■群 舞■
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常磐津 「萩の月」 作詞 駒井義之。 作曲 十一代目岸澤式佐。昭和六十三年二月、巴会で初演。 振付 萩井栄秀。 この曲は、萩井流の繁栄を擬した曲です。秋の夜の月に映える 野辺の秋の七草の彩りを多様に述べながら、物思いする月影、 夜空に鳴く虫の音のなか、ひっそりと露に恥じらう萩の花を描いていきます。 また群生する萩の花の白色、紅色の花むらに戯れる十五夜の小狐、 霧にゆれる秋の夜景を述べながら、結びは紅い彩りの萩の花に、 月皓々と照り映える萩井流の行く末の寿ぎを詠っています。 |
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長唄「京洛の四季」 作詞 生田盛。 作曲 芳村伊十七。 構成、演出、振付 萩井栄秀。 京都の四季折々の風物を、大和楽風な美しい長唄の調べに乗せて 描写する、家元萩井栄秀の創作。 あでやかな芸妓舞妓の群舞による「都おどり」の風情を見せる春景色から始まり、 夏は加茂の河原の夕涼み、夜空を焦がす大文字の送り火、月の嵯峨野、高尾の紅葉、 そして金閣寺や船岡の雪景色など、変わりゆく自然の移ろい、流れゆく人々の営みを、 あでやかに舞姿で見せる「萩の会」名物の群舞。 (註 参考文献=「日本舞踊曲集覧」森治市朗著・柏出版) |