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 設計を依頼される以前に酔った勢いで暗闇の中を「定年後に家を建てる」と言って案内されたことがあった。整然と配置された住宅地は全国のいたる所でで見受けることが出来た。平凡な光を放してはいたのだが、その何気ない光彩がとても痛かった。 その後10年ほど経っていただろうか、家を設計することになった。
 
定年後の生活などない建築家がうまくその意を聞くことができたかどうかである。 ご夫妻はいつもプロ野球選手の息子さんの話をしてくれたので、全体を民家と球場の合成型(?)とし定年後の生活を受け止めることにした。民家と球場の間には星を見る塔が生まれた。
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