長唄 「巽八景」
    友情出演
立方 高藤孝美

作詞 二世立川焉馬。 作曲 十世杵屋六左衛門。天保九年(1838)開曲。
二世立川焉馬が、その頃時めく江戸の辰巳に当たる深川の遊里を背景にして、近江八景になぞらえて、その付近の名物や風物を叙したものを、十世杵屋六左衛門が作曲したもので、池田信濃守の邸で開巻したといわれています。
八景は、近江八景の「矢橋の帰帆」「三井の晩鐘」になぞらえて、永代の帰帆、八幡の晩鐘寺と、粋で、シャレた江戸前な歌詞に変え、全部三下りで通し、渋くて粋な深川情緒を描いた曲です。
舞踊でもそうした深川情緒や下町の詩情を生かして、歯切れよく表現することが眼目となります。