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建築家渡辺豊和さと建築あそび  その2

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      ・・緑の丘にドームが付いた外観のスライド・・

これが3番目の建物。あれ建てたから、直ぐ仕事が来るかというとそうでもない。
                会場笑い
ヤツパリ来るわけよ。来るけど こういうことしない。厭だからしないもん。ついに これに近いことやるわけ、そうすると又いなくなるわけ。
               会場笑い
これ1年以上経ってる。3作出来るまで4年かかってる。「最も寡作だ」といわれてた。頼みには一杯来たんです。さっきも言ったように物書きだから。一杯来たんです。全部いなくなるです。
           
     
            
   会場笑い
             
            ・・近づいた外観スライド・・

この建物ね・・。テレビに映しやすいでしょう。テレビドラマの殺人現場になる
              会場大笑い
二度やられた。(大笑い)施主もいい施主だと思うよ。貸すんだから。
             会場 大笑い
ストーリーもちろん知ってるね。怒るもんね。この施主はいい施主。僕の施主は全部いい施主ですけどね。建てさせてくれるわけないからね。

 一等最初の人(1・1/2の施主)は僕が30ちょっと・・超えたばかりで、施主が45でしたかね。お医者さんだっけど。今はビックリしないけど、世界どこ捜しても無いですからね。ところが図面書いて出したら「OK」と言うんです

 僕は断られると思った。「渡辺さんこれ困りますよ」と言うと思ったの。そしたら「いいですよ」と言うんだもの。
 
「アレッ」と思って「ホントかな」と思ったけどそんなら「ヤッタレ!!」と図面書いて行ったね。あるところで言ったことあるの。「吉岡さん・・ところでホントにこれでいいですか」と。「だってあなた建築家でしょう。僕は医者なのに患者に文句言われるとイヤだから、あなただって依頼者にいわれるの厭でしょう」とこう言うわけ。「えっ」そんなんことだったかと。
               会場笑う
ところが建ったら、あの人は目がいいのかなぁー「すごく面白い」と言うんだ。本人はその気が無くて出来たんだけど。スゴーい流行ったんだ。子供が親を連れて来る。
 良く流行るお医者さんだったんだけれど、外科で入院室を持つていたんです。それを止めて、遊びたいもんだから規模縮小したいわけよ。

            会場笑う

逆になつて。「渡辺さんこんなに忙しくするためにあなたに頼んだじゃない」それで流行ったでしょう。「お医者さん紹介してください」と言ったの。そしたら「駄目です」と。「何で駄目か」と聞いた。「あなたみたいな人と付き合える医者は僕だけだ!」と言うの。「絶対ほかは無理だ」と言うの。
                 会場笑い
紹介しません」と。今から思うと良かったと思う。


これは小学校を退職なさつて55かな。京都に住んでた。鞍馬山の奥ですけど。こういう家で、子供を集めて遊びの塾を作った。非常に面白かった。
                会場・・へぇー
             
          ・・南立面のスライド・・

一番最初に戻ってるでしょう。あれほど激しくないけど。これもヨーロッパの雑誌に載ったね。連続して載り続けた。外人が見て面白いんだろうね。


              

             ・・見下げスライド・・

僕の建物は外はそれほどでもないの。これなんか大したことないもん。僕の意識は
              会場笑い
1・1/2でも外は大したこと無いモン。

              会場笑い
僕の意識ではね。
              会場笑い
                
         
            ・・階段スライド・・・

階段で下りていくんですね。階段が好きなんだよ。色んなことやるんだ階段で。最近は規模が大きくなると階段ではしなくなったけどね。
            
      ・・・内部居間スライド・・w:立ち上がり指さす

これ天狗の団扇      と指さす  
               会場笑い
だって鞍馬山の近くだもんね。

佐藤:見学に行ってなんだかわかんなかった、コレ。

これ天狗の団扇やんか。団扇って言ったら可笑しいけど、そう言うイメージね。

             
         ・・・扇型の階段のスライド・・

これが、子供のちっちゃな小劇場を作った。もちろん階段、元々階段なんだけど、手前の方に舞台を作って、観覧席。

s:ここはさっきの居間の下た。床下ね
         ・・・ 「フォー」と会場からため息・・

こいうこと考える人今でもいないけど。石山修武がいつも言ってたけど「渡邊さんとにかく独創的。新しいこと考えるから」事務所にヨー一杯来たんだよ。とにかくネタが一杯有るからね

見せるな」って言うんだ。石山来て・・。盛んに見るわけ。彼は人のまねしないからいいんですよ。あとの人達は真似すんのよ。「絶対見せない方がいいよと」言われた。

            
       
        ・・・その階段を引いて見たスライド・・・

この部屋 なかなかいい感じですよ。子供を遊ばせるのに丁度いい感じするでしょう。子供が喜んでこの階段上がって行くと二人の住居でしょう。上がって行き着くと降りれる。こう、これるようになっている。グリグリグリーと巡れる
             会場 笑う
僕の建物はね、お医者さんの家もそうだけど、僕の家もそうだけど、子供にすごく人気あるんですよ。子供に人気ある建築じゃないと絶対駄目。子供が一番いい目してるもの。
ある有名建築家、一番人気ある建築家は子供に全く人気なくてね・・子供の館作って子供一人も来ないです。

            会場 大笑い
これほんとの話し。閑古鳥啼いてるモン。面白くないモン。真四角の 壁の長ーいもの、
・       ・w氏 両手を広げ真っ直ぐを強調する身体表現をする  会場笑い・・
こどもオモロイか。僕は曲げるモノ
     ・・w氏 s字を描きクネクネと進む動きをする・・  会場笑う
おれのヤツだと曲げるジャない。後で出来るけど。こー曲げる。大きいモン出てきますよ。子供はそのとおり行ってヒョイと上がる。そういう遊びがないと駄目

ヨーロッパの建築は遊んでるじゃない。それからイランなんかもみんなそう。こういう遊び。だから名建築
 
日本の場合は庭とうまくつないで遊ぶでしょう。それはそれですごく良いんだけど。僕は日本流の建築は、若い時からしないでおこうと。日本流で勝負してもローカルにしか成らないから。絶対やらないでおこうと。世界で勝負するためには、世界に通じるモノでないと駄目だというね。和風は一切やりませんけど。

            
    ・・箱形RCの屋根に壇上の屋根がかかるスライド・・

和風やらないで飯喰うのは大変なんですよ。特に関西でしょう。やろうとおもったら巧いと思いますよ。自分でも相当巧いと思う。だけどやらないの。飯くいたいときね今は学校の先生だから良いんだけど。なる前に、何回かやりかけたんよ
               会場笑い
やりかけて結構良いからね。でもね。最後駄目になる。わざとそうするんだけど、こっちの方で断る。

 要するにプチブルなんよ。ホントの金持ちなら良いけど。そのくせ建築の予算ケチるからね。材料はわざと桧はダメで「栂でいい」とやるわけよ。そういうことはよくやったね。それはいい断りかた。建たないでよかっけどね。あれ建ったら「渡辺は偽物だ」と言われた。結局一つもない。最も和風に近いモノは僕の生まれ故郷の角館にあるけど。それにしても全然ちがうよね。

             
     ・・・斜め45度から見たスライド・・

墓をそのまま建築にしようと。そう言と怒られるでしょう。
              会場笑い
施主、ここに何人もいるでしょう。
             会場笑い 
施主釣るのはね。
          会場笑い 施主釣るだって・
施主は金は持ってる 間違いなく。一寸でも安い方がいいじゃない。工事費がやすい方がいいじゃない。700万で25坪。設計料は別よ。今より工事費が安いかな。なるべく真四角が良いじゃない。そのころも安藤忠雄 結構有名になってたから、今ほどじゃなかった。

俺からするとへたくそなんだよな。今ずいぶん巧くなって綺麗ですけどね。その当時そんなんじゃなかったから。理論がないのよなぜあいうことやらなきゃならないかという理論がない。あいつの教育のためにやったみたいなモン。
              会場 わらう
巧いのはあっちのほうがすごく巧いよ。壇上ピラミット状にしてなるべくシンプルにして、部屋なんかほとんど無いわけ。そうすると700万で出来るのよ。
              

       ・・階段の写真・内部見上げの写真・・

何にもないこういう部屋ですからね。これ結構いいですよ。これは標準住宅といつて一杯作るというイメージがあったの。一人一人に作ってあげたら、プレハブとは違うけど。100戸ぐらい出来るんじゃないかと。実際に一つしか建たなかった。図面書いた時は100書いたズァーと。10戸×10戸で100っでしょう。そういう町が出来るって発表して、ですからこれ一つという意味じゃないんですけどね。

                  
            


                         
    
           ・・・切り妻型RC住宅外観・・


これはあの建物見て。あれ画家の建物見て、僕は画家の友達が多いですよね。僕はデザイナー嫌いだから、画家や彫刻家はいい。ファインアーティストはいいけど。もう一人同じぐらいの年の画家。まだ40前ですけど。その時に「あれをやって欲しいけども渡辺さん同じものは厭やで。だけど700万やで」と言うわけ。
            会場笑い
困ったなと思って断ることも出来ないし知ってる人だから。ま、なんとかなるだろうと思って。こっちのほうがひょっとして良いかもしれませんね。

             
        ・・・裏側外観スライド・・

これは非常に複雑な内部してますよ。写真に撮れないので行って見るしかない。外部は極めて単純でしょう。これは極めて単純ですよね。前のこっちの方がもっと単純だけど。ただね、口幅ったいけど若い時から有名に成っちゃつたもんだから。そうするとね常に観客を意識してるんですよ。雑誌に発表するでしょう。評価なんてのはどうでもいいの。人に何いわれてもかまわんけども。ただ観客は一杯いないと楽しくないじゃないじゃない
             会場 笑い
渡辺豊和は「どれだけ単純なことが出来るかを見せるぜ」って感じだったわけよ。だけど「最後まで単純なことやらないぜ

      

           ・・内部・・

             会場ウフエー
内部複雑ですよ。外からはとっても考えられないんだ。しかも全部打ち放しですから

               
            ・・階段見上げスライド・・

んでこうでしょう、こういうとこに階段グアッとでてる。住宅金融公庫なんですよ。面積決まってるわけ。「これ以上大きくしたらいかん」という。実際に大きくなるのよ。だから階段はあとで付けた。
            会場笑い
そういう悪知恵は、猛烈に発達してる。
           会場 笑い
僕は有名だもん。悪知恵発達してる建築家として。今はもうしなくなったけど若い時は住宅の仕事が多かったですから。それは後打ちしたんよ。鉄筋溶接して後打ちした。

               
・・階段部天井見上げ写真スライド・・・

こういう複雑さ、一寸と信じられないでしょう。外観からは

              休憩
s:休憩します。1・1/2が日本に最初に載った「都市住宅」が有りますから、回しますので見てください。

w:さっきも言つたけど都市住宅に載る前にヨーロッパの雑誌に載つた

s:言い忘れましたが、渡辺さんが書いてた「芸能としての建築」の一部の「渡職人考」が載ってます。見てね。

                  
     

これもね谷間の様な空間を作ろうとしてね。深い堀とかね、これは階段室の方です。






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