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 家系は良いが貧乏な陶芸家である彼が、作品の展示場兼住居をつくろーと言い出して計画した建築である。貧しいとは言うが賃労働をしないだけである。彼は自分のためと家族のためにのみ時間を使い切り死んで行った。

 図面や確認申請、工事金額等の建築に向けて諸処の手続きがすんだある日彼は病に犯され倒れた。手術やホスピスなどと、数年の歳月を費やした後若くして死んで行った。

 闘病生活の間に工事開始の話が何度かあったが、その話を壊し続けた。

 人はいつでも死ぬのだから展示場を死後の住居とすればよかったのだが、墓であれば石の墓標のように、使える隙間がないのがいいのだ。世界の遺跡を訪ね体験した上で想ったことです。
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