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2004年3月27日 石川 初(はじめ)さん と建築あそび記録   

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私性のために  
我が家の庭
    ★★都営スタイル★★
             
先ほどの下町のような住民パーソナルな関与みたいなものが集積している様子が面的に広がって、さらに濃密な風景が作っていて、それを僕らは都営スタイルと呼んでいるんですけど、
            
これは青山の同じゅん会は裏の方にある、都営住宅なんですけども、同じゅん会の方は割と有名なんですが、都営住宅の方はあまり大したこと無いというのもあって 余り注目を浴びていないですけれども、ここはガーデンが結構凄くてですね、僕らはコレを見付けて以来よく見にいっています。

                
これは元々内風呂が無かった所に内風呂増設したらしく、配管が全部出ていて

会場  笑い   

期せずして今風の過激な・・・会場ガヤガヤ・・・・なっているんですね・・ここはベランダだったんだと思われる

   
その工事をしたお陰で、その前庭だった所が、一回 工事車両のために、全部撤去されちゃったらしく、裸地に戻っていたんですね。裸地に戻っているところで、お婆さんが、住民の方々が作業をしてらっして、話を伺ったら、「避難してあった鉢を戻している」とおっしゃるんです。最初に彼らがやることは、線を引き直すことなんですね。
元々あった線を引き直して、自分たちの鉢を回復して行って、庭を元通りに造ってんですね。わりとその・・色んなモノが植わっているんですけども、線が引いてあるという所がポイント

             

これが半年後ですね・・コンぐらいに

会場 ほーっ

     
これが2年後ですね。この特徴のある(配管の外壁)これなどから推測できるのに、これは元々裸地だったとこですね
会場 笑い フーン

で、「なぜこんな凄いことになるのか?」という事に興味を持ってですね、僕らは会社勤めなんで、ゆっくり調査している暇がないもんですから、学生を焚きつけて、「これは絶対面白い面白いって」言って。一人修論をコレでやってくれた子がいてですね。千葉大の江崎さんという・・人なんですが、調査していろいろ面白いことが分かると思いました。

     これはさっきの裸地なんです

     
 計画して公共の植栽だとこうは行かないですね。やっぱり圧倒的に生活している人達が勝手に植えた植栽が多くてですね、かつハッキリと自分の庭の境界というのが分かれているんですね。例えば ここの人達というのは「ここを使ってください・・1階はここ2階はここ」というルールが有るらしいんですよ

会場笑い

    
これは都にる植栽と、その後住民が植えた植栽を色分けしてあるわけですけれでも、ほとんど最初に植えた植栽が、残ってなかったり、無かったりするんですね。都の住宅局によれば、最初桜の木かなんかを要所、要所に植えただけで、後は「何もなくて なんかしなくちゃいけないんじゃないの・・」と話をしていたら、住民がドンドン始めちゃったんで、手が付けられなくなったというのが、実情らしいです。都はどういう管理をしているかというとここへ来て木の数を数えるだけが精一杯らしいですね。

この広い住宅地全体がメンテナンス・フリーで、住民が自分の所の庭に没入して自分の所の庭でガーデニングをやるということが集積してここの植栽が維持されているという状態になっている
     都による植栽ってこれだけしかない

会場 笑い


   

青山よりモット過激に森林化していますけど、新宿の百人町にある戸山アパーですけども、ここはジャングルのようにもの凄い植栽になっています。ただ注意深く見てみると、柿とか石榴とか花梨とかの果樹で、どう考えても楽しみのために植えられたものなんですね。駐車スペースを木が覆うほど広がっていて、藪をかき分けて行くと、いきなり里芋畑が!

会場爆笑      

ほとんどボルネオに来たような密林感を味わえる・・場所です。       
野草の専門家と一緒に歩いたことがあるんですけど、きんみずひき とか昔の武蔵野にあったような植生が保存されているような箇所 が有ったりして凄く面白いとこなんです

これは凄い薔薇の庭園を造っている一角があって、「中をごらんになっても けっうです」書いてある・・おいおい これ賃貸だろうって
会場 笑い

弦薔薇カクテルという、凄い良い臭いがする、今思えばいって「話を聞いてみればよかったなー」と思います。このときは行かなかった

   

ガーデンの中に入るとこういう感じ・・これは山野草系の・・

   
これはここら辺にあったポピーが種が飛んで逸失しているところです。というのはだれも手入れしなくなっちゃうと 庭ってこういうふうに成っちゃうんですけど。このとき既に住民のかたが引っ越しをし始めていて

     
、これは住民の方を捕まえて話を伺っているところです。都営住宅というのはブルーカラーっていうか、日本全国から来た かた達がお住まいになっているので、盆正月に帰るたびに古里の木を持ってきたりするんで、日本中の木があんですね・・それが野生化したりしているんで、この人は野草に詳しい人なんですけど、「長野県にしかないはずの百合が有る」とかですね。

     

これは庭が広いくせに、散水栓が無いのでみんな水を使うためには、3階の人は3階の所からホースで下ろすしかないわけです。下にこういうふうに古いバスタブなんかがあっって上で水を開けて下に貯めて、それからまた上で水道を止めてですね。下へ来てこっから水をあげると。そういうプロセスをしているんです。

     これはペンキ屋が気を利かせ・

会場 笑い

6を補完してあげた

  
陸軍の練兵所の時代から有ったと思われるような樹齢200年と思われるような でっかい欅 なんかが庭の真ん中に、ぽーん と有ったりして、非常に面白いところだったんですけれども。

  
これ建て替えで無くなってしまいまして。この木も切られちゃって住民訴訟になったんですけど、都が勝って、今は高層の都営住宅が・・話を聞いたところ「個人の園芸は一応禁止」ということになって。凄く惜しかった ですね。

 青山で一寸調査しましたけど、今のうちにもう少し詳しい実測図とか作っておかなくちゃいけないなと思っています。一応そんなことに関心を持って街を歩いています。という話なんですが(笑う)


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