孵化空間




私の提言


祖国を持たない、祖国意識のない民族・人々は、衰退滅亡の運命に翻弄される。
国家に、国家観がない国は、隷属国であり、国民は明日の生命の安全も保障されないと
いうことを真剣に考えなければならない。

国民が自国に祖国意識を持ち、国を愛する信念を持てば、その国と国民には自立力が
育まれ、自我を超えて同胞への無償の愛を持つことができる。
あらゆる迫害に対する無血の抗戦力を持ち、国民の平和と安全を自ら守ることができ
る。

自由という名において、責任意識を忘れた国民は、人間としての日常の暮らしにおいて
も、無責任な人間に成り果てる。
そこには、平和の実現を唱え行動しても、それは自己満足を超えるものはなく、狡猾な
人々の餌食になるだけである。

世界の平和と安全は、それぞれの民族・国々の国民が、自らの民族と国に祖国意識を持
って誇りとし、異文化を理解し、共生していく見識と良識を持つことで実現の道が拓かれ
る。

力を持って力で制する思想は、21世紀という近代兵器の時代には、不毛であることを認
識しなければならない。

競争原理という争奪原理は、人々に不安と恐怖心を抱かせ、猜疑心と疑惑の人間の集団
を作るだけである。
誤った競争社会の教条は、自ら滅ぶ自滅人間の育成であり、自滅社会への煽動である。

望むべきは、切磋琢磨の原理であり、共生の原理である。
この原理の根底には、人間尊重と大自然との調和が原点にある。

忌むべき戦争が、いまだに繰り返されるのは、科学技術文明が驚異的に進歩発展してい
ても、この原点が無視されつづけられているに過ぎない。

更にその原点に立つ人間そのものの『人間力』が、成長未完成であり、科学技術文明に
よって損なわれ退化現象しているといってもいい。
知識・技術頭脳は進歩したかもしれないが、人間としての心は衰退し、使命感は忘れ去
れていることに憂慮する。
まさに今、日本人である我々は、自らの誇りに目覚め、気づかなければならない。

アインシュタインが、大正11年(1922年)に来日した時に残した貴重なMessageがある。

『世界の未来は進むだけ進み、その間に幾度も闘争が繰り返される。
しかし最後はその闘争に戦いに疲れ果てるときがくる。そのとき人類は真の平和を求め
て、世界の盟主を掲げなければならない。
その世界の盟主とは、武器や金の力ではなくて、あらゆる国の歴史を抜き超えた最も古く
て最も尊い家柄でなくてはならない。
世界の文化はつまるところアジアに始まってアジアに帰る。それはアジアの最高峰、日本
に立ち戻らなければならない』

日本は今、2003年からさかのぼること81年前にアインシュタインが残した、このMessage
の使命を思い起こして再認識し、自覚し、覚他していかなければならない。

2003年5月5日
Masahiro Nakayama