剣道の用語をまとまたものです。特にこの内容は茨城県の4・5段審査に出題された学
  科問題を掲載しました


  ●剣道の理念について
  ●守・破・離について
  ●剣道形の効果について
  ●気位について
  ●日本剣道形、小太刀の2本目について
  ●三節の礼について
  ●打突の機会について
  ●気剣体一致について
  ●三殺法について
  ●間合いについて
  ●目付について
  ●剣道の四戒について
  ●止心について

 1.剣道の理念について
   剣道は、剣の理法の修練による人間形成の道である。
   剣道は、もともと敵を殺すために起こったものではなく、自分の身を守るために起こったものと
   いわれている。武はほこを止むるという意味があり、また「殺人剣にあらず、活人剣なり」といわ
   れ、他人を活して自分も生きることが真の剣道であり、即ち剣道は精神と身体とを鍛錬するとと
   もに人格を陶治し、人間として自己完成を目指す教養の目的をもっているのである。
   現代の剣道においては、教育としての剣道即ちスポーツとしての剣道というところにその重要
   性を加えてきている。このような意味から剣道を通じ、必要な知識、技能の習得が出来るばか
   りでなく、人間的な面においても向上させることができる。
 
 2.守・破・離について

   剣道において、修業の段階をいったものです。
   《守》初歩の段階で師の教えを忠実に守り、練習に励み、技や筋を練ることをいいます。
   《破》初歩を乗り越えて前進することをいいます。すなわち、今まで学んだ教えを自分のものにし
      なお進んでいろいろな方法を学び、その長所を取り入れ、守の段階では得られなかった新
      しい面を知りいっそう強力となることをいいます。
   《離》破以上になり、一流一派をあみ出し、考え出すまでになることをいうのであって、独自の境
      地を見出し、奥義を見極め、師から離れ、師以上になることをいいます。

 3.剣道形の効果について
    剣道の基本的総合的な理合を会得できる。
    刀の操法の原理として正しい太刀を筋を初め、手の内、構え方、体捌き、間合、格技、打つべ
   き好機、気剣体一致、三殺法、気合、呼吸等、剣道の動作を基本から総合まで会得する早道で
   ある。
    また、形を練習することによって、剣道の発達過程がわかり、武士道、武道精神、古の武士の
   鍛錬法にもふれることができて、精神的な面の鍛錬に一層効果がある。
    又は、剣道形は、剣道の技術の中でもっとも基礎となるものを選んで定められたもので、別な
   言い方をすれば、正確な打突、機敏な動作、間合の修得、気合、わざの悪いくせを正して、各流
   派の神髄を伝えようとしたものです。
  
 4.気位について
   剣道における精神面の高さをいうものであり、見るものにひしひしと迫る気の充実を高い気位と
  いう。気の働きが、心を充実させ積極性をもりあげると同時に、身体のなめらかなで旺盛な働きを
  つくりだす。

 5.日本剣道形、小太刀の2本目について
   @ 打太刀は下段、仕太刀は中段半身の構えで互いに3歩進む。
      打太刀は、身を守ろうとして、下段から中段になろうとする。仕太刀は、これを押さえて入り
    身になろうとする。

   A 打太刀は押さえられまいとして、これをはずして脇構えに開く。
     仕太刀は、すきを見て速やかに一歩踏み込む。

   B 打太刀は、やむを得ず脇が構えから振りかぶって「ヤー」のかけ声で正面を打つ。

   C 仕太刀はただちに入って、右しのぎで受け流し「トー」のかけ声で正面を打ち、打太刀の
     二の腕を押さえ、剣先をのどにつけて残心を示す。

   D 双方相中段となりつつ、刀を抜き合わせた位置にもどる。

 6.三節の礼について
    神に対する礼、師に対する礼、同僚に対する礼という。
   剣道は礼に始まり礼に終わるとされているように礼儀を尊重している。剣道の修業は両者が
  全身全力を注いで秘術をつくすという闘争の間に行われるものであるから一歩あやまれば粗
  暴に流れることを戒め、精神修養の上から礼儀を尊ばなければならない。
  
 7.打突の機会について
   剣道においては、双方が絶えず動いているものであるから打突すべきよい機会は、瞬間的
  に生ずるから絶えず動きに注意し、打突の機会を見つけなければならない。
   昔から三つの好機(三つの許さぬところ)があるといわれる。
     @ 相手の起こり頭
     A 受け止めたところ
     B 技のつきたるところ
  《起こりがしら》
   技を出そうとするときには必ず構えに変化が起こります。相手が、面なり小手なりを打ってこ
   ようとする、そこをすかさず打突することを「出ばなわざ」ともいいます。非常に大切な「先の技」
   です。
  《受け止めたところ》
   相手がこちらの技を受け止めたところは、技の尽きたところと同様、完全な虚で、敏速に打突
   すべき機会です。
  《技の尽きたるところ》
   互いに攻め合い、技を出し合ってその技の尽きたるところ、また思い切って面なり小手なりを
   打突してきて失敗した瞬間のことをいいます。この瞬間は完全な虚であってすばやく打突する
   機会です。

 8..気剣体一致について
   気---充実する気勢、鋭い気分をいうのであって心の動的な面を指す。
   剣---太刀(竹刀)のことで技という意味である。
   体---正しい姿勢態度、鍛えられた体力を意味する。

   この三つが、剣道の動作において瞬間的に働いて初めて有効な打突となるものであって、剣
   道修業上大切な教えである。
   
 9.三殺法について
   道において相手を攻撃し勝を制する大切な方法である。
   即ち刀(竹刀)を殺し、技を殺し、気を殺すという方法で、相手の気、剣、体の総合動作に 対し
   機先を制し自由を奪い自分の動作を有利にして攻撃打突し、勝ちを制することをいうの である。
   《竹刀を殺す》
    相手の竹刀を左右に押さえ、あるいは巻いたりして剣先を自分の体の中心線から離れさせ、
    相手の打突の機会を失わせることです。
   《技を殺す》
    たえず相手の先をとって、相手に技を出す余裕をあたえないようにすることです。
   《気を殺す》
    気力を全身にみなぎらせ、つねに、先の気分を持ち、相手が打突しようとする気の起こりが
    しらを押さえて、相手の気力をくじくことをです。この気を殺すことは、相手の竹刀を殺し、技
    を殺すことと並行して行われるもので、無理をしてやろうとすれば、かえって失敗して相手に
    打突 される機会をつくります。

 10.間合いについて
    間合いとは、相手と自分とが相対したときの距離をいうのですが、同時に、この物理的な位
    置関係だけでなく、心と心の関係も間合いということいえます。
    《一足一刀の間》
    この間は、一歩踏み込めば相手を打突でき、一歩さがれば相手の打突をはずすことのでき
    る間をいいます。
    《遠間》一足一刀の間より遠い間をいいます。
    《近間》一足一刀の間より近い間をいいます。
    この他に、自分の手元の勢力範囲を「わが間」、敵の手元の勢力を「敵間」、精神面で、相
    手の出方を正しく判断し、体勢や、精神面を総合して自分から打ちやすく、相手から打ちに
    くい位置関係をとって戦うことを「心の間」といいます。

 11.目付について
    相手に対する着眼点のことを目付といいます。目は心の窓とか、目がものをいうとかいわれ
    て人の意志の発動はまず目にあらわれるものです。
   《遠山の目付》
    相手をはるか遠い山を見るように、構え全体を見て、調和がとれているか、どこにスキがあ
    るか見破ることです。
    その他に相手の目を通してその意志を察することが必要で、これを「二星の目付」、目を中
    心に相手の顔面に注目することを「谷の目付」、相手の剣先と相手の小手との二つの動き
    に注意す ることを「二つの目付」特に小手に注意することを「楓(カエデ)の目付」という。
    また、相手の肩に力が入って凝りがあらわれるのを「蛙(カワズ)の目付」という。

 12.剣道の四戒について
    驚、懼、疑、惑の四つは剣道において戒とされている。
    驚(おどろく)
    突然の出来事に心が動かされ、一時心身の活動が乱れて正常な判断や適正な処置を誤り
    茫然自失してなす術のない状態をいう。
    懼(おそれる)
    恐怖心のおこることで、こういう時に心身の活動が渋り進退の自由を失う状態をいう。
    疑(うたがう)
    相手の心や挙動を疑って見定めない心の状態で、自己の意志決定ができず決断がつかな
    いで、体の自由を失い相手の動作に応ずることができない。
    惑(まどう)
    心が疑うことで、心惑うときは、精神昏迷し、敏速な判断も軽快な動作もできない。
    剣道は、体力と技を練ることも大切であるが、精神的修養に努め、自分自身の心の持方を作
    ることが大切である。

 13.止心について
    止心とは、心があるひとつのことに奪われて、他のことが見えず、注意力がゆきとどかず、相
   手に負けをとることをいいます。剣道ではもっとも警戒すべきことです。
    例えば、相手と向かい合って練習しても、ただただ相手の竹刀を受けよう、はずそう、かわそ
   うと、そのことばかりに心を止めて、相手の竹刀しか見えない心にあることを「止心」というので
   ある。こうなると、注意力がただ一点に凝結して、相手の体の動きや心の動きを洞察すること
   ができず、同時に自分の心の動きも堅くなって、相手に打ち込まれることになります
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