加奈〜いもうと〜
先日、とあるゲームを購入、プレイして非常な衝撃を受けることとなった。
「加奈〜いもうと〜」
そんなタイトルのいわゆる18禁ゲームである。
私は元々パソコンでゲームをするという意識に乏しく、専用のゲームを購入したのは本作で2本目である。
なお、ほぼ同時に「かのそ」なるゲームを購入、喜んで遊んでいたことはこの際棚に上げておきたい。
さて、このゲームを簡単に紹介してみよう。多少ネタばれの箇所もあるのでこれから遊ぼうという方はご注意願いたい。
いや、むしろ購入してプレイすることをお勧めする。女性でも未成年でも構うもんか。その辺に転がっている重いテーマを描いた小説など
足元にも及ばないと断言する。
ゲームを終えた今、このゲームに傾倒した後輩の気持ちがよく分かるのだ。
主人公、藤堂隆道には病弱な妹がいる。幼児期は疎んじていた「加奈」という妹を、ある事件以降隆道は過保護なまでに
大切に扱うようになる。 しかし加奈は不治の病に冒されていた・・・
という設定である。この設定を見るだけで、私はかなり精神的打撃を受けることとなったのだが。
話を現実に戻してみようではないか。不肖、私にも一応妹という輩がいる。名前は「加奈」、数万人に一人という先天性の異常を持っていたんだが?
・・・・・・偶然とはいえ、洒落にならない。
幸いにも私の妹は手術の結果健康を取り戻し、齢16にして酒も煙草も解禁。現在はヤンキー看護婦として日々患者達を恐怖に陥れているのだが、
ゲーム中の「藤堂加奈」はそのまま病に倒れ、世を去ることになる。
詳しいレビューはろじっくぱらだいすで発表されているので省く。
ちなみになぜか「かのそ」もレビューされているのだ。この辺が微妙に気になる。
閑話休題。
もし、そんな妹がいたら・・・もしこんな時は・・・という選択肢みる度に我が身を顧みる羽目になる。
ゲーム内の設定に身を委ねる以前に、私は現実でしかもすでにエンディング(ごくごくふつーの兄妹)確定してしまってるのだ。
パソコンの前で感動や苦悩にのたうち回りながらもそれに没頭できない微妙な状態でプレイすることになるとは・・・
タイトル見たときに気付けや俺。
結局、どうするか。
私が採った策は「完全に雑念を払ってゲームに集中」これだけである。
自分の意識はこの際綺麗さっぱり無意識化に追いやり、ひたすら「藤堂隆道」という存在に移入する。
大抵の人もゲームでは同じように感情移入していくと思うが、心の整理をしっかり着けて一心不乱に没頭する事は殆ど無いだろう(と思う)。
私はそれを行った。そして、ゲーム中荒れ狂う真に迫った感情と闘うことになった。
完成され、磨き抜かれたシナリオと驚異の感情移入、加奈の死去シーンではなんだか真っ白になったヲトコが一人。
死と生の違いとは一体なんだ。普段不幸だとわめいていた自分の卑小さは一体なんだ。
結局主人公のように強くはなれなかったようだ。「愛する者の死」という現在の私には未知のテーマについて深い思索をすることもなかったのだから。
しかしながら主人公の心の内、そして「加奈」の心についてある程度の理解を得たと思う。
ゲームが終わってからしばらくは非常に重い精神を引きずることになったのだが、ここで救世主が!
愛くるしいおめめと爽やかな毒舌、悶絶死の必殺技。
かのそ。
・・・・・・・・・・・・・・ぎゃっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっははげほぅっ!
急激な血圧の変化に身体が耐えられなかったようで。
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