自然に産卵された卵でも奇形の発生が見られた。千鳥浜のものでは、毎年奇形を確認しているが、今回は山口湾のものも調べてみた。
千鳥浜のものは、飼育するつもりで9月2日に採取したので卵の数は少ない。山口湾のものは、9月10日に採取、ほぼ2卵塊の卵である。こちらは、調査後翌日に干潟に返した。(奇形は標本にし、保存する。)
結果は次の表のとおりである。山口湾でも奇形の発生が確認された。ただ、千鳥浜のものよりも発生率は小さい。海水の汚染度を反映しているのか。千鳥浜のものでは、'92年産の卵では3.8%( 298個中)、'94年産の卵では1.6%(2068個中)であった。
王喜海岸 9/2 | 山口湾 9/10 | |
採取卵数 | 245 | 808 |
発生している | 165 | 722 |
正常発生 | 159 | 708 |
奇形 | 6 | 14 |
発生停止 | 80 | 86 |
奇形発生率 | 3.6% | 1.9% |
発生停止率 | 32.7% | 10.6% |
上左:千鳥浜王喜海岸で卵を採取。 上中:スコップで掘り出す。 上右:正常な卵。4回の胚脱皮を終えてふ化直前。 中左:ふ化した正常な1齢。 中中:奇形。 |
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下左:山口湾南潟北側の砂場で卵を採取。 下中:奇形。 |