3月3日
井上瑶さんの御冥福をお祈りします。
ガン、ということですが55歳だったそうです。
ご存知セイラ・マス役でお馴染みの声優さんであります。
訃報を聞いた時は、2分間真っ白になりました。
昨年超貴重なインタビューがTVブロスに掲載され、まだまだお元気そうでしたが。。。
そこでは、ガンダムのアフレコ時にみんなのおにぎりを作って持って行ってた話や、ガンダム以前は下町娘の役ばかりだった事、集まっていた声優陣は皆なんらかの転換期を迎えてたこと、ファンの長年の疑問であった「Z欠席の真実」…など、興味深い話があったです。
まことに残念であります。
追記/
ガンダマ−として俺の知ってるエピソードをさらに。
上記の「声優陣の転換期」について。ガンダムのメインキャスト達はみなホントにそうだったんです。
まず、井上さんはこの通り、下町娘役ばかりで、初の「姫役」。以後、逆にこんな役ばかりで、パトレイバーのカヌカ・クランシーとか。
ブライト少尉の鈴置さんはガンダムの前作、『ダイターン3』で初めて主役を張り、「俺は、これからやってくぞ!」という非常に気合いが入っていた、と井上さん。
ナレーターとデキン公王をやった永井一郎さんは、これまでギャグ役ばかりで、なぜこんなキャスティングが、と御本人は驚いたそうだ。磯野波平や「うる星」のチェリー系が持ち味、と思ってたんですね。
シャア役の池田秀一氏は舞台俳優で、アニメ声優は実質これが初めて(ガンダム以前には、何かの端役をひとつやった程度らしい)!!
シリーズ後半、ララァが登場した際、富野監督に、
「監督、シャアはこの娘と寝ているんですか?」
と質問したという凄い話がある。
「寝ていると、寝ていないでは、演技が全く違う」と言ったそうだ。
このエピソードはほとんど知られたないが、俺はすごい好き。池田LOVE。
フラウボウの鵜飼るみ子さんは、これがアニメのレギュラー初の新人。
ミライさんやった白石冬美さんは当時すでにベテランだったが、普段は「元気な男の子」で食ってた人。
よって、カツ・レツ・キッカは、井上鵜飼白石トリオでやったわけだ。
マチルダ役の寺田恵子さんは現在もっともTVにお目にかかる。
最近はフジの『HR』、『ショムニ』などでお馴染み、舞台もひっぱりだこの女優さんだ。
マチルダさん当時は、ジャズシンガーもやっており、むしろこっちが本職などとも考えてたようだ。
よって、挿入歌『おやすみアムロ』を唱わせてもらったのには、とても感謝している、と言っていた。
余談だが、『キャッツアイ』の瞳もこの人。
そしてアムロをキメた古谷徹氏も、「星飛雄馬」からの脱却を図っており、声優業を休止したりの試行の時期だったとか。
アフレコは当時では珍しく、「監督」がスタジオに顔を出し、指示をだしていたという(今では普通)。
現場の雰囲気は「これ、面白くねぇ?」と声優陣は盛り上がっていたそうだ。
視聴率が悪いのは聞かされていたが、「それは我々の気にするトコではないだろ〜」って感じで気にとめてた人はいなかったと。
似た話を知ってる。
エルトン・ジョンのプロデューサー、ガス・ダッジョンのインタビューで、
エルトンぶれいく前のセカンドだかサードだがの録音時の話。
「録音中から、本人から各プレイヤー、スタッフ、裏方にいたるまで、全員が、最高だ!!って感動しながらレコーディングが続いた」
そうだ。
休憩しにパブへ行っても話題は録音のことで、
「なぁ、さっきの曲なんていいんだろうな!」とスタッフ皆で口々に言ってまたスタジオに戻る。
ガスの3、40年に渡るキャリアの中で、「こんなことがあったのはあれ1回だけ」と振り返ってた。
それがバカ売れしなかったのが又ミソ。
でも聞いてみたくなったでしょ?
3月6日
当サイトを御覧になっている方々には、「ブレイク、とはこういうことか」と実感された事と思う。
テツandトモ、のことである!
もうここでいちいち露出の補足をさせて頂く必要もなくなったです。
今年の紅白は間違いないと思います。
イカ天全盛期に、カブキロックスの氏神一番が「TBSのイメージキャラ」になった時の事を俺は思い出してます。
いいとものレギュラーも間違いないでしょう。
さて、もうひと組ブレイクのケムリが出ている芸人が、「ダンディ坂野」。
ジャパン野球とお笑いが好きな人ならご存知でありましょうが、
ヤクルトのラミレスが昨年のキャンプ中から、
「今年は、『ゲッツ』でいく!!」
と公言していたからです。
野球なぞ知らん、という方々に説明させていただくと、
黒人のラミレス選手は、ホームランを打ったり、ヒーローインタビュー受ける時や、
ファンに挨拶したりする時に、
フリ付きで『あい〜ん』、
とかますパフォーマンスがばか受けしてたんです。とくに子供に。
しかもよく打った。
それで、ここ数年すっかりお馴染みになったところで、いよいよラミレス新ネタ、という流れになってたわけ。
マツキヨのCM、覚えがありますでしょうか?
白タキシードを着た、見栄晴のような男子が、犬に向かって、
『ゲッツ!!』
と指差すのを。。。
あれです。そして彼がダンディ坂野。これまた俺が好きな芸人です。
オンバトでの成績は今まで非常に悪かったんですが、これからはイケる!
しかもラミレスだよ!!
と、思ったんですが。
つい先日、ラミレスのインタビューを見まして、
「ゲッツ!、はオープン戦までにすることにしたよ。
あいーん、は子供のファンにまですっかり親しんでもらえたから、
変えてしまっては混乱してしまうよね」
とのこと。。。
3月7日
ひとまずの録音区切りです。
順三郎が、鈴置プロデュースの稽古に入りました。
今回、鈴置プロデュースは旅公演で、中国地方をまわってくるそうです。
楽しそうだが、本人に、
「んなこたぁない!」と啖呵を切られた。
その間に彼の主催する0157Jの6月本公演のための、台本を書く必要があると。
旅先で書くぞと。酒よりも書くぞと。
本気の証に、ノートPCを買う事決意した模様。
今回録音に使わせていただきましたのは、
0157Jでお馴染み、新宿御苑のピアノバー、カールモール。
ランチタイムを挟んで、開店前(食い込む事もあったが…)に居座った。
ここは、演奏も出来ルとこなので、都合よし。
イイ音で録れてます。
ランチタイムには、そのまま食べたこともあった。んだけど、これがウマイのよ!!
カレーはオール手作りスパイスの大人の味。
あとパスタ!
ドライトマトとズッキーニのパスタ、うまかったづら〜。
マスター男の手料理、ごっつあぁんです。
コーヒー付きで800円でオケー。
夜の部とか、みなさん是非行ってみては?
店の雰囲気はさいこーよ。
なのに、マスターは貧乏人の味方で、「今日2千円で居座っていいすか?」てのもオケー。
「順一朗閣下にツケといて下さい」てのもオケー(推測)。
場所は、厚生年金会館の道挟んで反対1F。分かりやしーのぅ。
でんわ/03-3352-9808
追記/
順三郎くんは、PowerBookG4の廉価版を買いおった。
丁度この頃、アップルはPowerBookのラインナップに力を入れており、
なかなかお買得感のあふれるモデルが発売されたのだ。
俺、あの17インチのモデルが欲しいよう。いつか。
3月18日
ビデオでですが、昨年3月に公開された『パトレイバー3』を観た。
劇場に行きそびれてたんだよね。
バブルまっさかりの頃に始まった『パトレイバー』シリーズも、はや20年ちかく経つ。
前回の、押井守指揮による劇場版『2』は、内容的にも完全に葬られたと感じさせるものだっただけに、
『3』の製作発表は驚いたもんです。
『2』は「ファンが期待する」ものを絵柄に至るまで一切排除し、
「でも俺抜きで勝手にやられるより俺の手で終わらす」、という押井監督の気合いが感じられるものだった。
おそらく、会社側の「もう1回やりましょうよ」と、現場の「もうあれは終わったじゃん」という、
折衝の末の選択だったのだろう。
「もう、パトレイバーいいや」って皆に思わすのが、皮肉でも卑屈でも謙遜でも無く本当に狙ってたことだと思う。
暗くてキツかったけど。
で、『3』なんですが、やはし押井氏はノータッチ。
脚本が、とりみき氏というのがウリであった。
つーことは「哀しいSF」ものになるんだろうなぁ…って予感があって、
内容はまさにその通りだった。
わざとやってるんだろうけど、特車2課の面々の出番は1割程度。
観客(マニア)は「半分くらいしか出番ないかも?」とか予測はしてくるから、
さらに上をいきましたな。
さて、実はパトレイバーシリーズは、「20世紀末のうつりゆく東京を描く」ことが大きなテーマになっている。
今回ついに(!)、現実が設定年代を超えてしまい、ここのアプローチは気になるところ。
昭和75年の東京、ということでしたが、疑問点がはっきり残った。
劇場版でお約束の「聞き込みシーン」で、街を丹念に描写するシーンはやはりあったが、
その風景が、徹底して60、70年代の建物/小物だった。(それが生き残ってる、という設定で)
それが、謎。
その「おいていかれた東京(の一部分)」というテーマはこのシリーズで、さんざん
やってきたこと。
しかも今回は、その風景が物語の核心に全くつながっていなかった。
ここは作り手の意図とメッセージが不明瞭。
それがないならないで押井氏抜きの『3』らしくていい、と思うんだが、
じゃぁ、なんであんなに木造建物とかパイプイスとかを(押井演出のように)執拗に描くのか。と。
てっきりそこになにかある、と思いました。
物語は「親子愛」の話で、まったく関係なかったです。
風景を東京を描くなら、振り返り視点での都市論、があったらなぁ、って思うんですね。
それを物語にからめると。
僕が最高にしびれたのは劇場版『1』で、「ザッツ・娯楽映画」の体裁をとっていながら、
「世紀末にむかって再開発の進む東京湾岸、つくられていくもの、失われていくもの」
をフィルムと物語の中に落としこむ、という凄い内容でした。
パトレイバー、という素材を使って、
アクション、コメディ、パロディ、SF、人間ドラマと色々なバリエーションがつくられましたが、「都市論」を語るとは(しかも現実の)、大変びっくらしたもんです。
それとエンターテイメントを両立させるという、こういうのが才能のある作家なんだなと20歳の徳は痛感した覚えがあります。
まとめますと…。
あやしげな軍人(わざと軍服わざと階級で呼ぶわざと威圧的)/あやしげな外国人軍関係者/特車2課レイバー隊の無視/おっさん刑事と若刑事コンビ/東京湾岸の聞き込み/警察公安自衛隊上部組織/ギャグなし/若者でなく中年にスポット/激しく今昔が同居する東京の風景…
パトレイバーシリーズはいつの間にか、上記の要素は「意外」ではなく、
「お約束」になってしまってるんです。
主人公達を登場させない、っていうのも「お約束」になってます。
つまり『3』は、今までのパトレイバーシリーズの流れに実に素直に沿ったものでした。
スタッフ側が、「パトレイバーでこれやったらエグいだろ?」というものが、
もはや直球であるので、パトレイバーは意外に難しい素材になってしまったようです。