東京 ことば悦覧 2008年春 home 和田マコト 2008 4月10日 その04 45分44秒〜 佐藤:和田さんじゃなくってね 和田:自分でも建てたいと思うかもしれないじゃないですか 佐藤:建物を建てたい人が何処かに居て、その人が条件を作ると言うか「そういうハズだ」って言うことで良いのかな 和田:はいそうです 長い〜い沈黙 甲高いジャズボーカリストの音が頭を突き抜け続ける 佐藤:僕はそういうふうに考えた事が無かったな 和田:視覚的に 佐藤:僕は建築でこういう事をやりたいと常に言っていたから 規律正しく刻むベースとドラムの音が流れていく 佐藤:だからなんだろうな〜、建てたいと言う人が居るとか、あんまり考えていなかった。「こう言うことを建築でやりたい」とは言っていたけど 和田:こういう事を建築でやりたいと 佐藤:だから和田さんは僕と全く違う建築に対する構え方なので、面白いな〜思って聞いているのですけどね。ただ僕の場合は成功してないから。俺と違う和田さんは成功する可能性が高いのではないでしょうか。安心してください。俺のやり方が正しい分けではないので。 和田:正しいとか成功というのがじゃーどういうのか 佐藤;成功と言うのは生活が成り立っ、名声が高まる、ようするに近代的な目的を達成すると言う意味ですけどもね。僕は近代的な目的なんかおおかた必要ないと思っているので。表向きに失敗していると言っているだけであって、自分の生活は満足してている。普通の人から見ると、僕の生活を全部知っちゃうと、社会人じゃないと思うと思います。10年ほど無収入ですし、多数の解決不能な病も抱えていますし。そういう意味では成功してないです 和田:自分の存在もそんな感じだと思いますけども 佐藤:和田さんも俺と似てると言うことですか 和田わらう あぁ本当! 和田:ですから一般的な成功と言うの考えてないです 佐藤:最終的な目的も考えてないし 和田:うんむしろ、なにか成功しちゃうと、失われちゃうんじゃないかと気がします 佐藤:おれも同意見です。アンドウさんが来て和田さんをインタビューしたら緊張知っちゃってほとんど喋れない。話して頂けるその不幸せ。アンドウさんに喋る解答というのは予め和田さんの中に用意されてしまうからね。何も無い方が本当の自然人の和田さんの生の声が聞き出せると言う事で、成功しているわけです。社会的なバックボーが身に付かないようにして、付かなかったから、そうして生きて来たから。そうじゃないと自然人の本当の叫びは聞けないし、本当の怒りをぶつけられる事もない。本当に殴られる危険、可能性あるわけですよね。 ふざけんじゃね〜と。アンドウさんい向かって殴れないでしょう。ビックネームに向かって立ち向かう人はあまり居ません。ところが僕だったら殴られる可能性は高い、あってもいいかもと思うので。有名な人に寄り添わない。近づかない。僕のように海の者とも山の者とも分からない人達が何を考えているかと言うことには興味がある。 和田:佐藤さんのいままでやってこられたのは、結構スターを呼んで建築のスターを呼んで 佐藤:それはね誤解ですね。 スターじゃなくって、たまたま町で会ったり飲み屋で会ったりして盛り上がって仲良しになるのが最初ですね。 で、その人達がたまたま東大出てていたって言うだけで。 俺が東大での人に会いにひっきりなしに行っていたわけではない。偶然飲み屋で出会った人に、いきなり俺の家で喋って下さいと言って来てくれた人が、たまたま東大の関係者が多かただけです。東大の教授だったりね。 会った時に身分は知らないで話している。建築あそびの講師をお願いしていしまう。気さくに来てくれるのが東大の方、多いんですよ。 東北大の人は呼びかけましたが無し。 五十嵐さん以前からの付き合いでして、それ以外は無し。 呼びかけても 来てくれないんですよ。 他大学の先生でもオレンチには 来てくれないんですね。 東大の関係者はとても乗りが良いいし垣根が低いんですよね〜。例外もあるでしょうが。 東大の学生も含めてでしたけどもね。学生の時から付き合っていて後博士を経て先生になったというだけだから。そういうサクセスストーリーを歩むだろうから〜とすり寄って行った訳ではないです 和田:そうですか 佐藤:それは違う、お互いの活動や考え方を共鳴しあったからです。飲み屋で酒呑んでいて、ぱかーとPC開いて見せてくれるのんだね。じゃーオレンチ来て喋れと言えば 気さく〜に来てくれて喋る者は東大かたが多かっただけです。東京に遊びに行くから泊めてくれと言うと気さく〜に泊めてくれる。そう言う気軽さは東大の人が多かったと言う事です。誤解されていますね。佐藤は東大好きだと陰口叩く輩ほと呼びかけても来てくれないんですよ 和田:みんなそういう有名な人が行くと、佐藤さんの存在が世の中に知られて行くじゃないです。 佐藤:ダカラ以前のような建築あそびは止めて、今回のように知らない人に会いに町に出て来るわけです。 他の事情もあるいけど。 おれが有名人の尻馬に乗って有名になるって、俺嫌だからね。そうじゃないようにするためには、偶然会った伊藤さんを弦を頭にしてたぐった行ったら、また変なオジサンで有名人に成っちゃう可能性もあるだけど。大阪でも名古屋でも金沢でも仙台でも、同じように会った事が無い人にインタビューする予定なんですよね。 誰に会うのか全く分からないんです、30才前後で独立系表現者との縛りだけですから。20年後には凄い有名になっちゃうかもしれないのですが。すでに有名になりつつある人間もいるけどね。有名に成った人を知っているのは、俺には意味はないのね。 建築家と言うのを植物だと例えれば、タネがあって芽を吹き出すときの、エネルギーがどこから与えられるか?とかDNAがそうさせるとか、何か芽が出てきて、葉っぱ2つ出る時に、そこの所をちょっと観察・記録し。短い時間に一気に同じ条件下で話を聞くので、同時に2008年と言う社会が見えるって言うか、背景に共通のものが出るかもしれないと思う。それを3日間の経験の中で言うと、独立系の人達はなかなか生活が厳しいと 立派な事務所借りてね一人でボーンとやっているような職業じゃないと。安い家賃の所を3人で借りてて割ったり。「住居と一緒に成っている」と言うとか、そう言う状況だというのは分かったです。 医者の独立とは全く違う。凄いぴっぱぴっかな場所でどうどうとじゃない。 違うなと。お金を節約するために場所や所員を共有し建築家同士で維持費を分割して生きている。そう言うことが少し分かった。 和田:まぁお金はないです 佐藤:弁護士や医者だったらそんことないからね。おなじ国家の資格なのに何で、こんなに違うのって?僕の中にはズート怒りと疑念としてあるわけです。弁護士だって税理士だって、まだましですよ。弁 護士だったら喰いはぐれないよ 和田:抗争が多いから 佐藤:パーセンテージで言えばそんなもんなんじゃないでかね。その辺のデータを調べてないけど。単に平均の年収から言うと建築士は薬剤師並だって言われているね。5〜600万円の年収。年収の話になって来てますね 和田:建築士でいえばそうでないかと思いますけども 佐藤:建築家はもっと年収が低くって150万ぐらいだったりしてね。平均年収はだったら面白いね。建築家と言う言葉が社会的に認知されていないだから、それでもも上等だと思うんだけど 和田:どうなれば認知された事になるのか分かんないですよ 佐藤:中野の駅前に行って いきなり、貴方は建築家ってどう思いますかと聞いたら「建築家というのはこう言う人ですよ」とすんなりと答える人が多く居ることです 和田:ああ そういう言い方、それは全然ないと思います おお笑い 佐藤:お医者さんとか弁護士と問えば、すーんなり答えるでしょうから。建築家は現代社会に流通してないと言うことだよね。 和田:そうです・・建築家の言葉は流通してると思いますよ 佐藤:それは特殊な業界用語としてでしょう 和田:そうです、言葉自体はみんな知ってるじゃないですか建築家って 佐藤:何だ?かは分からないよね。概念の中身が意味する事が。建築家の意味が流通する努力をしてないのか、だれかが疎外しているのか。原因が分かんないけど。何かによって流通してないよね。和田さんもそう思うわけですか? 和田:そう思います。よく言われるかもしれないけれども文化的なものなんじゃないですか。 佐藤:そうか、無くても在っても生命に異常はない 和田:無くっても 佐藤:セックス、性行為と同じだね。行ってもしなくっても、自分の生命には関わりないから。建築家とは性行為である。 和田:うん 佐藤:性行為は文化そのものだと思うので、文化としてきちんと行わなければならないと思う、自覚してね。建築家もそうなんだよね。無くても困らない。建築の方が無いと生活しにくいのがあるからまだ 和田:建築家が居なくても生活は成り立つかもしれない 佐藤:建物と言われている物でシェルターが出来てね、自然から身を守る。和田まこと と言うアイデアは、建築無しでも生きる建築家でもいいと思うんだけど。個性が出てきた時にね。建物から建築に変わる何かが、そこの処を自分でさぐっているわけですね。おれもそうだけど。それが分かったら一番いいな〜と思うけども。なかなか分からないな。建築とは何ですか?聞く。答えが無いよね、答えが在りすぎて分かんないような気になる。 こう言う事を聞くと気分悪いですか? 和田:いや悪くないですよ。悪そうですか 佐藤:いやいやそんなことない。聞かれた事無いでしょう 和田:そうですね。考えては居るですけど。 佐藤:考えていても人と喋らないと、言葉になって成立されないので 和田:そうですね 佐藤:だから僕は押しつけがましく。 和田:建築とは何か? 佐藤:難しいよね。その答えが、出すことによって自分がその答えに縛られて行くと言うこともあるから 和田:それは感じます 佐藤:だから無理強いしないんですわらう 和田:う〜ん 長い沈黙、。甲高い 女性ジャズボーカリストの歌が流れている 佐藤:和田さんが成功しても、しなくっても、そんな事はどうでも良い、という姿勢はとも良いことだと思います。ただちょっと分かんないのは。発注者が居ないと起動しないと言う話。ちょっと大変なんじゃないかと 和田:それはそう言うふうに、表現出来ないだけであって。実際は違う処にある 佐藤:やっている 和田:建築と建築じゃないものの違いも、そう言う意味では、建てたいと思う人のモチベーションによるじゃないかと言う気がします 一時間00分05秒 残り 2時間半ほどへ 続く |