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さらば!3管プロジェクター

 約10年間愛用してきた、SONYの3管プロジェクターVPH-G70QJに別れを告げることになった。当時は家庭用としては最高クラスと言われてきた性能だったが、最近のデジタル技術の発達は、固定画素のプロジェクターの性能を一気に引き上げた。使い勝手のみならず、画質の面でも3管を上回ってしまったようだ。
 山荘用に買った三菱のLVP-HC6000と3管を見比べていたのだが、解像度が比べ物にならないほど上回り、クロ浮きもまったく見られなかった。スイッチを入れれば余熱など無しにすぐ綺麗な画像が出る。リモコン一つで画像の調整から、シフトやサイズの切り替えまで簡単にこなす便利さも素晴らしい。
 これなら、地震の際の落下という危険な思いまでして、3管にこだわる必要がなくなったと感じた。
 そこでメインのプロジェクターに、評論家の方々の評価も高い、VICTORのDLA-HD750を導入することにした。80Kg以上の3管の取り外しはプロに任せる以外に無い。おなじみのAVACに依頼し、新しいプロジェクターの天吊り工事もお願いした。
昨年暮れに、約半日の工事でプロジェクターの入れ替え作業が完成。まだまだ使い込んでいないが、その画像の美しさと解像度、立体感は素晴らしいの一語に尽きる。
 ところがである。三菱のプロジェクターの開発の第一人者である佐藤氏から、HC6000を新製品のLVP-HC7000と交換するから、ぜひ使ってみて欲しいと、雑誌社を通して、提案があった。VICTORをメインに使うからと、一度は丁重にお断りしたのだが、2台を見比べたり使い分けたりするのも楽しいので、お言葉に甘えることにした。
 こちらの方は天吊りのパーツを買って、自分で工事をし、写真のような具合になった。
 3管を導入するとき、三菱のLVP-2001の画像の素晴らしさにほれ込んで、何度か佐藤氏の説明会にいったことがある。あのときの輸入版DVDによる「恋に落ちたシェークスピア」の、輝くような衣装の美しさをなかなか再現できなかった。たぶんスクリーンの種類や、微妙な調整など、使いこなしに問題があったのだろう。三菱は調整が素人に困難ということで、SONYに決めたのだが、我が家のスチュワートのスクリーンをもってしても、あの輝きがいまいちという感じだった。
 VICTORで、HD放送から録画した「恋に落ちた…」を再生する。初めて我が家で本当のこの映画の美しさが再現できた。女王の宝石をちりばめた衣装など、輝きも色調も素晴らしい。クロを基調とした画面の美しさもいい。
 両機とも映画の鑑賞に重きを置いて開発されているという。値段的にも半分以下のHC7000が、果たしてどのくらいの映像を出すのだろうか。そこでHDMIを差し替えて、MITSUBISHIで見てみた。
 これがビックリ!!!全くといっていいほど、変わらない美しさなのだ。2つの画面を並べて、暗部の諧調などといった細部まで見比べているわけではないが、パッと画面だけ見たら、どっちのプロジェクターの画か、今のところ私には判断が付かないくらいだ。
 佐藤氏が自信を持って提案してきたのもうなずける。開発にかかわる方々の信念に頭が下がる思いだ。

約2か月使用
 普段は、ビクターをHDMI接続で映画。三菱をコンポーネント接続でテレビ中継などを見ている。HDMIを差し替えて、交互に映画を見ると、ちょっとしたところで差を感じることがある。
 例えば『ダークナイト』の、偽バットマンとの戦いのシーンのように、暗い所で逆光が差し、しかも早い動きになると、三菱はちょっと苦手。なんとなくシャカシャカした感じがする。またオートアイリスが作動する為か、字幕と画面の明るさが変化するから、少し目が疲れる。
 まあ値段が違うから、この程度の差は仕方がない。映画はそんなシーばかりではないから、その辺のところに目をつむれば、コストパフォーマンスは三菱が上かもしれない。

Last Update : 2009/01/04 12:40 << back