耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました   home
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山本政府参考人 指定確認検査機関に対する指導監督でございますけれども、まず、そのうちの最初の立入検査でございます、引いていただきました条文の。これは原則年一回実施しております。この検査の一番の眼目は、確認事務を行う能力があるかどうかということが法定されておりまして、これは指定要件になっておりますので、引き続きその能力を維持して確認業務ができるかどうか、その法定要件を時間の経過とともに随時確認していくというのが一番の目的でございます。

 したがって、具体的にやりますことは、業務規程に照らして運用に問題はないかとか、帳簿とか書類がきちんと保存されているか。特に、指定準則に規定された確認検査員とか補助員は定められた人数を確保しているか、そういった能力に関する部分を見るわけでございます。

 ただ、今御質問いただきました問題意識に照らして答弁いたしますと、これまでの立入検査では、確認時の図書の中身の一々について入っていって見るということまではしておりませんので、通常の立入検査では今回のような構造計算書の偽装を発見することは困難であったわけでございます

 しかし、今回の事案が発生いたしましたので、御指摘のような問題意識に立ちまして、いろいろな立入検査のあり方、制度のあり方についてもきちんと検討を進めていかなきゃいかぬと思っております。

小宮山(泰)委員 過去の例を見てみますと、平成14年に一斉に特別検査をしていて、それ以外はイーホームズに対して平成17年10月24日に一回しただけとなっていますけれども、このチェック体制という中で、やはりここがしっかりしてもらいたかったという思いは恐らく今住人の方々、多くの人が持っているんだと思います

 指定機関による構造計算の捏造とかそういった意味で防止するためにも抜き打ち検査を実施するということが必要だと思いますが、

先ほど大臣、これから一斉にしますという答弁もありましたよね。そうなると、今年度というんでしょうかね、抜き打ちではなくなるのかなとは思うんですが、指定確認機関と監督官庁の緊張関係というものを持つためには、こういった抜き打ちも含めまして現行建築基準法77条でも実施できると思っておりますので、この点に関して、抜き打ちもやる、そういったこともやっていかれるおつもりがあるのか、大臣、お答えをください。

北側国務大臣 これまでも抜き打ちをやっていないわけじゃないんです。そういう電話等が入った場合に、電話というのは、ちゃんとやっていないぞというふうな電話が入った場合には抜き打ち検査はやっているんです。イーホームズにもやっておるわけなんですね。だから、問題はむしろ立入検査のやり方がどうなのかということだと思うんですね。

 今局長が申し上げたように、一つ一つの物件についてちゃんと検査をやっているのかどうかというチェックを国の方はやっているわけじゃないんですね、これまでは。これまでは、指定検査機関としての本当の要件、検査する立場ですから、そういう要件が当初決まっています、法律上決まっています。それがきちんと要件が満たされているのかどうか、そこをチェックしているわけなんですね。それだけだと今回のような問題については出てこないわけです。

 実際問題、立入検査する側の人員の問題もあります。そういうことも含めて、今後、どういう監督の仕方がいいのかどこをどういうふうに改善すべきなのか、そこはしっかり見直しをさせていただきたい、審議会でも御議論いただきたいと思っております。


小宮山(泰)委員 もちろん、これからもこういったことを続けていっていただきたいと思いますが、その内容がどういったところまでチェックをするのかという、そこが緊張関係を生むわけですから、内容についてももっと深く、そして本当に、業界の中では、国土交通省がいつ来るかわからない、検査も、今この段階でも今までのやり方のまま恐らく確認の書類はつくられているわけですから、そういう意味では、いつ来るかわからないから手抜きをしたらよくないんだ、やはりそういう緊張関係を持つような関係をぜひつくり上げていただきたいと思います。

 そして、大臣、お願いがあるんですけれども、特定団体の監督権限をやはりもっと明示する、強化する、この辺は必要なんじゃないでしょうか。ある意味、確認団体は国の認可でやっているのだからこそ、当然その点ははね返ってくるわけですから、やはり各特定団体さんとかそういった苦労しているところもあります、民間にもっともっと開放する部分はして、そしてその分、行政は立入検査などいろいろな意味でチェックをして、安心してその機関が活動し、そしてそれが認定したもの、確認したものは、住人の方たちや購入する人たちが、ここがしているなら大丈夫だ、国ももちろんしているから安心だと言ってもらえるような関係や制度というものをやはり深めていく必要があると思います。ぜひ大臣の、途中まで手を挙げられましたけれども、御意見も伺いたいと思います。

北側国務大臣 現行の制度がまずどうなっているかというのを答弁させていただきたいんですが

、まず、建築確認の事務というのは、これは特定行政庁、建築主事のいらっしゃる地方公共団体である特定行政庁の自治事務なんですね。これがまずあるわけなんです。ここの特定行政庁が個々の物件の検査については責任を当然、自治事務ですから、固有の事務ですから、持っているわけです。それを指定検査機関がやる場合と特定行政庁みずからやる場合と両方あるわけですね。この指定検査機関と特定行政庁との関係、ここを私は見直していく必要があるのかなというふうに思っているんです。

 特定行政庁が例えばそうした指定検査機関、仮にそれが国が指定しているような検査機関であったとしても、検査事務自体は自治事務なわけですから、特定行政庁がそうした指定検査機関に対して個々の検査行為に対するチェックがより有効にできるような仕組み、システムというものを検討していく必要があるのかなというふうに考えておりまして、ここはぜひ専門の先生方に御議論をお願いしたいと思っているところでございます。


小宮山(泰)委員 ぜひこの点の関係をもう一度見直していただきたいと思います。
 そして、今まで過去に業務停止処分を受けた指定確認検査機関がございます。これは一回だけやっておりまして、平成14年10月に4社ありまして、その処分理由は、確認検査員以外の者による確認検査業務を行ったということで業務停止一カ月。これは、この制度ができてから唯一処分が出た事例であります。もちろん、この中には今ちょっと話題になっているところも入っていますけれども。

 今、制度ができてきまして、建築基準法施行令の中、特に建築基準法77条の二13第1項の政令で定める期間というのは5年となっています。

大体、法律的には五年から十年の間において政令で定める期間ごとに更新手続が必要としています。

 そうやって考えますと、そろそろ、もう既に30機関は更新の期間を迎えていますし、実際、処分を受けた中にも更新をされたところも入っているかと思うんですが、既に7年経過していますので更新手続の時期に入っていて、この点について国土交通省はどのように対応していくのか。ほとんどそういう意味では、抜き打ちもやってはいますけれども、こういったことが今のイーホームズさんも含めてどれだけ適切に行われているのか。そして、今回の見直しによって、例えば今までのもう既に更新されたところは何の問題もなくすんなり単に更新されたのか。その点に関しましてお伺いしたいのと、こういった、今、更新手続においてはやはり国民の信頼を回復するという意味においても厳しく対応するべきではないかと思うんですが、その点について大臣のお考えも伺いたいと思います。

北側国務大臣 今委員がおっしゃっていますように、指定確認検査機関というのは五年ごとに指定の更新を受けなければならないこととされております。平成11年に施行をしましたので、建築確認検査の民間開放によって初めて指定された民間機関が現在順次この更新の時期を迎えているところでございます。
 
今回、この指定確認検査機関において、これほど多くの偽装が見過ごされたということでございますので、現在、すべての指定確認検査機関に順次立入検査を実施しまして、構造審査方法の調査とさらなる原因究明を図った上で、適正な構造審査の徹底を図る必要があると考えておるところでございます。

 その上で、今後、確認検査制度のあり方、また、指定確認検査機関に対する指導監督の内容の充実等につきまして、社会資本整備審議会におきましてしっかりと御検討いただきたいというふうに考えております。

小宮山(泰)委員 御検討ももちろんそうですけれども、厳粛に対応していただきたい。一回取れば大丈夫というような、そういったことではやはり構造物に対して皆さんの信用を得ることはできません。特に今回はこれだけ大きな問題ですので、ぜひその点に関してはしっかりとした対応、そして更新の手続等を踏んでいただきたいと思います。

 最後になりますけれども、やはりどうしても、私の大学の先輩も今この対応の対象になっていますマンションにお住まいでいらっしゃいます、子供もまだ小学生。そういったことを考えると、本当に皆さん夜も眠れないし、しかし、本当に苦しい中でお住まいになって、どう対応したらいいのか混乱をし、悩み、そして生活を続けていらっしゃる現実だと思います。

 特に、分譲に住んでいらっしゃる方の救済というのはなかなか難しい点はあると思いますが、各いろいろな議員さんや官房長官も含めて、大臣ももちろんですが、これから救済していくことに対して全力を尽くすというような思い、しっかりと国民にも届いてはおりますが、具体的なことでぜひ伺っていきたい部分がございます。

 一部では、報道で、計画倒産をやはり建設会社等するんじゃないか、売り主はするんじゃないかという、そんなことも出てきておりますので、ぜひ、その点に関して、どんな方法、現行法の中で何が住民にできるのか、そういったことについて何かありましたら法務省からお伺いしたいんですが、簡単にお願いいたします。

深山政府参考人 今御指摘のように、被害者の方々が権利者として権利を行使しようとしても、その債務者である会社の方の資産が、計画倒産というようなことになりますと流出してしまうということで、取りはぐれるリスクが非常に増していくということを御指摘になったと思います。

 こういうことに対処する手段として、法律上の手続として、一つは民事保全手続がございます。これは、売買代金の返還請求権あるいは損害賠償請求権を保全するために、相手方の財産について仮差し押さえの申し立てを裁判所にいたしまして、仮差し押さえ命令の発令によってその債務者が財産を処分することが制限されてしまう、こういう状態に持っていく。

 もう一つは、こういった被害者の方々は債権者ですので、債権者の立場で、債務者が破産原因がある、つまり、支払い不能とか債務超過の状態にある会社だということになりますと、破産手続開始の申し立てをして、裁判所が破産手続の開始をいたしますと、やはり会社の経営者等は財産を一切処分する権限を失う、こういう形で権利の保全を図ることは可能だと思います。

小宮山(泰)委員 ぜひ、早く安心して暮らせる日々が来ることを祈っておりますし、また、早急にと大臣はおっしゃっていただいていますので、ぜひ具体的に、いつまでが早急なのか、そういったことも今後明言をしていただければ、安心して、引っ越し作業等を始めている皆さんに対しては希望になるんだと思います。

 ぜひまた委員長におきましても、昨日来られませんでしたが、姉歯元建築士、そしてこのホテル業等そういうのに深くかかわっています総合経営研究所のコンサルタント、所長さんですか、そういった方々も参考人として話が聞けるように、この委員会を再度開いていただくことをお願いしたいと思います。

林委員長 理事会で協議します。

小宮山(泰)委員 ありがとうございました。


林委員長 穀田恵二君。

穀田委員 大規模地震がいつ何どき起きてもおかしくないとして、住宅など建築物の耐震化を積極的に推進しているさなかに、耐震基準を満たしているはずの新築の建築物が偽造設計によって震度五強以上の地震で倒壊するおそれがあることが発覚した、これが今回の最大の問題ですよね。

 問題の焦点は、今までもるるありましたように、このマンションの居住者、また周辺住民などに対する救済をだれが責任を持って行うか。もちろん、当事者であるつくった人たちの責任は当然です。そういうこととあわせて、それをどうカバーして完全なものにしていくか。もう一つは、国民の生命と財産を守る最低限の基準である建築基準法に基づく耐震基準などがなぜ守られなかったのか、事前にこれらを防ぐことができなかったのか、そういう原因究明を徹底的にする必要があると思っています。

 同時に、私は、その背景に住宅販売のコスト削減競争などの過熱があるのではないか、これらを含めた掘り下げた分析が必要です。

 そもそも、建築確認の趣旨、目的というのは、建築物の計画が建築基準関係規定に適合するものであることを確保すること、これが住民の生命、健康及び財産の保護等、住民の福祉の増進を図る役割、これが法律の目的ですよね。

 それで、建築確認はどこの事務で、最終的にどこが責任を負うのか、これは今まで議論がありました。では、民間の指定確認検査機関が行う建築確認に対する最終責任はどこが負うのか、これについても、大臣が先ほど明らかにしたように、いわゆる公だ、最終的にはそこがあるんだということについてありました。

 そこで、私は、地方自治体の建築主事による建築確認体制の不備で、相次いで起こった偽装を見抜けなかった事態が発生しているわけで、建築確認制度そのものが問われている事態であると思うんですね。偽装が見抜けず、建築物に瑕疵、欠陥があった場合、地方自治体はどのような責任が問われるのか、また、具体的に被害をこうむった住宅居住者等に対してはどのような補償なり賠償なりするのか、こういう点を政府部内で検討されているとお話ありました。

 同時に、私が言いたいのは、この検討というのは、政府部内、今いろいろな形で関係地方自治体を含めて協議していますよね。そこでこういう問題についてきちんとあわせて徹底的な議論をしておくチャンスじゃないかと思っているんですね。そういう意味で、関係機関としてのイニシアチブをとっていただいてやる必要があるんじゃないかという点は、いかがですか。

北側国務大臣 私は、今一番急ぐことは、居住者の方々の安全を確保、そしてその居住の安定を確保していくこと、また近隣住民の方々の不安を取り除いていくこと、そうしたことが一番最優先で急ぐことだと思うんですね。

 その対策をとっていくためにも、今委員のおっしゃった問題についてきちんと整理をしておく、問題点について共有をしておくということが大事だというふうに思っておりまして、関係省庁の大臣とも昨日協議をさせていただきましたし、もちろん特定行政庁である地方公共団体とも協議をしているところでございまして、今委員のおっしゃった趣旨で、まさしく政府部内で検討をしているところでございます。

穀田委員 地方自治体の建築確認の不備の場合、地方自治体が損害賠償責任を問われる、これはだれに責任があるか明確だからです。ところが、今回のように、国が指定した民間の指定確認検査機関が建築確認をきちっとやらなかったという場合、地方自治体は実は報告書をもらうだけで、建築物を直接検査する責任はないわけですよね。

 実は、御承知のとおり、建築基準法の中にありますように、建築概要書ということで、この四枚のものが当然概要書として保管をされる。これに基づいて審査をするという形式になっているわけですね。だから、この四枚では、ではどんな内容かということが、はっきり言って、地方自治体には確認のしようがないというのが現実だと思うんですね。

 こういう矛盾が率直に言ってある。こういう点をどう解決しようとしているのかというのは大きな問題だと思うんですね。そこはいかがでしょうか。

北側国務大臣 今委員のおっしゃったのは、法文で言いますと、建築基準法上の第6条の2の3項になるんですね。そこで、指定機関は、「その交付に係る建築物の計画に関する国土交通省令で定める書類を添えて、その旨を特定行政庁に報告しなければならない。」その次の項に

第4項にこういう規定があるんです。「特定行政庁は、前項の規定による報告を受けた場合において、第一項の確認済証の交付を受けた建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、当該建築物の建築主及び当該確認済証を交付した同項の規定による指定を受けた者にその旨を通知しなければならない。この場合において、当該確認済証は、その効力を失う。」こういう権限規定も設けられているんです。

 ただ、今委員のおっしゃったように、これで十分なのかどうか。
 おっしゃっているとおり、この確認事務というのは、これは特定行政庁である地方公共団体の自治事務でございます。自治事務であるという以上は、もう少しきちんとした形でこの特定行政庁と指定検査機関との間の関係について見直しをすべきじゃないかという議論、それは私もそのように考えておりまして、先ほども答弁させていただきましたが、そこが特定行政庁の方から、仮に国が指定した検査機関であったにせよ、それは自治事務なわけですから、確認行為というのは、そこのところについてきちんと、もう少し明確に権限というものを手当てすべきかどうか、そこは議論しなきゃならないと思っております。

穀田委員 その点は大臣おっしゃるとおりで、この6条の2の3項、4項というのはまさにそのことなんですね。だから、この4枚が、実はそうはいっても、国の指定した機関であれ自治体の機関であれ、これで最後は見るわけですよね。

自治事務を担当している地方自治体の検査としてはこれでやるわけですよ。これで効力を失効させるというのはなかなか無理がある。これだけで見て、どう考えたって、本当に概要というもので、構造がどうだとかそういったものは全くない見取り図ぐらいのものを書いている程度にすぎないという問題で判断をせざるを得ないということもありまして、関係と同時に、これでいいのかという問題もありまして、非常にここは勘どころだと私は思っています。


 そこで、今回の事件というのは、国交省、国が指定した民間検査機関が偽装を見抜けなかったというものですから、指定した国の責任としても重いものがあると私は考えます

その上に立って、国交省が責任を持って、先頭に立って、居住者、住民の納得いく解決を図る必要があると再度指摘をしておきたいと思うんです。
 この事件の大きな問題の、根本といいますか、建築士が構造計算書を偽装したのはなぜかという問題なんですね。なぜそういうことをしなくちゃならなかったのか。

イーホームズが確認検査で構造計算書の偽装を見抜けなかったのはなぜか。さらに三つ目に、その背景要因、こういったものの究明が必要だと考えています。

 
そこで、第一に、私はコスト削減の競争の問題を取り上げざるを得ません。
 今度の問題で、木村建設から姉歯建築士に鉄骨をもっと減らせなどという圧力があったという事例について、昨日の参考人質疑で東京支店長は言ったことを大筋認めました

そのときに、姉歯建築士だけではなくて、設計依頼するときにはどこにでも要請しているというふうに言いました。それに対して、鉄骨を減らすということについて、おおむね大体その意見を入れてくれたと思うということを言っていました。やはり木村建設はきのうの段階では回答しませんでしたが、広島の建築士は耐震強度が守れないと断ったその結果、姉歯建築士に回ったということが、私はきのう提起して、また聞きました。

 確かに今、おっしゃるとおり、法の範囲内でというような話をしますけれども、実際には、建築基準法に違反してでも鉄骨を減らせと公然と指示することはないかもしれないけれども、法令の範囲内でできないと判断した人は断っているわけです。

 きょう新聞にも書いていますが、東京新聞はこう書いています、「コストダウンの圧力の常態化をうかがわせる発言」。先ほど私が指摘した点ですよね。大方受け入れてくれていると、全部に言っているみたいな話をしている。それから、「問題の背景について「開発会社などの過度の安値競争がある」ということで、日本建築構造技術者協会の会長まで指摘をしている。

 私は、偽装は論外としても、利益を上げるためのコスト削減と称して鉄骨を減らせと要請している建築現場の現状は、はっきり言ってちょっと異常じゃないと。安全を犠牲にすることはあってはならぬ、こういう角度からすれば、許しがたい問題として見る必要があるんじゃないでしょうか。その辺はいかがでしょうか。

北側国務大臣 建築士の方々というのは、まさしくそういう使命といいますか、安全な建物を、また安全、安心の建物を設計する、それがまさしく建築士の一番の役割、使命でございます。そこをきちんと、やはりその責任を果たしていただかないといけない。

 それはコスト抑制は当然あるでしょう。あるでしょうけれども、そこは断じて建築士の方々が守っていただかないといけない極めて基本的な責務であるというふうに私は思っております。それが、建築基準法令に違反してまでそうした設計を仮にさせられるとするならば、それはとんでもない話であると思います。


穀田委員 ただ、大臣、そういう使命であり、それから責任である、簡単に言えばモラルといいますか、そういう最低限の問題がずれているんじゃないかという点は、それはあるでしょう。だけれども、それに矮小化してはならぬ問題があると思うんですね。つまり、こういうものが常態化している、ぎりぎりまでやられようとしているというのが広範にあるということは、だれしもが認めている実態があるからなんです。

 もう一つは、やはり建築士の存在なり従属性という問題についても今見る必要があると思うんですね。この間もありましたけれども、木村建設から言われると、なぜそれを受け入れざるを得なかったかというと、大口の仕事先だという問題が当然あったということは私も指摘しました。

今の建築士というのは、施工業者と雇用関係にあったり、あるいは経済的従属関にあったり、さらには事実上一体関係にあったりするというのが、日本では随分多い例として見られています

したがって、立場は非常に弱い。建築士の、いわゆる専門職の独立した機能というのは厳密に保障されていないという問題について、私はその点は一言だけ言っておきたいと思っています。

 実は、この法律が大改正される98年の際も、私どもはその点を指摘していたわけですね。今度こういう改正があるけれども、建築士という問題について言えば、非常に重大な役割を果たすわけだから、きちんとやっていく必要があるということを言っていたこともあわせて指摘しておきたいと思うんです。
 

そこで、次に、イーホームズが確認検査で構造計算書の偽装を見抜けなかった問題です。
 きのう、何かえらい、自分のところが一番に言ったわけだということをしきりに強調していましたが、私は、そうじゃなくて、きょうも局長が答弁していましたけれども、これまでの調査の中で、イーホームズのずさんなやり方についても指摘したところです。

 問題は、そのイーホームズが、法令どおりの検査マニュアルもなく、いわゆる手抜き検査を行っていたとして、これは告発するのは当然なんですけれども、なぜイーホームズが偽装を見抜けない手抜き検査をしていたのかということについて国交省はどのように判断をしているのか、お聞きしたいと思います。

山本政府参考人 今の御質問は、今般、立入検査をしまして、イーホームズの確認事務の、審査の現状を調査して分析したわけでございますけれども、この11月24日から25日の未明、それから25日そのもの、こうやったんですけれども

姉歯の案件についてイーホームズで偽装大量に見過ごされた一番のポイントは、一級建築士という資格を持った者が、大臣認定された構造計算プログラムを一部であっても用いながら構造計算を行っていたという点を過信し本来必要な計算過程を十分審査せずに見過ごした

というものでございまして、そこがイーホームズが適正に審査ができなかった原因だというふうに考えているわけでございます。

穀田委員 経過的に見て、そういう立入検査の中で起こっているという事態はそうでしょう。だけれども、その中にあるのは、一番後ろにあるのは、何か皆さん知っているように、ここは早いというふうにみんな知っていたわけですよ。私、きのうも言ったんですけれども、何かそれぞれが責任をなすり合っているけれども、みんなぐる、ぐるというか、悪いことをやっているのは一緒にやっているんですよ。しかも、いわばヒューザーなんかが、ここは安くできる、ここは早くできる、こういうのを見計らってやっているわけなんですね

 問題は、早くできるというところにずさんさがあるということについて気がつかなかったのかという問題を、風聞を知っていながら、どんなことをやっていたかということを言っているわけですよ、あなた方がね。そういう点では、見抜けなかった問題の責任は極めて大きいと私は思うんですね。だから、今言ったのはそこなんですよ。そこで監督するのがおたくの仕事ですわな。今回の事件でまさにそのことが問われている。

 そこで、これまでの一連の対応について言うと、私は、本日も議論があったけれども、国交省自身としての、立入検査をしながらそれをできなかったという責任は免れない、しかも、そういう風聞がありながらきちんとした対応をしなかったということについて免れないと思うんです。

 そこで、ちょっと話の角度を変えまして、一連の対応との関係、ずっと時系列的に追っていって、政治家の関与について少し聞きたいと思うんです。事実確認をしたいんですね。

 報道では、今回の事件を国交省が公表する10日前の今月7日、公明党の山口那津男参議院議員が担当者に小嶋社長の話を聞くよう仲介したとあります。これは事実だと思うんですが、具体的にはどんな要望が持ち込まれたのかについてお答えいただきたい。

山本政府参考人 11月7日でございますが、国土交通省の国会連絡室を通じまして、この件についての担当者を教えてほしいという連絡がありました。連絡室から文書で回ってまいりました。したがって、議員の部屋に担当者が電話をしまして、私が担当者でございますということで担当課長補佐の名前を伝えたところでございます。

穀田委員 担当補佐の名前を伝えただけですか。それで、彼は次に、要するに担当補佐の名前を聞いて話をしたわけでしょう。

 では、こういう話だというふうに報道されているのは事実ですか。民間の確認審査機関の建築確認に問題があり、耐震強度が不足したマンションがあると聞いたというお尋ねがあったんですか。

山本政府参考人 ちょっと正確に申し上げますけれども、国土交通省の国会連絡室から当方に依頼事項ということで文書で参りましたものにつきましては、マンションを建築する会社からの苦情についてという内容で、マンションを建築する際に構造審査を委嘱されている会社の問題があり、苦情を受けているので相談に乗ってほしいとのことであるので、出口秘書に対して担当者がコンタクトしてほしいということでございました。

穀田委員 では、報道にあるような、もう一遍確認しますけれども、また後で言ってもらっても困るので、きちんと言ってほしいんですけれども、要するに建築確認に問題があるということは大体そこで出ています耐震強度が不足したマンションがあると聞いたという話はなかったということですね。

山本政府参考人 この依頼事項が回ってまいりましたので、担当の田中補佐がこの出口秘書に電話して、私が担当でございますという旨伝えたということでございます。

○穀田委員
 余り時間をとりたくないんだけれども、要するに担当を伝えたというのはわかっているんですよ。それはわかっているんですよ。だとすると、どういう問い合わせがあったのか担当を教えたということは、問い合わせがあったんでしょう。まさか、そこで教えた後それでおしまいだったら別に何の話もないわけで、山口参議院議員は、秘書を含めてそうですけれども、秘書に伝えたと。その後、秘書でも山口さんでもいいですよ、要するに、あなた方に対して、担当者に対して、耐震強度が不足したマンションがあると聞いたという話を尋ねたという事実はないんですか。そこをはっきり言ってください。

山本政府参考人 正確に伝達しておりますけれども、国会連絡室から……(穀田委員「そんなこと聞いてないじゃないですか。今の質問に答えてくださいよ」と呼ぶ)いや、だから正確に聞いていただきたいと思うんです。国会連絡室からありました依頼は、内容として、それについて、そのことだけを、担当者を連絡したという事実を申し上げておるわけでございます。それ以外のことはございません。

穀田委員 では、やりとりについて聞いているんだけれども、やりとりはなかったというんですか。

山本政府参考人 やりとりはございません。


穀田委員 では、そういう報道はうそだということだと。ただ、そういう話があったことは、名前を教えてほしい、名前を教えた、こういうことだ、ここまでだということを確認しておきたいと思うんです。
 では、次に進みます。

 私は、安全軽視と利益追求検査機関の手抜き見落としてきた監督のあり方が問われていると思うんです。

 民間の検査機関を認めた98年建築基準法改定のときの国会の議論を私読みました。私どもの中島議員は、当時、営利を目的とするというところからいえば、競争が激しくなった結果、安かろう悪かろうという検査になりはしないか極端な場合を言えば、手抜き検査をという事態が横行するんじゃないか、こういうふうに指摘していたわけですね。
 
 私は、やはり今、国交省自身の監督体制自体も先ほど大臣は強くするとおっしゃっていましたので、いろいろな形を含めて、立ち入りの検査だとかそういうことを含めて今強化しようとしているわけですから、それは当然だと思うんです。

 そこで、少し立ち入って聞きたいんですけれども、当時、地方自治体の建築確認でも偽装を見抜けなかった事態が相次いでいた場合、当時、建築主事やその他の職員の増員、そういう体制をやはり強化するという、いわば新しい仕事に対してそういう意味での強化が必要だということを言っていたと思うんですけれども、私は、この点についての今の自治体の実情というのは、建築行政担当者の体制というのは極めて弱体化しているんじゃないかと思うんですね、今の現実というのは。そこの点はどういうふうに認識しておられるでしょうか。

山本政府参考人 建築規制の実効性の確保を図るために、平成10年に基準法を改正しまして、これまで建築主事だけが行っておりました確認検査業務を、新たに能力を備える公正中立な民間機関ができることとしたわけでございますけれども、これによりまして、例えば完了検査の率……(穀田委員「それは聞きました」と呼ぶ)ああ、そうですか。あわせて、この10年の改正で中間検査制度を導入しまして、16年には、7割まで特定行政庁で中間検査が実施されるまでに至っております。

 ですから、指定確認検査機関による検査も含めまして、建築規制の実効性は着実に向上している、建築基準法を執行する体制は、トータルで見ますと、向上してきているという認識でございます。

穀田委員 私は、今の新しい法制度のもとで、地方自治体の実態は弱体化しているということを言っておきたいと思うんです。

 つまり、神戸市などは建築審査課自身をなくしていますし、京都市などは当時38人ぐらいの体制があったものが10人以上減らしています。そういう中で、実際に現場を見る技術、能力、それが低下をしているという実態もあります。ですから、一概にそんなふうに手放しで喜べる実態がすべてあるなんということはないということだけは指摘しておきたいと思うんです。

 事実、そういう問題について言うならば、一言言っておきますけれども、当時、私どもは、そういう問題が起きるということについて指摘していまして、自治体のまちづくり条例なんかでもってトラブルを防いでいた、そういう問題について今度はわからなくなるということを指摘しておいたわけです。事実、起こっているんですね。
 
 品川で葬祭場の設置に関する環境指導要綱があります。これを無視して建築確認をおろし、建築審査会に審査請求が行われ、建築確認を取り消した例がありますね。


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