銀色〜完全版〜

メーカー:ねこねこソフト
発売日:2001年8月31日
ジャンル:ADV

ゲーム紹介:
 昨年、ねこねこソフトから発売された「銀色」をファンからの要望に答えてリニューアルして発売したのが、このソフトです。

 3600円という、この業界ではかなりデンジャラスな価格設定をして、なおかつDVD、CD版まとめて同梱と言う漢っぷりには感服しましたね本当に。

これで買わなきゃ漢がすたるってものです(ぉ

 では早速レビュー行きます!。

まずはシステムの評価からいきましょう。

 「みずいろ」ではトラブルに悩まされていた私ですが、今回は何のトラブルもありませんでした。やっぱり目に見えるバグがないってのは気持ちが良いものですね。

 セーブ箇所は「みずいろ」と同じ20箇所です。まずまずの数ですが、やはり「みずいろ」と同じく、ゲームの中でどの位置にあるか、というのが表示されないのと、未読部分を除くスキップがなかったのが少し不満ですね。もっとも、作品特性を考えると、スキップはこれだけで良いような気がしますが。

 BGM・ボイスのボリューム調整機能や、過去ログの読み返し機能はグッドでしたね。

いつもと順序を変えて、次にシナリオです。

 この作品は、選択の自由度が少ない為に、これを面白く感じるかどうかが評価の分かれ目となります。
 
 シナリオは、今回の作品でもやはり、片岡さんを始めとした数人のかたがライターをやっています。英語字幕を付けられるのには驚きましたね。

 私の希望では、日和(みずいろ)にもしゃべって欲しいです。英語の勉強がしたくてしょうがなくなるでしょうから(笑。前作をやっている方にとっては、英語のせりふが無くなった、っていうことになりますけどね。

 脱線しましたが、シナリオを一言でいえば、痛い重い苦しいという、悶絶コンビネーションです(汗。

 「どんな願いでもかなえてくれる」という「銀糸」が織り成す、人々の悲しい物語が、時間の流れとともに語られていきます。そして、時間の流れがシナリオ後半になると、激しく前後を繰り返すので、矛盾無く理解する為にはある程度頭を使わないと理解できなくなってきます。

 たとえていうなら、超長編の映画を見るときのような感じでしょうか。これが全然駄目だというかたにはお勧めできません。

 痛いのは苦手だという方。大丈夫です。なんとか私は耐えられました。シナリオでは過去に例を見ない程に滅茶苦茶にズタズタにヤラレまくりましたが、おまけを見ればOKです(ぉ。

 逆に、本編に感動した方はおまけは見ないほうが良いかも・・・壊れてるし(笑

 また、回想モードや音楽モード、CGモードはとても良い出来ですね。次回作にも受け継いでほしいです。




 
 つぎにCGとキャラ。

 本作では、追加CGは「みずいろ」の秋乃さんが担当し、もともとのCGは4人のかたが担当しています。

 萌えキャラは2章の狭霧とか、4章のあやめとかいるんですが・・あのシナリオでは萌えは無理です(涙

 もっとも、萌えゲーじゃないし、私的には寂しかったですが、これで良かったとも思います。

 キャラの魅力は平均より上だと思いますね。みんな良い娘たちで・・・だからこそ痛さがより引き立つんですね(涙。

 CGは作品の雰囲気に沿った、良いものだと思います。CGのタッチにかなりの差がある為、クォリティーにばらつきがある気はしますが、マイナスポイントとなるほどのものではないですね。




 
 そして音楽と音声です。

 OP曲の「銀色」は,これ以上ないほどシナリオに合っています。単体としても良いし、これ聞くだけでゲームの情景が想像できる秀逸な逸品です。

 また、BGM曲数も34曲と多く、綺麗で透き通った感じの音楽が印象的です。シナリオをさらにまさに悲しみのドツボにはめまくってくれます(滝涙
 
 音声は基本的にフルボイスです。「みずいろ」の声優さんと結構かぶってるようですが、やはり上手いですね。特に、
  ・・・第3章のサイコなねーちんの声ははもう痛すぎて必聴です!
 

 えちぃなシーンについて
 Hシーンは,シナリオの性格上薄いです。っていうか、KANONとかとは違う意味でHシーンがなくても成立できるゲームです。

 また、数もそれほどありません。やはり、、CGクオリティにばらつきがあるんですが、平均的であると思います。ですが、演出が巧みな為、全体の印象としては良いものに仕上がっていますね。

 足りないかた向けには、おまけモードでの補完もありますが・・・期待はあまりしないで下さい。


 
総評
 プレイする人間を選んでしまう本作ですが、シナリオも秀逸、映画的な演出も秀逸、音楽も秀逸、CGもまぁ平均レベルにはあるという傑作ですね。

ただ、プレイヤーの自由度が低い為、(分岐がほとんどない)ので、シナリオにはまれないと凡作になってしまうという、ある意味チャレンジ精神にあふれた1本です。

 ですが、本作の値段(定価3600円)を考えると、賭ける価値はあると思います。

 ・・なお,ゲームとしての難易度は低いです。狙っていかないとバッドエンドはまず見ないでしょう。ゲームセンスの無い方でも安心です。
 1プレイにかかる時間は大体12時間前後(1stプレイ時)なので、じっくりと楽しんで下さい。
とまぁ,そんなわけで総合評点です。

システム:8.5(おまけ含む)点(いやまぁ、悪くないかと思います)
CG:9点(演出含む)(原画バラけてますが、雰囲気は出てるんじゃないかと)
シナリオ:9点(鬱です。いやもー鬱になれます)
キャラクタ:9点(キャラは萌えますよ…)
音声:8点(イイ!ですね)
音楽:9.5点(演出と音楽の組み合わせが素晴らしいの一言に尽きます)
萌え度:5点(シナリオ特性ゆえに萌えられません…(涙)
エティ(H)度:6点


総合評価:9点

 とりあえずなくなる前に買うべし!
買わなかったら後悔しますよ!


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