槻橋修さん 最初の建築 体験記       home  

   AM8:30〜  AM10:30〜  AM 11:00〜  AM 11:15〜  まとめ  


AM 11:00〜


内部を見学した後でもなく、平面図などの資料をいただいて鑑賞したわけでもないが、外観に接した気配だと 多分 平面計画もシンプルなものではないだろうか・・と思っい眺めていた。建築物の全体の構造を支える工法はどんな具合になっているのだろか。木造なのだろうか鉄骨なのだろうか外観からは察することが出来ない。そろそろ内部を見学させていただく準備にかかりましょう・・(笑)



玄関 東面のニッチ状のあたり 

雛段状に造成されたその土地の 平面は天辺が潰された蒲鉾状のようだ。蒲鉾状の天辺のやや南東よりの一部で 急な坂道と高さが合う。こからのみその土地に渡り入ることが出来る。他は上・下に擁壁が取り囲んでいる。

建物は真っ直ぐな西側の境界線から1mほど離し平行に台形平面が配置されている。おおよそ1階は5m短辺・7m長辺×15m ほどの台形だろうか。 2階が5m長辺4m短辺×15mほどの台形が積み重なっているようだ。

台形状の平面が配置されることによって潰れたような蒲鉾の天辺の捻れた余地が駐車場になるのだろう。コンクリートが打ち込んである。勢いよく下る坂道の黒くざらついた舗装面 と今打ち上げたばかりのような白く反射しコンクリトの舗装の不整形で表面のうねった様との対比が楽しく美しい。白い輝きが駐車場である敷地部の尖端が わずかに 宙に浮かんだような印象を与え 少々の緊張感もある。移動に伴う感覚は 斜面を滑り降り崖っプチで止まらねば谷底へ転落してしまうょ〜・・ぞー・・そんな初心スーキーヤーの緊張感に似ている。雪に埋もれてしまうだろうも 車止めやガードを兼ねた外灯もよい。

白い駐車場と建物の間には4〜50センチの溝が切ってある。 1階東壁のやや南によった中程に1.5坪ほどの玄関ポーチがえぐられていてる。玄関廻りに必用な機能は壁の小口押さえの中にマトメてあるとのこと。

木チップが埋め込んである溝を越えると なめらかに押さられたポーチへ立つことができる。慌て者なら転がりそうな溝をポンと越えるこの行為も なにやら可笑しい。 平らなポーチに立つと コロコロ転げ落ちそうな道の経験から 「ようやく開放されたか〜」のような安心が涌き 踵でコツコツ音をたててみる。

ポーチは門扉代わりとするために 鎖のカーテンを下ろすのだそうで、水切り部分にフックが仕掛け下がっている。「コロコロは終わりよ〜」の感は 鎖のじゃらじゃらした音を伴うことで一層強まることだろう。 槻橋さんはそのレールとつり下げフックを指さしている。

初建築に さりげなく えぐられた玄関ポーチに立ち振り返ると、東に 広がる水平線。 遠くアメリカ大陸まで届きそうな気配だ () もはや日本はアメリカ、牛肉などの食いものや 2×4構造を持ち出すまでもなく 戦略支配されちゃってはいるが、支配構造は見えぬも なにかが 見える気分が するす()。 過ぎ去った世の人々も、遠き未来の人々にも ここにある海域を介し広大に繋がり行く世界の存在を想うことだろう。また 多様な欲望が渦巻き、混交しつづける町の有様から 一気に開放されたかのような安楽さ が・・目の前の視界の様は 気持ちがよく ザララリと苦い味も 同時にする。露天風呂で味わうあの脳天気さとは異なる平安がある。



● いよいよ 入るよ 

 市販品のアルミ扉に温室用建材を貼り仕立てた玄関扉を開くと10帖ほどだろうか ガラ〜んと空っぽ〜の倉庫のような部屋に転がり入ることになった。 部屋の西側奥にある 赤さび色の螺旋階段が目に飛び込んでくる。二階にある赤さび色のリボンがほどけぶらさがり 床面に着くか着かぬかの ふらついた軽さとを うねったささら桁が演出している。

視線は螺旋階段に向ちゃうのだが、足先は 坂道を下ってきたあのアプローチの記憶が残っているので、我が身の重心は自動的に 北奥へ転がりいってしまう。坂道の記憶が身に働いくのでその力に逆らわず そのまま北へ直進してみる。辿り着いたその部屋には洗面器が3台・便器風呂 が置いたまま状態である。白い壁に囲まれ白いビニールのカーテンがフラフラしてて、ここは「設備機器を置いておく部屋かな?!」と思ったりする。

西面には!? さっき通過したばかりの 玄関脇の小さな窓が写っている・のかな〜・・・似たような窓が写っている・・ような気がしてしまう・・むぅむ・・なんの 中 かな〜??・・薄暗いし、近頃 視力が衰えて来ているし〜判らない。坂道で無くなりかけてきた体力使って目眩でもしてるのかな〜・・鏡に映し出された 部屋が 本物となり目の前に出現したかのような気分に襲われる。 しかしな〜  鏡なら自分の姿が映っていてもいいのだが「映ってないぞ」。とうとう呆けたか俺の脳味噌。 苛立ち気味にカメラのシャッターを切ってみる。 ファインダーの中の鏡には洗面器だけが2つ写っている、俺は幽霊のように消えている〜不思議だ。

目眩を起こしていると 鏡の中に 突然、外で外灯設置の指示をだしていたはずの・・槻橋が登場するじゃん?!・・あれあれ・・俺の脇にじゃなくて、鏡に飛び込んじゃったぞ〜。鏡の国の槻橋状態じゃん〜。それに 鏡の中から俺に話しかけてくるぞ〜あれあれ?!・・「これ鏡じゃないの」と質問してみると、そのからくりを 鏡の国から 説明してくてんだけど〜、おれは設備機器置き場に姿を変えた鏡の国の出来事が理解できていない。

その部屋を抜け出し玄関ホールにて振り返ってみる。でも・・あの説明は鏡の中からの声だというきがしていたし 体験記を書いて今でもそのように思い込んでいる。 槻橋さんが指さし、目の前にて出入した その扉を 指さしているんだけど、壁に書かれた扉にしか 思えなくって、そこに入る気が涌かずボンヤリ眺めているだけだった。

玄関に入った途端に異界モードはあったのだが、転がる勢いが余って北奥の壁に跳ね返され戻って来た。 玄関ホール立ってキョロキョロ しばらくしている。 まだ俺は落ち着いてない。玄関の次の間は設備機器置き場で、その奥の部屋には鏡の国があり・・なに!が 起こっているんだ・・さっき 外から眺めた建物は純朴な台形2段重ねだったのに、「中は どない なってんねん!」 。ドナイナッテンネンの世界に 戻って確かめる気は起きない。 



今日は生まれて初めてのインタビューをする日なんだから、サッサと忘れて申し込み準備をしなくっちゃな。

佐藤そんなこんなで30分から40分ほど インタビューに応えていただけないでしょうか
槻橋「「わかりました。外灯取り付け中なのでしばらく待ってもらえますか
佐藤 「ハイハイ お待ちいたします
槻橋「つぎの部屋がキッチンで奥がリビング・・」と言いかけて出て行った。



北奥の部屋から跳ね戻され 玄関ホールから、キッチンらしき部屋、リビングらしき部屋を順に進み体験すると、一つ一つ部屋幅がじわーりじわりと拡張されているので、拡張する〜 世界を通過している様な気分になる。逆にリビングからキッチンそして玄関へ戻ると狭まる〜世界を通過しているような気分になる。

それは平面の南端と北端で2m程だろうか、縮められていている。また 南端の部屋の天井 スコーンと高い。天井の高低調整と、窓による採光の明・暗 調整によってかもしだす。 南端の部屋は 5mチョイの高さの吹き抜けになていて、窓の形状と位置が工夫され 視線が彷徨い 遠くへ抜け出ることが意図されていること とによって さらに強まって 醸し出される。

コロコロ坂道を転がり込み 北奥の鏡の世界のような風呂当たりから はじき出されコロコロと戻りつつ 辿り着く 南奥の部屋には 視線を遠くへと誘導する仕掛けがあり、そこのある一つ一つの 窓は、この敷地の弱点である 南から東へ回り込む道の擁壁に囲まれ閉鎖され 澱みがちな 気配をも ひっくり返し 半壺状の庭の意味を転換し 部屋を拡張しつづける 。

倉庫のような建築 や 転がり落ちたら澱み お陀仏してしまいそうな場に置かれた楽しさや不思議さはそのことによってオカシミへと転換されてしまっている。 建築家っていいんじゃない!と俺は その瞬間に笑ってしまった。

可笑し美が腹から吹き上げてきていて、コロコロと笑う 「きもちいい 部屋だよ〜」しばらく備え付けのソファーに腰掛け そこ ここ にあるコロコロ感を味わっていた。

芯がはずされ配置された 2m角ほどのはめ込み窓は 他者によって刻々と描き続けられている 楽しき現在絵画のようだ。 特に上部1/3が可笑しい。そこは東から南へと上走する舞台で 様は現在舞台となっている。現在絵画の中に置かれた現在舞台は生きている〜。 郵便やさんの赤いバイクが登場したかとおもえば、シャッ金取りに追われるかの様な工事屋さん運転の乱暴な車が 飛び込む。会社で叩かれすぎ とろとろ転がりおちていくような人間が出現したり ・・と実に可笑しい。

また こちらだって負けずに可笑しい。こちらは擁壁が変容した その舞台。 エプロン。 描かれる絵の中身はといえば 互いの影 影は 刻々と変化しつづける ので グーント抽象度の高い映画 になっていしまう。 とんでも可笑しい現実と抽象化された映画の絶妙な バランス が また可笑しいのだ。

天辺のほうには雲と空が現れたり消えたり競っているようだ。「やっぱり 気持ちいい〜 この部屋は〜」 コロコロ 笑った。



● 駆け足で 体験する 2階 

槻橋さんが外に出て 外灯設置工事をしている金物屋さんに再び指示を出し 打ち合わせしてる間に、駆け足で2階の写真を少し撮ることにした。玄関での 説明によると螺旋階はなにやらご自慢らしい。その赤き螺旋階段を上る。

 なんでもない部屋に遭遇する。なんでもないい住宅の 何でもないよな部屋 を 倉庫のような玄関の真上に設置したようだ。北に進むほど縮まる平面に 物入れがはめ込んであるので 何でもない部屋の床面はL型になっている。天井面は北へ向かっ徐々に低くなっているのだが、何でもない雰囲気はそのままだ。

道から見上げた時は気が付かなかったが、東壁に等間隔に配置された窓は室内から見ると天井からぶら下げたように ある。 窓の先には 大きなベランダが設けられている。ベランダに出ると 玄関先で振り返って得た体験が繰り返される。海の先に北アメリカ大陸が見えるか〜 ・・あの海面が再び現れる。なんでもない部屋からは 具体的かつ広大な世界の存在 に かすかに触れることができる。

二階の平面は4つに別れていて、南側が吹き抜け、真ん中が8帖ほどの白い部屋。北側がL字型の部屋。ベランダが東側に南北全面に長〜く 設けてある。

許される2時間。インタビューを1時間ほどすると・・写真を撮ったり 各細部のそれぞれや気分を味わう時間はない。ザット見回し 1階に戻りインタビューの準備をする。


● お洒落 で 倉庫のような玄関ホールに下る。 南側は厨房を兼ねた食堂のようだ。 部屋の中央に南と北の仕切壁まで 4mほどのコンクリートのテーブルが設置されている。 テーブルにはステンレスの流しや電磁調理器が埋め込んである。 床もテーブルもコンクリート押さえに防塵よう塗料が塗ってあるが 色を微妙に変えているので違和感はない。 部屋が南北に長く3分割している 大きなコンクリート製のテーブルの反対側に着きたい場合は 隣の部屋から回り込まなければならない。

インタビュー準備のために 行き来していると 倉庫に接続し調理器が置いてあるかの様な気分になる。そこで煮炊きし「いただきます〜」する ような楽しさ沸き上がる煮込み鍋ふう。 玄関ホールのような部屋に 食材があふれ出すと ますまし楽しさが増すことだろう。が、調理をする者にとっては緊張が強いられることは間違いない。日常への崩れ防止装置が 巧みにしつらえてあるわけだ。三分割し接続され湧き出る意味を 厨房から日常が排除さる仕掛けともいえるので 楽しい。掃除嫌いにゃ〜不似合いともいえるが揺らぎつづける仕掛け(私がそう感じてしまっているだけ 笑)のなかでは面白い。


 ★● 11:15〜に続 へ