3枚目だ。
お待たせしました。
この盤はボキを直撃する見どころが残念ながら少ないので、
まず御挨拶を。
3枚目は「キング」関連のネタが豊富であります。
となると浮かぶのが出来レース疑惑。
これは番組開始当初からブスブスとくすぶってましたネ。
栄えある放送第1回に有名な「パンツぬぎ事件」があります。
ワイプをくらったヒステリックスというバンドの女子ボーカルが、
『この番組は、チャンピオンが決まってるんだァ!やらせだぁチキショー!』
と抗議(?)の意をこめ、おのれのパンツを下ろした。
カメラは急遽三宅氏のアップに切り替わったが、ヒステリックスは<退場>。
(生放送のイカ天史上<退場>は、この1組だけ)
まぁこれが一転、番組の話題づくりに大いになったわけだが…。
話はまだ終わらない。
この娘の怒りをおさめたのは一風堂の(ラーメン屋じゃねーぞ)土屋正巳で、
「そんなことは絶対ない。もしそんなことがあれば、僕は審査員をやめるから」
と。人格者である。
それが…すこしたって、土屋氏、審査員からいなくなるんですよ!
これは氏の仕事やロンドン移住がたまたま重なっただけ、という話もあるが…。
それと、前期の審査員長をしていた萩原健太氏がCM中に、大激怒した事件もその後おこる。
同じ日に、とあるバンドがワイプ。
そのあと、ちょっとヘタ目だった女子バンドが間奏したのがその原因。
「いったいどういう審査基準になっているのか」
と大変な怒りようだったそうだ。
さぁ、あとは相原勇にも触れておこう。
番組開始は2月だったのだが、相原嬢がお父さんに与えられた「芸能界目指してがんばっていい期限」が、
なんと翌月の3月までがそのリミットだったそうだ。
駆け込みセーフ。
縁ですねぇ。
DISK3
1/『No Pains No Gains』 NORMA JEAN
いくつもあった、典型プリプリ以降の女の子バンド。
最近活躍する、<チャーの息子がギター&ボーカル>というドラゴンアッシュを超えるインパクトを持ったRiseというバンド。
その、デビュー当初の初代ベーシストだったTokieは、実はここんちノーマジーンのスゴ腕ベースであった。
Riseがデビュー後軌道に乗ると、他二人のメンバーと雰囲気の似たやんちゃ系ベーシストと交代した。
つまり、デビューにあたり、まずはサウンドをしっかり打ち出したかったんだろう。
んでもって、軌道に乗ったらお友達呼んでいいよ…と言われていたと推測する。
現在(というか元々)、Tokieさんはセッションベーシスト。
ノーマジーン時代からチョッパーまでこなしていたらしい…。
さてそのノーマジーンだが、時枝さんともうひとりは、デビューの話に乗らずに辞めておる。
ナニがあったかは本人達ぞ知る。。。
その時辞めたもう1名は、のちにノッコとユニット組んだりしてたそうだ。
肝心の音ですが、聞いた数秒後に忘れそうになります。
2/『りんごの泪』 人間椅子
今聞いても感動です。
ローリー寺西が、ジミー・ペイジやブライアン・メイのギターを完コピした音色で、
しかもそれ風のリフをすかんち時代によく聞かせてくれました。
ここでのギタリスト和嶋氏のそれは完全に、トニー・アイオミです!!
重くうねるリフもまさにサバス。ギターもSG。
音色もこれ、ちゃんとダウン・チューニングしたものでしょう。
歌詞は<文学ロック>とかいう看板をかかげてましたが、
日本情緒、というより日本情念(東北系)をテーマとしてます。
この歌詞も聞き取った限り(このCD歌詞ついてねぇ)、どうやら寒村の人身売買について唱っており、
りんご=売られていくコ、のようです。
間奏では、「オイ!オイ!オイ!」というメタルな掛け声に混ざって、
「オラ!秋田だ!」とか叫んでます。
そこまで暗すぎるのも小生いかがなものか、と思いますが、
要は太宰治や坂口安吾ワールドが狙いのようです。
といったら学生のはしかの典型、と感じる方もおるでしょうが、
そもそも彼らのアイドル、ブラック・サバスは、ハードロックに黒魔術という<雰囲気>を盛り込んで、
重いギターリフに理由を与え、ヘヴィメタルにつながるものを創始し人気を得たグループ。
じゃー、そりを日本で置き換えると?
このあたりに行き着くのは意外にまっとうではないでしょか。
曲も転調に転調を重ねる展開を意識しており、すんごく黒い安息日です。
当時のへヴィメタ全盛を思うと、それは実に気合いの入った音づくりだと思います。
同じ頃海の向こうでインディーしてたニルヴァーナも、サバスを視野に入れて曲を仕上はじめてたんで、
まっことアリな方向性だったのですが、色物として咲きほこってしまいました。
3/『Baby! Baby! もっと!熱い!Kissを!』 ティラノザウルス
のちにT-ボラン…になった人達、ですよね?
あれ、同名別バンドかな?でもそういうサウンドですわい。
同じ系統のグレイも、イカ天に出てワイプくらったそうですが、おれはサスガに覚えが無いです。
その時、バンド名も同じだったのか?
ドラムはいたのか?
あとはイエローモンキー。
全員当時別のバンドやヘルプで出場を果たしているそうだ。
んで、出るか否か迷ってたのがミスチル。
そんな時代でした。
4/『ブレイク・イット』 バッキンガム宮殿
こういうバンド名を見ると、
『サルでも描けるマンガ教室』(相原コージ、竹熊健太郎著)
を思い出すのは私だけではありますまい。
5/『MARIA』 PANIC IN THE ZU:
グランドキングです。
が、その5週目に挑戦者となったのは、16曲目収録のセンスレス・シングス(5週目に強い相手をもってくるのは恒例)。
この時の放送はすんごくすんごく覚えてる。
挑戦者を発表するときの当時審査委員長・田中あんぱんマン一郎のコメント。
「ある意味F1がF3と対戦するようなものだけど」
それでF3が勝つとは、高校生の俺でも理解に苦しんだよ!
6/『方船』 福田眞純&SUPER MILK
7/『IN YOUR EYES』 THE FABULOUS
8/『Never Be』 remote
こんばんは池田貴族です。
在宅審査員から「ボーカルの目つきがいい」というFAXが送られ、
「当然でしょ」と吹いた赤づくめの男。。。
いまなら確信犯のギャグキャラだが、当時はアイドルとして成立したのだ!
出場後もリポーターという形で、度々番組に登場。
その中である日、リモートLIVEでの、
『貴族が客席にダイブしたら皆がよけて床に全身を強打』
という事件があったことを告白。
貴族は、最後にカメラに向かって流し目絶叫した。
「今度はよけんなよ!」
9/『やわらかい月と王様のいる風景』 有機生命体
このバンドは未だにカルトな人気があるようです。
俺は未聴ですが。
この系統では、ハイポジがわりと初期に出場している。
意外と知られてませんが。
他のバンドとの<合同バンド>で、
バンド名も、<ハイポジとフィネガンズ>みたいなそんな名前で出てた記憶あり。
近藤、もりばやし両氏ちゃんと揃ってました。
あとは!
なんたって、<マリア観音>だろう。
マリア観音だよ?まったく、俺見てないんだよなぁ、その回。
グーフィー森が、絶賛してたと聞く。
どちらのバンドも間奏はしたが、挑戦者にはなっていない。
10/『TELL ME WHY?』 RAMBLE-FISH
11/『CARS CRUSH!』 The TRUMPS
12/『BLACK DOWN』 SPAZM
13/『SIN CITY』 THE KIDS
14/『ジェットロールコースター』 Love
Sick Lovers
15/『MADMEN'S BLUES』 SOLID BOND
これも覚えてる。
キングになったが、3週目くらいでメジャーが決まり、辞退したバンドだ。
4人組の骨太ガイズ・ハウンドドッグ風…てな感じで、
高校生のボキには、けっこう個性のあるバンドかなと映っていたものです。
16/『TOO-MUCH-KISSING』 SENSELESS THINGS
問題の外国人バンド。
5曲目のバンドと、キングをかけて不可思議な対決をしたわけですな。
その後イギリスでブレイクして、結構売上も良かったし、
友人にもイカ天出身と知らず、ふつーにファンになってCD買ってるやつもいた。
ホントに実力あったわけです。
イカ天キング5週目はなんだか怪しい対決がいくつもあったが、
ここの組み合わせはトップのキナ臭さ。
さて余談ですが、<外国人バンド>は彼ら以前にひと組、出ていた記憶があります。
バンド名など忘れましたが、全員米軍基地勤務だった…ような。
そのバンドの演奏終了後、コメントを求められた審査員・ラッシャー木村の第一声。
「うん、発音はよかった」
17/『バラが好き』 マルコシアス・バンプ
この、たまvsマルコシがやはし、イカ天最高の瞬間でしょう!
もちろん観てましたねぇ。
たまは週上がりで評価が高まってて、
前述した通り、そのお約束5週目に強敵をブツけられたわけです。
たまは、人をくったように横一列に並んで短いアカペラ曲を。
この自由なノリに、通常なら余裕でキングってたと思われますが、
挑戦者マルコシは驚異のこの曲を演奏。
たたみかけるドラムはどえらくシャープでカンカン鳴っておる一方で、
ベースはすんごい音づくりをしていて、
ヘビが舌をチロチロ出しながらうねってる…そんな音色&フレーズ。
というかテクもすごくて、弾いてるベース(ギブソンのEB)から想像出来るように、
ジャック・ブルースにひけをとらぬモノ。
ルックスは、本人は「ジュリーを意識」と言っていたが、
速攻でこまわり君と命名され、立ちも十分。
ボーカル秋間氏の唄声はまさしくグラムの権化といったビブラート。
ファイアーバードを持ったギタリストは、音数を抑えててクール。
次の日、学校でお友達と「あのバンド、なんてかっこいいんだ」と言い合ったのを覚えてます。
3週目にはマルコシのキャリア最高傑作『FAKE』を披露。
「だからっ、FAKEでいこおぜ 君の心にレボリュショーン」
この曲は今聞いても絶対完璧と言い切れる素晴らしい3分間。
…ケド、メジャーシングルが出る頃には、何故かみんな話題にしなくなってたなぁ。。。
なんでだろ?
**********************
てな感じでス。編集長。
このCDはここまでですが、イカ天はこのあとも続きます。
それもいずれ、発売してほしーいですね。
後半の目玉は、
リトル・クリーチャーズとブランキーですな!
番組中ブランキーに対して、ななんと三宅裕司から、
「ボーカルの君は、郷ひろみに似てるね」
との指摘が入った。素敵な想い出です。
あと個人的には外国人バンドのGLUが大好きだった。
イカ天全体のなかでも、実にマルコシの次に好きなバンド。
たしか、、、グランドにはなれなかったが、
ビデオで彼らの演奏、繰り返し観てたなぁ。
たびんまだ実家にあるハズ。今度発掘してくる。
イカ天はこのようにドカンといいバンドを生み出しましたが、
忘れちゃいけねーのは、番組の前座をしていたSET隊でしょう。
SET(スーパー・エキセントリック・シアター)は三宅裕司が率いてた劇団だが、そこの若手3人組が、
番組のオープニングでへんなコント(だいたいかぶりもの使用、三宅もからむ)をしていた。
その3人が、岸谷五郎と寺脇康文と山田某。
山田…は下の名前忘れた。。。
けど、一時期彼もよっくテレビでてたぞ。最近みないが。
この3人は途中から、「天ぷらトリオ」だか「天ぷら隊」などと名付けられ、
岸谷氏はイカ天の後番組で司会の一員に食い込んでた。
さらにその後の活躍は皆様御存じの通り。
よく酒の席で、『懐かしのイカ天が産んだ最も大きい成果は?』、という話になり、
ブランキーやビギンなど名前があがる場で、
俺はいつもこっそり「天ぷらトリオ…」とココロの中で1票入れてたりするのである。
(いか天THE50・終劇)