北海道 氷でできた不思議な神社 2005年2月22日
 


幻想的な雪のアイヌコタン 


トワイライトエクスプレスで「北海道」へ


「飛行機なら大阪から北海道まで一時間半で行けるのに…、何を好き好んで23時間もかけて北海道へいくんだ。」と言う人もいるが、これほど贅沢な旅はないだろう。まさか寝台特急に乗れるとはね。これも格安旅行を企画している某旅行社のおかげです。

大阪駅12時発のトワイライトエクスプレスに乗り込み個室のカギをもらって列車の説明を受け、すぐに弁当を持ってサロンカーへ直行。サロンカーの車両は天井までの大きな窓になっているのでとても開放感がある。シャワー室もあって、落ち着いた雰囲気の内装はまるでホテルのようだ。ソファーやテーブルは全部日本海側を向いていて、沿線の景色が見えるようになっていた。

さっそく席に座って動き始めてすぐに弁当を食べた。非常にうまい! と思えるのは豪華な雰囲気のトワイライトのせいかな?

車窓の景色は煩雑な大阪のビルの間を抜け、住宅街を抜け、田畑が見える郊外を抜け、やがて琵琶湖が見え始めた。どんどん民家が少なくなり、トンネルを抜けて富山県の山間部へ入るころには、窓の外は一面の雪景色になった。

日本海側と太平洋側とはこんなに違うのかと改めてびっくり。それにしてもあたり一面真っ白。

新潟に入るころに、雪が降り始めた。
この辺りは『古事記』の八俣大蛇退治のところに出てくる「古志の国」でもあり、沼奈河姫の国でもあり、ヒスイの国でもある。その中を濃いみどり色のトワイライトエクスプレスは一路、山形県、秋田県、青森県、そして北海道へと北上してゆく。

三年前にC,Wニコルさんに取材をしたことがあるが、彼は「北に流氷が着岸して、南にサンゴ礁に囲まれた島を持っている国は世界中探しても日本だけ! みなさんは自分たちの国のすばらしさをもっと知ってください」と話していた。その時からこの目で一度は流氷を見てみたいと思っていた。それにしても車窓の景色はすばらしい。本当に日本は美しい国だ。



さっぽろ〜。札幌〜。


あーよく寝た。列車の速度は60キロぐらいなので振動がとても心地良かった。おまけに個室の上段は寝ながら外の景色を見れるので大満足。日が落ちて外が暗くなると何も見えなくなったが、それでも外灯や駅を通過するときはそのぼんやりとした光の中に雪が激しく落ちていくのが見えた。

北海道の中でも札幌は比較的雪が少ない所なのに、今年は札幌市内もいつもの三倍も雪が降っているとのこと。

背丈を越えそうな雪の通路の間を通って通勤の人たちが足早に駅に向かっていた。

札幌駅に着くと同時に小雪が舞いだし、大型のバスに乗って高速道路に入ったとたんに吹雪が激しくなったので、ガイドさんと運転手さんはハラハラドキドキしていた。

なんでも高速道路が通行禁止になった場合に、一般道を使って走ると、今日の宿泊地に着くのが深夜になってしまうらしい。とにかく北海道は広いのだ!

それでも初日は阿寒湖温泉までのバス移動だけなので、私たちはかえってこの吹雪が珍しくてガラス窓の曇りをしょっちゅうタオルで拭きながら、両側に移り変わる白銀の世界を堪能することができた。
 


幻想的な氷爆祭りと氷爆神社

層雲峡の氷爆祭りは今年で30周年。
石狩川の川の上に、氷のお城や氷の鍾乳洞、氷の回廊に、氷のトイレなどが、グリーンやブルー、パープルなどの光でライトアップされている。


この氷爆祭りで面白いもの発見!

それは、氷で出来た神社。(右写真)その名も、氷爆神社だ。

この氷爆神社は、石狩川の川上にある、大上川神社の宮司さんが毎年祭りが始まる前に、会場作りの安全と祭りが無事でありますようにとお祓いをしにこられるれっきとした神社なのだ。この氷爆神社は日本一冷たい神社だと思う。

神社の中にはご神体まで収まっている。このご神体、なんと氷で出来ているのだ。写真のように150センチほどの卵形。

作り方は、いたって簡単。桶に水を入れて凍らす、それをいくつも上に積み重ねていって形作る。中は空洞になっていてライトを入れてある。丸い模様になっているのが桶で作った氷の形。黒い粒々の模様は、参拝者がお賽銭を貼り付けていったもの。小銭は指を氷につけていると… あらあら不思議ぺタットすぐにくっつくのだ。

神社の内部の壁にもお賽銭がいっぱい星空のように貼り付けてあった。ここで一体何のお願いをするのでしょうか。


フクロウの守り神のいる
アイヌコタンの門



氷点下(−18度)の阿寒湖での氷上祭りと冬の花火を見た後、ツアーのみんなは温泉目当てにさっさとホテルに引き上げていったが、せっかく来たのだからと「アイヌコタン」まで足を伸ばすことにした。

吹雪の中15分ほどの道のりを、滑りながら歩く。童心にかえったように楽しい。

余りの寒さとこの吹雪の影響で、温泉街の土産物屋さんにはほとんど観光客の姿がなかった。ようやくたどり着いた「アイヌコタン」にも人影がなく、両側に並んだ木彫りの店の明かりだけが舞い上がる吹雪の中で幻想的な光景をかもしだしていた。

暗闇に目を凝らすとどこからか、フキの葉っぱの傘をさしたコロボックルのおじいさんがひょいと現われそうな気配だ。

手袋を脱いでシヤッターを押していたので、手が冷たくなって痛くなる。デジカメが余りの寒さにギッーという油切れのような悲鳴をあげて機能を停止してしまった。

お店の中へ入ると木彫りのフクロウやペンダント、お面などがずらっと並んでいた。かえるの神さま(ビッキ)はないかと探したが見つからなかったので、コロボックルを買った。フキの葉っぱの木彫りもついていてとてもかわいい。高さ8センチ。



巨大な熊出現!

北海道で一番大きなヒグマ! に遭遇。ツアー客の一人が食べられてしまったために皆急いでバスに乗り次のところへ。



神秘の湖・摩周湖

北海道二日目は昨日と打って変わったように快晴に恵まれた。いつも霧に包まれてめったに全貌を見せてくれないという有名な摩周湖・。真っ白な雪に覆われたアイヌの聖なる山・カムイヌプリの荘厳な姿が青く透き通った湖面に映えて絵葉書以上の迫力だった。


流氷は生きている


流氷ファンというのは結構たくさんいるらしい。冬の間ならいつでも北海道に行けば見れるとばかり思い込んでいた。しかし、流氷はその日の天気によってあっちにいったり、こっちに来たりしているので、そんなに簡単に見れるものではないようだ。

ツアーの中には今年で三回目の流氷ツアー挑戦の人や、中には七回目のチャレンジというご夫婦もいた。その人たちの話を聞いていると、一回目の挑戦で流氷に出会えた今回のツアーがどんなにラッキーだったかが、良くわかった。なんでもその人たちは昨年も流氷ツアーに参加したようだが、まず、トワイライトエクスプレスが動かなくなったという。

ジョイントかなんかが凍結し、青函トンネルを抜けたところの小さな駅で止まってしまった。札幌までバスの代行運転に乗車したものの、今度は高速道路が通行止めになったので、その日の内に阿寒湖温泉に着けず、コンビニのおにぎりをバスの中でかじりながら、途中の小さな温泉に宿泊。

もちろん流氷も海が荒れて砕氷船も運休! 帰りの飛行機が空港閉鎖で乗れないので、自腹でホテルに泊まった!!! なんてさんざんな話を露天風呂の中で聞かせてもらって、思わず天に感謝してしまった。

この矢印は一体何でしょう?

ところで、バスで北海道を走っていて何度も見かけた標識があったのでとても気になったのですが、誰かこれを知りませんか?
わかった人は掲示板に書き込んでね。

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