とらいあんぐるハート3〜Sweet Songs Forever
メーカー:ジャニス/アイボリー
発売日:2000年12月8日
ジャンル:ADV
萌えゲーとして評価の高い「とらいあんぐるハートシリーズ」の第3弾にして、本編最後の作品が本作になります。繰り返しますが、私は,とらいあんぐるハート,略してとらハシリーズがどうしようもなく好きなうえにこれが本編最後のシリーズということで多少どころではなくゆがんだレビューになるかも知れません(え。
何はともあれ,さぁレビュー行ってみましょう。
まずはシステムの評価からいきましょう。
とらハシリーズの名物と言えば・・またかと思われるでしょうが、やはりバグです(ヲイ。
今回の作品では、インストール時にエラーが発生したり、音声が聞こえないなどの致命的なバグがいくつかあったようで・・・。愛さんが分身したりします。なんかとらハのキャラなら分身ぐらいはしそうだと思ったんでバグだとは思わなかったり(汗。・・・まぁ、とりあえず修正パッチは必ず当てましょう。
そうそう、パッチを当てるとそれまでのセーブデータが使えなくなりますので,プレイ前に当てておくことをお勧めします。
私の環境でも、パッチを当てた後に、ゲーム中に音声が途切れるなどの不具合が出ましたが、私としてははっきりいって全然気になりませんでしたね(ヲ,
セーブポイントは16個と多くなりましたし、どのキャラのシナリオのどこの部分なのかが併記されますので、前作と比べて、かなり良くなったと言えるでしょう。
また、前作からの改良点として、スキップは未読スキップ、強制スキップができるようになり、BGMやボイスの音量調整も出来るようになりました。読み返しの機能もパワーアップし、読みやすくなりました。
システム面でいえば、格段の進歩を遂げました。ほとんど言うことは無い出来ですが、唯一回想モードがないのがちょっと気になりましたが、これは欠点とは言えないでしょうね。
つぎにCGとキャラ。
本作では、2と同じく、シナリオライターの都築氏がキャラデザ、かっちん氏が原画を書いています。
前作よりも更にCGのクォリティーが統一され、余り見られなかった演出などの面においても格段に良くなりました。
万人受けする方向に行ったのは好ましい変化というべきでしょうか。
イベントシーンの量も増え、,立ち絵についても前作よりもバリエーションが増えました。結構良い感じです。背景の方もかなり書き込みが良くなり、あらゆる面において進歩を感じさせられました。
シリーズのトリを飾る作品として、ふさわしい出来だったと思います。
キャラの数は7人と、前作の半分ほどになってしまったので、バリエーションは減りましたが、キャラの魅力は相変わらず高いですね。
攻略が不可能ななのは(異母妹)と桃子(主人公の義母)を攻略したがった人が一杯いたようですが・・・
サブキャラとは思えないほど魅力的なんで仕方ないのかもしれませんが、さすがに実妹はヤバイでしょう・・・主人公の性格からして桃子さんも駄目そうだし。
・・・・・
でも桃子さんは攻略したかったぞッ(←馬鹿
相変わらずキャラの設定はぶっ飛んでいます。
まず主人公の恭也自身が化け物並みに強いので目立ちませんが、フィアッセを除くと、みんな一般人より遥かに強いです(汗。
もはやとらハシリーズおなじみとなりましたが、今回も人間じゃない人(?)が出てきます
そして音楽と音声です。
今回も,前作と同じく、ED曲は2曲用意されています。
ED曲の「SeeYou〜小さな永遠」は」は,私にとってヤバイほど強烈でした。年越し30時間連続プレイ(ぉ させられるほど、とんでもない破壊力がありました。
BGMについても,前作のMIDIから、質、量ともに大変な進歩を遂げています。
「KANON」で一部の曲を作っていたOdiakesさんという方が作っていらっしゃるようなんですが、大変質の高いBGMでした。
文句の一つもつけられない素晴らしい出来です。
ある意味とらハらしくないかも知れません(ヲ
音声はフルボイスです。前作とは違って、F&Cから二人の声優さんを招いたようです。
ええと、Piaキャロ2のあずさと潤、と言えば分かる方もいるでしょうか。
そんなこんなで結構フィアッセのキャスト(長崎みなみさん)には不満もあったそうですが(←古いゲーマーにはどうしてもあずさにしか聞こえないらしい)、私はかなりお気に入りです。
その他、いつもおなじみのメンバーは、前作以上に良い演技をしていたと思います。
えちぃなシーンについて
HシーンのCGは,キャラ数こそ前作の半分くらいなものの、数は何倍にもなりました。
これでもかというほど甘いシーンを見せ付けてくれます。
これでもかというほどのラブラブテイスト!これこそとらハの真骨頂です!!(マテ
CGクオリティにもほとんどばらつきがなくなったのが更に好感度アップですね。
シナリオ都築さんの趣味である黒の下着も健在です(ヲ
最後にシナリオとともに、総評を述べたいと思います。
とらハ3は、いわゆる「とらハ的」な萌えより、ゲームとしての完成度を重視して上げた作品です。
並べて書き上げて行くだけでも、相当な数の改良点が見受けられます。
しかし、「とらハ」はゲームとしての完成度が評価されたのではありません。
「とらハ的な試み」、つまり結ばれた2人の後のストーリーを丁寧に書き上げていくこと,そしてサブキャラを
生かした日常の描写が評価されたのです。
冷静に考えると、2に比べれば後者の点では劣っているかと思います。
しかし、それが目立つのは、トータルとしてのゲームの完成度が上がったからでしょう。
荒削りであった原石が、ついに一つの完成型となった感じです。
・・・それは,少なくとも、私にとって、私が望んだ形の一つでした。
とらハ3のシナリオテーマについて語りましょう。
とらハ3のサブタイトルは「守りたいもの、ありますか?」でした。
とらハ3でも、描かれていたのは、「家族」だと思います。
家族でありながら、血のつながっているのは母親の桃子となのはのみ。
血のつながりはほとんど無い彼らですが、彼らの間にあるのは、やはり、「家族愛」なのだと思います。
ですが、1の「一緒に頑張っていこう」 2の「一緒に暮らして、みませんか?=必要な時は支えあっていこう」
とは違い、3のテーマは、主人公がより能動的であることを求めています。
守りたいものがあれば、どうするのか?そして、どうしなければいけないのか?
ゲームは基本的には受身であるものです。
しかし、本作は、ゲームとしては完全に受身にさせる、自由度の比較的少ない物語系の
ゲームでありながら、姿勢として、受身ではないことを要求しています。
その意味では、3は、未完成な形であったものが、未完成型として完成してしまったということになります。
・・・・・・なんと魅力的な、未完成さであったことか。
この3は,自由度の低さから、あるいは内包する矛盾から、あるいは2での方向性とはまた違った方向に行ってしまったことから、
かなり低い評価を付けられていることもあるようです。
しかし。
私にとっては、未完成であるがゆえ、あるいは矛盾があるがゆえに。
この上なく、最後のとらハを楽しみました。
叫ぼうとしました。
叫ぶことは、出来ませんでした。
叫ぶには、いろいろなことを考えてしまうから。
そのかわりに、私の喜びと感謝を、最後に述べさせてもらいます。
ありがとう。・・・きっと、忘れません。
いつかまた、同じような作品たちに・・・・・出会いたいと、思います。
システム:9点(このゲーム的には文句はないですね)
CG:9.5点(アニメ調のCGですが、私は好みです)
シナリオ:9.5点(いやまぁとらハ―ですので)
キャラクタ:9.5点(キャラ立ってると思います)
音声:10点(不満はまったくないですね)
音楽:9.5点(平均レベルがかなり上がりました)
萌え度:9点(前作より少し下がったでしょうか)
エティ(H)度:90点(純愛系統では文句なしかと。)
総合評価:98点
とりあえず何も言わずに
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