平成18年旧暦睦月朔日(1月29日)

旧暦の正月 フォー


        


『ポチ』のいわれ


ポチといえばすぐに犬の姿がうかぶほど、私たち日本人にはおなじみの名前ですが、そのいわれはというと案外知られていません。

日本上古代神道では「ゝ」(チョン)を宇宙の主神とみなし、その形状をポッチ、またはポチ(ホチ)と呼びます。

語源をたどれば漢字の「主」の古字が「ゝ」であり、これは神や上位のものを表す印だそうです。(王の上にあるものの意味)

太古から犬は常に人と共に暮らし、危険を知らせたりその財を守る役を引き受けていました。犬は人の仲間であり、守り神だったのです。(縄文時代の犬の墓に花を供えた跡が見られるそうです)

ゆえに、古代人が特に神聖視した白犬を「ポチ」とよび、それがいつの頃からか犬一般の名称になっていったと思われます。

今に伝わる昔話の「花咲爺」にも裏の畑で鳴いたポチが正直爺さんに大判、小判をざくざくともたらした話は有名です。

平成十八年戌年が、皆さまにとって良い年となりますようにお祈りさせて頂きます。
サン・グリーン出版・古事記のものがたり
小林晴明・宮アみどり

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