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Message From Tokuda


  ジーコ Date: 2006-06-22 (Thu) 
いよいよこれからラストゲームか、といった22日20時半にこれ、書いてます。


巷では、当然至極のジーコ批判が吹き荒れており、
終了後もいろーんな反省が行き来するでしょうな。

でも、俺はなんか今、気分違うな〜。


たしかにさ、オーストラリア戦直後にジーコへの怒りは沸点に達したけど、
でもそこがまさに沸点で、
日に日に落ち着いて来たよ。


クロアチア戦を経て、、、
今はもうジーコへの感謝の気分が多いかな。



オーストラリア戦にかかわらず、
予選から奇妙な采配は続いて来たけど、
そんで、これでもう日本を離れんだろうけど、
ジーコにはお礼を言いたいね。



38歳にして住友金属にやってきて、
まぁ、ありゃぁまったく往年のスターのドサ回り的だったよね。
ベッケンバウアーとかさ、ブトラゲーニョとかさ、
ああいうもはや政治家一歩手前の生き方も、ジーコにはアリだったわけだから。


でもドサ回りどころか、Jリーグの黎明期をカズとラモスと支えて支えて、
アントラーズ、なんて強豪クラブもつくったわけで。

結果は誰にも見えてなかったんだから、そう思うとあのとき、よく引き受けてくれたもんです。



で、まぁ、過程を経て、日本代表監督になったわけですが…。
でも、これも成功させたら出来過ぎ。
やっぱ若葉マークは否めなかったよ。
ドイツW杯見てても、「プロの職業監督」たちのすごさは感じたねぇ。
代表監督ってのは、決して国の象徴じゃぁなくて、「ひとつの職業」だってことだよな。



でも、クロアチア戦の采配は前試合の反省を十分感じたものだったし、
言われてる程、頑固じゃねーかも。


と、いうか、ジーコ、いい経験したよね。
相当学んだと思うよ。
普通で味わえない経験思いっきり積んだでしょう。



この後、日本を離れて、どっかの国やクラブでそのうち案外イイ監督やるかも…って俺思うな。
そんで、何年後か分からないけど、
そのチームに日本はヤラれたりする数奇な日も来るんじゃないかな。


そんで、そのさらに数年後、
ジーコが死んだ時、日本中は泣くんじゃないかと思う。もうマジ泣き。


今、居酒屋やネットで言いたい放題のみんなも、記者も、
みんな理屈抜きで最高潮に悲しみにくれるんじゃないかと思う。


そのときはきっと、このドイツ大会の勇姿が繰り返しプレイバックされてさ、
「初めての監督・ジーコと黄金世代たち」とかなんとか風な、回想番組ガンガン流れて。

<2006年、あのとき、日本は、ジーコとひとつになった…感動をありがとう…!>

てなテロップもぎゃんぎゃんにキマるんだと思う。


で、その頃、いまだ独身のヒデとか、無惨に太った柳沢とかが「ドイツ秘話」を明かしたりしてな。

とにかく日本中がきっと悲しむ。
アイルトンセナが死んだ時、あわや国葬みたくなって、
有賀さつきが泣き崩れるにいたっては、まったくさっぱり意味わかんなかったが、
ジーコの遺影の前で、キー局全女子アナが一列に並んで号泣しても俺は納得する。



とまぁ、なんだかよくわかんねー文章になりつつある…というか、なっちまいましたがネ、
俺はブラジル戦を前に、勝利を信じた高ぶりを感じつつも、
同時にかように感傷的なマインドに溢れてしまっている。


で、自分でもこんな気持ちにびっくりしてしまい、
誰かに伝えるべく、思わずここに書いている次第。


みんなはどう思う?ジーコ。
これであいつ、日本と縁を切るかもしれないぜ。心の中で。
やることはやったし、なんか批判されてるし、
俺がジーコなら日本はもうお腹いっぱいだな。
最後の相手が祖国だなんて、もう言う事ないよ。



クロアチア戦後から今日までのジーコの動き、よかったと俺は思うな。
ギリまでメンバー伏せたまま練習させるっての、俺は気に入った。
あれは全員で集中できる。
最後の最後に至って、自分の哲学を曲げてみせるの、いいじゃない。
プロ野球にもそれできる監督、めったにいないからね。特に日本人では。

それでいて、
「こんなことは、最初で最後かな」
ってコメント出すのもしゃらくさいよ。




ということで…、
アディオス、ジーコ。


みんなイロイロ言いまくりだけど、初めての相手が自分たちだったってこと、
そのみんなが単純に誇りに思う日がきっと来るよ。

その頃はもう、きっと俺らのことなんて、なんとも思ってねーかと思うけどさ、
日本からの訪問者があったときには、
嘘でもいいから、
「今でも日本を愛しているよ」
って言って欲しいな。







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