音質を改良!超低域が恐ろしい…
★超低域までフラットに!
「ホームシアター」誌の取材で市川氏を訪ねた時、「宇宙戦争」の超低域というか、まさに部屋が揺れ動くような振動のすさまじさに驚き、我がシアターも早速改良に取り組んだ。
かつて来訪を受けた時、超低域のレベルが低いから、ウーファーのボックスをバスレフにするよう提案を受けていた。ところがバッフルにはスペースが無いし、底面はコンクリートで固めてあるから容易に穴を開けることはできない。何か他の方法はないかとずっと思案していた。
このところまたオーディオ専門誌を読む機会が増えたのだが、バスレフ方式にも、音の混濁や、チューニングした周波数あたりに再生する音楽との相性など色々と欠点が有るらしい。私の作ったマルチダクト方式はバスレフと密閉の中間のような特性でダンピングは良いのだが、もともとウーファー1本用に作った箱に、映画のために欲張ってダブルウーファーを詰め込んでいるので容量不足は否めない。20〜60Hzは密閉箱の様にダラ下がりの特性だ。そこで低域のカットオフを思いっきり下げてみることにした。アンプのクロスオーバーと実際の再生周波数のクロスオーバーは、スピーカーの特性で全く変わってくるからだ。特にウーファーは40センチクラスだと100Hz以下はダラ下がりだから、何らかの補正をしないと超低域の再生は難しい。
ヤマハのアンプについているハイカットを思い切って60Hz位まで下げてみた。こうすれば150Hz辺りのレベルが下がって、見かけ上のレベルが低い方までフラットになる。能率は落ちるがアンプの出力は1本辺り250Wくらいあるから十分だろう。中低域のカットオフを100Hzの6db/octにして、中低域以上のレベルを下げて全体の音圧レベルのバランスを取り直す。これでかなり低い方まで出てきて「宇宙戦争」は、まるで部屋の気圧が変わるような超低域が体を揺さぶり、とても怖くなった。
狙い以外の相乗効果もある。ウーファーの高いほうが消された為か、位相が合って来たのか、音の濁りが消えてとてもスッキリした音に聞こえる。こうなると人間は欲が出るもので、またまた音質は向上にむけて意欲が湧いてきた。
超低域まで延びたことは延びたのだが、どうもダンピングがイマイチなのだ。自作のポート式ボックスは、両サイドに3個づつ縦にポートが並んでいる。試しに片側の2個に雑誌を挟み込んでふさいで見た。これはいける!バスドラの張りが変わった様にうねりが出てきた。色々試した結果、両サイドの中断を塞ぐのが良いようだ。上下2個のウーファーの後ろからの音が、ポートから混濁して出ていたのかもしれない。ベースのボディーの唸りが自然になった。
YAMAHAのプロ用アンプの安いものだが、Hi・Lowパスフィールターが付いて、簡単にバイアンプにできるし、ダンピングの良い超低音を出してくれるお買い得製品だ。
スピーカーの中段のポートにAV REVIEW誌などが2冊ずつ挟んである。
★2006/9
ダブルウーファーのローパスのカットオフを、下のスピーカーを60Hz、上を150Hzにずらした。JBLの最新モデル「エベレスト」を参考にしたのだが、これの方が低域のふくらみが自然でミドバスとのつながりも良い。
★振動対策
自作のラックは21mmベニヤを裁断して作ったものだから、どうも振動に弱そうだ。おまけに正面のスピーカーの間にセッティングされているから、いくら床が丈夫に作られていても、大音量時には振動や波動の影響を受けていそうだ。ラックの振動はそこに収まっているアンプやデッキに悪影響を及ぼす。
良く行くホームセンターの「ユニディー」にアスファルトと鉄粉などを混ぜて作った防音用の板が売られているのを見つけた。壁の板にサンドイッチにして使う為の物らしい。けっこうな重さがあり90×45×5mmで1枚670円。異質なもので振動係数を変えてやれば少し効果があるかもしれないと思い、これをアンプやデッキの下に敷いてみることにした。
カーッターで数度切れ目を入れると簡単に裁断できる。ラックの寸法に合わせて切り、プリアンプとDVDデッキの下に敷いてみる。残ったほうが40センチ足らずなので上に載せた。
結果は…全体に静かになり音が澄んできた。やはり再生音の影響をモロに受けていたのだ。
ホームセンター再び出かけて行き、重いのを我慢して10枚くらい買い足し、全てのアンプの下に敷き、ヤマハのパワーアンプはエアーダクトが無いので上にも載せた。さらに買い足して2枚重ねにしてみようと思っている。
有名なメーカー製のボードにも、同じようなものがサンドイッチにして使われている。
★オーディオとシアター両用のための苦肉の策…
このままスクリーンを下ろせばホーンにぶつかるか隠れてしまう。そこで、映画を見る時には、両サイドのツイーター(銀色のふちが付いる)が可倒式になっていてボックスの横に倒れる。その上にホーンをずらして、スクリーンの横へはみ出させるようになっている。われながらグッドアイデア。
★2006/9
ホーンが高すぎて音のつながりが悪いし定位する音像も高い。JBLのARREYを真似て縦置きにし台に載せた。これが大成功で音質も定位も俄然良くなった。
スピーカーが両サイドの壁に近づいたぶん壁の反射音の混濁による歪など、いろいろな影響が出てくる。高域の反射がなくなると広がりが出ないので、丸い棒を壁につけて乱反射させ、音が拡散するようにしてやる。
★2006/9
丸棒の間に同じ長さの直径4cm位の塩ビ管を取り付け、切り売りの絨毯を交互 になるように挟み込んだ。反射音が整理された為なのか、響きがスッキリして聞きやすくなり、音の広がりも殺さずに済んだ。