ガイヘルデビュー
早いものでドラも、もう3年生。
自閉症なので、とにかく「人嫌い」にならない事に重点を置いて今まで関わってきました。
おかげさまで今のところは、人と関わる事は大好きなようです。
もちろん問題はたくさんあるのですが、初めての宿泊学習を何とか無事に切り抜けて帰ってきたので
そろそろガイへルデビューをさせてみようと決心をしました。
支援費の申請の手順ですが、まず地域の担当部署に行き『現状の聞き取り』。
その後、子供の状態を確認する為に担当者の『家庭訪問』。
その後、役所に戻って『会議』にかけられて、時間決定がされるそうです。
我が家の場合は、最初の聞き取りの時点で「16時間は問題なくでると思います」という回答でした。
支援費というのは、基本概念は「本人にとっての余暇」を支援する為のものです。
もちろん通院などにも使えますが。
我が家の場合、ドラは「街歩き」が趣味である事(休日はほとんど外出しています。1万歩は軽〜く歩きます)
それには、必ず父が付き合っている事。でもドラパパは、平日は仕事で午前様。
とても疲れが溜まっていること。
母は数年前に大病をして、うっすらと障害が残っているので
ドラが飛びたしたりパニックを起こしたりする時に対応が出来なくなってきている事。
要するにドラの余暇活動に付き合うのには、家庭内だけではかなり辛い状態です。
・・・という理由で、申請は問題なくおりたのだと思います。
さて。時間数が決定したので、次は業者の選択です。
業者選びは迷うところですが、支援費は基本的に1ヶ月単位の契約なので
いつでも変更する事が出来、複数の業者と時間数を割って契約する事もできます。
聞いた話によると、業者によって得手不得手の時間帯があるそうで
「その時間はウチではなく、○○さんのほうが良いかも」などと紹介する事もあるのだそうです。
手順ですが、我が家の場合は『業者に連絡』。その後『自宅に来て面談』
我が家は着の場合はその際に「行った場所をデジカメで撮影してきて欲しい」という
こちらの要望を伝えました。
これはドラが写真でコミュニケーションを取る子供なので、絶対必要条件でした。
その後、サービス条件や業者の説明に納得したので『契約』をしました。
私は契約の際に「サポートブック」を持っていきました。
これはドラがどんな特徴の子供なのかをヘルパーさんに理解してもらう為のものです。
連絡先などの情報、身辺自立、コミュニケーション、好きなもの、苦手なもの
そして外出する際の注意点などをまとめたものです。
ヘルパーさんと子供が仲良しになる為のツールだと思っています。
そしてドラの担当のヘルパーさんは若いお姉様に決定。
いろいろと問題もありますが、これからゆっくりと慣らしていこうと思っています。
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この日は、ドラくんガイヘルデビューの日でした。
業者はいろいろと考えて、全国に支店を持つ大手と契約する事にしました。
良心的にやったくださっていると評判のNPOなどの小さな業者もあるのですが
こじんまりと経営なさっているので、電話をしても出なかったり
メールでの対応に関しても「?」というところが多かったからです。
私は将来の事を考えても、料金を支払う限りはそれなりに
「プロとしての対応」を求めたいと思いましたのでそこに決める事にしました。
さて、今回のヘルパーさんは若い女性。もちろん初めての事なので、母がお付き合いしました。
行き先はOという事で、ふらふらといつものコースを歩いていました。
ただ、母がいるとやはり要求が全部母のところにきてしまうので、お菓子をゲットした後
「おかあさん、先に家に戻ります。お姉さんと遊んできてね。夕方には帰ってくるんだよ」と説明。
あっさりと、母と別れました。
母は何かあったらと思い、しばらく周辺のカフェでお茶してから家に戻ったのですが
しばらくした電話がかかってきました。「あの〜、ドラくんおそば屋さんに入るって言ってるんですけど?」(爆)
・・・・・へっ?
どうしても入りたいと主張したら入ってもいいですと伝え、ヘルパーさんにお任せする事にしました。
どうやら甘味どころも一緒のお店だったようで(以前からじーっと見ていたお店だった)
結局入り、でもあまり食べなかったそうです。かなり、混乱してるのね。
後はトラブルもなく(でも帰りたがらなかったらしく、帰りが15分も遅れました)
ドラに「またお姉さんと遊びに行く〜?」と聞いたら、大きくうなづいておりました。
初回にしては、上出来だったと思います。
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この日はヘルパーさんとOに。何故かクレープを食べるなどとねだったらしい。
でも案の定あまり食べなかったそうなのですが。
びっくりしたのが、オヤツのグミをヘルパーさんにあげたそうです・・・母だって滅多にもらえないのに。
やはり若いオネーサマは良いのだろうか?(誰に似たのか)
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ヘルパーさんに「光と・・・」を貸し出ししたら、早速スケッチブックによく行く駅名を書いて
「今日は、どこに行く?」と聞いてくれたみたいです。
ドラは書いてる時、覗き込んでみていたそうで、そうやってヘルパーさん仲良く散策をして帰ってきます。
母はその時間ゆっくりと過ごせますし。本当に助かっています。
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ドラは何故か一緒にでかける人によって、行き先を決めてしまう傾向があるようです。
それは母やドラパパの時にもあるのですが。よくよく調べてみると、通る道が違ったりします。
ある日、いつも同じ場所にお付き合いしていたヘルパーさんが
駅の文字をみせて「ねえ、今日はYに行こうよ」とお誘いしたそうです。
このお姉さんと行く時は、いっつもKなので、パターンを変えようと思ってくださったらしい。
でもドラくんは「Kに行く」と指差ししたので、Kで降りていつものパターンで歩いていたそうです。
でも突然、ヘルパーさんのパックを叩いて、スケッチブックを出してくれと要求し
「Yに行く」と指差ししたそうです。結局Yにも遊びに行き、堪能して帰ってきたようです。
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母はサポートブックは提出していますが、実は具体的な関わり方は極力書かないようにしました。
そして大きな約束はふたつ。「オヤツは2コまで」と「時間になったら帰ってくる事」
あとはヘルパーさんとドラとの関係次第で、お任せしてしたいと思いました。
「自閉症者には、できるだけ同じ対応をする事が望ましい」というのは、正しいと思います。
でも「世の中にはいろんな人がいる」という事が理解できれば
全ての人が同じ対応をする必要はないのかも?と思っています。
要するに結局一番大事なのは「約束を守る事」なのではないかと。
ヘルパーさん達は、どの方もドラの事を可愛がっていただき
それぞれドラが楽しめるようにと一生懸命関わってくださっています。
そして面白いように、人それぞれ違う、ドラの特徴に気づいて下さいます。
関わり方は違うと思いますが、それはドラにとっては、あまり問題ではないようです。
何よりも時間が来ると、玄関まで走っていって、自分でリュックを背負い、帽子をかぶって
嬉しそうに母に手を振って出掛けるドラを見ていると、結構たくましく育ってくれてるなぁと
本当に嬉しくなってしまいます。
もろちん、母はその間のんびりとして時間を過ごせますし。
でもドラくん、突然ひとりで約束したと思いこんでる時もあるんですけどね(笑)
何に怒っているのか、わからない。でも、何かあるようなんです。
そういう時は、謝るしかないです。ストレートに「わっからんっ!ごめんっ!」って。
自閉症児に、親子の上下関係を理解させるほうがひと苦労なので
理解できない時は、こっちが謝ったほうが後々の人間関係はスムーズだと思います。
要するに、ドラと母は対等の立場なのです。
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