常磐津 「鶴亀」
立方 萩井花秀 萩井蓉秀
作詞 三世瀬川如皐。作曲 四世岸澤古式部。文久元年(1861)開曲。
振付 萩井栄秀。美術 碇山喬康。
長唄「鶴亀」は、謡曲の詞章をそっくり長唄に移した代表的な祝儀物で、秦の始皇帝が年頭にあたって、嘉例によって鶴亀の舞楽が奏され、皇帝も御感のあまり自身でも舞うという趣向になっています。
それに比べ、十年後に開曲されたこの常磐津の方は、詞曲ともにくだけたクドキ中心の語り物になっています。
謡曲「鶴亀」を思いきって和らげ、春の弾き始めの娘の気持ちから、クドキに折々原作の章句を使い、若衆を鶴に、娘を亀に見立てて、華やかな色模様の中に一陽来復を言祝いでいきます。