宇田川フリーコースターズコントライブ「epoch conte square」@草月ホール/2003.3.11〜12


「仲が良すぎて気持ち悪い」と巷で評判の宇田川チーム(おぎやはぎ+バナナマン)が送る初のコントライブ。
知らない方のために説明しますとですね、渋谷のシアターDというめちゃ狭なハコでだいたい月1でトークライブをやってるんですよ。
始まったのは去年の春くらいからだったでしょうか(うろ覚え)チケットが音速で完売するという伝説のトークライブ。
かく言うワタシも4回くらいしか参加してません。どうせチケット取れないんで(諦観)
で、待ちに待った広いところでのライブ。トークもいいけどやっぱりコントでしょ。というわけで観てきました。両日とも。
だってチケット取れちゃったから。BSデジタル万歳。

会場に着くと知った顔の芸人さんたちが大挙して来ていてびっくり。同業者がこんなに観に来てるライブはそうそうないっす。
麺は業界人は多いけど芸人あんまり来てないみたいだし…人徳ですかね(笑)

初日は開演20分押し。楽日は時間通りに開演。
初日と楽日ではセリフの増減が著しく見られたことに驚愕。覚える方も大変だ…何も2日間しかないのに変えなくてもいいものを…
楽日はBS日テレのカメラが入っておりました。

<春が来た(1)>
「春がきたぞー!春がきたぞー!春一番が吹いたぞー!」と叫ぶ小木。コートのようなものを3着出してくる。
そこに設楽、矢作、日村がそれぞれやってきておかしな話をする。
彼らにコートを渡した後、紙袋を取り出し、王様の耳はロバの耳方式で小木が叫ぶ。
「春は変なやつがいっぱいだぞー!!」
膨らんだ袋をパン、と潰して暗転。

オープニングV
相変わらずオークラさん作のかっこよさげなオープニングV。しかし席がスクリーンとやたら近いので観づらいことこの上ない…
こういうこじゃれたVに慣れちゃってるから、よその芸人の映像にダメ出ししちゃうんだな(笑)

<病院>
会社の同僚である田中が急に倒れたので病院に駆けつけた設楽、矢作、日村。
しかし同じ病院に、アメリカに行っていて日本にはいないはずのかつての同僚、小木がいて驚く3人。
小木は昔田中と同じように倒れ、倒れた衝撃で曲がった鼻を苦にして会社を辞め、アメリカに旅立ったはずだったのだが…。
三谷幸喜ばりのシチュエーションコント。誤解と嘘と真実が入り乱れて大変なことに。
相変わらず悪人キャラの矢作さんが飄々として面白い。
あと「絶対言うなよ」と口止めされたことをすべてうっかり喋ってしまう、悪意のない天然ボケの設楽さんが最高!
いちばんまともなのが日村さんという通常ではあり得ないコント。小木さんの異常者っぽさが素で笑えた。
矢作「あー!鼻がまっすぐになってるー!あごも割れてるー!」
小木「ちがうよ〜、整形したのは鼻だけだよ〜、これはもとからだよ〜」
矢作「マイケルジャクソンのものまねだ!しかも吹き替え版の」
楽日:コロコロコミックの値段が300円から480円になっていた。誰かにつっこまれたんだろうか。
「小木は山口のことが好きなんだよ!」というところを、日村さん「山口は小木のことが好きなんだよ!」と言ってしまう…
会場中に飛び交うはてなマーク(笑)1拍おいた後に日村さん自分のトチりに気がついて慌てて言い直す。
それをきっかけに矢作さんもつられてトチってしまい…もともとこんがらがった設定なので、それが余計こじれて大変なことに。
客笑っちゃうし。さらにテンパる日村さん。
日村「じゃあ、とにかく田中がこの病院にいることを小木には絶対に言うな」
あ、日村さん、それさっきも言ったじゃん…
設楽「さっきも言いましたけど、俺、言っちゃいました!」
ナイスフォロー。っちゅーか設楽さんは「俺、よくわかんないんすけど」って役だから楽ですわな。
しかしこの1件でぐだぐだな芝居に…カメラ入ってるのに…鶴瓶見てるのに…
ここからドキドキしちゃって安心して芝居が観てられなくなるのでした…
ちなみに初日の終わり方の方が好きでした。矢作「なんか…丸く収まったみたいだな…」は蛇足。好みの問題ですが。
そして小木さん以外全員スーツで出てくるところがすばらしいです。日村さんのスーツ姿に一瞬ときめいてしまった自分はイエローカードですか。

<2万円返せ>
喫茶店で待ち合わせしている日村と矢作。
矢作は日村に貸した2万を返してもらいにきたのだが、日村は「もうちょっと待って」と言って矢作を怒らせる。
そこに「ちょっと待ってください!」と設楽が現れて…
これはもうわけわかんなさすぎて最高。荒唐無稽なギャグマンガを読んでるような。
矢作さんのノリツッコミが素敵なのはもちろんのこと、追いかけっこになったときに上から様子をうかがってる設楽さんの目がたまらない…
あれは天性のいたずらっ子だ(笑)
設楽「あのモビルスーツは日村さんしか使いこなせないんだ」っていうのがツボでした。
…しかしひどいタイトルですな(笑)これしか思い浮かばなかったもんで。
楽日、そういや日村さんは矢作さんに向かって「設楽!」って言ってましたな…引きずっちゃってたんでしょう…

V<フリーコースターズの夏の楽しみ方>
これって見たことある…目黒で宇田川やったときに流れたんだったっけな?
「とにかくハシャギまくり。決して嫌な顔はしない。以上」というルールのもと、宇田川チームがアスレチックをしたり
花火をしたりするVTR。異常なまでのテンションではしゃぎまくる4人。
しかし何度も見ても日村さんの奇跡の顔には笑うのを通り越して感心。
アスレチックでメガネを水の中に落としてしまい、「みんな探して!」と叫ぶ小木さんに、
「やだよ!」と笑いながら言い放つ矢作さんが期待通りですばらしいです。
初日は2回にわけての放映だったのが、楽日はテロップも増えて3回だか4回にわかれてました。
でもみんなでバーベキューしてるとこはカットされてたのねー。

<タクシー会社>
タクシー会社の営業所でのひとこま。いつもと様子が違ってあからさまに元気のない日村に矢作と設楽が詰め寄る。
どうやら恋をしているらしいのだが、その相手というのが実は…。
矢作「日村さんが恋をするのは法的には何の問題もないんですから」
もうね、日村さんは天才なんじゃないかしら。この人の演技力には顔の面白さを忘れて感心しきりでしたよ。
ぼーっとして椅子から転げ落ちるところなんて最高です。日村さんにアカミー賞をあげたい。おーにーくー(麺ネタ)
しかし日村さんの「ホモではない」って言い方にツボりました。これも初日の方が断然よかった。
ラストの矢作さんと設楽さんのとどめのひとことの言い回しが微妙におかしかったのでした…

<借り物競争>
交通事故を起こしてしまった矢作と設楽。
「警察を呼ぶ」という設楽と「示談にしてくださいよ。急に車線変更したのそっちなんだから」という矢作。
そこに借り物競争中の小学生がやってきて…。
これもマンガですな。単純すぎて笑える。いいねーこういうの。
このネタの笑わせどころは日村さんと小木さんの体操服姿で合ってますか。

<ザ・遠慮ショー>
バナナマン演じるさまざまな遠慮のシチュエーションを、タキシード姿の矢作さんがショー形式で紹介していくというネタ…
歌い踊る矢作さん…もうそれだけでかなりの高得点なんですが。
あるあるネタですな(笑)でも後のほうになると遠慮してんだかしてないんだかわかんない展開になってくる。
遠慮しながらも図々しい設楽さんがぽくて素敵。
楽日の矢作さんの踊りはすごいことになってました。基本的に出たがりなんだね…ていうのが垣間見えて面白かった。
矢作さんに目を奪われがちですが、矢作さんに照明が当たって舞台が暗くなった瞬間、
鮮やかに転換するバナナマンがとても素敵だったのです。え?細かい?

<心理ゲーム>
待ち合わせで合コンの相手を待っている4人。
誰がいちばんエロい顔かの言い合いになり、暇つぶしに性癖がわかる心理ゲームをすることに。
心理ゲームが終わってもなかなか来ない合コン相手からメールが届き、3人しか来られなくなったというのだが…。
1軍(設楽・矢作)vs 2軍(日村・小木)の力関係が色濃く出ているコント。
お得意のエロネタといい、いちばん宇田川っぽいネタじゃないでしょうか。
矢作「小木は少女ブローカーっぽいんだよ」…言い得て妙ですな。これから小木さんの顔を説明するときに使おうかしら(笑)
このネタを見てたら、genicoのネタ思い出した…日村さんは国で言ったら北朝鮮!てやつ。

<泥棒>
高利貸しの金融屋ばかりを狙う泥棒二人組(日村・小木)とそれを追う刑事の矢作と設楽。
証拠がほしい矢作は、設楽に泥棒の仲間になっておとり捜査をしろと命じる。
設楽は無事犯人の仲間になり、犯行も成功するのだが…。
出ましたしみじみネタ。Mちゃんは「またあ…」と言ってましたが、ワタシこういうの嫌いじゃないんで。むしろ好きなので。
冒頭、壁の上から飛び降りるときにモタモタしてたのは小木さんだったのに、楽日では日村さんに変わってました。
なのにモタモタすんなよと言われるのは小木さんで…うーんなんでだろー。
犯行の段取り説明は遊びがちょこちょこ増えてて楽しく。つっこみの設楽さん、いいですね(微笑)
小木さんと日村さんのダブルボケは強烈ながらもなごみます。いいですね。
しかしいちばんツボったのは、おとり捜査の話を持ちかけられた設楽さんの、 「それって断るの可能?」っていうセリフ…ていうか言い方…
あんなふうに言えるのこの世の中に設楽さんしかいないよ!(大げさ)
日村さんにわざとぶつかって写真を落っことすわざとらしさも完璧で最高でした。
美しい真実が明かされていく瞬間。別に面白いこと言ってないのにくすくす笑いがでるのはなんでだろう〜。
それはやってる人がやってる人だからですね。設楽さんの敬礼は明らかに笑いをとってましたけども。 いいんじゃないでしょうか。
終わりにはふさわしいコント。ていうか麺意識してる?

エンディングロール。シンプルに黒バックに白い文字が流れていきます。

<春がきた(2)>
冒頭のネタで小木が手渡していたコートを着ている設楽、矢作、日村。
そこに同じくコートを着た小木が「若い女が来たぞー!若い女が来たぞー!」と叫びながら駆け込んでくる。
「あっち向け!」と3人に言って後ろを向かせ、せーのでズボンを下ろしてコートを開き…
春になるとよく出てくる、露出狂のおやじになるわけですよ。なるほど、こういうことだったんですな。


初日も楽日もエンディングトークはなし。ちぇー。


<総評>
さすが宇田川チーム、息ぴったりだなーというのが率直な感想。そして下ネタもエロネタも含め宇田川っぽいなと。
初日ははじっこ席でひっじょーに見づらかったのですが、4人の個性がそのまんま出てるネタ群に何も考えないで
ガハガハ笑っておりました。あははーおもしろーいてな感じで。
しかし楽日は…あまりにも改訂しすぎ。ダメ出し入ったんでしょうね。オークラさん、いじっちゃったんでしょうね。
それが仇になって大変なことに。例のところから最後まで、終始ドキドキしっぱなしのワタシ。
しかも改訂しない方がおもしろかったのにー。笑いは鮮度だなと実感いたしました。
でもこれに懲りず、どんどんコントライブはやってほしいです。まあ心配することじゃないでしょうけど。番組もはじまるし。
ただ、両日とも「ああここにあの人たちがいればなー」と思ってしまったのも事実で。わかってますってば。

いやいやいや、おもしろかったっすよ。日村さんのずば抜けて上手い演技力に舌を巻いたライブでした。