清元 「三社祭」
    賛助出演
立方 猿若由麻 猿若世仕子

この曲は本来、四変化舞踊の内の一つで、天保三年(1832)に江戸中村座で初演された「弥生の花浅草祭り」という四段返しの二つ目に当たります。
場面は宮戸川岸で、二人の漁師が船に乗り網を打っているところから始まります。
「そなた思えば・・・」からは、当時流行した唄も挿入され、また台詞もあり華やかな踊りです。
「かかる折から・・・」は突如天から善玉・悪玉の面がついた雲が降りてきて、驚いているうちにそれぞれが二人に取り憑き、善玉・悪玉の踊りになります。
「悪にとっては・・・」からが悪尽くしで「それが厩さに・・・」のクドキを挟んで「とかく浮世は・・・」からは善尽くし、さらには玉尽くしとなり、賑やかなうちに幕となります。
日本舞踊では意表を突くほどに軽快で跳躍的な動き、激しい動きの多い演目です。
呼吸の合った演者同士の踊り競べが見どころといえましょう。