大和楽 「雪折竹」
立方 萩井左近

作詞 笹川臨風。作曲 大和栄棋。振付 萩井栄秀。美術 碇山喬康。
大和楽の創設期の昭和14年に東京で発表された新曲で、東京風な風趣な感覚が匂い出しています。
はじめは大空から舞い落ちる雪を雪衣に、静かな詩情でただよい、次には灯影もれる家の中から三味線の音が粋に聞こえてきます。
その後ぐんと人間くさい男女の世界、嘘と真実の迷いや悩み、人ごころの裏表の分からなさなどが情緒てんめんと踊られていきますが、ここが大切な見せどころです。
終わりは、ふけゆく夜の静けさの中で雪折竹の音だけが聞こえてくるという、詩情を深めた結びとなっていきます。