてトレンディ色満載。ベタベタのドラマになるところもおかしい。
あの…黒いキャップをかぶった仁くんがものすごくかっこよかったんですけど…ニヒルな役といい…
思い出すだけでも動悸が速くなるというか(病気)…もう穴が開くほど見つめてしまった…前のコントがあんなんだったのに
ここまでがらりと変わるとは!役者ですなあ…そして私はビョーキ…
楽日:出てくると思ったらやっぱり出てきました。
   ラスト、豊田「に、兄さん…」小林「弟…!」灰色のキャップをかぶって鼻テープした(笑)小林賢太郎登場。大歓声。
   豊田と抱擁しあい、最後は6人揃って肩を組んでおしまい。
   私は小林が出てきたときの仁くんの嬉しそうな表情を見逃さなかった…うふふ。


〜エンディング〜(楽日のみ)
なんかやけにテンションの低い、短いエンディング。いつものラーメンズのエンディングを知ってるだけにちょっと拍子抜け。
役者に一言ずつ言わせればいいのにー。ぶーぶー。

小林「狭いのに本当にありがとうございました」
片桐「暑いですねー。これでも後ろの方は寒いのかな」
小林「今度は空調を何とかしようと思ってます」
片桐「あ、電気関係かなんかの方ですか」
小林「(流して)みんな気がついたかな、壁も僕たちみんなで塗り替えたんですよ。きれいになってるでしょ。
    初めての方はわからないと思いますけど…。あとみなさんには関係ないですが楽屋のトイレ掃除も僕がしました」
片桐「死んだネズミが出てきました(笑)。死んだネズミみたいな公演でした…」…そんなふうに言っていいの?(笑)
小林「コントラボ、こんな感じで続けていけたらと思ってます。ありがとうございました」


<総評>
えーと。1時間程度の客に優しいコントラボでございました。なんと言っても衝撃的だったのは、初日見終わってほとんど内容を
覚えてなかったこと(笑)。Mちゃんは「これをもう1回見るのかー。きついなー」というわかりやすい感想を述べておられました。
確かにラーメンズ風味に慣れていると、このライブは本当に薄味で食べた気がしないというのは事実。
しかし小林監修、そして小林手直しが多かったと思われるため、うっすーいラーメンズ風味だったのですよ。
そこがね、なんともどっちつかずで気持ち悪い感じでした。ラーメンズならラーメンズ、他の作家が手を加えるなら
まったく違うテイストのコントをやって欲しかった。だからどうもどれを誰が書いたのか判別しにくくて。
ていうかさ、飛び道具(仁くん大暴れのやつね)は使って欲しくなかった。だってあれラーメンズじゃん。面白かったけどさ。
だけど私は「ああ、使っちゃったか…」と思いながら笑ってました。実験するなら徹底的にしようよ。あんなの実験しなくたって
仁くんキャラで成功するに決まってんじゃん。なーんて思ったりして。
誰かがどこかで書いてたんですが、「いつも舞台に立って小林がやる役を西田さんがやってたように思う」という指摘。
言われてみればその通りだ…ホントにそんな感じでした。こんなことを考えてしまう悲しいラーメンズファンの性(さが)。
とにかく初日は噛み噛みもいいところで、台詞とばしもいいとこで、そりゃちょっとないよ〜と半分興ざめ。
西田さんの芝居が4人の中で一番安定してたような気が。西田さんの芝居結構好きです。声張ってるし。
あのね…お気づきの方もいらっしゃるでしょうが。どうもあまり感想がなくってですね…(笑)
思いつく感想と言えばDは狭かった…もうあそこでやるのはやめてくれ…とかですね…(汗)
そんな私が今いちばん言いたいこと…察しのいい方はもうおわかりですね。


ラーメンズが見たい…!