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待望のユニバーサルプレーヤー!

 DVDビデオ・オーディオそしてSACDが再生可能で、高性能なマルチプレイヤーが発売されるのを心待ちにしていた。新しい機種が発売される度に雑誌やカタログを読みあさり、AVACの鈴木君に相談したり・・・を繰り返していたのだが、なかなか決め手になる映像と音質に良い点を付けられるものが見あたらなかった。
 最初に購入したパイオニアのDV−10Aもさすがに古さを隠せなくなり、しかたなくDVDオーディオをあきらめ、レコーダーのRD−X3をメインに使用していたがいくらDACが数値的に良くても、やはり画質に物足りなさがあった(X4では改良されたようだが)。またCDをかけると曲の頭が飛ぶことが再三起きるようになった。
 音質面から見ると低域に関しては、やはりトロイダルトランスを使った電源のしっかりしたもの、筐体がガッシリ作られた重量級で、振動対策に気を使ったもに定評がある。いくらデジタル補正を効かしても、盤とピックアップ双方に振動の悪影響が出るらしく、TEACの超高価なものは振動対策に徹底しているほどだ。デジタルとはいえやはりアナログで培った技術がものをいうようだ。
 オーディオの方は今までプりアンプのDACに頼っていたが、SACDはプレーヤーのDACからアナログ出力されるので、プレーヤーの性能で決まってしまう。画質の方も最近はデジタル接続やリンクばかり取り上げられているが、3管プロジェクターにはアナログ出力をつなぐわけだから、最新の216MHzDACや高精度のプログレが欲しい。そろそろ我が装置も高い次元を目指してワンランクアップしたいところだ。
 今秋、DENONから発売になったDVD−A11にずっと目をつけていたのだが、パイオニアのS969もコストの面で気になる。相談してみるとやはり音質で差があるようだ。パイオニアにも以前は最高の音質を狙った重量級のものがあったのに、やはり採算の問題だろうか。
 ダブルウーファーの我が装置にはDENONの方が低域の再生から見ても良さそうだし、専門誌を読むと画質も3管プロジェクターに向いているようだ。6万くらい差があったが結局A−11を購入した。後悔するのは嫌だから…。
 使用頻度が極端に低くなったLDプレーヤーを外して、前方のラックに収めることにした。長めに作られていて余裕があったRD−X3のケーブルを流用してコンポーネント接続する。新たに5mのD端子ケーブルを買いX3に使用。DC-3000に5系統の入力があるので切り替えて比較もできる。
 音の方はデジタルとアナログ両方をつないだ。プレーヤーのMODE切り替えでPURE DIRECTにすれば、アナログのみの出力になる。CDはどちらの方が音が良いか実験中。デジタル出力でも各チャンネルにAL24 Processing Plusという独自の回路が効いてアナログ波形が良いらしい。
 
 さて性能は・・・まだ使い始めたばかりだが、その差は歴然!素晴らしいの一語に尽きる。画も音もハッタリのない上品な、繊細さと力強さを兼ね備えたもので、ウィスキー言えば熟成した30年物のバランタインと言ったところか。我が装置がまた一段と冴えてきた。というより自作のスピーカーがこんなに良い音を再生するとは…と、思わずニッコリしてしまうくらいだ。映像に関してもG-70の諧調の深さが一段と生きてきた。DVDがこんなに綺麗な画を映し出せる実力を持っていたことに驚かされた。
 
★CD 低音のテストによく使うCD「WOOD」をかけると、今までは低音の量感はあってっもウッドベースの超低域にしまりがなかったが、低い所までよく制動の効いたダンピングの良い音がする。強く張った弦を硬い指が弾いている音が凄い。RD-X3と聞き比べると弦の張りが違って聞こえるくらい、その辺の音の違いが良く分かる。ピアノも響きが茫洋として大きすぎたのが、ガシッと締まった音になった。超低域の弱いスピーカーだと腰高に感じるのはそのあたりのせいかも知れない。シンバルが超高域まで延びる。全体にノイズレベルが低いので、音量を上げてもけっしてうるさくならず清々しい音だ。男性ヴォーカルが伸び伸びと唄い、女性はしっとり聞かせてくれる。
 チック・コリアの「リメンバリング・パド・パウエル」などは、CDにもこんなに良い音が入っていたかと思うくらい、見通しが良く、決して刺激的にならない良い音になった。基本的性能が良いのと、デジタル補正が効いているのだろう。

★DVD 映像はきめ細かく、ノイズが殆ど見えないので画の立体感が出る。とっかえひっかえ視聴を繰り返したが、どれもシットリトした画を見せる。例えば「グラディエーター」の冒頭の戦闘シーンが、少し暗めの朝もやの中での墨絵のようなカラーの諧調が素晴らしい。

★SACD 当然ながらレンジが広く緻密な音で、何を聞いても素晴らしい。CDとは全く違う世界の音だ。
 アナログ出力なので、プりの同じCD入力にデジタルとアナログをつなぐと、アナログ入力を感知しない(デジタルOFFがついている)。アンプへ5.1でつなぐのがデジタルと分けなければならず厄介だ。5.1入力の切り替えがついていない、今までのAVアンプでは対応に難しい面がある。プレーヤーのDACや設定に全てを任せるか目下検討中。

★JBL独特のジリッという音を狙ったアイデンをやめ、スーパーツイーターをFOSTEX T90Aに変更。高域が爽やかでヌケが良くなり、シンバルの音が近代的サウンドに変った。弦の響きも綺麗だ。

Last Update : 2003/12/22 13:53 << back