葺 石(ふきいし)

森将軍塚古墳 更埴市教育委員会 提供

 古墳には封土の流出を防ぐと同時に、荘厳さを増すために、墳丘斜面を礫で覆ったものが見られます。
この礫のことを葺石と呼び、拳大から人頭大の河原石が用いられました。
 現在は樹木で覆われ、緑豊かな森のように見える古墳も、築造当時は幾何学的で人工的な形態をしており、表面は葺石で覆われて遠くからでも一目で識別でき、見る人に被葬者の偉大さの誇示と威圧感を与えたのではないでしょうか。
 右の写真は長野県更埴(こうしょく)市の標高490mの尾根上に4世紀後半に築かれた全長約100mの前方後円墳森将軍塚古墳で、1991年に築造当時と同じ材質、工法で復元されました。斜面には葺石が、墳頂には埴輪列が見られます。

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