耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました   home
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  163-衆-国土交通委員会-7号 平成17年11月29日 
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木村参考人 先ほどはどうも失礼いたしました。 法律的に責任があるかどうかということでございますが、まだお国の方でどういうふうに定めるかわかりませんので、判断つかぬでおります。どうぞお許しくださいませ。

篠原参考人 篠原です。私自身の責任について述べさせていただきたいと思います。 私自身のかかわりました都内の5棟のマンションにて、そのような偽造のあったマンションを結果的につくってしまったということに関しましては、本当に大きな責任を感じております。したがいまして、私自身、その責任というか、そういうことを見抜けなかったかと言われますと、事業者として、そういうものが建ってしまった以上は、そういうチャンスは一つ二つ、一回二回は当然あったと思います。ただ、それを見逃してしまったということに関しましては、本当に深く反省しております。 したがいまして、私自身は、本件に関しましては、誠心誠意を持って、関係の御迷惑になった方々に関しましては、できる範囲で補償の方をやらせていただき、代金返還というところをもって誠意を努めてまいりたいというふうに考えております。

小嶋参考人 小嶋でございます。 ただいまの先生の御意見に関しましては、まず、私どもは、全く違法性がないという立場ではありましても、すべての責任を負っております。瑕疵担保責任という、十年間にも及ぶ超長期にまたがって、すべてこのプロジェクトに対して責任を負っている立場でございます。そういった意味では、今後の対処方法も含めましてすべて私の責任で解決していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 まことに申しわけございません。

藤田参考人 私は、確認検査業務を行う、建築行政に携わる一員として、このような偽造事件が、当機関だけではなく、行政、他機関でも発覚してしまったという点において、道義的に申しわけありませんと思います。申しわけありませんでした。 本当に申しわけないと思うのは、現在そのような危険な建築物に住んでいらっしゃる住民の方だと思います。その方たちに改めて深くおわび申し上げます。申しわけありませんでした。

渡辺参考人 平塚市都市政策部長、渡辺でございます。 ただいまの御質問に対しまして、私の方から一言おわびを申し上げたいと思います。 行政というのは、当然市民の皆さん方の生命財産を守るということを第一に守っております。この特定行政庁としての建築確認許可を与えたこと、また不正が見抜けなかったことに対しまして、私ども職員、一生懸命やっているんですが、その中での確認ができなかったことは非常に残念でありますし、見落としたことに対しまして深く市民の皆さんにもおわびを申し上げ、同様の方々にも、不安と不信を与えたことに対しまして、本当に深くおわびを申し上げたいというふうに考えております。 ありがとうございました。


長妻委員 今国民の皆様の多くの不安というのは、これは氷山の一角なのではないのかと、今回の件が。ですから、そういう意味でも真相を本当に明らかにしていただきたい、勇気を持って本当のことをお話しいただきたい、そして、住民、そして周辺にお住まいの方、居住者、しっかりと補償していただきたいというのが皆さんの願いだと思うんです。 具体的に聞いてまいります。

 東京支店長、木村建設の方にお伺いしますが、姉歯さんに対して、一平方メートル当たりの鉄筋をあと二十キロぐらい減らしてください、こういうふうに指示されたことはありますか。

篠塚参考人 そのようなことは言っておりません。

長妻委員 これは、姉歯事務所に対しても、鉄筋を減らせというようなたぐいの話というのは、あるいは設計事務所に対しても言われておられませんか。

篠塚参考人 そのようなことを言ったかもしれませんけれども、しかし、当然、法令遵守の中の、範囲内で減らせということ、ということで認識しております。

長妻委員 何キロというような、このぐらい、何キログラム減らしてくれというお話もございましたか。

篠塚参考人 具体的な数字はなかったと思います。

長妻委員 例えば、姉歯事務所や設計事務所等に、建築費を坪単価四十万円以下にしろとか何十万円ぐらいで収めろとか、そんな話はされましたか。

篠塚参考人 設計の段階では坪単価というのは私たちも余り判断しておりませんので、その辺は言ったことはありません。

長妻委員 今お話ございましたけれども、結局、建築主から、当然、コストダウンの圧力というのはしょっちゅうかかると。それは、合法的な範囲内で安く上げてくれ、こういうことは私もあると思います。ただ、それがお互い暗黙の中で、非合法も含めてそういう要請があったとすれば、これは問題だと思いますけれども。 社長、鉄筋を減らせ、こういうようなことというのはよく言われることなんですか。

木村参考人 そういうことは全くありません。 また、たびたび皆さん方に失礼なことばかりいたしまして申しわけありませんが、どうぞお許しくださいと思います。どうもどうも済みませんでした。

長妻委員 私も、木村社長の御自身のことを書いた本を読ませていただきました。「木村イズム「現場力」で勝つ!」こういう本でございます。これは2005年の8月に出版をされておる本でございまして、当然これは御存じだと思いますけれども、木村社長のことを書いた本でございます。 この本は御存じでございますか。

木村参考人 その本は知っています。

長妻委員 これは木村社長御本人が書かれたのではなくて、ある方が木村社長の会社のことをずっと書いている本でございます。 その中で木村社長へのインタビューがございますが、107ページを見ますと、「土木、建築の分野を網羅的に見てきた木村は、計算すればどこでどれだけのコスト削減が可能か、図面の中から拾い出し、鉄筋の数を洗い出して指示する。」これは木村さんの発言のように書いてありますけれども、「「鉄筋屋さんにこうしろと数字を示すと一割は確実に削減できる。1000トンで100トン分が浮く仕事です。一億円なら1000万円くらいが節約できる」 理屈がわかっていて、なおかつコスト圧縮に積極的だから可能なことである。」ということで、これは褒めた形で書いてあるんですが、先ほど全くそういうことはありませんと言われましたけれども、これが重要な仕事だと言われているんじゃないんですか。

木村参考人 その本に書いてあることは、私が40年前、現場を指揮したとき、私が残業して、鉄筋の図面に基づいて、鉄筋の量を、自分で加工図まで書いて、努力をしたらそうなるということを、40年前に経験したことを、それを本に書いているわけでございます。今現在はそういうことは全くやっていません。

長妻委員 一割自動的に削れるような、そういう記述でしたので私は申し上げたんですが、それもこの本は、出版は今年の8月でございますので、本当に社長、これは正直に、現場の方からいろいろ報告も上がってくると思いますが、鉄筋の数、これは施工しているときに少な過ぎるんじゃないのか、こういうことは本当に全くつゆ知らなかったんですか、本当に。

木村参考人 今現在は全く現場のことは関知していませんので、そういう鉄筋のことは全くわかりません。

長妻委員 ヒューザーさんのホームページでは、姉歯という設計事務所は木村建設から紹介されたということで、下河辺建築設計事務所、森田設計、スペースワン、エスエスエー建築等に姉歯さんを木村建設が紹介したと言っているんですが、これは事実でございますか。

木村参考人 そのことに関しましては、全く私、知りません。

長妻委員 支店長はどうですか。

篠塚参考人 積極的には紹介しておりませんけれども、問い合わせ等はあったかと思います。

長妻委員 これは、そこで鉄筋の話というのが具体的に出て、仕事を次、外す。例えば広島市の設計会社が、これは構造計算するところですけれども、コストが高いから姉歯にかえた、こういうようなことはありますか。

篠塚参考人 私の方から言ったことはありません。

長妻委員 鉄筋を減らせというのが、姉歯さんの話によると圧力がかかっているというような話もございますので、これが恒常的に行われ、いろいろな多くのほかの分野でも同じようなことがあるのかどうか、これはきちっと解明しなきゃいけないと思っておりますが、社長、みずからこの中で言われているので、本当にもっと正直にお話をいただきたいと思うんです。


ヒューザーにお尋ねをいたしますけれども、まだ公表していない分のマンションで、小嶋社長、あと何件ぐらい、可能性として問題物件というのは出るというような観測なんですか。

小嶋参考人 昨日、住民からの要求によりまして、入居者の方々から私どものマンションはどうなっているのかということで、一応いろいろ、私どもの方も構造事務所にいろいろ相談申し上げておりまして、きのう、新たに2件、やはり適合していない、構造的には必要な耐力を有していないという報告が2件参りました。 そのほかに、この姉歯絡みのものがあと12件、基本的にはありますので、そのすべてになるのか、あるいはその中で問題ないものがあるのか、調査中でございます。

長妻委員 やはり住民の方の関心事は補償の件でございまして、そういう意味では、ヒューザーさんが106%で買い戻すという話がありましたが、これは条文を読むと、債務というのが仮にヒューザーが払えなくなった場合は住民が払わなきゃいけないということで、買い戻しとはちょっと表現がほど遠いことでございますが、しかし、それにしても、資金的なめどが本当に立っているのかどうか。そして、昨日夜の社長の説明では、やはり103%にしよう、こんなような話も出たというふうに聞いておりますけれども、これは大丈夫なんですか。

小嶋参考人 小嶋でございます。 106%の買い戻し金額は同じでございますが、当初、六%で、迷惑料その他で引っ越し代とかに充てていただきたいと思っておったんですが、きのうの時点で、特定行政庁の建築主事からいただいたものも、やはり同じように偽造絡みのもので2棟建っておった、そういう事態を踏まえまして、これは、私どもが、今7棟入居しているものに加えまして、これから十数棟出てくるかもしれないという、それに対しまして、6%ずつ契約金等でお支払いすると足りなくなるおそれがないわけでもないということで、とりあえず半分の3%にしていただきました。

長妻委員 これはきちっと、住民の方にもこういうふうに11月26日付の文書で、106%というふうに書いて、契約もしましょうというふうに書いているのが、それが今は103%、そしてこの前も、ころころ、結構社長の発言が変わっているというふうに私印象を受けますので、きちっとした、きちっとした最終的な、社長が本当に実現可能でできるような案をぜひ早急にお示しいただきたいということをお願いします。

 もう一つは、伊藤公介元国土庁長官と一緒に国土交通省建築指導課長に会ったということでございますが、これは、社長お一人で行かれなくて、何で伊藤代議士に頼んだのでございますか。

小嶋参考人 伊藤先生の御記憶違いか、報道の間違いかはわかりませんけれども、私は、行政の課長様にお会いするのに、何も代議士の先生にお願いしなければ会えないなどと思っておりませんで、全くお願いしたことはございません。

 ただ、このように、大変私どもの手だけでは解決できない問題が発生した時点で、どのような対処方法があり得るのか、一応相談を申し上げたことはございます。しかしながら、報道されておりますように、私の方から、小川課長さんにお会いさせていただいてほしいと頼んでお会いしたことはございません。

 ただ、何か、どこか何かのディベロッパーかどうかわかりませんが、小嶋社長のこの前困っていたこともこんなのと同じと言うから、ああ、そのとおりでございますと言ったら、それじゃ、今から建設省の方に行くんだけれども、時間があるのなら来れると言うから、それで、はい、それじゃ私も参りますということで同席させていただいたわけでございまして、私からこのように伊藤先生にお願いをいわゆる申し上げるということではございません。

 それで、私がそのときに、小川課長さん方に、国交省の方々にお願いしたことは、とにかく国の責任と権限で何としてもこれを対処していただきたいと。一民間企業ではいきなりこんなことを、3、4年前からさかのぼって全部ひっくり返されて、百何十億みたいな解約にもし応ずるとすると、そんなつぶれるかもしれない危険家屋に、どんな銀行だって金を出してくれるはずもございませんし、何とか国の責任と権限で対処していただきたいということをお願いしたわけでございます。

長妻委員 小嶋社長、そのときに、公表をするのは慎重の上にも慎重にやってほしいというような話もされたわけですか。

小嶋参考人 それは当然お願いいたしました。 まずは、この改ざん、偽造がどの程度のひどいものなのか、私ども口頭でしかまだいただいておりませんでした。ですから、どの程度、八割方、九割方はあるのか、それとも半分もないのか。危険度は大したことないのか、それとも相当危険なものなのか。あるいは、耐震補強、免震あるいは制震、いずれによっても、補修あるいはそういった補強、できないのか、建てかえなけりゃならないのか。何にもわからない段階でお客様方に公表されて、そしてこれは、お客様方から私どもの方に、どのように対処するんですかと問われたときに、全く答えようがありません。 そういうところで、万が一にも軽々に、人様の財産になってしまったものを、私どもの手に負えないところに行ってしまっている物件を、これはだめだ、これはだめだとかというふうに公表されましても困るということは申し上げました。

長妻委員 これは設計部門等に、鉄筋の数等も含めた、姉歯さんの設計事務所あるいはほかの設計事務所にコストダウンの圧力というのは、社長の方から何かありましたか。

小嶋参考人 まず、コストダウンということに関してですけれども、基本的にコストダウンの努力と経済設計は正しいことであって、それらをどのように追求しても、法的担保として確認済みという合格ラインがきっちり機能していれば何の問題もないことでございます。 ですから、反対に私が、御質問できないということではございますけれども、そのような圧力をかけたことはもちろん毛頭ございませんが、いいですか、それでは、コストダウン、そして経済設計が悪いということであれば、不経済設計をしろ、コストアップをしろということが正しいんですか

長妻委員 私はそんなこと聞いておりません。聴聞会で姉歯さんが、圧力がかかったと。それは違法な圧力なんですよ、姉歯さんの発言では。だから私は聞いているわけです。

 それで、シノケンさんにも聞きますけれども、このイーホームズというのは、これは通しやすいところということが何かあったんですか、うわさは。

篠原参考人 私どもはディベロッパーでして、本件の改ざん事件に関しましては、設計部分と施工の部分を木村建設さんにお願いしておりまして、木村さんの方からイーホームズさんを指名されて出されておったという経緯の関係上、イーホームズさんのことはよく存じていなかったです。

長妻委員 そして、先ほどちょっと看過できない御発言がイーホームズの方からあったんですが、その公表するなとの圧力が10月27日にかかったというお話、ヒューザーの小嶋社長からというお話ありましたけれども、具体的にどんな言葉があったんですか。

藤田参考人 まず冒頭で、先ほども言ったように、他の機関や行政で見抜けなかったものを公表して、その正義を貫いて何の意味があるんだ、もしそれでも公表するのであれば、徹底的にたたくというふうに言われました。(長妻委員「だれに」と呼ぶ)小嶋社長に言われました、ヒューザーの本社にて。(発言する者あり)まあ、はい、そのように言われました。(長妻委員「あとは」と呼ぶ)報道されている内容で、私の方でメールを打った文があったので、そこに書いてあるんですけれども……(長妻委員「これは社長自身が聞いたわけですか」と呼ぶ)私が直接聞きました。

 私の方は公表もするべきだということを言ったところ、公表して何の意味があるんだと。まあ、そうですね、私は120億の売り上げで20億の利益があるどんな弁護士を使ってでもたたく、徹底的に、イーホームズだけが見抜けなかった、ほかの行政や他機関でも同じだったにもかかわらず、イーホームズだけが見抜けなかったと言ってたたくというふうに言われたんです。

長妻委員 小嶋社長、いかがですか。

小嶋参考人 ただいまの藤田社長の話と、相当程度ニュアンスの違うところがございます。 私の方は、公表するなと申したのではございません。公表するまでに相当程度お調べする時間が必要であるということをまず申し上げました。 それから、たたくという言葉は全く違いまして、追及させていただく、なぜこのように、3年も4年も前からでたらめな確認業務を行っておきながら、多大な迷惑になる今回この事態を引き起こしたその責任、おわびの一言もないままに、口頭で、入居しているお客様のものまであるらしいということで公表すると言われましても、それは私どもにとりましては対応のしようがございません、とりあえず。

そういった意味で、基本的にはそのような無責任なことをいきなりやってもらっては困るという意味で申し上げました。これは、イーホームズだけをたたくというのではなくて、そのようなあってはならない確認検査業務が行われたとしたならば徹底的にそれは追及させていただきますということを申し上げました。

長妻委員 ぜひ、皆様におかれましては、この入居者あるいは周辺住民の方が大変夜も眠れないということで心配でございますので、誠意を持って補償をしていただきたい。そして、我々政治の役割としても、これは氷山の一角ではないかということがございますので、今後も追及をして、そして、全国、御心配のところを、本当にサンプル調査でもして、本当にこれが氷山の一角なのかどうか、事実を解明し皆さんに安心をいただくということが我々の役割であるということも心得ておりますので、ぜひ事実解明に今後御協力をいただきたい、そして補償もきちっとやっていただきたいということもお願いします。 以上です。


林委員長 馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵澄夫でございます。 きょうは、大変社会的な問題となっておりますこの構造強度の偽装問題、参考人の皆さんにお出ましをいただいて、国会で事実を明らかにしていただく。ぜひ、きょう皆様方には、誠意を持って端的に事実をお述べいただきたいというふうに思っております。 また、報道の中では、再三の責任のなすり合いのようなことが繰り返されております。私は、今回の問題については、二点大きなポイントがあると思っております。

 一つは、このような構造強度の偽装問題がこうして行政も含めたさまざまなところで発覚をしているこの状況の中では、今、今日ある建築基準法における検査の仕組みそのもの、制度そのものに、極めて重要な問題がそこに潜んでいるのではないかという一点。

さらには、不幸にして今回の倒壊のおそれのあるマンションにお住まいの住民の方々、こうした方々に我々国がどういう形で関与し、セーフティーネットを張っていかねばならないか。この二つの課題がございます。 この課題を整理するためには、まず事実を明らかにしていかねばなりません。皆さんがそれぞれのお立場で報道各社で話されてきたことは存じ上げております。しかし、きょうは、ぜひとも事実を明らかにするという観点でお答えをいただきたいというふうに思っております。

 その意味で、私は、本日は、まず最初にこの問題を公開されたといいますか、通報された、第一発見者という形でこの問題をお話しされましたイーホームズの藤田社長を中心に、事実関係の確認をさせていただきたいというふうに思います。 まず最初に、建築確認検査という業務を民間の検査機関として行ってこられた、そのイーホームズさんが、構造計算書が偽造されたものであるということを最初に発見したのはいつのことでしょうか。お答えください、藤田社長。

藤田参考人 社内の内部監査において発見した、認識したという前提の上で、私に報告が上がったのが10月20日です。そういう意味では、会社としては10月20日に認識をしたということです。

馬淵委員 社内の内部監査によって10月20日にそれを見つけられたということでありますが、この内部監査というのは日常されていることですか、藤田社長。

藤田参考人 内部監査というのは、会社の経営方針が各セクションにおいて方針どおり執行されているかを内部的に監査するという仕組みでございます。これについては、ことしの4月から定期的にやってまいりました。意匠部門、構造部門、設備部門等の審査部門のほかにも、経理部門、また業務管理部門等のチェックをするということでございます。

馬淵委員 定期的に4月からやっておられるという中で、今回、構造の偽装問題というものがどういう形で発見されたんでしょうか。そこについてもう少し詳しくお聞かせください。

藤田参考人 内部監査を行う場合は、対象とする問題、例えば意匠の問題、構造の問題、今回は構造の問題だったわけですけれども、幾つかの構造審査をやっておる物件についてサンプリングをします。今回は5件をサンプリングしたわけです。 では、このサンプリングがどのように行われたかというのは、内部監査の、内部監査室の方で判断しております。具体的に言いますと、無作為に抽出する場合もございますし、情報が外から入ってくる場合がございます。 本件偽造が発覚した情報のソースという点では、外部からの情報提供があったということを後日聞いております。

馬淵委員 今のお答えは、無作為のサンプリングではなく、外部からの情報によってその5件を抽出してチェックを行われたということでしょうか。そして、それはどういう外部からの情報だったんですか。お答えいただけますか。

藤田参考人 偽造の物件については、ヒューザーさんの北千住の物件が一件、サンプリングをしました。ほかの四件についてのサンプリングのルートについては、特にまだ聞いておりません。 このヒューザーさんの北千住の物件については、ある構造設計の方がいまして、守秘義務がございます、個人情報保護法に基づきますので個人の方のお名前は出せませんけれども、ある構造設計の方が、今から約一年ほど前に、ほかの審査を行うある会社において、姉歯さんが行った物件で偽造を認識していた、その件については一年前に隠ぺいされたということだったと聞いております。近ごろイーホームズさんの方でも姉歯さんの物件を数物件、審査をおろしておるようなので気をつけられたし、そのような情報提供があったというふうに聞いております。 そういう情報提供があった上で、当社の内部監査室の方で具体的にその一件をサンプリングし、構造の担当と内容をチェックしていった過程で発見した、そういうふうに聞いております。

馬淵委員 今、五件のうち一件が外部情報によるものだ、それは、お名前はおっしゃっていただけませんでしたが、設計会社あるいはその情報を持っている方々が一年前にある検査機関で偽造を見た、そしてそれを隠ぺいした、それが姉歯さんなので気をつけられたし、こういう情報が来たというお話と承りましたが、つまり、一年前に既にこういった状況が業界の中では散見されていた、こういうことでしょうか。お答えください。

藤田参考人 私が知る限りにおいて、このような状況、事態が散見されるということは決してありません。 建築業界に携わるほとんどの者が善良な技術者であります。このようなことが行われるのは心の犯罪だと思っております。 制度上の問題、制度上の不備があるという点については本省及び立法府のもとで議論されることでありますので、私は建築に携わる者として、大きな仕事なんです、一つ一つの仕事が。そのためには、信頼関係を前提にしなければできません。信頼関係が、資格制度であったり、人間と人間との……(馬淵委員「まだです。認識については結構ですから」と呼ぶ)はい、済みません。

馬淵委員 一年ほど前に隠ぺいしたという、その検査機関というのはどちらなんですか。お答えいただけますか。

藤田参考人 私自身がその情報を確認したわけではないです、聞いた話です。本人が後日来たんです。今から約一週間ほど前に来まして、実は、社長さんは知っていたんですか、この情報は、ということで聞きました。 その機関の名前は、民間の最大手の機関でありますが、名前を言うことがその会社の不名誉になるかどうかわかりませんけれども、日本ERIという会社です。日本ERIさんの方は、本日の時点で16件の偽造があったという公表をされております。 この偽造が簡単に見抜けると皆さん……(馬淵委員「いいです、わかりました」と呼ぶ)よろしいですか。

馬淵委員 また今一つ新しいことをお聞かせいただきました。 一年前に日本ERIさんが、これは藤田参考人が間接的に聞いた情報だという前提でありますが、そのようなことを、直接その情報をいただいた方がかかわって、そしてそれを、姉歯さんの物件だということだったが隠ぺいをされた、気をつけられたしということだと今確認ができました。 そして、それを受けて、藤田参考人、社長が、その偽装が10月20日の内部監査で明らかになった、その段階でどういう御指示を出されましたか。端的にお答えください。

藤田参考人 もし偽造意図的に人為的に行われるのであれば、一番利益を得るのであるディベロッパーさんがであろうということで、ヒューザーさんの物件、うちで申請を受け付けた物件すべてにおいて同様な審査を、偽造の可能性の有無についての調査をするように指示を出しました。

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