先日、『いか天THE50』という3枚組CDを入手いたした。
帯にあるが、「いか天89年から90年登場分の代表曲を50曲収録」とある。
ここはいっちょ、当サイトはバンドのHPということを再確認すべく、ガツンとレポりたいと思います。
いか天89年から90年というと、「いか天・前期」であります。
具体的に言うと、
たまのグランドキング成立まで、がその期間と、俺は考えます。
この時期の特徴は、笑えるバンドが多かったこと。
「後期」は、番組登場10組の中に実力系がまじる割り合いが高まってたと。
あとは審査員がちがう。
前期は萩原健太氏が長を努め、内藤陳、伊藤銀次などゆるーい深夜番組然とした連中が顔を揃えてた。
後期は田中一郎が長となり、斉藤ノブ、なるちょ等やはり実力/技巧派が居並んだ。
通して、PANTAが出ており、これは60,70年代からは想像すら出来ない出来事。
頭警の彼は、けっこー優しい人だと知りました。
司会は、SET三宅&相原勇。
ふたりにとっても偉大なる一歩で、三宅氏はのちに関口宏と料理仲間に、
相原勇はあわや「横綱夫人」になりかかった。
これに、KUWATABANDのパーカスの人が加わっての司会陣。
さぁて、回想モードはいかがでしょう?
準備オッケー?
じゃーCD1枚目1曲目から、俺的にひっかかったものを順に拾っていきますよ!
DISK1
1/『二枚でどうだ!』 宮尾すすむと日本の社長
始まった「いか天」の牽引となったバンドとこの1曲。
今聞くと、あっけないというか、とくにおもしろくなかった。
この手は、当時ユニコーンがよりハイレベルでやってたのでこれはもう淘汰の命運。
メジャーでかました後、吉本に(現在も?)所属。
ボーカル宮尾氏は某プロバイダーで、CGIのプログラムを書いてるとか。
2/『エブリディ』 ジッタリンジン
これはイイ…。10年ぶりに聞いたがイイです!!
印象としては、「一足お先に〜」といった感じ。
曲も演奏もアレンジも、他のバンドに先んじて完成してます。練れてます。
生き残ったのもさもありなん。
いっとき廃れインディー化しましたが、スネイルランプがルーツに掲げて、再評価。
スカパンクの香りもあったってことです。
3/『ユキエさん』 トゲオ
4/『スイマーズのテーマ』 スイマーズ
5/『ハイになりましょう』 ブラボー
ここで法則のひとつ発見。
「バンド名と代表曲が密接にリンクしてる」のは一発屋の確率大。かなり大。
曲はともかく、ボーカルは素晴らしいでっす。
歌い出しの第一声、『ハイになりましょ〜!』で、無二の個性が伝わります。
でも、こういう声で歌うのって、できないよなぁ。
以後の自らに制約を課すようなものだぞ。
ビーチクを青くペイントしたボーカル鈴木氏は、当時NECの社員だったという話。
6/『幻影』 風来坊
7/『POOR BOY BLUES』 THE COKE
8/『SHERRY SHERRY SHERRY』 COR-SEZ
9/『カルフォルニアの青い××』 大島渚
これもいか天話題の牽引バンド。
ボーカルみうらじゅん、ベース喜国雅彦というマンガ家バンド。
ホントこの人達は面白いよなぁ。
曲は「すきすきソング」を折衷したものなんでアレとして、歌詞は当然グー。
ところどころで放送コードにひっかかり、「ピー」音が入るのも愛嬌。
唄声はこうでなきゃ、の絶叫。ベースは一生懸命なルート弾き。
作詞作曲は、みうらじゅん。
10/『オレンヂ バナナ』 KUSU KUSU
DISK1最大の収穫!!
当時、KUSU KUSU
はルックスのかわいさもあり、アイドル臭が強く、
ファンであったクラスの女子に対しては、「ケッ」という視線を送ってた高校生の俺…。
訂正しお詫びさせていただきます。
なんつってもアレンジの先鋭性と演奏力!!
南国ものをポップに昇華し、演奏でも体現してる素晴らしさ。
当時18才から20才っていうのも、参る。ふんとに。
とくにこの曲の間奏。
テンションをキープしたまま、変拍子、プログレみたいな演奏は、
疾走感が途絶えずパンキッシュでもあり…。
これはマジたいしたもんだなぁって。
当時出たインディー盤はなんと10万枚を売り上げた!
が、メジャー後パッ咲かず、わずか2年で解散。
まったく人生の歯車ってよく分かりません。。。
でも話は実は簡単で、ようは「本格的なポリリズム」に挑戦したくなってたようです。
レゲエやアフリカものだね。
でも会社からは、アイドルなんだから「ハッピーな南国ものを」と常に言われてたそうで、
反抗してるうちにジリ貧になったようです。
ファンのギャルもそんなの聞きたくねーよなぁ…。
KUSUKUSU ストーリーはこっからも面白いです。
ベースSAY以外の3人は、望み通り本格的なワールドミュージックものをそれぞれ活動していきますが、
やはり、咲かず。
ところが、ベースのSAY氏は、KUSUKUSU
よりさらに偏差値の低い、
「オレンジズ」にベースとして加入。源氏名をロビン、と変更。
これは最近始めて知って大変おどろきましたねー!
オレンジズ、知ってる人も多いかと思います。
95年頃テレ朝でやってた、いか天的番組「えびす温泉」に出てきたバンドです。
要するに音的にはパワーポップで、見た目、立ち振る舞いを、
ベイシティローラーズやレイジーのように「アイドルロックバンド」とする、
ネタ要素の強いバンド。笑ってください、みたいな。
俺もTVで観た時は笑いましたが、ベースの人には実は、注目してました。
というのも、番組に登場するたび毎回違うベースを抱えていて、
そのどれもが俺憧れのビンテージものだったから。
「アマなのになぜあの人は恐ろしく高価なベースを何本も持ってるんだろう?」
とバンド本体で違うとこで大注目してたのです。「金持ちの息子か?」って。
今なら納得。
KUSU時代に稼いだものだったんでしょう…。
「えびす温泉」で、平成の田中星児とか言われてたロビンが元KUSUKUSU
だと気付いた人はどれだけいたのか。
他の元KUSUからすれば、
「あいつマジだせえことやってるな」
と影でさぞ言ってたことだと思われますが、なななんんと、オレンジズ、
アメリカはLAのレーベルからアルバムを出しました。ウケたみたいっす白人に。
LA公演もやったそうです。
実はKUSUKUSU は2000年に1日限りで再結成ライヴをしています。
SAY氏は同窓会気分だったでしょうが、他の3人には、期するものがあったよう(特にVo次郎)。
これは全く評判にならなかったようですが、理由は俺には想像つく。
きっと麦わら帽子/短パンをやらなかったんだと思います。あと顔ペイント。
それら全部込みですからね。30才にはきついでしょうがネ。
アイドルがいやで、でもそれが乗り越えられなくって、大人になってすべて受け入れられた頃には、
時代と自分の関係が激変していて、と。
話が大きく膨らみましたが、高校卒業したての男子が織り成すこのサウンドは、
今後の自身らの人生すら折り込んだ完成度、というべき感触です。
11/『In The Stone』 アース・ウインド&ファイターズ
12/『あの娘のアンブレラ』 イエロー太陽'S
13/『逃げろ!』 THE NEWS
14/『偉大なるエゴイストの憂鬱』 ラヴ・カメレオンズ
15/『月夜』 ばななまん
現在同名のお笑いコンビが、俺好きな事もありますが、なかなかイイです。
沖縄調のイントロから、たしかに夜を感じさせるアレンジになり。
3人組ながら広がりのある演奏…。
しかし残念ながら、俺はまったくこのバンドの事を覚えてませんなぁ。
といいますか、お笑いのバナナマンの必殺の髪型しか浮かんでこない。
いつしか奴が歌っているような錯角が。
16/『人間関係ギィスギス』 ぢJezass
17/『我思うゆえに我あり』 FLYING KIDS
久々に「幸せであるように」が聞きたかったところですが、
収録されてたのはこの曲。
でも、「我」を「ワーリィ」と発音してファンクに乗せていくあたりは、
かっこいいっすね。
(DISK2 に続く)