耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました   home
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    163-衆-国土交通委員会-11号 平成17年12月14日

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○森本委員 今、皆さんに、全国の方々、同じ建築の仲間の皆さんがこういう問題で非常に生き死にがかかっておると思うんですよ、住民の方ももちろんでございますが、その方々に対する思い。しかしなぜ、このすばらしい社長の生きざまの中で、ここまで、偽造してまでやらなければならない事態に陥ったのか。それには、ほかにいろいろプレッシャーをかけられる方があったのか。その辺、お伺いしたいと思います。

○木村証人 この偽装……。

○森本委員 御理解なかなかいただけない。これはもう結構でございますので。申しわけなかったという気持ちをいろいろな方々に持っていただきたいということを申し上げたのでございます。
 ここまで至る、経営の悪化がこのような原因になっていったのか、それとも、総研とかヒューザー、ここからのプレッシャーがあったのか。その点はいかがですか。

○木村証人 全国の皆様に、本当に済みませんでしたとおわびを申し上げます。

○林委員長 ヒューザーなるものから圧力があったのかどうかというのに対して。

○森本委員 それでは、同じ質問、篠塚さんに、証人にお願いします。

○林委員長 同趣旨でいいんですか。同じ質問ですか。

○森本委員 結構です、同じ質問で。総研、ヒューザーから単価的にプレッシャーがあったのか。

○篠塚証人 総研さん、ヒューザーさんともに、プレッシャーという形ではありませんでした。

○森本委員 単価を安くしろという指示はなかったんですか。

○篠塚証人 価格競争自体はどこの案件にもついて回るものですから、そういうことはあったと思います。

○森本委員 それでは、次へ進みます。
 今、篠塚証人は、他社の設計書も、構造計算ですね、を姉歯さんに書きかえさせたということを述べられましたが、その他社とは、どんな物件でどのような方でございますか。

○篠塚証人 いえ、私が言いましたのは、ヒューザーさん、総研さんからの比較で、コスト競争はやはり他社と比較してありますということを申し上げただけです。

○森本委員 それでは、姉歯さんと今までの打ち合わせの、鉄筋等の打ち合わせの中で、大体何回ぐらい、そして日付、それで物件、場所はどのようなことであったのか、お聞かせいただきたいんですが。

○篠塚証人 姉歯氏との交渉は、正直言って、物件、回数等はちょっとそこまで控えてはおりませんので、ちょっと発言は控えさせていただきます。

○森本委員 そしてその中で、鉄筋の量どうにかならないんか、単価はもっと落とせないんか、その具体的な申し出を何回もされておったのか。その辺については、もしわからない場合は後で覚書でも結構でございますので、いただきたいんですけれども。

○篠塚証人 正直言って、提出するのは無理だと思います。そこまで本当に控えておりませんし。
 姉歯さん、姉歯氏との交渉は、最初、案件があったときに、まあ案件次第なんですけれども、一、二度会う程度、電話でやりとりする程度の方が多かったかと思います。時々はお会いしてますけれども。

○森本委員 それでは、姉歯氏、この物件で、この工事の件で、違法行為という認識は持っていなかったのですか。

○篠塚証人 私どもの会社は、私を含めて私どもの会社は、一切そういうことは知りませんでした。

○森本委員 この午前中の、全く姉歯氏の証言とは違うんですが、常識的に見ましても、このセントレジアス船橋の鉄筋の量でも、これは社長、この程度のことが実際に違法か違法でないかわからないはずがないんですよ、あのぐらいの立派な書物を書かれた社長が。そのナンバーツーがそういう証言でいいんですか、社長、本当に。

○林委員長 木村証人、御答弁ください。

○木村証人 わかりませんです、質問の意味が。

○森本委員 いいですか、社長。社長、専門分野の中で、このような船橋の鉄筋の量が、一目瞭然、わからないはずがないんですよ、社長、専門家で。これでもわからないと言われる。社長見ればこれすぐわかるでしょう、この鉄筋の量が、これほど少ない量が。異常ですよ、これは。

○木村証人 そんなことはあんまり見ませんのでわかりませんです。

○篠塚証人 申しわけございませんけれども、図面等が社長に渡ることはほとんどありませんので、図面等で判断はできかねると思います。
 それと、私どもの方で図面を見ましても、確認がおりた図面で来てますんで、疑いは持っておりません。

○森本委員 木村設計は現場力で生きてきたんでしょう。(発言する者あり)木村建設は。ありがとうございます。そんな中で、もう一回、篠塚証人、お願いします。

○篠塚証人 あくまでも私どもは確認ということを認識してやっておりますんで、確認がおりたものを疑うという考え方はほとんど持っておりませんので。

○森本委員 それでは最後に、下条議員の質問の中で、構造図、施工図の改ざんがありました。まさか、県では中間検査してない県ありますね、している県としてない県、そこで設計の構造の差はつけなかったんでしょうね。そういう実例はないんでしょうね。ここの中間検査のところでは少し、中間検査のところでは厳しい構造図、施工図を使って、中間検査のないところではまた手抜きをするというような現状はなかったんでしょうね。その確認。

○篠塚証人 私どもではそういう考え方は持っておりません。

○森本委員 時間です。終わります。

○林委員長 馬淵澄夫君。

○馬淵委員 民主党の馬淵でございます。
 午前中並びに先ほどの議員の方々の質疑に基づいて、木村社長、木村証人にお尋ねをいたします。
 先ほど木村証人は、平成設計については、総研の指示で動いている、総研の仕事が一〇〇%近い、総研と打ち合わせをして山口代表が仕事をすることがほとんどです、こうお答えになられました。総研の指示で動いておられるのがほとんだと。これでよろしいですね。イエスかノーでお答えください。

○木村証人 総研のホテルに関しては、一〇〇%そうでございます。

○馬淵委員 総研のことに関しては、一〇〇%総研の指示でと確認をさせていただいたわけですが、私の手元に、木村建設株式会社の、これは名鉄イン刈谷新築工事の施工品質計画書というものがございます。
 この品質計画書、木村建設の作成である計画書であると思われます。そこには、木村建設が工事をお受けになった「工事概要」という、この三ページ目に書いてあります「工事概要」、ここを見ますと、これは、設計者が平成設計、古川さん、これは当時、お亡くなりになられたんですね、古川さんが代表でおられた。設計監理者は平成設計、そして施工は当然ながら木村建設なわけですが、事業監理者という名前で総研が載っています。株式会社経営総合研究所と、事業監理者。通常、工事の場合、施工監理あるいは設計監理がございますが、事業監理という形でこの工事概要書に載っている、この工事全体にかかわっているということで総研の名前が出ていますが、よろしいですか、これで。お答えいただけますか。

○木村証人 そのとおりです。

○馬淵委員 同じく、この施工品質計画書の中には、八ページ目に「責任と権限」という組織表がございます。この「責任と権限」の組織表の中には、「当社 木村建設」と載っています。そして支店、これは「本社・支店」ということで熊本で、木村社長のお名前が載っています。本社で受けられたのかもしれません。発注者が名鉄不動産さん。この名鉄不動産さんから直接に指示を受ける形で事業監理者が株式会社総合経営研究所となっています。この事業監理者が、具体的に、作業所長、現場代理人の山下さんに指示を出す系統になっています。設計監理者である平成設計にも具体的に指示を出す立場となっています。
 これは責任と権限を明らかにした組織図です、現場にあったものです。この形で仕事が行われていたということは事実でしょうか。お答えください。

○木村証人 それは、見るのもきょうが初めてで、事実とは思いますけれども、見たことありません。(馬淵委員「事実か。見たことじゃない、事実かどうか、お聞きしているんですよ」と呼ぶ)それはわかりませんです。

○馬淵委員 じゃ、篠塚証人、お答えいただけませんか。
 これは、名鉄イン刈谷で新築工事の現場にあったものです。お答えいただけませんか。

○篠塚証人 名鉄イン刈谷に関しまして、総研さんが入っておりまして、定例会議等では指示は実際あっております。事実関係は、ほぼ間違いないと思います。

○馬淵委員 これで、総研さんが平成設計に直接的に指示を出し、一〇〇%と木村証人はおっしゃった。さらには、木村建設の現場にまでかかわっているということが、この施工品質監理書のこの書面で明らかになり、お二方の証人からその証言が引き出された。
 次に、お尋ねをします。
 きょうお出しをいただいた「協定書」という書類、私がさきの参考人質疑で、奈良のホテルに関して、木村建設からお金が総研さんに流れているのではないか、仲介手数料という名目で、雑工事、雑経費、それが追加工事その他となって総研さんに渡されているのではないかという、私はこの工事予算管理表、これを御提示いたしました。
 先ほどの証言の中で、まさに総研さんの指導のもと、工事予算管理をつくってこられたとお話しになった。総研さんの指導のもとにこれがつくられて、そして、この中にある追加工事その他として、仲介手数料、総の字、これが千八百五十七万一千四百二十八円。私は、これを見たときに、どういうものかよくわかりませんでしたが、これについては国会の場でただしていこうと思った。この協定書にいただいている千九百五十万円、つまり、この金額に一・〇五、消費税を掛けた金額です。ぴったり一致しますね。
 そして、このカゴボウという会社。お尋ねします。このカゴボウという会社のこの方、この方はどういう方でしょうか。木村社長、お答えいただけますでしょうか。

○木村証人 私は一回も会ったことありませんので、ただ言われたとおりしただけでございます。

○馬淵委員 このカゴボウの加護野勉さんという方、今、これは証人からお出しいただいた資料です。この加護野勉さんという方は、総研の内河所長とともに、この奈良のホテルのオーナーのところにお訪ねに行かれた方です。この方のことは御存じないと今お答えをいただきました。
 そして、この加護野勉さんからは、私はさまざまなお話をお聞かせいただいた。この協定書に示している千九百五十万、まさに情報提供料、用地取得のための情報提供料としてお支払いをされているものであると聞いています。これは、ホテル用地を探してきて、成約した場合には情報提供料三%、それをもらうことになっている。全国にこういう方々が五、六名いらっしゃるということだそうです。
 さて、きょうお出しいただいた資料、その中には、平成設計がお支払いになっている、平成設計の請求書というのも添付いただいていますね。私は、さきの参考人質疑の中で、平成設計が二〇%以上総研さんにお支払いをされているという事実があるとの証言をいただいたとお答えをしました。そして、その二〇%以上という数値に関しては、明確に二五%であるという証言をいただいております。
 先ほどの御証言が、四%は設計料、そのうちの一%が支払われている、つまり二五%、ぴったりと符合しました。設計料の二五%は総研さんに支払われているというのが平成さんの認識です。しかし、お出しいただいたこの資料には、栄光企画さん、あるいはこれは有限会社の丸安エビスビルさん、あるいは有限会社内河さん、こうした形で振り込まれています。
 奈良のホテルの例がありました。栄光企画さんに渡されているお金、六百七十万円、これは設計料二千七百万円のちょうど二五%何がしに近い数字です。正確に言うと六百七十五万円になりますが、六百七十万円、丸めておられるようですね。
 さて、この栄光企画さん、あるいは有限会社内河さん、あるいは丸安エビスビルさん等々、こういった方々をどの程度御存じなんでしょうか。木村証人、お答えいただけますか。

○木村証人 それでは、知っているだけお答えします。
 北海道か何かの、そのエビスビルというのは知っております。そのほかは知りませんです。

○馬淵委員 エビスビルさんというのは、どういうお立場で、どういうことをされている方ですか。お答えください、木村証人。

○木村証人 エビスビルは、不動産業と建設、建設しているかどうかわからぬけれども、不動産業には間違いありません。

○馬淵委員 不動産業のエビスビルさんに、なぜこの木村の一〇〇%子会社の平成設計はお金を払ってるんでしょうか。お答えいただけますか。

○木村証人 平成設計は営業力がないから、一つも仕事をとれないから、僕がとってくるから、その営業費をくれということだろうと思います。

○馬淵委員 重ねてお尋ねします。
 このエビスビル、代表者は安藤さんという方ですか、この方は総研の方ですか。お答えください。

○木村証人 総研の社員ではありません。(馬淵委員「総研の関係者ですか」と呼ぶ)多分、まだ入っているかどうか知りませんが、総研グループに入っておるだろうと思います。

○馬淵委員 貴重な御証言をいただきました。
 後ほどまた、内河さんに引き続き質疑をさせていただきます。ありがとうございました。

○林委員長 笠井亮君。

○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。
 まず、木村証人に尋ねます。
 私たちも熊本県でいろいろ話も聞きましたが、県内の建設業ではトップということで、売上高が百億円超の企業になっていると、あなたの会社が一転して会社存続が不可能になったと。
 あなたは、十一月二十四日に弁護士会館で記者会見をされて、この問題について説明をし、姉歯氏にだまされた、告訴するという旨も発言されましたね。

○木村証人 そういうふうに、全く青天のへきれきになってしまって、急に十一月の二十一日の手形が不渡りになりまして、もう頭にきてわけがわからなかったけれども、腹が立つものだから告訴すると言いましたけれども、また弁護士様に相談したところ、もう国の方でしているから、もうむだだからやめとったらよかろうということでございました。また今後相談したいと思います。

○笠井委員 告訴しなかったと。木村建設側にも告訴できない事情があると考えたからじゃないかと。
 あなたは会社の最高責任者。この間、参考人質疑でも、知らぬ存ぜぬ、任せていましたというふうにおっしゃいましたが、じゃ、この問題が発覚してから、告訴するほど頭にきたということがあって、社長として、姉歯元建築士とのかかわり、あるいはこの事情、経過をきちっと篠塚元東京支店長に聞いたんでしょうか。いかがですか。

○木村証人 聞いていません。

○笠井委員 会社の社長で、これだけ大問題になっていながら、かかわっていたと言われている支店長に一言も聞いてないと。これは全く驚くべきものであります。まさに本当にそういう点では責任重大だと。
 じゃ、さらに聞きますけれども、十一月十七日に国土交通省が調査結果を発表して、その後、ある意味、いきなり破産、自己破産の手続をとられるということになりました。被害者の皆さん、全国で本当に今もう怒り心頭という思いで、これで木村建設、責任とれないじゃないかと皆さん怒っていらっしゃいます。それから、地元八代の坂田市長も、民事再生法を検討するとの情報はあったけれども、まさか破産申し立てとはと大変驚かれました。木村証人は、先ほども質疑がありましたが、当座預金が十三億あると、そして手形は九億だと。こういう問題がある中で、銀行に何というふうに社長は言われたんですか。

○木村証人 十一月の十九日の夜の十時半に、熊本ファミリーの支店長は、私に用事があると言うて来ました。そして、来まして、何だろうかなと、夜の夜中にと思っていましたところ、新聞記事を見て、もう木村は、これは一回目の不渡りと同じだ、だからもう封鎖するというのをもう送ってきたと、そして明くる日は着きましたけれども、それを事務所を出てくるときもう送ってきましたと言って、それでも私は、何言っているんですかと、うちのお金を勝手にでくるんですかと言ったら、でくると言うわけ。そして、もう大分お願いして、その日は夜の二時半までやりました。明くる日、日曜もまた午前中に、午前中は支店におるから、またその後頭取に相談に行くからというような返事で、もう何しろ、何、冗談だろうと思っているうちに土曜、日曜終わって、明くる日は月曜で、もう時間で、おしまい。
 こんな、四十二年間もつき合ってきた自分のメーンバンクがこんなに冷たいことをするのかと思って、もう本当に頭がぼうっとなって、気違いになるようなところでございました。こんな非情なことをできるのかなと残念でたまりません。もう七十三年間、一生涯、これで、この建設一つで生きて、しょうてきた、まじめにしてきたのが一瞬にして終わりとは、もう死ぬに死ねない、たった一日で終わりですから。

○笠井委員 そういう思いがあったら、本当に銀行に対しても、我々は頑張ると、そして民事再生法でやっていくと、本当にしっかり頑張っていきたいんだということで、深くおわびしたい、居住者や住民におわびしたいと先ほども言われました。本当に責任をとるんだったら、社長としても本当に頑張ると、そして銀行に対してもきちっと言うと、こういうことをやらなかったわけですか。

○木村証人 はい。それは、不渡りが二十一日になってから、二十二、二十三と弁護士先生等交え、うちの幹部も役員会を招集しまして、再生しようと私は思っていたけれども、結果において、やっぱりもう、これだけあったらもう仕事はとれないということになって、それはもう仕方ないなということで、弁護士先生とうちの取締役を全部集めて、もう涙をのんで仕方ないなと思って破産しました。

○笠井委員 銀行の問題ある。しかし、あなたの会社が重大なことをやったからです、こういうことになった。
 篠塚証人に伺いますが、総研のホームページでは、木村建設の篠塚証人との、あるいは総研役員または社員が最後に会った、あるいは話をしたのが平成十五年、二〇〇三年九月というふうに言っております。それが事実か、その後も会っているんじゃないでしょうか。いかがですか。

○篠塚証人 その当時というか、もう二年半ぐらい前からパイプは細くはなっておりました。ただ、現実問題として、奈良のホテルを最近までやっておりました関係上、会っていないということはないと思います。ただ、私たちは会っておりません。

○笠井委員 平成十六年三月八日に、さっき四者の話がありました。あなたは出席しなかったが、かわりの者が出た。そこで総研とも会っている、あなたの、木村建設がですね。それから、その後も奈良のホテルの件でことし会っている、今まで、最近まで会っているのは続いていると、もっと細くはなっているけれども、続いているということですね。

○篠塚証人 会社全体としては、そういうことだと思います。

○笠井委員 さらに、先ほど来問題になっています、鉄骨、鉄筋を減らせという問題に関係してですが、篠塚証人に伺います。
 午前中、姉歯証人は、篠塚証人から鉄筋を減らすように相当強いプレッシャーをかけられたと、九八年ごろから減らせということで繰り返しやりとりがあったということでありますが、あなたは先ほど、全部ではない、しかし、あなたがかかわって打ち合わせをした案件では、そういうふうに減らせということを繰り返し言われたというのは間違いないですか。

○篠塚証人 九八年当時は、先ほども話しましたように、そんなに姉歯氏とのつき合いが濃いわけじゃなく、そのころはほとんどもうそういうことは言っていないと自分では思っております。
 だんだん古くなってきますと、やはり会う機会もありますし、案件自体もふえてきますんで、会ったとき、電話で私が案件を依頼するときなどは、経済的なことは常に私は言っているつもりでいました。

○笠井委員 姉歯証人は、あなたとのやりとりの中で、プランごとに、これ以上できないということを繰り返し言った、こう言っておりました。そういう事実はありましたか。

○篠塚証人 私が担当して姉歯氏に依頼するときは、すべて電話したとは思いませんけれども、会ったときはやはり、とにかく経済的なことは私が言うのが役目ですから、その観点から話はするときあります。

○笠井委員 そのときに、もう少し何とかならぬかと先ほど言ったと言われましたが、それだけでしたか。姉歯証人は、毎回のように、それ以上やらなければ事務所をかえるよと言われたと、あなたから。午前中証言しました。そういうふうにまで言ったんじゃないんですか。

○篠塚証人 何回も繰り返しになりますけれども、経済的な問題からいって事務所をかえるということは姉歯氏以外でも言うことはありますので、それがプレッシャーになったと言われるのは、ちょっと私にもわかりません。

○笠井委員 事務所をかえるというのは一番のプレッシャーでしょう、仕事を取るということですからね。それがプレッシャーになったとは思わないなんて、とんでもない話です。そこまで言って、あなたは、とにかくこれ以上できないということをやらせたという話です。
 私は、今のを伺っていて、あうん、暗黙の了解で、この間も言われましたけれども、まさに、あうん、暗黙で、法令違反やれというやりとりをしていたということ、ますます濃厚だと思うんです。
 あなたは、伺いますけれども、姉歯以外にも、姉歯事務所以外にも鉄筋を減らせという要求をしているんですね。ほかの事務所に対しても、構造計算の中で。

○篠塚証人 計算事務所に依頼をするときは、やはりできるだけ減らすというのがありますので、説明はします。
 済みません、それと、訂正なんですけれども、事務所をかえるというよりも、事務所があるよということを言うことはあります。

○笠井委員 同じことです。ほかにもあるよと、同じことですよ。
 それでは、姉歯証人は、そのあなたの減らせという要求を受けて偽装をしたということになりました。同じ要求をしたほかの会社が偽装をしていないというふうに証明できますか。

○篠塚証人 私自身は信じてはおりますけれども、証明というと、私にはできないと思います。

○笠井委員 あなた方が資料を示して、姉歯とほかの事務所、積算対比表ということで、鉄筋量が変わらないということを出されて、言いたいんでしょうけれども、私、この資料をすぐ専門家にも見てもらいました。そうしましたら、これ、地盤のかたさとか、それから基礎や建物の形状によって鉄筋量というのは異なる、だからこんなものを出されたって何の証明にもならないということであります。かえって疑惑を深めるだけだ、このことを申し上げて、質問を終わります。

○林委員長 保坂展人君。

○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。
 木村証人に伺います。
 私も本を読ませていただきましたけれども、総研の指導を受けて、最初は五億、それから二十五億、五十億、百億、近々では百二十億と業績を伸ばされてきたと。その総研の考え方は、コストダウンと工期短縮ということだと思いますが。
 一方、木村建設のやり方として、ハイクオリティー工法と言われていますね。これは、総研の指導のもとにでき上がった工法なんでしょうか。木村証人に伺います。

○木村証人 ハイクオリティー工法というのは、九州の大分の飯田設計事務所に行って、私が、私とうちの会社、五、六人行って習ってきたものです。それを全国に私が無償で教えたんです。それは間違いありません。

○保坂(展)委員 ですから、総研の考え方、指導を長く受けてきたということは先ほどもおっしゃっていますけれども、今も出ましたけれども、こちらの、提出された積算対比表ですか、こちらの方の。これを見ると、姉歯氏が六十から七十という間の数値で出していた。一方で、篠塚証人が、大体七十以下という、七十という数字を頭に置いて言っていたということも言われています。
 そこで、木村証人に伺いますが、鉄筋は七十以下というこの対比表にあらわれた木村建設の考え方は、木村証人の考え方だというふうに見ていいですか。

○木村証人 全部私の考えではありません。

○保坂(展)委員 木村証人の考え方じゃないのか、これは、だって木村建設の仕事を東京支社長としてやられているわけですね。この数字に対しては、全くそういう数字を示したこともないのか、木村証人の考え方にないのかどうか、はっきりまず答えてください。お二人に聞きます、じゃ。

○木村証人 どうも済みません。余りよく聞こえていませんので。
 耳が遠くて、はっきり聞こえません。

○保坂(展)委員 木村証人は、鉄筋七十を基本にということを常々会社の中で言っていましたかと聞いているんです。

○木村証人 そこまではしょっちゅう言うことはありません。

○保坂(展)委員 篠塚証人に聞きますけれども、逆に、今七十という数字は、篠塚証人が勝手に考えて、会社の、いわば本社にも社長にも関係なく独自につくり出した数字ですか。

○篠塚証人 数字自体は、やはりその案件は大体東京関係が多いものですから、東京支店の数字に近い状態だと私は思っております。ただ、そういう資料を本社に、また社長あてに流すことはほとんどありませんし。

○保坂(展)委員 現実に、この一覧を見て非常にびっくりしたんですが、こういう数字の中で、欠陥が指摘されているマンションやホテルが続々指摘されているわけですね。この七十という数字を姉歯氏に示したこと自体が、法令違反をしろということを言っていることにならないですか。篠塚さん、どうですか。