冬萌え」 {ふゆもえ}
 

うーん、なんて素敵な言葉!
やわらかくてやさしくて、
命のいとおしさとかけがえのなさを含んでいる。
植物が芽吹くのは、「春」のイメージなんだけど、
木々をよく見ると、すでにぴちぴちと尖っている。
枯れ色のよろいをまとい、
その中で静かに力を蓄えながら
春の出番を待っている。
基本的には、草の芽じゃなくて木の芽、
特に、落葉樹の芽をイメージして使う言葉。


▼今日の一句
冬萌えや五尺の溝はもう跳べぬ     不死男

▼今日の鑑賞
ああ、こういうのを見ると、
「芽」だった時代に戻りたいなぁと思う。
ちなみに、五尺は大体1メートル50センチ。
あらゆる可能性を秘め、
エネルギーに満ち溢れた、
目立たず、たくさんの芽の中のひとつ。
誰だってかつてそんな時代があったし、
自分の限界なんて、気持ちの持ち方次第だと思うけれど、
実際に今の自分は、筋力も落ちているし、体力もない。
無理なことをして、万一怪我でもしたら、
家族のものに迷惑をかけてしまうから、無茶は止めておこう。
何の不安もなく、限界も感じず、
力のみなぎっていた時代を超えて、
今はもう五尺の溝も跳ぶ自信がない。
冬萌えを見るにつけても、
今の自分は年をとったものだなぁ。

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2001/2/2 130,131号