ラーメンズ第10回公演 「雀」
大阪公演 2001.12.28〜12.30@近鉄小劇場 東京公演 2002.1.21〜1.27@本多劇場

本公演ももう10回目。なのに私は初体験。そのギャップがちょっと悔しかったりもする。
東京は初本多。その規模にもびっくり。ラーメンズは確実に動員を増やしている。
客席で初めて手にしたフライヤー(苦笑)には「逆らわず あらがわず ニッポンを笑おう。」の文字。
舞台には本物の木でできたステージと箱がひとつ。いつものセットだが、木の質感がぬくもりを演出している。
SEは和のテイストのテクノ。新しい音だが心地よい。転換ごとに違うSE。どれもかなりいい。
今回はおとなしく東京のみで1/22,24,27の計3回鑑賞。(つっこみ不要)
SEのボリュームが大きくなり、暗転。

<お時間さま>
失った時間を取り戻すことのできるというお時間さまに接見に来た男(小林)とその案内係(片桐)の応酬。
男は仕事上のミスで失った時間を取り戻すためにこの場所へ来たのだが、案内係にことごとくはぐらかされ……。
言葉遊びがふんだんに取り入れられたコント。「テンパっておったもんで」がキモか?
言葉の一部を入れ替えてその面白さを笑う、というのがメインだったのだが、なぜかちっとも笑えない自分に動揺。
しょっぱなからこうだったので途中から「もしかしてやっちゃった……?」とひとり冷静に当惑。
「どうしよう、面白くない」と周りと自分との間に温度差を痛感しまくる。ラーメンズで初めてカルチャーショックを感じた記念碑的コント(笑)。
24日:ネタ終了後暗転時に客席からまばらな拍手が。たまらず小林「するならしようよ!」のひとことに大拍手+笑い。
    これがきっかけとなりその後もひとネタごとに拍手が。ネタごとに拍手が起きたのはこの日のみ。
    暗転中のセッティング時に仁くん、持ってきた椅子の位置が決まらなくて四方からいちいち確認。コバケンを待たせる。

<広告代理店〜音遊>
とある広告代理店で残業中の男(小林)と彼の仕事が終わるのを待つ音大在学中の男(片桐)。
企画のネタづくりに煮詰まっていた小林は片桐の力を借りて新しい企画を思いつくが……。
仁くんの口笛がキモなコント。彼独自の「音遊」は既存の歌の最後の音をはずすというアバンギャルドなものなのだが、
そこに辿り着くまでは決して音をはずしてはならないという宿命を彼は背負わされている(笑)。
間違えないかどうか毎回見ていてヒヤヒヤした。しかし1回も間違えず。ブラボー。
広告代理店というベタな設定と彼が企画を次々とひらめいていくという筋書きに現在そして未来のラーメンズを見ているようで
少し切なくなったのも事実。仁くんの音遊は楽しかったがドレミの歌でハメを外す場面、ちょっと長くてちょっと引いた(笑)。
「あーら画面の向こうに美味しそうな天ぷらが。ばりーん!こっちの方がカラッと」のギャグは目からウロコで面白かった。
仁くんの観葉植物のマネ、「パクりじゃない!影響を受けたんだ」「もっとコンテンポラリーに生きろよ!」「今年の冬は、怖くない!」
「サラリーマンて何食ってんの」……笑いどころを挙げてみるとすべて仁くんパートであらあらって感じ(笑)。
仁くんの話が下品な方向にいってしまい、小林「そういう話やめてよ。(ちょっと素で笑いながら)ブランドに傷つくから」片桐「何のブランドだよ」。
一歩引いたり踏み込んだりしながら笑いを取っていく姿勢は好きです(笑)。
小林「何食べたい?」片桐「何事にも動じないパスタ!」小林「……冷製パスタね」のオチはわかっていても毎回笑ってしまう
単細胞な私。好きなんだな、こういうの。
楽日:最初は仁くんひとりで回転していたが、コバケンも自分の椅子で回りダブル回転になっていた。
    小林「だいたいそんなの流して『このバッグ買おうっと』ってなるか?」片桐「……バッグ次第だな」の応酬は楽日のみ。仁くん天才。

<アトラクション>
ここはとある遊園地のアトラクション。案内係(小林)が独特なしゃべりで客に注意事項を告げる。
電気仕掛け(古い)のキャプテンカテゴリー(片桐)が操縦するタイムトラベラーに乗り込んで未知なる世界へ出発……。
明らかに東京ディズニーランドのスターツアーズとかを意識したネタ。キャップをかぶりシャツはズボンの中、という風貌からして(笑)。
いかにもなアトラクションのお兄さん喋りを見事に模倣したコバケンはさすが。「Have a nice trip!行ってらっしゃ〜い!」と手を振ってはけると
なんと拍手喝采が起きるのである。やってて気持ちいいだろうな、と斜めに見てしまう私は醒めてますか。
だってあまりに好反応な客+やりすぎ感の漂うコバケンに最後の方はちょっと食傷気味。
奇怪な動きとヘアバンドの異常な使い方の仁くんがかすんでしまうほどの独壇場。
オチの「東京ディ…おえ〜っ!」ってのはタネをばらしたかったのかな。ラーメンズらしいオチっちゃオチだけど、なんか余計な気がしてしまった。

<金の斧>
許しを請うために必死に働く男(小林)。しかし部屋の主(片桐)は一向に許す気配を見せず……。雀中、最短コント。
またもやコバケン独壇場。ていうか仁くんはほとんど台詞がなく、腕を組んで気難しく黙り込んでいる。
その黙り込んでいる仁くんの無言の演技が異常にかっこよくて、いろいろと動き回っているコバケンが引き立て役みたいに見えてしまったのも事実。
贔屓ですか?……あ、贔屓ですか。
1回目はオチの意味がわからず取り残されたような気分に。理解力の足りない私はMちゃんに説明してもらってそういうことか、と。
まあそれも正しいかどうか小林先生のことだからわかりませんが。やっぱりモチーフはあの昔話なんだろうけど。
アプローチの仕方は新鮮だが笑いとしてはどうなの?というネタ。あまり語るべきことが見当たりません(笑)。
楽日:暗転明け、やたら張り切ってぞうきんがけをするコバケン。しつこいくらいにやってはあはあ言ってた。
    最後に投げつけたぞうきんが舞台の外に出てしまい、暗転時に仁くんが拾ってコバケンに渡してたのが何気なく印象的だった。

<人類創世体験ルーム>
聖書の創世記を教科書として人類創世体験をする部屋にやってきたアダム候補の2人の男。イヴと子孫を残せるのはひとりだけ。
そこで2人はどっちが優れているか争うのだが……。
いちばんラーメンズらしい設定のコント。人類創世体験て。小林大先生にはかないません。
小林「大学はどこです?」片桐「一応一橋大学を」東大と答えさせないあたり心憎い演出。微妙なラインを突いてくるのがうまいなあ。
でもこれもはっきり言って印象が薄い……思い出せ私。だから小ネタで笑わせるタイプのコントは印象に残りにくいんだよぅ!
22日:小林「ユニクロ、ユニクロ、無印、ユニクロ……チュッ」仁くんの人差し指にチュッ。この日だけ無印が混じってた。
24日:高速腕立て伏せをする仁くんの動きにコバケン思わず素笑い。「モーター音でごまかさないでください」
    1万円クイズの名前並べ替えで言う前から勝手にひとりで吹き出すコバケン。何を思ったんだ……。
楽日:コント中、小林「あ、ゲップ出ちゃった。ポカリの味がする」……正直者ね(笑)。

<ねいのうさん>
ドーデスのコバケン版。おかしなねいのうさん(小林)と友人(片桐)の応酬。ねいのうさんはたまに憑依します。
筋ははっきり言ってないです……(笑)。
ねいのうさんは「お前バカじゃねいのう!」と語尾に「ねいのう」をつけるからねいのうさん。
初見では個人的にいちばん引いたネタ。コバケンがやりすぎればやりすぎるほど引き潮のように引いていく私……。
だって彼がこんなに作り込んだキャラをやるの見るの初めてだったし。違和感あったし。最初。
2回目以降はこういうものだとわかっていたので楽しんで見れました(笑)。
片桐「お鍋の具で何が好き?」小林「紙!」片桐「紙?」小林「紙とかはヤだよ!」片桐「紙はないよ」
小林「お前はお豆腐を買いに行く人ですか」
片桐「で、(出前を)取る?」小林「政権?内弟子?万全の体制?」片桐「とらないよ」小林「取らないのかぁ……」
片桐『何がそんなに残念なんだよ!」大爆笑。こういうのに弱いです。鯨の小林「いいよ、炊くから」片桐「ハザード?」に次いで好き。
憑依した人物はからくりテレビに出てる人(見てないので知らない)、勝新太郎、立川談志の順。生きてるのに憑依って……。
モノマネの出来具合によりねいのうさんの苦悶状態に変化が出て、そのコバケンらしからぬ様子に22日は仁くん何か救いを求めるような
表情で客席を見、楽日はもうこらえきれず大笑いしてた。
楽日:憑依でコバケンの状態が明らかに可笑しい。片桐「やりたい放題だよ……」
    小林「帰る!」でかなり本気で帰ってしまい、仁くん慌てて連れ戻す。かなり奥まではけていたらしい……。
    憑依状態に不満があったのか、ウケがイマイチで恥ずかしかったのかどっちかなんだろうな。
    暗転後、いつまで経っても起き上がらないコバケンを引きずって連れて行こうとする仁くん。小林「熱っ!」摩擦というのだよ、それを。

<告白>
女性に振られた男(小林)とそれを慰める男(片桐)。振る側と振られる側の痛みを経験してみようとシミュレーションするのだが……実は。
オチは非常にラーメンズらしい。斜めの日形式。
小林「アイドルになって彼女を見返すんだ!」片桐「遅い!」小林「遅くない!」片桐「遅い!」小林「早いくらいだよ!ニットブックを出すんだ!」
……これはある年代以上じゃないとわからんギャグですなあ。昔はアイドルといったらニットブックを出していた時代。
高校生には何の事やらでしょう。ふふふ。笑える自分に優越感。
小林「俺、まあまあカッコイイのに?」片桐「お前、まあまあカッコイイのにだ」確信犯というかなんというか。はいはいってな感じで。
小林「お前の作り出したこの状況を何とかしてくれよ」片桐「じゃあどうするんだよ。会場とかケータリングとかマイクロバスとか……」
小林「マイクロバスって!」片桐「じゃあ何人ならいいんだよ」小林「……マックスハイエース」
片桐「7人!? 少ねえよ!だってあの神輿200sあんだぜ」小林「何の話だよ!」片桐「らっせーらっ!らっせーらっ!神輿で気分を晴らっせーら!」
掛け合いの妙。頭の回転も必要。こういう小気味よい笑いのテンポは好きだったりする。
振る男:小林、振られる女:片桐のコントで明らかに木村拓哉のマネをするコバケン。「お前の居場所ってさ、ここじゃないっしょ」
途中でウィダーインゼリーを飲んでみたりして。最初なんでみんな笑ってるのかわからなかった私は頭が老朽化してるんでしょうか。
振る男:片桐、振られる女:小林のコント、作りすぎのコバケンの演技に客は大喜び。大爆笑。この人つくづく上手いなあとは思うが、
周囲と対照的にどんどん引いていく私。ハインリッヒーズの歌が伸びていくに従って私はつらくなってくる(笑)。いや、彼は天才だと思いますよ。
何をさせても上手いという感想は覚えるけれど、一歩離れたところから見てしまうような。これってなんなんでしょう。
再び振る男:小林、振られる女:片桐……仁くん主体だと安心して見られる(笑)。
片桐「うわーっ!最悪だわよ!がらがらがら、すいませーん!内蔵を買ってください!」……笑い死に。これが今回のベスト台詞大賞に決定。
やっぱりこういう台詞を書いてしまうコバケンは偉大なんだなあ。……しかし長いコントだった。個人的に2番目に引いたコント(笑)。

<雀>
雀を飼っている動物好きの男(片桐)とその友人(小林)。ある日片桐は「雀のへーちゃんの言葉がわかる」と言い出すのだが……。
椿からの流れを汲んで今回も最後のネタはちょっと切ない系。コント序盤の仁くんの白菜に関する長台詞が圧巻。
しかも植物の説明なのですべて難しい言葉。その後も奇々怪々な動植物の名前が続々と登場するという仁くんの台詞覚えの素晴らしさを
実感させるネタ。スベスベマンジュウガニとウメボシイソギンチャクは実存するそうです。コバケンの図鑑好きも実感出来るコント。
セイタカアワダチソウの話のくだり、片桐「増えすぎると、自分から枯れるんだ。……これって、自殺かな」
雀のタネをばらされた後、片桐「へーちゃーん、何か言ってくれよ〜!」と泣いてすがりつくシーン。
22日、あろうことかこの2つのタイミングで笑った客がいた。シリアスな空気に耐えられなかったのか何なのか知らないが、
非常に気分を害した私は笑った客をその場で銃殺刑に処したい気持ちになった。
片桐「俺の相手してくれるやつ発見!霊長類ヒト科ホモサピエンスオス!お前!」切ない大賞はこの台詞。仁くんの演技力の上達に目を見張る。
ふっと頬をゆるめられるようなオチで安心。見終わった後心が少し軽くなった。

〜エンディング〜
22日:やけにハイテンションのふたり。すべての言葉の語尾に「!」がついている感じ。
    小林「片桐さんから最近あった面白いことをひとつ!」
    片桐「卵の身と殻の間にある薄い膜は乾燥させると唇の皮に似てます!」
    そんなこと考えたこともありませんでした。さすが仁くん。
    片桐「小林さんから最近あった面白いことを4つ!」
    小林「……ひとつでもいいですか!」
    片桐「いいです!」
    小林「この前車で環七を走ってたんですけど、前に雪印のトラックが走ってたんですよ。で、後ろの牛乳積んであるところの
    鍵がかかってなくて、扉がバタンバタンしてたことです!」
    あとは戯曲集の宣伝、ストラップの宣伝。小林「僕のストラップは携帯につけてると腕とかぼろぼろ取れるんでやめた方がいいです!」
    「今日は何でこんなテンションなんでしょう」と自ら言っていたエンディング。本編よりも何よりもいちばん面白かった…………。

24日:22日のテンションが夢のよう。面白かったことについて。
    片桐「ないです!」
    小林「本多の楽屋の水道の水はちゃんと出るのに、お湯はゴボッゴボッって出るところです。もうおじいちゃんですからね」
    片桐「俺はテンション下がるんだけどな。温度設定めちゃくちゃだし。45度で水とかなんだもん」
    かるたの話。
    小林「神田に奥野かるた店っていう老舗のかるた屋さんがあってよく行くんですけど、昨日行ったら『小林さんですよね。社長呼んできます!』
    ってすごく歓迎されて奥に通されたんですよ。お茶出されてかるたの歴史の話とかで盛り上がって。その社長っていうのが70で現役で、
    じいさんには人の話を聞かない人が多いけど、社長はものすごくよく人の話を聞く人なの。でも何言ってるか全然わかんない(笑)」
    片桐「談志みたいだ」
    慌てるコバケン(笑)。素直な仁くん。
    コバケンはそこで石川啄木のかるたを買ったらしい。
    小林「読み札が超切ねえんだ(笑)。でも僕が作ったかるたの方が面白いです」
    連載などの告知。
    片桐「関西版ぴあ、ヤングマガジンアッパーズ、(小さな声で)FINE BOYS……」
    小林「お前全然ファインボーイズじゃねーじゃん」
    片桐「ジャニーズとかが表紙になってる雑誌なんですけど(認識違い)」
    小林「何してんの」
    片桐「指輪を毎週作ってます。やめたいです」
    あたりを見回すコバケン(笑)。仁くんはしらっとした顔でぴょんぴょん跳んでいる(笑)。
    小林「戯曲集できました。これで読書対決がそのままできます」
    片桐「俺には関係なし!」
    小林「幻冬舎の本なのに講談社の鼻兎のしおりが挟まってます」
    片桐「俺には関係なし!」
    小林「しおりの裏はビデオの写真です」
    片桐「ちょっと関係あった……」
    最後、コバケンがそのままさっさとはけていったのに対し、後ろを振り向いてきちんと礼をしてはけていった仁くんが印象的だった。

楽日:鳴りやまぬ拍手に仁くん「やめろぉぉぉ!」。久々ですな。
    小林「先日トップランナーの再放送を見てたんですが、さとう珠緒ちゃんが『ラーメンズはキャラとか勢いの笑いに走らないところが
    好きです』って言ってまして……それを期待して見に来られた方、申し訳ありませんでした!」
    仁くんの面白かったこと。突然音遊。
    片桐「ギンギラギンにさりげなく〜 そいつが俺のやりかた〜 ギンギラギンにさりげなく〜 さりげなく生きていくだけさ〜♪」字余り。
    小林「プリンセスプリンセスやって」
    片桐「ダイアモンドみたいだね〜♪」……説明調にするのがコツらしいです(笑)。
    片桐「じゃあ全公演通して小林さんから面白かったことを8つ」
    小林「多い!」 
    片桐「じゃあいっつ」ひとつ、ということらしい(笑)。
    小林「あなたが昨日楽屋でやってた音遊が面白かった」
    片桐「紅に染まってしまったこの俺のことを♪ なぐさめてくれるヤツはもうここにはいない〜♪」……この人はすごいね(笑)。
    全公演通して大変だったこと。
    片桐「最後の白菜の台詞のところ、台詞の量が多いから後から言おうとしてる台詞が今言ってる台詞をどんどん追い抜いていっちゃう。
    その前の台詞を言ってるから、それは言っちゃいけないんだけど、どんどん台詞が食われちゃって……」
    小林「(袖に向かって)ドクター!ドクター!」
    片桐「病院いった方がいいのかな」
    ……仁くん、なんかその感覚わかるよ。おかしいのかな。

    今回の音楽は鯨でもお世話になった徳沢青弦さんのオリジナルらしい。今公演のテーマはずばり「日本」ということで、
    小林「日本にある楽器だけでテクノ作れって言ったんですよ」……「作れ」、ね……(苦笑)。
    舞台の床について。今回はテーマもテーマだけに舞台を意味する「板」をそのままズバリ導入。大阪公演時は木のいい香りが
    してたそうだが、東京に持ってきてからは乾燥して反っちゃって(かなり分厚いのに)霧吹きをかけていたとのこと。
    小林「なっかなか帰んないでしょ?終わっちゃうのがちょっと淋しいんですよ(笑)」

    小林「モノマネが多いってアンケートに書いてありましたけど、別に誰のマネもしてないんですよ。ただこういう人いるなあって」
    ……嘘をつけ。
    片桐「今回は小林賢太郎祭でしたからね」
    小林「ホントすいませんでした。ビデオも出るんですけど、顔にモザイクかけてもらおうと思ってますんで。片桐さんひとりで
    出てる感じになると思います。すいませんでした」
    片桐「横で見てて『賢太郎があんなポーズを……』ってハラハラしてた」
    小林「じゃあ今度はお前スペシャル書くよ」

    最後の最後に次のツアー、「Tour cherry blossom front 345」の告知をさらさらさらっとして客席をちょっと混乱させ(笑)、
    更にバードコール2個を客席に投げる(!)コバケン。
    仁くんが雀の鳥籠まで投げようとするのを、コバケンが慌てて「俺の、俺の」みたいに自分を指さしながら止めてました。
    最後はやっぱり礼儀正しく深々とお辞儀をしてはけていった仁くん。
    そんなこんなで、「雀」は飛び立っていきました。


<総評>
ひとことで言うと、いろいろ考えさせられた公演。お笑いで考えさせられるってどういうこっちゃねん(笑)。
ただ、異常な期待をかけすぎていたのも事実。雀は私の中の「ラーメンズの笑いはこうあるべき」という公式を根底から覆す公演でした。
初日見終わった後の混乱ぶりたるやすごかった(苦笑)。あんなにアンケートに辛辣な言葉を並べたのも初めてだったし。
それに加えて初日は後ろの女が先走り笑い、笑いどころじゃないところでの笑いをかましまくっていたので不快極まりなかったというのも
あったのですが。
そして何より実感したのは「もう私はコバケンギャルじゃないんだな」ということ。某サイトのアンケートでも人気投票で1位が「告白」、
最下位が「雀」というまるっきり私と正反対な結果が出ていて、かなりカルチャーショックを受けました。みんな好きなんだなあ。
弾けまくるコバケンを見ながら「きっといろいろ鬱憤が溜まってるんだろうな……」と思ってしまうのは素直に笑えてない証拠。
でも2回目以降は客の雰囲気もよく(24日は最高だった!)、こういうものなんだと割り切って見ることができたのでそれなりに面白かった。
ただ楽日のエンディングでの謝りは反則だよなあと。いろんなこと書かれてへこんだんでしょう。自覚もあったんでしょう。
だからってそんなことは言わないでさらっと終わってほしかった。せっかくこれはこれで面白いと思えたのに。
そんな正直であまのじゃくなところもまるごとラーメンズなんですな。私が悩んだってしょうがないのにいろいろ考えて、悶々として、
結局出た結論が「母のように見守っていこう。ラーメンズを信じてみよう」でした。
あまりに短いスパンにまたもや不安になりつつ、それでもきっと面白いもの見せてくれるだろうとそこはかとなく次回に期待。
雀ちゃんは、身軽でした。きっと、そういう公演だったのです。これもひとつのラーメンズ。