君が望む永遠

メーカー:アージュ
発売日:2001年8月6日
ジャンル:ADV


ゲーム紹介:
 言わずと知れた、2001年エロゲ界最大のヒット作。
 それがこの「君が望む永遠」です。
 ゲームが進むほど鬱になるにも関わらず、どうしても止められないと言う方、茜に萌えすぎてあちらの世界に逝きっぱなしの方…
 色々な意味で問題を巻き起こした、本作のレビューいって見ましょう! 





 まずシステムですが、これは圧巻です。


 セーブポイントは1000個まで使えますし、画面のサムネイルも付くので、非常に分かりやすいものとなっています。

 キャラごとにメッセージの流れるスピードを変えることも出来たりと、今までなかった細かいところまで調整が可能ですし、BGMなどの音量調整機能などもバッチリです。

 初回版についてはセーブの際にバグが見られたようで少し残念ですが、今まで見た中ではもっとも優れたシステムだと断言出来ます。
 システムに関しては文句の付けようが無い出来だと思います。
  
 
 
 つぎにCGとキャラ。

 CGは、正直私の好みとは違うのですが、画面構成・クォリティーともに申し分の無いものです。

イベントCGも平均より多く、クォリティーのブレも見受けられませんでした。

 

 キャラ的には、シナリオをやり込めばやり込むほど出てくる主人公が、ヒロインたちの魅力に負けてます(笑。

 改めて私が言うまでもないことですが、キャラの魅力・書き分けともに申し分のない最高クラスだと言うことが出来ますね。




 演出や効果ですが、本作で最も際立っているのはこれかもしれません。


 アージュ独自のシステムによる画面効果は、MMXPentiumでも気にならない程に軽く、しかも高い視覚効果を有しています。

 2Dの表現方法としては現状最高峰といって良いと思います。
 
 画面を波打たせることによって主人公の動揺を表現したり、雨や反転などの細かな効果によってもゲームの雰囲気を盛り上げています。

 
文句無しで最高の出来です。




 そして音楽と音声です。

 OP「Rumbring hearts」はムービーと共にアップテンポに作品の内容を、EDの「君が望む永遠」はしっとりとスローテンポに歌い上げています。
 どちらも素晴らしい出来で、コンシューマーにもなかなかない感じの素晴らしい出来です。

 
 BGMも、これまでのエロゲの中で有数の良い出来だったと思います。

 私の感覚では、「Air」にはやや及ばないものの、秀逸の一言に尽きます。
 効果的な演出とのマッチングも素晴らしく、総合では同等かと。
 
 なんにせよ、素晴らしい出来であることは言うまでもありません。



 音声についてですが…この作品上手い人だらけです(汗。「とらハリリカルおもちゃ箱」で主役を張ってる北都南さんが脇役に回っているあたりからも分かることですが。

 脇役の一人に至るまで隙が見つかりません。

 …逆に私が演技に翻弄される始末(笑

 水月の声の一部でひっかかりを感じはしましたが、全体としても、マッチングとしてもやはり、素晴らしいの一言でしょうか。 

 




 
えちぃなシーンについて


 HシーンのCGも非常に良く書き込まれていますね。

 それと、純愛系のゲームの割には、枚数多いですし、もエロの濃さもかなり高い部類に入るかと思います。

 声の方でも書きましたが、声優さんも上手い方ばかりなので、相乗効果も出て良い出来になっているかと思います。








 最後にシナリオですね。
  
 分量が物凄いです。AVG選択タイプのエロゲーとしては、最も長いんではないでしょうか?その割に中だるみもなく、良い感じですね。

 当初、「White album」と同じ寝取られゲーとしても有名になりましたが、鬱になる度合いは遥かに上です(汗。

 無論、現実ではもっとすったもんだが出るだろうと思いますが、エロゲーのシナリオにおける通常の分量を考えると、充分以上だろうという感じです。

 ネタバレになるので詳しく書けないのが非常に残念ですが、かなりの人が鬱になるだろう、普遍的なテーマであれだけのものを用意出来たのは素晴らしいことだと思います。





 
総評
 2001年の代表作と言って申し分の無い出来だと思います。

 とらハシリーズでもほとんど満点を付けなかった私ですので、ここで満点を付けた所には大きな意味があります。

 シナリオに若干の弱点はありますが,クオリティーのブレの少なさと平均の高さにおいて、2001年最高の作品だと思います。

 













一口採点

システム  :9.5点(パッチ当てれば完璧。))
CG     :9.5点(クォリティーのバラツキも無く、質も高い)
シナリオ  :9点(ボリューム・質とも申し分ないですが、若干補足と削除が必要なところが有るように感じた。)
キャラクタ :9.5点(書き分けは完璧。ただ一人だけ萌えなかった(汗)
音声    :10点(いやもう完璧に近い出来です。文句無し)
音楽    :10点(効果込みで。音楽単体なら95点ってところでしょうか)
萌え度   :8.5点(萌えまくりですが、後半鬱入りまくるので(汗)
えろ度   :8.5点(純愛系のわりにやたらマニ−な感じが良いかと)


総合評価:9.5点