テロ考察(1)




2001/10/28執筆

初めてテロの事を知ったのは友人から幾度かに分かれて届いたメール

9/11 22.43〜9/11 02.35
>話は変わるがたった今 テロか分からないが
WTCに2機飛行機つっこんだ
なんやありゃ 映画とまちがえたやんけ

>ペンタゴンもえてる 連邦議会もやられたらしいぞ
はげしいすぎ

>でもツインビルなくなったよ
テロより戦争だよこれは やりすぎだ

>ワシントンももえている まさに戦争
へたすりゃ3次大戦だこれは



テレビでは全てのチャンネルでテロ関連の報道が行われ、現場の混乱を余すことなく伝えていた

繰り返し流された貿易センタービルに対する旅客機激突の瞬間は、まさに映画と見まごうばかりの凄絶さをもって 全世界に衝撃を送ることになった

この事件に際し、アメリカはテロ組織に対し報復を宣言し戦争状態へと移行。国家対テロ組織の構図を作り、 10/28現在テロ組織「アル・カイダ」の後ろ盾となっていると考えられているアフガン・タリバン政権 に対し、アメリカを主とした軍隊による攻撃が行われている

危機管理に長けたアメリカに於いて発生したテロ事件は、日本にとっても看過できない事例を示したことになる

様々な場で日本の対策、対テロ組織戦争の可否などが論じられ、国民が防衛を真剣に考える契機となった

ここでは友人とのメールや揺籃掲示板で論争されたテロ関連の話題をまとめ、枝葉の意見を付随して書き出そうと考えている

史上まれにみる惨事が何をもたらし、何を失わせしめたかを考える材料としていただくべくここに著す事を付記したい


以前、面白い記事を読んだ

そのうち、山本芳幸氏と村上龍氏の対談から一部抜粋したい

タリバン勢力がテロを起こす原因の一つに

「タリバンがアフガニスタンにおける政府であることを承認してもらえないから」

と言う事が挙げられるらしい。アフガニスタンで国家政府として認められ、代表が国連会議に出席するのはアフガン北部を支配する北部同盟であり、 タリバンは国家としても政府としても認知されていない。ここ数年間のタリバンの最大の望みは承認してもらうことだが、 アメリカは彼らを承認しない。アメリカが承認しなければ、他の国もついてこない

しかし国際社会のルールを遵守しろと迫る。村八分にして村の掟に従えというのはありえない話だ

タリバンはルールの外に置かれているからルールに従わなくていいという論理もある

国連の中でも一部の人たちはすぐに承認すべきだったと言っているとのことだ

国家として承認されてしまうと様々な義務が発生する。条約も守らなくてはいけないので、どんどん国家らしくなっていく

今、彼らをアウトローだと言っている人たちが彼らをアウトローにしているという側面もあるとのことだ

タリバンには国家としての常識を遵守する理由がない。また、失う物もない

故に、ビンラディン氏を匿い続け、テロを行うことも出来るわけだという

以下、この記事では国家に対するテロの優位性と、安全保持の困難さについて言及されていく。 日本国内で行うことになるであろう対策と通じる物がある。掲示板やメールのやり取りの中で 書き込まれた意見もこの項に関する物である



テロ考察(2)




2002/2/09執筆。

テロの起こった日より、Oとメールによる討論を行っていた。時間に沿った事態の変遷や情報が 非常に詳しく記されているので引用することとする。


9/12深夜

>衛星放送が流してる米ABC放送のLIVEで、さっきパウエル国務長官がインタ ビューを受けてて「テロをおこした者、またテロを支援した者を徹底的に叩く。可能 な限り最大限の報復を行う。」というようなことを言ってました。

テロに対する話をしていたときのやり取りより

報復手段として空爆(ひょっとしたら局地的核攻撃)が行われるだろうという彼の予想は、 およそ一月後に現実のものとなった


「確実に空爆(ひょっとしたら局地的核攻撃)で報復するだろうと思う。 支援した国もただじゃすまないだろう。」

とは度々討論を交わしたO氏の意見。

「アフガン、イラク、シリア、北朝鮮、中国、ロシア等か。 テロが発生した時、僕はテロに乗じて北朝鮮が世界革命をおっ始めるぞと思って、こ りゃとんでもないことになったと思ったけど・・・。」

巨大資本主義国にして世界の盟主を自認しているアメリカ。しかし今回の事件は、 資本主義に反発する国家やその繁栄の陰で踏み台となっている発展途上国の存在を全世界に改めて 認識させるに十分過ぎるほどのインパクトを与えた。

パウエル長官が「これは民主主義に対する攻撃だ。世界の民主主義国家 はこのテロに対して断固たる措置を取る」と言っていた。つまり、アメリカに追従している日本も蚊帳の外とは 到底いえないだろう。現に、日本大使館に対するテロ準備を行っていたと思われる容疑者が年明けに逮捕されている。

もし、現在アメリカを筆頭とする連合国軍による攻撃によって過激派側の力が失われていなければ、 テロ行為がいずれかの日本関連施設に行われていたかもしれない。


「イスラム過激派では神の為に死ぬことは美しいと教育されているらしい。 このテロに対してアメリカがどのような報復をするのかは詳しく予想できないが、ど のような姿勢をとってもテロはまだ続くと思う。かなり厳重な警戒態勢がしかれてい るがテロは強行されるだろう。」

9/13

「この一日の世界の流れを見ていたらだんだんアフガニスタン攻撃か??という状態になっている。 パキスタン政府はタリバンとパイプ持っていそうだが、もしアフガンに攻撃かけるなら協力すると勝ち馬に乗る感じだ。」

ビンラーディンは「NATOやアメリカが報復すれば我々はあらゆる手段をつかい世界を攻撃する」と 宣言。テロが行われて2日が過ぎ、世界には金融、安全面での破綻や世界大戦への発展を危惧する声が一層強くなってきた。

ニュースを知り、喜色満面なイスラム圏の人々が報道され、大国といわれた国家に見え隠れする 敵の多さが浮き彫りとなった印象を覚えた。

「彼らも歴史に振り回されてるな・・・・中東の歴史は大国のエゴがみえかくれ」

まったくだ。


9/14

Oより恐ろしく長いメールが届いていた。原文のまま載せようと思う。


「過去の戦争の多くは宗教やイデオロギーの対立で発生していると思われる事が多く、 その遺恨が永遠と続いていると思われます。(もちろんその当時その現場にいるわけ ではないので、本、インターネット、メディアを通じての理解です。) 断定は出来なくても、かなりの確立で宗教が引き金になっていると考えます。

宗教依存と言うのは、イスラム教徒、キリスト教と、ユダヤ教徒、仏教徒いずれも視 野を狭める危険をはらんでいると思うのです。他宗教との共存は表面では受け容れて も、根底では受け容れにくい心情等のものがはたらき得るでしょう。

私自身は、日本人で、イベントとしてクリスマス、お盆、葬儀、ひととおり行ないま すが、特定宗教そのものに対する敬意ではなく、目の前に生じる現実に対しての敬意 として自分なりに理解するように考えています。特定の宗教に傾倒している人々に は、日本人の無宗教民族にはわからんと言いきる人も有るかも知れませんが、宗教の 歴史を考えると、過去にも様々な宗派分離が起きたように、この21世紀に原始的特定 宗教に傾倒するより、宗教の代わりに、すべてのPositiveな部分を融合していったハ イブリッドな現実への信仰(信仰と言うと変ですが、敬意の意。)を実現する事も一つ の手かなと思います。

単純に宗教なんか無くなってしまえと思う人もいるでしょうし、宗教が有るから救わ れたと言う人もいるでしょうし、個々の弱さを救うのに方法は様々だけど、表裏を為 して、救われた本人が他者を貶める事だけは許されないでしょう。」


読んで解るとおり、宗教論である。宗教戦争を訴えるタリバン側と、法の裁きを主張する アメリカ側の思想の根本的な差を皮肉ったメールを送った後に届いたものだと記憶している。


9/15


タリバンは国連に認められていない政府、拘束されるべき国際法を遵守する必要は無いという話を振る。

テロ考察(1)で触れたこととほぼ同じ討論。ゆえに略。

しかし、面白い内容がある。

「基本的にルールはないので、なんでもありなので、ラディンたちはなんでもできます ね。飛行機ハイジャックして、アメリカの原子力発電所に突っ込ませるとか、近づい てきた兵士に生物兵器で戦うとか。個人個人が死ぬ気で戦う可能性が高いので、殲滅 戦になるかもしれませんね。」

この予言は外れたものの、後に炭素菌という物が出現する。


9/16


日本の対応は如何?と。

アメリカ 「テロ対策の為にお金くれ」
日本   「日本としてできる限りのことをつくす所存であります」
アメリカ 「協力してほしいんだけど」
日本   「憲法の範囲内で行える支援を視野に、関係省庁と緊密に連絡をとりながら対応 を練りたいと思います」
アメリカ 「ほんとに協力する気あるの?」
日本   「状況を注意深く見極め、関係各局と対応を協議したいと思います」
アメリカ 「何を言いたいのかわからない」
日本   「事態の推移を見極め、各方面と連絡をとりながら方策を練る所存であります」
アメリカ 「もういいよ」


慎重極まりない(悪く言えば自分の手を汚したがらない)日本を皮肉る。

もっともこの辺、後に発表された日本の戦闘非参戦・輸送救援活動のみ行うという対応は妥当だと思う。


9/17


核戦争が起こる可能性に話が飛び火。

アフガンがパキスタンの支持を得るか否かで変わると考えるものの、後日パキスタン政府がタリバンと絶縁。


9/19


自衛隊派遣決定。ついでにサーカムがサイバーテロではないかという流説が流れる。


9/21


海上自衛隊、アメリカ空母について出航。

タリバンを攻める方法についてやんやと好き勝手に言っている。

「タリバンはラビィンと心中する道えらんだな。アメリカどうやってアフガン攻めるんだ?? あんな山の中大軍つっこんで物量作戦不可能。ミサイルで絨毯爆撃してもまったく効き目ないね。 一般市民死んで、ますますイスラム社会で悪者にされ、ジハードの的にされ、テロされまくりになるやも やるなら速攻で奴のいるところに特殊部隊つっこんでとっつかまえる だな。」

O、すげぇな。さすが危険思想の持ち主。しっかり現実にそのとおりになったがな。

いかに一般市民を傷つけずに首謀者だけを捕らえようとしたところで不可能、人は歴史から何を学んだのだろうか。

戦争の仕方、人の殺し方だけかも知れんな。

「結局 アメリカはあのテロ時点でテロに負けているのかもしれないね。 へたすりゃテロのネットワークはモグラたたきだからな。

100年かかるかもね
100年戦争あったくらいだからね。ハルマゲドンが未来にまってるやもね。なんかそんな感じがするよ」


9/23


自衛隊派遣に対する法案が通過。

結局のところ戦争止める手だてはなさそうだな

人権団体とかが抗議したとしても、大統領宣言で声明出しちゃったから 覆すことは出来ないし・・・

「しょうがない。アメリカもなかなか乱暴だからな。2ヶ月前にタリバンにハルノート並の 最後通告してたらしいよ。ラビィンわたさないと攻撃って。 ようは向こうを挑発してやらせたのではという疑惑でてるが。」

この話、本当かどうか。


以降、話は脇にそれていくので割愛。Oとの議論はなかなか楽しかったが、極端な箇所があるのも事実。

掲示板に書き込まれた意見と照合してまとめに入りたい。 次回、とりあえず終わらせる予定。終わればいい。というか、終わりたい。



テロ考察(3)




2002/2/10執筆。

今回は掲示板に寄せられた意見を参考にして、 日本の国土防衛や対策について皆がどのように考えているのかを述べていこうと思う。 貴重な意見が多かった。

やはり外務省の不甲斐なさ、日本の立場の難しさを指摘する議論となった。

夜行氏
 「同等の立場になれよいい加減、と思いたい。 外務省が根性あればとっくに出来取る。 いまの外務省は・・
いかん。
空前の腐りっぷりだ・・大臣含めて 」


枝葉
「最近は真紀子大臣が話題をさらっていたけど、どうも後から後から出てくる問題に受け身になってて 対外交渉の場に於いて何かを成し遂げた実績がある訳じゃない。
果たして外務省内部の貪官汚吏が撲滅できたのかといえば疑問符。却って信頼関係を崩壊させ、信用を落としたような印象さえも受けるね。
まぁ汚職の摘発やらクリーン化はある程度評価できるけど。」

結局外務省改革を目指した田中真紀子外務大臣は内外の軋轢により更迭、目立った成果を残すことなく省を去ることとなる。 続いては安保上の日本の立場を述べたtakamura氏の意見。

takamura氏
「米と対等は無理。 そもそも使えない戦力しかない状態で独立国とは言えんだろ。日本に飛行機突っ込んで来た時、この国はどういう対応とるんだ? 泣き寝入りか?  いや、それ以前にテロと戦争の違いはなんだ? 今の世界の状況でコメと思想を異にする者達がコメに対するのにテロ以外の方法があるのか? 何にせよ、道端にたむろす傍迷惑な奴らにも何一つ注意できない多くの日本人が、公私共々の指針となる宗教を捨て去った多く日本人が、 虚構のモラル振り翳して何か言ったところで説得力はないわな。
身近な問題として考えた場合、コメみたいなヤツとも日本みたいなヤツともお付き合いはしたくないと思うしね。」


枝葉
「うむ。自衛のための戦力以外に持たないという理想(押しつけだが)はまぁいいとして、 だったら対外的にどうやって国家を保持するべきかといえば外交なんだよね。
「話し合いによって解決しましょう」が武力を持たない商人国家の基本。
それが弱いからカネだけ、対外的印象良くしたい云々の正真正銘商人道に生きるしかないんだが・・・ テロ食らっても多分戦争発起なんて世論は出てこないだろうな。
その辺で考えると、思想を異にする原理主義者のテロ行為は自分を誇示し、欧米主導社会からの自立を目指す点では 勇猛な行為であるとは思うが・・・やはりそこは甘ったるい平和に慣れ親しんだ日本人、反欧米思想の実地経験していないからなんとでも言えてしまうんだわさ。 戦争いや〜ん☆テロ行為断絶ぅ☆みたいに。 」

名目上武力の保持や行使が出来ない日本についての話題となる。

takamura氏
「外交だって背景に国家力の拮抗があって初めて対等に出来るものだろう。 軍事力だけじゃないだろうけど究極的な部分ではそこに辿り着く気がする。
今の日本があるのは腐敗してると言われていても、あの外務省の外交があってこそのものだと思う。
何だかんだ言っても奴らは優秀だよ。その辺の立ち回りに関しては、 事務能力に長けた人物を選抜するシステムの試験を潜り抜けてきた秀才君達だから。
自衛のみの戦力を持つのはいいけど、それならそこをもっと主張しろよ。自衛隊派遣するたびになんで軍隊持ってる 中国や韓国にご意見伺いに行かなきゃならないんだ? 一つの問題をあやふやにしてるからその後の様々なことにまでそれがついて回るんだ。
ま、それはそれとして。 でも俺がアメリカ人だったらブッシュ支持するよ。自分の国家が強くあって欲しいとは思うから。 」


枝葉
「日本は珍しい国だわさねぇ。アメリカの国民が「自由を勝ち取った国」として国家を誇りと考えてるのと匹敵するくらいには日本も紆余曲折を くぐり抜けた長い長い歴史があるのに、国民に国を誇る意識が少ないように感じる・・・
明治維新や大戦後の基盤改装でぶったぎられたからかな? 外務省が弱いのは国威の点で貧弱だから?」

国威の点で貧弱であるからではという枝葉の意見に、takamura氏よりこんなひとこと。

「外務省が弱いのは国威云々ではないと思う。強くあろうとして弱いなら問題だが、弱くあろうとして弱い訳だから。あ、こっちの方が問題か…。 いい加減外務省も首吊りの木に登らないとな。もちろん下りてこないと困るけどさ…。 」 続いて高瀬氏の意見。

高瀬氏
「なんだかんだ言ったところで、とりあえず日本のそれまでの誇りが敗戦でおじゃんになったってのはあるね。欧米偏重になっちゃったから。 アメさんの戦後における作戦勝ちと言えよう。いやお見事。
自衛・防衛ってのは、いってみれば「殴られたら殴り返す」ってことであって、それこそが報復なんだがね。 日本の主権や領土、国民の生命や財産等をいわれなく奪われようとした時に、話し合いだけで解決できるとは限らんし、 そういう事態に対応した外交カードって、結局戦争やねんけどな。
まぁ、もし日本でテロ起こっても、泣き寝入りやろね。実状は。自国を守る究極の手段は、 「軍事力」による防衛。いざとなったら、刀は抜かなきゃ守るべき物も守れないと思うがね。 無論それは最終手段だが、気構えと言うかその覚悟がない限り、国威も誇りもあったもんじゃない でしょう。自国の為なら何でも利用するし、確かに自己中心的な考え方を押し付けてはくるけれど 、そう考えるとアメの行動はむしろ当然かもしんない。その押し付けの部分で敵を作りまくってるの は皮肉なもんだが。
日本に、自国を守る誇りはあるのかねぇ? 」


この2つの意見について、夜行氏が的確な意見を出している。

夜行氏
オレも「武器を捨てた国」は滅ぶって人だが、対米となるとまた 違ってくると思う。というか、今の日本に経済以外の武器あるのか?同盟と経済制裁でアメとむち、これしかないでしょ。しかしどーも日本って 「制裁」しないのな。アメばっか。いい加減していいぞ。と思う相手国もいくつかあるんだが。
外務省はそりゃ優秀なメンツが揃っているとは思うが、 「愛国心」より「自衛」を優先しだせば、その優秀さも本末転倒。気概ってのがこの国からがしがしなくなって行ってる気がする。 ていうか「愛国心」自体が仮死状態。
どの道、そこをなんとかしなければ、星条旗が売れ飛ぶ国と対等に勝負なんてできんよな (あれはあれでどうかと思うが、非常時に国がまとまるのはいい。日本だと・・)。
ま、最後は武力になるのは仕方ないけどね。 将棋版投げ捨てたら、あとは殴りあいになるもんさ。」


枝葉
「日本という国家は国民に誇りを抱かせるような宣伝を行っていないからなぁ。教育にしろ歴史にしろ。 また、容易に持ち得ない珍しい国でもあるんだが。 国旗国歌法が制定されるとか云々かんぬん。独立国でありながら象徴たる日の丸や君が代を公の場で 出すことに議論が出る。素晴らしい。誇りよりも戦争による罪の意識を教え続けているからだろうか。 まぁ平和だからこそ出てくる議論でもあったわけだが。 」

高瀬氏
ま、確かに日本は太平洋戦争によって引き起こされた罪とやらを延々教え続けて、日本って国は悪い国ってのを自国民に植え付けつづけてきたんだから、 愛国心なんざ育ちようがないわな。
自分の国を悪い悪い言いつづけてれば、免罪になるわけじゃなかろうに。自国の悪口を言うことが、日本と言う国の免罪符と言わんばかりにね。」


takamura氏
「大戦後突然価値観が180度変わったんだから、当時の民衆が国家に対して誇りを持ち得なかったのも仕方なかったのかも。高度成長を支えた世代は、ある意味 自分達で作り上げた日本の興隆を誇り得たはずなのに。しかし戦後日本は戦前を引きずったまま今日まで来ているからね。
でもそろそろどうにかしないと。国民を統率する何かが国家に無けりゃ。歪んだ個人主義・個性尊重の 行き着く先は、どんなに教育に力入れたところで利己主義の塊だよ。いまさら天皇でもないだろうし。1回国を作り直すのもありだと思うけど。
ま、憲法が新しくなったところで国民の意識変革には時間がかかるだろうけどね。」


枝葉
「行き着く先は結局利己主義ねぇ・・・
高度成長期はまだ企業という絶対的存在があったかもしれないけどバブル崩壊後に企業主義、 高度成長主義も消えちゃったから・・・資本主義の原点は競争ということを鑑みても利己主義に陥るのは仕方がない事かも。 そこから考えると、外務省が弱くあろうとしているのではなく、対外的にミスると国外に取引のある企業の業績に響くから 遠慮しているのかって歪んだ見方が出来なくもないかな。 」

takamura氏
だからそういう国益(?)の為に外務省は立ち回っていた様に思われて仕方が無いのだが。時代が変わった今、 これからどれだけ変われるのか見守っていくしかないよな。」



掲示板で行われた揺籃史上初の政治的討論はこの言葉で幕を閉じる。

総括して日本の立場の危うさが戦後の大転換に起因すること、歴史的付加価値が失われたことで 日本国土に対する精神的な寄りかかりというべきものが希薄であるという意見が大勢を占めた。

また、先日(2)をアップしたあと、整合性を確認すべくOに読んでもらった時の意見も記しておく。



「たしかにあのとき(同時多発テロ発生時)からアメリカにさからう奴=荒くれ者のなった
アメリカ様に逆らう奴には トマホークうつぞと演説でなく片手にチャカもっておどす奴になったね
ベトナムで何学んだんだろうな」

枝葉
「まぁアメリカが何を学んだかというよりも、非常に問題なのがアメリカが正義だという意識が未だに根強いことかも。
アメリカが過去に犯した侵略(領土的なものではなく思想宗教的な)を反省していないのだろう。
それが原理主義者には未だ反感を持たれている。」


「自衛隊の方針に専守防衛という言葉がある。私は国家を守る組織としてこれほど時代 錯誤な言葉は無いと思う。通常兵器がケンカで言う拳なら核は銃である。後も先も無 い。最初の一撃で決まる。自衛隊はこめかみに銃を突きつけられてもどうすることも 出来ないのだ。
核保有による抑止効果。冷戦時代、東西は核を相手より大量に持つことによって安 全を保とうとした。たしかにその方法は有効かもしれない。しかし、その安全は核保 有国同士でのみ成り立つ。つまり、核を持たない国にとっては驚異以外の何物でもな い。そこで自分たちも保有国たらんとするモノが出てきた。これが核の拡散の歴史 だ。
では核を持たない、持てない日本はどうすればいいのか。これは米軍に依存するほ か無い。仮に米軍基地が日本に無く、対立関係にあったなら・・・。それでも日本は 専守防衛・戦争放棄と言っていられるのか。時代が新たな局面を迎えた今、もう核兵 器は落とさなくても遠く離れた所から打てる時代なのだ。このままでいいのか日本 は。独自の核兵器に対する、政策・技術が必要であると思う。(どこからかの引用か)」

枝葉
「日本は核に対する防御をどうしようとしてるか知ってるか?すばらしいぞ。 核弾頭が発射されたらそれをすぐに察知してミサイルで打ち落とすよ〜って言ってるんだが。
成功確立が10回に一回とか。すっごい後手。
まぁ、核に対する防御方法何て存在しないんだがね。核シェルターで日本全土を覆うわけにもいくまい。 抑止力というのは最も手っ取りはやいんだが、結局それも脅しでしかないからなぁ。
もし日本に核落とされたら義憤に駆られた(としておこう)先進諸国がかわりに戦ってくれるだろうが。」


「もともとあそこはイギリスが好き勝手にあばれてそれで適当に線ひっぱって国にしたんでしょう
パレスチナがいい例だよ。アラブとユダヤに約束してああなった
火種はつくってるからね
今のイスラエルとパレスチナは両方からみたらどちらも正義になるんだよ
それをアメリカが荷担してる
イスラエル側からしか報道せん。さすがみんな誘導されてるよ
正義とは当然自分らの法にそう行為を言うんだろう。先進国にとってはね。 つまりは、イすらムなんかの宗教的な正義には耳を傾けないということ。 そりゃ原理主義者は切れるわ。」

双方に言い分があるものだ。歴史的に見るとイスラム原理主義が正義であるという意見もなるほど筋は通っている。

しかし何の罪も無い数千人の命を奪い去ったテロ行為はやはり間違っていたといえる。しかし本当にそうだと言い切れるのだろうか?

アメリカを主力とした連合軍は「報復攻撃」を行い、やはり同じ事をしでかしたようにも思える。

人を殺すことに正義なぞ存在し得ないように思うのはやはり私が平和な国家に生まれたものだからなのかもしれない。

ここまで色々な議論をしてきた。しかし果たして何が正しいのか、 それをはっきりと述べることは出来ない。しかし、この文をきっかけとして皆が政治について 多少なりとも興味を抱き、また考えて頂くことが出来れば重畳である。



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