耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました   home
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    163-衆-国土交通委員会-9号 平成17年12月07日

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鈴木参考人 はい。

 私も、こういうような事件、組織的、計画的な犯罪が行われた、それが非常に、建築物、住宅という重要な分野で行われたということは、大変驚いておりまして、残念でございます。それに一端にかかわる者として、そういうことを未然に防ぐことができなかったということについては、大変残念に思いますし、反省もしております。

 今後、全体の審査、検査のシステムをどう構築していくか、改めていくかということ、これは、私どもの会社でもそうでございますし、全体としてもそういうことは言えると思います。それから、技術者の資質向上ということも大事なことだと思います。

 今のところ、私は、私どもの審査、検査に法的な過失があったとは私自身は考えておりませんけれども、さらに今後、そういうような調査が進みまして、必要な責任をとらなければならないというときは、誠心誠意そういう方向で対処してまいりたいというふうに思っております。

松本(文)委員 ありがとうございました。


林委員長 佐藤茂樹君。

佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。

 この問題、日を追うごとに新事実がもう毎日のように出てまいりまして、マンションやホテルなどの耐震強度を偽装したこの問題というのは、本当に底知れぬ広がりを見せているわけでございます。

 私ども公明党も、今回の事件を受けて直ちに耐震構造設計偽造問題対策本部を設置いたしまして、まず最優先すべきは、居住者の皆様の安全確保、そして二番目に、居住者の皆さんの、ローンも含めた安定の確保、三番目に、今回の事件の真相の究明と責任の明確化というものをやらなければいけない、四つ目には、その上に立って、再発防止策、二度とこのような事件を起こしてはいけない、そのような四点を強調しながら対策を打ってまいりますし、これからもしっかりと取り組んでまいりたい、そのように考えているわけでございます。

 ただ、今回、この委員会で、その三つ目の、真相究明、責任がどこにあるのか、その所在の明確化を図ろうということで実は当初からこの参考人質疑が設置されたと思うんですけれども、残念ながら、この肝心の、今回の問題の張本人である姉歯建築士と、そして、いわゆる今回の黒幕である、そのように報道されております総研の内河所長が、両方とも体調不良ということでこの参考人招致に応じられなかったことは、私は残念でなりません。これは、私ども委員だけではなくて、国民の皆さんが恐らくそのように見て、このテレビで御拝見になっているんじゃないか、そのように考えるわけでございます。

 私は、今回のこの張本人である姉歯建築士は、少々体調が不良とかそんなことを言っている状況じゃないと思うんです。現に被害に遭われたマンションの皆さんというのは、毎日大変な、精神的にも肉体的にも苦痛の中で毎日生活をされているわけでございまして、今回、このような、国民の生命と財産を本当に脅かすような、そういう安心、安全の社会を覆すような、そういう社会的問題を起こしたこの姉歯建築士でございますから、ぜひ、一かけらの良心があるならば、この公の場に出てきて真相を明らかにしていただきたい、そのように私は訴えるものでございます。

 特に、この姉歯氏は、最初、報道に対して自宅前で私だけの責任ではない、そのような意味深なことを言われているわけでございます。ぜひこの場に出てきていただいて全容を解明するような、そういうことをしていただきたい。ぜひ私は、姉歯建築士の証人喚問を委員長にお訴えするものであります。お取り計らいをよろしくお願い申し上げます。

林委員長 理事会で協議をいたします。


佐藤(茂)委員 そこで、きょうは三名の参考人の方に来ていただいておるわけでございますけれども、もう、先ほどの同僚議員の質問、大変細かく話があったわけでございますが、なるべく重ならないようにしながら御質問をさせていただきたい、そのように思うわけでございます。

 まず、きょう来ていただいた渡辺参考人にお聞きをしたいと思うんですけれども、あなたが一年半以上前に今回のこの姉歯建築士の偽造を見抜かれた、これは、後でまた細かい話はお聞きしますが、しかしながら、結果的に、1年半以上たって、その姉歯建築士がそのまま仕事をしていたがゆえに、何と、私が国交省の資料で見ただけでも、わかっている範囲でも、その一年半以上の間に16棟、新たなマンション、またホテルというものが実は建築されている、それだけ被害が拡大するような状況が放置されておった。

 そういうことに、あなたも多分、二回目の今回見抜いたことによって気づかれたと思うんですけれども、どのような感想を今お持ちですか。率直にお聞きしたいと思います。

渡辺参考人 一年半前のときにもう一歩踏み込めばよかった、今となっては、もう一歩踏み込んで強く指摘すればよかったと私も反省しています。

佐藤(茂)委員 それで、今回のこの一年半前のことで、もう先ほど松本委員の方から相当詳しくあったと思うんですが、日本ERIさんがまず建築確認をおろしておられるわけですね、一月に。ところが、あなたに依頼された、参考人に依頼された横浜市のこの設計事務所、千葉設計事務所さんは、どういうわけでその一たん建築確認がおりているものをあなたにもう一度見てくれ、そういうように言われたのか。わかる範囲で結構ですから、詳しく御説明いただきたいと思います。

渡辺参考人 その一年半前の物件は、当初、私の会社でやる予定でした。それを途中から姉歯さんということになったので。姉歯さんは一人でやっているということで監理は受けないということだったので、それが私にまた監理で回ってきました。そういうことです。

佐藤(茂)委員 そういうことはよくあることなんでしょうか。実際、ずっと今まで長年仕事をされていると思うんですけれども、そういう、別々にそういうことを行うということはよくあることなんでしょうか

渡辺参考人 はい、あります。

佐藤(茂)委員 しかし、それぞれ分かれておりまして、要するに、横浜の設計事務所の方は、何かやはりおかしいということを気づかれたからもう一度見てくれということを言われたんでしょうか。その辺、ちょっともう一回確認をしたいと思います。

渡辺参考人 建物を計画するときに、仮定断面という形で柱とはりの大きさを大体決めるんですよ。それは当初私がやっていました。ただ、姉歯さんから出てきた断面が私のより小さかったもので、それで疑問に思ったんだと思います

佐藤(茂)委員 今思い出される範囲で結構なんですが、要するに、どれぐらい違いがあったのか、簡単に、素人にもわかるように言っていただけますでしょうか。

渡辺参考人 柱の大きさは普通の階ではそんなに変わらなかったんですけれども、はり成が五センチ、十センチ、成が大きければ大きいほど耐力が大きく出ますから、その成がかなり違いました

佐藤(茂)委員 それで、偽造がわかって、姉歯建築士に直接言われたときに、外注に仕事を任せた、そういう話を姉歯建築士はあのとき言いわけとしてされたと思うんですが、そういう、構造設計士がさらに外注にするということも業態の常としてあることなんでしょうか。その言いわけを聞かれたときに、ああ、そういうこともあるのかな、そう思われたのかどうか、ちょっと確認をしておきたいと思います。

渡辺参考人 はい、外注に出すこともあります。ただ、自分のところから出ていく物件に関しては、その外注さんのやった物件を必ず自分の会社でチェックをして納品するというのが常識だと思います。

佐藤(茂)委員 ですから、言葉じりはそういう言い逃れをしたけれども、責任はやはり、外注を頼んだとしても、姉歯設計士に責任があるということですね。

渡辺参考人 はい、当然あると思います。

佐藤(茂)委員 そのときの姉歯設計士の、会われたときに出された名刺でございますが、これはどういう肩書の名刺を出されたのか、覚えておられたら、渡辺参考人、お答えいただきたいと思います。

渡辺参考人 最初は平成設計さんの名刺で姉歯さんの名前でした。技術的な話をするのはやはり個人個人の話になりますので、姉歯さんの事務所の名刺も私はいただきました。二枚いただきました。

佐藤(茂)委員 要するに、あるときは平成設計の姉歯秀次、そしてまたあるときには姉歯設計事務所の姉歯秀次、そういう二つの立場を使って仕事をしておったということが今の渡辺参考人の話からもわかるんじゃないのかな、そのように考えるわけでございます。

 それで、あなたが、これはまずいということで、日本ERIさんに、先ほどの話ですと担当官の方に言われた言葉でございますが、具体的にどういうことをこの担当官に言われたのか、再度、なるべく思い出して詳しく答えていただきたいと思います。

渡辺参考人 技術的な内容を説明した後に、これをほかでやっていたら大変なことになりますよ、調べてみたらいいんじゃないですかということを言いました。

佐藤(茂)委員 要するに、まあ勘だと思うんですけれども、このようなことが、同じようなことが、ほかでやっていたら大変なのでほかの物件も調べてみてはどうか、そういうことを言われたと思うんですが、それで、その担当官はその後、担当官であれ、どなたか別の方でもいいんですけれども、そう言われたあなたに対して、日本ERI側はその後何か返事をされてきましたでしょうか。

渡辺参考人 いえ、何も返事はございません


佐藤(茂)委員 それで、日本ERIの鈴木参考人にお尋ねをしたいと思うんですけれども、あなた自身も出られた会見によりますと、その社員が上司に報告しなかった、そういう話をされているんですけれども、それは、だから隠ぺいではないんだ、そういうように言われているんですが、隠ぺいではないんだ、そう国民が納得するような、そういう根拠、証拠というのはあるんですか。要するに、言葉を信じろということだけなのか。

 よくあることなんですけれども、社内的に、取り繕うために、一人の社員を悪者にしてしまえば会社を守れる、だからちょっと涙をのんでくれ、そういうことも十分できることなんですよ、会社という組織は。だから、これは隠ぺいではなくて、ただその社員が上に上げなかったんだという何か根拠、証拠は明確なものはあるんですか。

鈴木参考人 当社には事故・苦情報告制度というのがございまして、少なくともそれには上がってきませんでした。
 そういうことで、具体的にそういうことが上に上がらなかったということでございます。

佐藤(茂)委員 私はそこがよくわからぬ。そのような人命にかかわる大変な偽造がされていたそれが外部からの情報によってわかったその情報がなぜ上司に上がっていかないのか。そういう組織的な構造なんですか、あなたの会社は。もう一度御答弁いただきたいと思います。

鈴木参考人 その当時は、現在ですと、偽造ですとか改ざんですとか、そういうことにすぐ思い当たると思いますが、一年半前の段階では、設計士が正しい設計をし正しい計算をしてくるということが当たり前のようにといいますか、当然のように受けとめておりましたので、それについてまさか偽造があるというふうには思い至らなかった。設計がミスがあったとか、あるいは計算の間違いがあったというふうに受けとめたと聞いております。

佐藤(茂)委員 今の答弁では、我々委員もさることながら、今回被害を受けられた居住者の皆さんなんかは絶対納得できませんよこれだったら指定検査機関要らない、トンネル機関じゃないか、そう言われても仕方がないわけで、やはり私はもっと納得のいく話をしているんです。

 さらに不思議なのは、この物件は、先ほどからの話がありましたけれども、一たん建築確認を認められておられたのを取り消されて、そして設計がやり直されて計画変更されているんですね。これは大変な大きな変更だと思うんですね。

 ところが、社内で、その担当官だけじゃなくて上司も含めて、なぜ計画が変更されたのか、そういう理由も聞かれなかったんですか。あなたの会社はそういう体質なんですか。そこのところをぜひ納得のいく説明をしていただきたいと思います。

鈴木参考人 平成16年に最初の確認をおろしましたが、それから16年4月計画変更の確認をおろしました。そのときに、手続上は、最初の確認が取り消された後に次のをおろすということではございませんで、最初の確認はそのままである、計画変更の確認をする、そうすると自動的に以前のものは無効になるという制度でございます。

佐藤(茂)委員 だから、そういう手続的なことを聞いているんじゃなくて、社内的に、その担当官一人で全部そういう形のものを手続的にやっていって許されるような形態をとっているのか、それとも、やはり大きな変更だ、そういうものについてはきちっと上司がひとつチェックする、または報告を受ける、そういう体質になっていたのかどうか、そういうことを私は聞いているわけです。

鈴木参考人 確認の審査は、4名のチームで行います。確認検査員という資格を持った者が全体の指揮をとりまして、その下に意匠、構造、設備の者が技術的なチェックを行います。それで順番に回っていきますし、その上にさらに決裁権者がおりまして、全体の決裁をするということでございます。

 それで、確かに、そういうような変更があったときに、この変更自身というのは、今回が特異なことではございませんで、日常的にたくさんございます。ですから、そういうときに、先ほども申し上げましたけれども、これが偽造であるとか不正であるとかということに少しでも思い当たったら、そういうことは当社の社員は必ず上げてきます。ですけれども、そういうことに思い至らなかった、これがもう返す返すも残念でございまして、私も会社のあり方として反省しているところでございます。

佐藤(茂)委員 私は、今後、社内体制、反省されていると思うんですけれども、機関なんですから、やはりしっかりと組織的な対応がきちっとできる、そういうものにしなければ、これはもう全然、この二重チェックのシステムが何にも働かない、そういうメカニズムになってしまう。そのことだけお訴えしておきたいと思います。

 それで、あと二、三分あるんですけれども、イーホームズの藤田社長に私はお聞きしたいんですけれども、あなたは前参考人質疑のときに、今回の10月の発見と言われました。要は、内部監査で発見したんだ、そういうことを大見え切って言われた

 その前には、どう言っていたか。「その件については一年前に隠ぺいされたということだったと聞いております。近ごろイーホームズさんの方でも姉歯さんの物件を数物件、審査をおろしておるようなので気をつけられたし、そのような情報提供があったというふうに聞いております。 そういう情報提供があった上で、当社の内部監査室の方で具体的にその一件をサンプリングし、構造の担当と内容をチェックしていった過程で発見した、そういうふうに聞いております。」

 しかし、ここには全く明らかにされていない事実があって、きょう来られている渡辺社長が、実は本当は発見をされて、見抜かれて、あなたの会社に持ち込まれた

建築確認時にも、あなたの会社は全然見抜けなかった情報提供があって、再度確認してみてはどうですかと言われて、再度確認したにもかかわらず、あなたの会社は見抜けなかったんでしょう。そして、見抜けなかったがゆえに、納得のいかない渡辺さんがわざわざ乗り込んできて、そして具体的な偽造箇所を指南されて初めてわかったというのが事実じゃないんですか。
 ちょっと藤田社長、事実関係を明確にしてください。

藤田参考人 今のおっしゃられたことは、私が認識している、また会社で認識している事実とは違います。

 私が、こちらにいらっしゃるアトラス設計の渡辺社長と会ったのは、11月21日なんです。次官発表の翌週の月曜日に渡辺社長が来られて、社長さん、知っていましたかと聞いたのが。ですから、もう一カ月後です。その上で、社内で事実確認をしました。内部監査ということが実施されたという事実がまずございます。それは10月の20日です。

 その前に、10月の18日に、当社の社員が前職においてアトラス設計の渡辺さんと仕事をした経験もあって、信頼関係もあるということで、渡辺さんの方からその当社の社員に対して、姉歯さんという物件の、危険な物件があるから見た方がいいという連絡が入ったということです。ただ、電話を受けた人間は意匠担当、意匠の設計ですので、やはりよくぴんとこなかったということです。そうこうしているうちに、10月の21日に改めて渡辺さんが来て、見たと。

 ただ、その前提で、10月18日、うちの社員が電話を受けていましたので、そういううわさが社内にあったわけです。そういうことで、内部監査の方でサンプリングの対象の一つに加えた理由がヒューザーさんの物件だったということです。

 そこでは、明確に偽造がわかったというふうなことではなくて、構造の担当に聞いたところ、通常の確認検査業務ではチェックする事項でないところなんですが、やはり疑義があるんじゃないか、そういうようなことがございました。

通常の審査業務というと、先ほど皆さんのお手元に配っておりますけれども、行政でチェックするべき事項というのが列挙されておるわけです。この列挙事項すべてをチェックしても、偽造は今回のは見抜けなかったんです。これは事実であります。まずこれが一つです。
 事実確認といえば20日で、ただ、再調査が必要であるということだったので……

林委員長 参考人は簡明に答弁願います。

藤田参考人 はい。
 21日渡辺さんが来て、より具体的にわかったということが事実の経過であります。翌22日ヒューザー社に対して通報したということが一つでございます。

佐藤(茂)委員 今の藤田社長の御答弁では、渡辺社長の発言として出回っている報道と全く違いますので、本当は質問をしたいところでございますが、時間が参りましたので終わらせていただきます。
 ありがとうございました。


林委員長 長安豊君。

長安委員 民主党の長安豊でございます。

 まずは、本日お越しくださいましたアトラス設計の渡辺さん、この参考人の場に告発というお立場で勇気を持って御参加いただけたことに心より敬意を表したいと思います。ありがとうございます。

 また、今回のこの姉歯設計士による耐震偽造、構造計算書の偽造の問題です。これは、今多くの問題、欠陥があると言われているマンションにお住まいの方々を不安に陥れているわけであります。私も、その方々のことを考えると、いたたまれないというのが正直なところでございます。また、それだけではなくて、全国のマンションにお住まいの方々が、うちのマンションは大丈夫なのかという不安に駆られているというのも現状であります。

 そういう中にあって、昨日、政府が支援策を発表したわけであります。これは、確かに、この支援策が出たことによって一定のその方々の不安というのが解消されたのではないかと思う反面、私は、その支援策と同時に必要なのは、今回の構造計算書の偽造の問題というのがどういう経緯で行われたのか、また、これは恒常的に行われていることじゃないのかほかの設計士、ほかの施工会社も行っていることじゃないのかということの究明をまずしなければならない。

今回のことに関して言いますと、しっかりとそれぞれの当事者の責任を明確にして、その当事者がまず被害をこうむった方々に何ができるのかということを見きわめなければならない、その上で国がどういった支援をしていくのかということを考えなければならないと私は思っております。

 そういう中にあって、今回、きょう、先週に続いて二回目の参考人質疑が行われて、姉歯設計士また総研の内河所長をお呼びして、その全体の究明を行おうとしたにもかかわらず、姉歯設計士に至っては二度にもわたる、無断ではないですけれども、事前に連絡があって、当日にあったわけですけれども、精神的重圧が強いということで欠席された。また、内河健さんについては、心臓に、血管に血が詰まる感じがするというようなお話があったというようなことを仄聞しておりますけれども、そういった理由で本日欠席されたわけであります。

 一番キーとなるお二人が欠席されたということは、本当に残念でならない。きょうテレビをごらんになっている国民の皆さん方は、何をやっているんだ、本当の責任者は何で出てこないんだ、そういう怒りが皆さんの中に渦巻いているのではないかと思っております。

 私もぜひ委員長に申し上げたい。この内河さん及び姉歯設計士及び木村建設を含めた関係者、皆さんを一堂に証人として呼んで証人喚問するということを理事会で協議いただき、実現していただきたいと思います。

林委員長 理事会で協議します。


長安委員 お願いいたします。

 それでは、まず御質問の方をさせていただきます。
 先ほどアトラスの渡辺設計士の方からお話がございました。日本ERIさんの方に、偽造の疑いがあるということで、注意されたしというお話をされたわけであります。その渡辺さんのお話では、構造設計の方にお伝えしたというお話でございましたよね。その方から、日本ERIさんの中では、社内的にしっかりと情報が上がってこなかったというお話がございました。

 しかしながら、私、先ほども質問を聞いておりまして、一つ疑問を覚えたことがございます。
 今回の構造計算書は、日本ERIさんは、当初偽造ではないと思った、単なる何かのミスで計算間違いか何かかという印象を持たれたというお話がございましたけれども、この物件について確認申請がおりた、おりた後、再度、計画変更の申請も出てきた、出てきた後に当然確認申請がおりたわけでございますよね。

それが、同じ物件に対して構造上の問題で再度計画変更がなされたということに対して、先ほどの社長の御答弁では、そういうことは上がってこなかった、また、今回のことはただ単に新しい申請だからというとらえ方をされているというお話をされておりました。
 社長はそういう御認識だということでございますけれども、イーホームズの藤田社長にお伺いしたい。

 そのような、同じ物件に対して計画変更がなされたということに対して、会社として、ただ単に一担当者じゃなくて、会社として、おかしい、何があったのかということを究明するような状況に検査会社一般としてはないのかどうか、お答えいただけますでしょうか。

藤田参考人 一たん出された確認を取り消す権限は、指定機関にはないんです。ですから、もし偽造であったものであれば、特定行政庁に通知して、建築基準法九条によって特定行政庁が取り消さなければいけないんです。ですから、計画変更を行うということは、実態として本来できないというふうに私は考えております。

 私自身が、さきの答弁でも申しましたが、10月27日にヒューザー社に行って小嶋社長から言われた件が、現在着工中の物件、北千住を含めて、また船橋を含めて4物件について、確認の出し直しであるとか設計変更等の図面上の是正だけを行って、実際の工事については特に何も言わなかったんですけれども、そのようなことは、うそをうそで塗り固めるようなことですので、法的にはできないはずだと。

ですから、通知したんです。通報したんです。国交省に通報して、特定行政庁に通知して、特定行政庁によって取り消されるべき確認であるわけです。
 私はそのように理解しております。

長安委員 ちょっと、ちゃんと真意が伝わらなかったと思います。

 そうではなくて、同じ建物に対して、一度確認申請がおりたものに対して、再度、構造上の問題ということで確認申請が出されたというわけですよね。

そういうときに、では、何がおかしかったんだろうと当然、前の確認申請のものと新しいものを比較するというのは、検査会社としては当然の責務だと私は感じるわけなんですけれども、そういったことが日本ERIさんでは全くなされなかったわけですよね。

 イーホームズさんの場合、そのようなことがあったら、通常どういう手続で、これはおかしいんじゃないかということを発見することができるのか。あるいは、そういう場合でも、やはりERIさんと同じように、発見はできないんだというお話なのか。それをちょっとお伺いしたいと思います。

藤田参考人 我々は、10月20日の内部監査、10月21日渡辺さんからの説明で具体的に偽造を認識したわけです。

大変な騒動になりました、社内においては、構造設計の人間はもう本当に激して。そういったこともありましたので、すぐに私の方に報告がされて、これは特定行政庁に通知して取り消すべきものであると。ただ、申請者の意思をまず確認しようということ、これは、さきの答弁でも述べた経緯なんですけれども。

 その後は、もう渡辺さんからの指摘も受けなくて、通常は確認検査業務でも見ないような、そういったところを見、また偽装の具体的な事実はわからないんです、私たちでも。可能性を指摘するだけなんですね

偽造が結局どういうふうに行われたか、また、どの程度の低減なのかというのは、再計算をしなければいけないし、再設計をしなければいけなくてこれは設計業務に該当しますので、私ども指定機関は法に基づいて禁止されているんです。ですから、偽造自体は、私たちは正確にはできません、法的に、わかるということが。こういったことも、ぜひ国民の皆様にも御理解いただきたいと思います。


長安委員 今の藤田社長のお話でも具体的にちょっと私も理解できないんですが、要は、日本ERIさんの中で、再度計画変更を、建築確認を出されたときに、前回のものと構造上の問題があったからということで出されたわけですから、当然、では何が変わったのか、そういう意識で図面、設計図を見られるはずなんですね。おのずと、先ほどもお話ございましたように、鉄筋の数が違う、太さも違う、では、今までのものは何だったんだ、我々のチェックがしっかりと行き届いているのかという、当然、疑問を持つのが一般の会社の感覚ではないかなと思います。

 それが、今お話ありましたように、一担当者がしたからわからないんだ、それは、経営者としては私は失格だと思います。会社が建築確認を出したわけですから、会社の責任として、当然社長がそれを、できなかったということの責任は免れない、これは大きな責任だと私は思っております。

 先ほど、法的に問題はないんだというお話がございましたけれども、確かに、法的に現在ではないかもしれません。ただ、道義的には大きな問題があったと言わざるを得ません。これが、もしその段階でERIさんが、偽造ということが一般的に行われているんじゃないか、あるいは多々行われているんじゃないかということを発見していれば、その後に10件以上の建物がもう確認が出されて建っているわけです、その人たちが被害をこうむらなかったということを考えれば、大きな問題であったと思います。

 私、先週の参考人質疑、また今回の参考人質疑を見ておりますと、各当事者がお互い責任を、うちは責任がないんだ、うちは責任がないんだというやり方をされているという感がしてならない。おまけに、今回、その当事者である、一番の当事者の姉歯さん、また内河さんも来られなかった。

 おまけに、国土交通省もそうです。今回来られなかった姉歯さんの聴聞を国土交通省はしております。その聴聞の議事録すら出てこない

今回のこの質問に対して、私は、国土交通省に対して、その聴聞の内容を教えてくれ、議事録を見せてくれというお話をさせていただきました。そうしたら、月曜日の段階で、議事録はありませんという回答です。その後で、そんなはずはない、議事録をとっていないわけがないだろうというお話をしたら、要旨なら出せます、御本人は要旨を出すのは了解していますので要旨は出せますと、要旨は出てくる。

 果たして本当に国土交通省も含めて当事者が原因を究明しようという意思があるのかということに、本当に疑問を感じざるを得ないというのが今の状況であります。



 では、イーホームズの藤田社長にさらにお伺いしたいと思います。

 そもそも、イーホームズの、内部監査で偽造の可能性があるものをサンプリングして調査しようということになったのが10月6日だったと思います。――20日ですか。10月6日にサンプルを……(藤田参考人「いや、それはスタートした時点です」と呼ぶ)スタートしたんですね。内部監査をスタートされたという時点だと思います。

 一方で、10月7日には、翌日ですね、その翌日にはイーホームズさんの社内の方から国土交通省に対して内部告発されている。それは何かというと、イーホームズさんの帳簿に不備があるというような告発がされている。また、10月の24日に、イーホームズさんが、先ほど言いましたように、国土交通省から立入検査を受けられておりますよね。立入検査を受けられた後、後というかその24日当日に、国土交通省さんに、偽造の可能性があるということがもうその時点で判明していたので伝えたということがマスコミ等でも報道されておりますけれども、その辺の事実について、また、どなたに伝えたのかもお話しいただけますでしょうか。

藤田参考人 このたびの偽造を、わかったということで、10月22日の土曜日に、ヒューザー社に対して当社の危機管理室の責任者から電話を入れました

翌週月曜日に至急こちらに来て打ち合わせをしたいというのが24日だったのです。ただ、24日朝に国土交通省から、緊急立入検査ということが連絡が9時半にございまして、10時からかなり夜遅くまでずっとありましたので、ですから、ヒューザーさんや姉歯さん、姉歯さんというかヒューザーさんとスペース……(長安委員「どなたかに言ったのか、言っていないのか」と呼ぶ)はい。

 それで、10月24日の立入検査の終わり、総評、確認書を締結した後に、うちの危機管理室の人間から、来られていた本省の建築指導課企画係長の方と指導係長の方に口頭で

、当社で確認をおろした物件に構造上疑義のある物件がございます、明日関係者を呼んでおりますので、その確認の上、御連絡を改めてします


、そのような内容で言ったのを私も聞いております。
 私自身が報告したのは二十六日のメールです、経過を確認して。

長安委員 今の危機管理室長というのは、では、真霜さんという了解でよろしいですか。

藤田参考人 はい、そのとおりです。

長安委員 先週の参考人質疑から考えますと、藤田社長からEメールを受けたときに国土交通省は初めて知った、知ったけれども、省内で検討した結果、これは民民の問題で、当事者と話をしてくれということでメールの返事が返ってきたという回答でした。というのは、つまり、24日に国土交通省に藤田社長のイーホームズさんの真霜危機管理室長の方からお話しされたにもかかわらず、実は国土交通省はそのことを聞いていないというような答弁をされていたわけです。

 それはちょっと、もしかしたらずれがあるのではないかと私は思うわけですけれども、24日に確かに申されたというのは、きょう真霜さんが随行という形で来られていますけれども、間違いございませんか。

藤田参考人 10月24日のそのとき申したのは、偽造があったということではなくて疑義があるという言い方です。ですから、内容を確認した上で本省に改めて報告するということでしたので、偽造があるという指摘を御報告したわけではございません。疑義があるということで真霜の方が言っております。

偽造があるという形で言ったのは、26日の私のメールが第一報だというふうに私は認識しております。

長安委員 偽造があると言ったか疑義があると言ったか、いずれにせよ、監督官庁としては、そのような問題があったときには速やかに対応しなければならないという認識で私はおります。

その後も、なかなか役所の方に対しては、のらりくらりの対応であったというのは、藤田さんのさまざまなところでの発言からも仄聞しておりますし、また、ここまで時間がたってもなかなか事態が究明できないというのも、それも一つの要因ではないかなと思っております。


 本日お呼びしていた総研の内河所長についてですけれども、私は一つ皆様にお話ししなければならないと思います。この総研という会社を調べてみれば調べてみるほど、やみが深い、不思議なことが多過ぎる

 その一つが、この総研という会社のホームページを私は拝見させていただきました。この総研という会社の関連会社等も当初は出ておりました。それがこの事件が発覚してから改ざんされている、まあ、改ざんというか消されている。関連会社が削除されている。それはなぜか。私はずっと考えておりました。

 ある情報がありまして、実用新案の登録証というのを入手いたしました。この実用新案というのは何かというと、ウエットエリア・ユニットというものをつくって、水回りのものをユニットでつくってやれば建築工法が安く上がるという実用新案を出されているわけですけれども、その実権者が、総研の関連会社に載っていたエス・ジー通商株式会社という会社と、もう一つ、木村建設になっている。

実用新案をこの二社が実権者として申請しているわけです。これを考えると、やはり木村建設と総研の深い、これは一体ではなかったのかということが言えるのではないかと思っております。

 それともう一つ。これは会社名はあえて控えさせていただきますけれども、K社。K社のホームページを見ますと、そのK社の役員の方と、またチーフコンサルタントというのがおります。この役員の方は、実は、あの長野県で営業を今中止しておりますホテルの建設に当たった建設会社の社長と同名になっている。また、そのチーフコンサルタントは総研さんのチーフコンサルタントと同じ方がやっている。つまり、これだけの、耐震偽造の問題には常になぜか木村建設と総研さんの人間がかかわっているという構図になるのではないかと思います。

 この辺の詳しい話は私の次に質問させていただきます馬淵委員の方からお話しさせていただくと思いますけれども、この究明のためにも、ぜひ、先ほども申し上げましたが、証人喚問として、関係者を一堂に会していただいて質疑する場を設けていただきたいということを申し上げまして、私のきょうの質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。

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